![]() 理解できない「知のラビリンス」よりは疾走感あるエンターテインメントがよろしい。 世界史を動かす巨大な陰謀がある。これまでの人類の歴史はその陰謀の展開の過程としてあった。あるいは、延々として闇の結社に守り継がれている巨大な秘密がある。それが白日のものになれば現在の世界秩序は崩壊する。この種のミステリアスな骨格に各方面の専門知識、文明論、宗教論などなど読者をうならせる薀蓄を絢爛豪華にちりばめた長編小説の傑作がいくつかある。 たとえばエリエット・アベカシス『クムラン』(角川書店)、死海文書の謎を軸に現代を舞台にした不気味な神学ミステリーであった。日本の最近の作品で言えば荒山徹『魔岩伝説』(祥伝社)、李朝朝鮮と徳川幕府の存亡にかかわる大秘事を仕立て、あまり知られていない当時の外交史を紹介する「冒険伝奇小説」がある。 しかし、なにをおいてもこのジャンルの代表作といわれるのがウンベルト・エーコ、(本書と同じくテンプル騎士団が登場するから)『フーコーの振り子』であろう。 ところでこの『フーコーの振り子』であるが、世上、大傑作と言われている。実は私は読めていない。冒頭の「フーコーの振り子」がいけない。なんどとなく挑戦しているのだが、中学生のころ上野の国立科学博物館で「フーコーの振り子」をなぜこれが地球の自転を証明しているのかとぽかんと見上げた記憶がよみがえり、いまだにわけのわからない自分が恥ずかしく、読み進むにつれもっともっと難しい概念の羅列に翻弄されて数十ページで読むのを放棄してしまうのだ。「知のラビリンス」などと絶賛される作品であってもその薀蓄が理解できない私にはなんの価値ももたないのである。 それよりは楽しく読める作品のほうがよい。 本書もキリスト教の根幹を揺るがす大秘密があって陰謀があって闇の結社がある。そして新ルーブル美術館建設の裏話、キリスト教正統教義の成立過程、フィボナッチ数列、ダ・ヴィンチ名画に隠された暗示など盛りだくさんの挿話がある。宣伝のコピーと百ページも読めばエーコの向こうをはった作品かと思い、それを期待したくなるものだ。 実はその類ではないのだ。 学者先生と暗号解読専門家の美女がいわゆる聖杯伝説というジャンルの謎を追って警察や暗殺者から逃げ回る。追いつ追われつの「ジェットコースター型エンターテインメント」だ。この学者先生はハリソンフォードのようなタフガイではなく、物語には魔物がでるような荒唐無稽性はないが、映画インディ・ジョーンズ『最後の聖戦』を髣髴させるところがある。 そこに小難しい薀蓄はない。興味をそそられる「トンデモ的お話の数々」があるのだが、しかもこのスピード感の妨げにならない程度にバランスよく挟み込まれているところがたいへんよい。
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ダ・ヴィンチ・コードにはまりまくり
【ネタばれ有り・未読者注意!】 ...続きを見る |
叡智の禁書図書館 2005/02/06 18:12 |
リアルタイム 振り回されたウンベルト・エーコ 『フーコーの振り子』
この振り子に振り回されて10年余り、ようやくひととおり読み終えて、もらすため息………。やはり、ダン・ブラウン『ダ・ヴィンチ・コード』のほうが面白かったなぁ。 ...続きを見る |
日記風雑読書きなぐり@WebryBlog 2005/05/27 15:06 |
ダシール・ハメット 『マルタの鷹』 文中にあるハメットの人生観が凝縮されるこの一節は見逃せない。
「少しも古さを感じさせないハードボイルドの古典」と賞賛するのにはそれだけの理由がある。 数年前まで『マルタの鷹』を『鷲は舞い降りた』や『ナバロンの要塞』のような戦争冒険小説と思っていた程度に本格ハードボイルドには疎いものだったが、昨年暮れからの原ォ復活の余韻が後を引いていて、チャンドラーの 『長いお別れ』を読み、そしてこの「ハードボイルドの創始者」と言われる1929年の「古典」を読む気になった。 ...続きを見る |
日記風雑読書きなぐり@WebryBlog 2005/05/29 12:21 |
「【ダ・ヴィンチ・コード】」について
「【ダ・ヴィンチ・コード】」について 世界史を動かす巨大な陰謀がある。これまでの人類の歴史はその陰謀の展開の過程としてあった。あるいは、延々として闇の結社に守り継がれている巨大な秘密がある。それが白日のものになれば現在の世界秩序は崩壊する。 この種のミステリアスな骨格に各方面の専門知識、文明論、宗教論などなど読者をうならせる薀蓄を絢爛豪華にちりばめた長編小説の傑作がいくつかあります。でも薀蓄が難しくて敬遠され気味です。 そういうことではこれは楽しく読めます。 ...続きを見る |
日記風雑読書きなぐり 2005/06/09 23:26 |
篠田真由美 『アベラシオン』正統派のオカルティズムそしてゴシックロマンでもある
イタリア、山中の巌上にそびえる「聖天使宮」に圧倒される藍川芹。壮麗さの極致が破滅の運命を予感させる、この幕開けは緊張感をいやがうえにも高める。 『ダ・ヴィンチ・コード』を読まれた方には是非とお薦めします ...続きを見る |
日記風雑読書きなぐり 2005/06/23 16:09 |
ダ・ヴィンチ・コード(上) |ダン・ブラウン
ダ・ヴィンチ・コード(上)ダン・ブラウン角川書店 刊発売日 2006-03-10... ...続きを見る |
★はやりもの!収集所♪ 2006/03/16 23:45 |
ダ・ヴィンチ・コード(上) |ダン・ブラウン
ダ・ヴィンチ・コード(上)ダン・ブラウン角川書店 刊発売日 2006-03-10... ...続きを見る |
★はやりもの!収集所♪ 2006/03/16 23:54 |
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