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zoom RSS 2002年6月3日  第5回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作はどうだったか

<<   作成日時 : 2005/03/21 20:01   >>

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『ボーン・コレクター コフィン・ダンサー』から『エンプティー・チェアー』までリンカーン・ライムシリーズを読まれた若い方から「日本のミステリーでこのような面白い小説はないでしょうか」とたずねられ、ハタと困った。「このような面白い」の意味は犯罪のスケールと重要にかかわっている。しかも現実感がともなわなければあれだけの緊張感は生まれない。あまりないのである。若い人は時代小説を好まないが、ジャンルをここまで広げると紹介できるミステリーはいくつも見えてくる。ひとつあげると池宮彰一郎『四十七人の刺客』などは傑作中の傑作なのだ。

岡田秀文『太閤暗殺』
豊臣秀次側近の命を受け、太閤秀吉の首を狙う石川五右衛門!
血湧き肉踊る本格「時代ミステリーの傑作! 
第5回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作………を手にした。

国家転覆を狙う大陰謀、これを進める側、守る側の知能戦、技能戦の展開、ラストの思いもよらない大どんでん返し。五右衛門対秀吉、古くから伝わる状況設定ではあるがフォーサイス『ジャッカルの日』並みのプロセスをと大いに期待を膨らまして一気に読みました。
ミステリー性が強くラストのひねりが工夫されている。どうやらこのどんでん返し一点にこの小説の価値がかかっているようである。それは評価するとして、いささか不満が残る。

肝心の石川五右衛門をはじめ主要人物の個性が伝わってこない。権力の首を獲るのであるから読者を納得させる「大義」があってしかるべきだと思うのだが、この五右衛門、はじめから凶悪な盗賊なのである。『鬼平犯科帳』のいう「畜生働き」であるから、読んでいて「事を成就させてあげたい」という気持ちがまるで湧いてこない、ロマンが欠如しています。

ラストを仕上げるにはこれでなければ始末がつかないと理解できますが………。素材が良いだけに落胆の作品でした。

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