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zoom RSS 2001年9月14日 逢坂剛『重蔵始末』 

<<   作成日時 : 2005/02/26 16:26   >>

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逢坂・重蔵対池波・平蔵 火付盗賊改方の腕比べ
最近発売された「江戸東京古地図散歩」と称するパソコンソフトがあって、現在の地図と重ね合わせながらぐりぐりと地図をドラッグしつつ、どこがどうなっているのかなどと「江戸名所図会」を眺めるよりは、はるかにわかりやすく時代小説の世界を楽しめるという。値が張るからマージャンで勝利したときに買おうと思いながら、これを縦横に駆使して楽しめる小説は「鬼平犯科帳」をおいて他はないと、しかし鬼平を読み出したら、しばらく他のミステリーを読む時間がなくなるし、とためらい、最近はマージャンもツキ落ち烏鳴いている。

しかし、「鬼平」は地図なんか見なくとも、町の情景に色、音、匂いがあふれている。季節の息づかいが漂っている。庶民の生活にある喜怒哀楽と緊張感が活写されている。江戸ってこんなんだったろうなと思いをはせらせ、登場人物もまたそれぞれに色気があって、濡れ場もいいし、まぁしばらくソフトはやめておこう。

たとえばこの大連作第一篇の冒頭情景は
「そこは、浅草も北のはずれの新鳥越町四丁目の一角で、大川の西側二つ目を通る奥州街道が山谷掘りをわたり、まっすぐに千住大橋へかかろうという、その道すじの両側に立ちならぶ寺院のすきますきまに在る町家の一つであった。道の東側の寺院と路地一つをへだてた小間物屋の隣はひろい空地で、材木置き場になっているのだが、そこからも春の土の香りがたちのぼり、おだやかな夕空に雁が帰りわたっていくのが見られた」


ところで逢坂剛の「重蔵始末」なんですがね、鬼平の向こうを張った意欲作と評判らしい。これからがよくなるのだろうと思うが、いままでのところ、いただけなかったね。要は「江戸の色気」がないんです。もちろんいろいろな町並みが紹介されますが、地図をようやくなぞった、斜陽の観光バスガイドの説明にどこか似ている。
「ここは、牛込御門から神楽坂をのぼり切った右手の方角にあたり、赤城明神とその門前町が近くに控えている。武家屋敷と町屋の間を抜けて道をたどると、景色はたちまち北西の方角へ開けて、そこには小日向村、中里村の広大な田畑が広がる」


ハードボイルド作法なのだろうか著者としては心理描写はしないで外面描写に徹するのだそうだ。池波正太郎とコンビを組んだ父・中一也氏による時代小説にぴったりの挿絵なのだから、オヤジと喧嘩しないように、新ジャンルに挑戦してほしい。

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