![]() あの名作「テロリストのパラソル」から4年です。 トップの不倫、暴力団、政治屋、粉飾決算、リストラ、株価の暴落、吸収合併。最近の企業内幕ものの素材でいい加減うんざりする読者層も多いことでしょう。トップ層の無能、倫理観の欠如、あるいは権力欲、金銭欲、ポストに対する執着心などが大組織をも崩壊させるとの単細胞的思考で描く、あまりにも類型的な暴露的企業小説が溢れかえっている。しかし、激変の環境におかれた現実の経営は決してそんな単純なものではないだろう。 この作品は同様の素材を扱い、しかもハードボイルドタッチのクールなアクションがふんだんに盛り込まれながら、久々に私が私の仲間たちに「ぜひ読むべしと」薦められる充実した内容を持っている。 企業小説でその実装を的確に捉えているものは数少ない。数少ない中では高村薫の「レディ・ジョーカー」があったが「てのひらの闇」は もっと時代が今と接近している。 今、民間企業はそのものがこれまでの延長線上に明日はない、窮状に置かれている。加えて、私達の年代は長いサラリーマン人生の終着点に立たされている。二重の意味で先が見えない。あるいは先がない。年老いた親がいる、独立できない子供がいる、ローンも残っているな、いつ転職か、解雇か、出向かと思い巡らし、寿命だけは無限にあるような気がしている。過去を振り返りその軌跡を自らの責任で評価するそうした崖っぷちに立っているのである。崖っぷちでこそ自信を持って自らの軌跡を評価できる美学を持ちたい。と、こういう人は多いんじゃないかしら。そういう人にぜひ勧めたい作品です。 参考「テロリストのパラソル」 アル中バーテンダーの島村は、過去を隠し20年以上もひっそりと暮らしてきたが、新宿中央公園の爆弾テロに遭遇してから生活が急転する。ヤクザの浅井、爆発で死んだ昔の恋人の娘・塔子らが次々と店を訪れた。知らぬ間に巻き込まれ犯人を捜すことになった男が見た事実とは……。史上初の乱歩賞&直木賞W受賞作。 参考「てのひらの闇」 二人の男の道を決定づけたのは、生放送中のスタジオで発せられた、不用意な、しかし致命的な一言だった―。二十年後、その決着をつける時が訪れ、一人は自死を、一人は闘うことを選んだ。著者の新たな到達点を示す傑作。 |
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藤原伊織
Counter: 0, today: 0, yesterday: 0 藤原伊織 † 名前:藤原伊織(ふじわらいおり) 【blogmap】 生年月日: 出身地: 受賞歴:「テロリストのパラソル」で、江戸川乱歩賞、直木賞受賞。95年度週刊文春傑作ミステリー・ベスト10第1位。96年度このミス第6位。 ... ...続きを見る |
PukiWiki/TrackBack 0... 2005/03/17 16:13 |
藤原伊織氏のガン発症
<藤原伊織さん>小説誌に寄稿し食道がんを告白 [ 05月22日 19時22分 ] 毎日新聞 直木賞作家の藤原伊織さん(57)が、食道がんを発症し、5年生存率が約20%と告知されていることが分かった。発売された小説誌「オール読物」6月号(文芸春秋)に寄稿して、自ら明らかにしている。 寄稿によると、がんが分かったのは今年2月中旬で、3月中旬から断続的に入院して放射線治療などをしていた。6月に4回目の入院予定。 藤原さんは、95年の作品「テロリストのパラソル」で江戸川乱歩賞と直木賞... ...続きを見る |
日記風雑読書きなぐり@WebryBlog 2005/05/25 01:39 |
2002年6月1日 「旧い日本的なこころ」を捨て切れない男たち「蚊トンボ白髭の冒険」
今、無残にもメルトダウンしつつある「旧い日本的なこころ」を捨て切れない男たちの哀切を限りなく滑稽に、さらにふんだんにバイオレンスを取り込んで描いた現代の寓話といえよう。 それが藤原伊織『蚊トンボ白鬚の冒険』だ。 ...続きを見る |
日記風雑読書きなぐり 2005/06/03 14:44 |
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初めましてよっちゃんさん。企業小説で引っかかってリンクしました。なんか興味深いblogですね!後からじっくり拝見させて頂きます。ちなみにテロパラは大好きな本の一つなんですよ☆ |
kazu 2004/10/30 12:48 |
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