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zoom RSS 阿部和重 『グランド・フィナーレ』をどう読まれまし

<<   作成日時 : 2005/03/11 00:01   >>

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昨年末に奈良で小学1年生の女児が36歳の男に殺害される事件があり、その男が幼児性愛者という生々しい事実抜きには語れないテーマのはずなのだが。作者の顔が見えない、薄気味悪さが残る芥川賞受賞作

社会との関わりというか自分以外の人と関わることがどうにも煩わしくて我慢ができない人間が増えているんだな。そういう人が逃避する場はいくつかあって、それが風俗化して、顰蹙ものだと思うのだけれど、ものわかりのよい人種も増えているために一種の居直りである本人たちの「自我主張」と重なっていつのまにかにi一般に認知されているようなところがあるのかもしれない。

「かわいらしいピンク色のウサギと青色の子グマが手を繋いで横に並び、眼前に立ちはだかっている」
で始まるこの小説はそのあともバニラ風の甘い香り、ベビーボーロとかミルクプリン、キャンデー、チョコレート、お星さまや虹の彩り等々が続き、それが37歳のいい歳をした大人の心象風景らしいのだが、おもちゃ箱の世界に閉じこもっている男なのだろう。自分もお人形さんだからか、8歳になるち一ちゃん(自分の娘)を裸にしてデジカメで撮ることはお人形さんのように可愛らしいと思う心の現れなのかもしれない。だからよその可愛らしい幼児たちのヌードを撮りまくり、たまにはセックスしても、それはおもちゃの世界で、心からの愛情表現なのでしょう。決してけがわらしい気持ちからではありません。
この小説の主人公のような性癖の持ち主は広く存在するようだ。

現実からの逃避したものが群れるアジトがあってそこで酒とクスリに浸かりながら一方通行のわめき合いをしている。ひとりがロシアやチェチェンとテロ、ウガンダ内戦などのしゃべくりをしても、議論がかみ合うではなく、感情移入があっても実はまるで映画の解説であり全くの他人事で、声がでかいばかりである。
こういう人種もまた増加しているようだ。

ちーちゃんのお父さんのまえには演劇指導を希望するこれも可愛いらしい女の子が二人登場する。このふたりは、西洋メルヘンの悲恋の主人公にひたすらなりきっていて、自分の生活と童話世界の区別がつかず、美しいお話どおりに心中することを決めているようだ。
理解をこえた心中事件が頻発しているのが最近であるからやはりこんなこともあるのだろうと驚きはしない。

主人公の性癖は妻の知るところとなり(当たり前だが)離縁され、ち一ちやんとも会うことかなわず、でも逢いたい逢いたいといてもたってもいられない。更生の気持ちが芽生えたのかおもちや箱の世界から田舎町へと逃避する。しかし田舎町は変貌していてなじめず、閉じこもりの生活に鬱々としながらも易易としている。
童話世界に生きる二人の女の子は心中をするのか、あるいは主人公が、幼児性愛癖というのはなかなか直らないものだそうだから、再び裸にして愛でることになるのか、そうではなく大団円なのか、そんなことはどうでもいいらしい。

………
ちーちゃんのお父さんもお父さんの仲間もメルヘンチックな女の子たちもそれぞれの自分なりを求めているところがあるんだよね。世のため人のためなんてものじゃないけれど、ちっぽけでもなにかを求め続けるっていいことでしょう。それで自分を実現するっつーか、とっても満たされるしね。だれに迷惑をかけるわけじゃぁないんだから、やってることにあれこれ横槍を入れないでほしいんだけど、実際は周囲からいやな目で見られたりつまはじきにされたりしてホント居心地悪いんだ。ワルイことだなんて指摘されても、ナニオーってキレルことはなくて、それは言われてもしょうがないところがあるってわかっているから、ますます居心地悪くって。でもすっごくカッコよく見えている人の方がよっぽど汚いことや悪いことやってるはずなんだよね……そんなこといってもしょうがないっか。
………
で阿部さん!どうだって言うの?

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阿部和重
Counter: 0, today: 0, yesterday: 0 阿部和重 &dagger; 名前:阿部和重(あべかずしげ) 【blogmap】 生年月日: 出身地: 受賞歴: 公式サイト: 備考: &uarr;目次 &dagger; 阿部和重 目次 無情の世界 ニッポニアニッポン インディヴィジュアル・プロジ... ...続きを見る
PukiWiki/TrackBack 0...
2005/03/11 22:32
少女を監禁、手錠で拘束し、己の欲望のままに飼育する  このテーマの純文学に次回芥川賞を授けるか
飼育ゲームなるものでシコシコと夢中になっている。少女たちが身につけている汚れたパンティーを大量に仕込んで臭いを楽しんでいる。女学生のトイレ中を盗撮した写真集で興奮している。部屋いっぱいにお人形さんを飾ってブツブツと会話している。 いい歳をした大人がである。 気持ち悪いなぁ、そばに寄りたくないなぁ、変態だと「普通の人」は思う。 ...続きを見る
日記風雑読書きなぐり@WebryBlog
2005/05/17 19:35
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{/book/}「グランド・フィナーレ」 阿部和重 ★★★☆☆ ...続きを見る
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2005/06/23 17:15
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2005/11/25 00:47
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タイトル:グランド・フィナーレ 著者  :阿部和重 出版社 :講談社 読書期間:2006/04/10 - 2006/04/11 お勧め度:★★★ ...続きを見る
AOCHAN-Blog
2006/05/14 00:03

コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
こんにちは。TBありがとうございました。
少女性愛者の直接的な“気持ち悪い”表現はあまり出てきませんでしたが、やはり嫌悪感を抱きました。子供を持つ親の立場からすると、こういう人が平然と暮らしている世の中はコワイです。
ミチ
2005/06/23 17:20

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