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help リーダーに追加 RSS 真藤順丈 『地図男』 ダ・ヴィンチ文学賞大賞っていかがなものか

<<   作成日時 : 2008/10/28 23:21   >>

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新刊本を手にするきっかけはいろいろあるものだが、人に薦められて読み始めることもある。
本好きの友人から電話があった。
「真藤順丈という作家知ってる?その人の作品で『地図男』というのがいくつもの賞をとって評判がいいから読んでみたらどうか」
この友人は文庫本主義者であるから、本人は読んでいないのだろう。作者も作品もまったく知らなかった。昔、首藤瓜於の『脳男』というタイトルの作品を読んでがっかりした記憶があるがタイトルからして魅力に欠けているので、わかったわかったといい加減に応えてあったところ、しばらくしてまた電話があった。
「あれ読んだ?本屋の店頭にたくさん置いてあるし、次々と作品を発表する予定もあり、ベストセラーになるからぜひ読んだほうがいい」
彼がそこまで執拗に迫る理由はあとでたずねることにして、それを楽しみにせっかくのことだからと購入したものだ。

<俺>が遭遇したホームレスまがいの男が地図男。地図男は大判の関東地域地図帳を抱えて放浪している。その地図帳にはびっしりとその土地土地に関連する物語が書き込まれている。土地に関する記憶力は抜群であり、地図を眺めただけで三次元の立体空間をイメージできる特異な能力を持つ。
この作品の大部分がこの地図に書き込まれた物語で構成されているが、結局は三つの物語である。千葉県北部を旅する天才的音楽幼児。東京23区の区章をめぐる闘い。奥多摩地方にあった少年少女の悲劇。
実に退屈極まりないこの三つの物語を読み終えるとそれで読了とあいなった。

「物語に没入した<俺>は次第にそこに秘められた謎の真相に迫っていく」とあるが、なにが謎だったのかしらと非常にしらけた気持ちで読み終えたわけだ。魅力的な特異能力者を主人公にしながらそれがまるで活かされていない。実際のところ地図男を探偵役にした構成だってあったろうに。物語が地図帳に書かれている必然性がない。正直、妄想癖のある酔っ払いが寝言を書き綴ったようなものであった。
最近は出版社の営業戦略が高度化している。第3回ダ・ヴィンチ文学賞大賞受賞作だそうだ。選考委員満場一致とうたい文句にあった。どういうお歴々が選考委員になっているのだろうか。

ところでこの作者はわが友人その人ではないだろうか。思い当たる節がないでもない。作者プロフィールを丹念にみれば年齢、ポートレートからどうやら別人である。もしかしたら親戚、友人なのかもしれない。

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