![]() B級グルメ好みの上質エンタテイメント さる6月に司法制度改革審議会が意見書「21世紀を支える司法制度」を公表していたが、そこに裁判員と称される制度が登場、どうやら日本でも欧米の陪審員制度のようなものが導入されるらしい。 リーガルサスペンスの分野では日本にも優れた作品はあるが、外国ものに比べドラマティックな盛り上がりにやや不足するところがあるとすれば、この陪審員制度の差なのではないだろうか。 法廷の場での弁護側、検察側の陪審員を意識した口述の面白さも格別であるが、陪審員の評決過程そのものもドラマをかたちづくる。 陪審員制度なるものがあることを知ったのは映画「十二人の怒れる男」でした。1対11の圧倒的クロの初回評議から全員の無罪認定にいたるプロセスは、人間の本質を善とする立場から当初はカケラ程度に過ぎなかった良心が次第に育まれ、公正な判断に至るというA級の文芸作品だったと思います。 「知的ジェットコースター・サスペンス」と銘打った英国のランキン・デイヴィス「 デッドリミット」も焦点は陪審員の討議にある。圧倒的クロから始まるのは同じなのだが、しかし、ヘンリー・フォンダ演じるあの健全な市民は登場しないし、良心を喚起させる静かな説得力あふれる主張はない。どちらかというと、胸にいちもつある胡散臭い人物ばかりがあつまって、この制度の抜け道を行くウラワザ・コワザ、脅迫と懐柔、教唆・扇動の連続、まるで田中真紀子対鈴木宗男の激闘まがいで罵り合いが展開するのであるから目が離せません。 さらに、ガン誘発因子を含む農薬で巨額の利益を上げるコングロマリットと対立する美人医学博士、彼女は企業側学説を唱える教授を謀殺したとして逮捕される。医学博士を支援する爆弾環境テロリスト、彼らによる英国首相の兄である法務総裁誘拐、要求は陪審員の評決が出るまでとタイムリミット付きの真相究明。軍・警察とテロリストとの攻防戦、英国首相の真犯人探しにおける大活躍。まぁとにかく娯楽性たっぷりの大サービスはうれしい。 それにしても、国民の司法制度への参加が趣旨なのだそうだが、日本に陪審員制度が導入されたとして、全員がヘンリー・フォンダのような高潔な人ばかりだといいのだけれど、私など指名されたら、やはりできるだけ早く評議は切り上げて一杯やりたくなる口だろうな。なによりも評議室禁煙だけはやめてもらいたいものです。 オジサンの書評集「よっちゃんの書斎」>「ミステリーの部屋」をごらんください。 |
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ランキン・デイヴィス
Counter: 0, today: 0, yesterday: 0 ランキン・デイヴィス † 名前:【blogmap】 生年月日: 出身地: 受賞歴: 公式サイト: 備考: ↑目次 † ランキン・デイヴィス 目次 デッド・リミテッド ↑デッド・リミテッド † よっ... ...続きを見る |
PukiWiki/TrackBack 0... 2005/02/24 15:25 |
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