日記風雑読書きなぐり

アクセスカウンタ

help リーダーに追加 RSS スティーヴン・キング 『セル』 どこかへんてこりんな巨匠の最新作

<<   作成日時 : 2008/01/10 19:48   >>

トラックバック 1 / コメント 0

画像

モダンホラーの第一人者、映画では随分とつきあったのだが読むのはこれがはじめて。プロの書評で、キングの長編はゆったりとした幕開けなのだがこれは冒頭からショッキングな場面があって展開にスピードがあると高い評価をしていたので、のんびりのホラーは魅力がないがそれならと手にとった次第。

セルとは携帯電話のこと。
ある日携帯電話を使用していたすべての人々が、一瞬にして怪物へと変貌する。血まみれの殺し合い。犠牲を求め続ける凶悪な存在に。車の暴走、激突、そしてボストンは炎上する。ゾンビさながらの凶暴な携帯狂人の群れをかいくぐり、数人の正常人たちと主人公・クレイは遠く離れた家族を求めて旅立った。

苦難に満ちた「愛と勇気と正義の遂行」の物語である。

冒頭はまさに衝撃的だった。阿鼻叫喚の地獄と化したボストンの惨状を詳細に書き出す。エキセントリックな場面なのだが、ただし物語の流れがなかなか見えてこない。延々と似たようなディテールが繰り返されるので退屈してくるというのが本音のところである。だから、ただ最後はどうなって終わるんだろうと、それだけで飛ばし読みになってしまった。

観たことのあるいろんな映画、人類終末のイメージがわいてくる。「バイオハザード」「リング」「宇宙戦争」「復活の日」「光る目」「インディペンデントデイ」「アルマゲドン」などなど。あまり代わり映えのしない題材だったようだ。

ただし、エンタテインメントのそれだけではすまされない肝心のイメージが浮かび上がる。アメリカ社会を覆うテロの恐怖である。キングの政治的姿勢をこれだけで推し量るのはいけないことかもしれないが、あきらかに強いメッセージがこめられていた。そのメッセージはブッシュ大統領の軍事戦略をテロに対して敢然として立ち向かう「正義の戦争」とするものである。キングってそういう人なのだろうか。

アメリカ社会の「恐怖と狂気」を「勇気と正義」に置換した問題作と言っておこう。

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

設定テーマ

関連テーマ 一覧

月別リンク

トラックバック(1件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
『セル』
JUGEMテーマ:読書 著者:スティーヴン・キング  原題:CELL  翻訳者:白石朗  出版社:新潮社  初版:2007年  作品発表年:2006年 ...続きを見る
眠り猫の憂鬱
2008/01/14 21:27

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
URL(任意)
本 文