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zoom RSS ジェフリー・ディーヴァー 『ソウル・コレクター』 毎度おなじみリンカーン・ライムシリーズの今回は?

<<   作成日時 : 2009/12/09 00:04   >>

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毎度おなじみ、あのリンカーン・ライムシリーズだ。
毎度おなじみであるから、いささか食傷気味なのだが、ついつい手が出る柿の種みたいなところで今回も手に取った次第。

このシリーズだが、シリーズごとに生み出される超人的な知能をもつ犯罪者、その残虐、異常な個性が魅力的である。そしてライムチームと知恵比べをゲーム感覚で楽しむ。疾走感がたまらない。
………さて今回は。
科学捜査の天才リンカーン・ライムのいとこアーサーが殺人罪で逮捕された。自分はやっていないとアーサーは主張するも、証拠は充分、有罪は確定的に見えた。しかしライムは不審に思う………証拠がそろいすぎている。同様の事件がいくつも発生していることを知る。そう見えない何者かが、証拠を捏造し、己の罪を他人になすりつけ、殺人を繰り返しているのだ。犠牲者を監視し、あやつり、その人生のすべてを奪い、収集する、史上最も卑劣な犯罪者。神のごとき強大な力を持つ相手に、ライムと仲間たちはかつてない苦戦を強いられる………!
あらすじはこれで充分。
膨大な電子データをあやつる  千兆バイトの闇に潜むもっとも卑劣な殺人鬼
「膨大な」?「千兆バイト」?
電子的に得られる個人の情報をすべて集約するとどれだけのものになるか?
作品が具体的に示すところに及ぶと愕然とさせられる。
巨大情報集積産業と政府が結託したらなるほど恐ろしい管理社会が到来すると読者に警告を発する社会的主張もあるのかもしれない。それはさておき、これを犯罪に悪用するところに今回の犯罪者の特異性がある。なるほどこれはまさに神の仕業だ。近未来SFを思わせるところでちょっとマユツバかなとリアリティが薄らぐ節もある。が、軍需産業と政府との癒着で起こる陰謀を暴くという冒険活劇が数ある中で、さすがディーヴァー、軍需産業ではなく新興の情報産業を背景にしたところは慧眼である。

しかし、リンカーンとアーサーの成長期の愛憎やアメリアが母代わりに見守っている少女・パムの恋愛など人情劇の挿話が平板だけにまどろっこしくて、全体としてかつての疾走感は遠のいた。
大技のどんでん返しも大いに楽しめたものだが、今回はいまひとつであった。

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『ソウル・コレクター』 ジェフリー・ディーヴァー
今回は比較的シンプルな構成でおおがかりなツイストもなく終わったリンカーン・ライム物最新作が『ソウル・コレクター』。 妊娠中に早々と読んでしまった嫁さんは専門分野の話が多すぎるとの感想でしたが、詳細な他人の情報を最大限に利用して殺人犯に仕立て上げる知能犯が本作の敵。データ分析専門の会社が保有する個人情報はフィクションとは言え恐ろしい範囲に及び、ページが進むと自分の周囲が気になります。 ライムの従兄弟との過去、アメリアとの関係、それからデータ収集と管理に関する専門用語などわりとしっかりした本筋に絡む... ...続きを見る
Akasaka high&low
2010/01/10 14:12

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