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help リーダーに追加 RSS ラドラムの遺作『メービウスの環』 冒険小説好きにはこたえられません

<<   作成日時 : 2005/03/08 01:40   >>

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ロバート・ラドラム『メービウスの環』 メービウス計画!!!なるほど文字通りひねった発想がなんとも楽しいではないか。

ポール・ジェンソン、強靭な肉体と不屈の精神力、無敵の戦闘能力とグローバルな情報網を有する特殊工作員が見えない敵、地球規模の陰謀に単身立ち向かう。アクションシーンではそのディテールの巧みさが加わり文字通り息もつかせぬ。ストーリーも快調なスピード感で展開する。危機また危機の連続と深まる謎、敵の工作は着実に進行し、主人公はますます孤立していく、このサスペンスに満ちたプロセスも申し分ない。

スパイ冒険小説とでもいうのだろうかこの分野での名作はいくつもあってこれまでも大いに楽しませてもらった。本書のロバート・ラドラム、フレデリック・フォーサイス、クライブ・カッスラー、スティーヴン・ハンター、A・J・クィネル。しょせんB級の冒険活劇小説ではないかとおっしゃるむきはあるのだろうが、面白いものは間違いなく面白いのである。

残念なことに最近はこのジャンルの大型エンターテインメント小説にお目にかかれなくなったような気がしていた。映画の世界ではヒット作目白押しの感がするのだが、映像表現にかなわなくなったということなのだろうかと思っていたところ、そんな危倶を一掃させたのがこれ、『メービウスの環』でした。
フォーサイスにある現代政治力学と国際的スケールの大謀略、カッスラーの荒唐無稽なワルの親玉と大規模破壊、ハンターにあるディテールで工夫を凝らしたアクションシーンの数々、クィネルであれば復讐心、怨念をエネルギーとする一匹狼の個性。これらの要素がてんこ盛りされた、読み出したらとまらない、なるほど巨匠の遺作にふさわしい傑作であった。

このジャンルの冒険小説を読んでいるといずれの作者も敵役が財カ、政治力、戦闘力でいかに強大であるかの表現方法に腐心していることがわかる。この『メービウスの環』でもポール・ジェンソンの立ち向かう相手はこれまでの冒険小説に登場した悪役に負けず劣らず恐るべき力を持っているのだが、それだけではない。そのキャラクターの存在感は現在のアメリカそのものであるところが実に独創的であり印象的である。
本書が書かれたのは9.11同時多発テロの半年前だそうだ。政治・外交には武力を持って平和の伝道者たらんとするアメリカ。しかしそれだけではあまねく地上の平穏は保たれずむしろ紛争、戦闘は拡散、深刻化している。経済的にはグローバルスタンダードと称するビジネスルールを押し付けるアメリカ。それで各国の繁栄が保証されることはなくむしろ経済的混乱が深まる感がある。つまり今のアメリカ流儀、それだけではうまくいくはずがない。そしてメービウス計画がある。

オジサンの書評集「よっちゃんの書斎」>「ミステリーの部屋」をごらんください。

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ロバート・ラドラム
ロバート・ラドラム &dagger; 名前:ロバート・ラドラム(Robert Ludlum) 【blogmap】 生年月日:1927年5月25日、没年月日:2001年3月12日 出身地:米国ニューヨーク州ニューヨーク 備考:俳優、演出家、劇場主として活躍した後、71年に『スカーラッチ家の遺産』でデビュ... ...続きを見る
PukiWiki/TrackBack 0...
2005/03/14 18:03
笹本稜平の新作『極点飛行』 待望の冒険小説であったが………
期待はずれの「冒険小説巨編」 このところ日本人作家による冒険小説の傑作にお目にかからない。外国もので最近のことでは、ラドラムの『メービウスの環』が楽しめたものだから、待望していたこともあって笹本稜平の最新作を早速読んだ。エベレストを舞台にした著者の『天空への回廊』の面白さに忘れがたいものがあったからだ。 ...続きを見る
日記風雑読書きなぐり
2005/07/17 18:35

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