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zoom RSS 火坂雅志 『軍師の門・上』  中国地方攻略の詳細をわたしはあまり知らなかった。

<<   作成日時 : 2014/05/09 17:08   >>

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画像この3月にサラリーマンを退職して50日が過ぎるが、なにが変わったと言えば、片道2時間の通勤時間がなくなったため本を読む時間がとれなくなったことだ。その分、なにやかやと忙しくなったが……。

わたしの古くからの友人に「小寺さん」がいるが、姫路の出身だから、官兵衛の主筋にあたる血縁かもしれない。

「軍師」といえば頭に浮かぶのは諸葛孔明だが、日本では孔明ほどのスケールで勇名をはせた軍師はいないのではないか。わが国ではどうやら天下人のほうが圧倒的にもてはやされるようだ。武田信玄の軍師、山本勘助は井上靖が『風林火山』で描いている。わたしは山本勘助と竹中半兵衛と黒田官兵衛がごっちゃになっていた。劉備が孔明を「三顧の礼」をもって招請した伝承を日本では誰を模したのか、勘助か半兵衛か官兵衛か自信がなかった。
戦国乱世、豊臣秀吉の頭脳として、のちに「二兵衛」と称される二人の名軍師がいた。野望を内に秘め、おのが才知で天下に名を残そうとする竹中半兵衛。小寺家の行く末を織田信長に託す決意をし、軍師としての生き様を模索する小寺(黒田)官兵衛。毛利攻略を機に秀吉の下へ集い、いつしか「義」という絆で結ばれていく二人。しかし三木城攻めの渦中、謀反の荒木村重を説得に赴いた官兵衛は、有岡城地下牢に幽閉されてしまう。
NKHドラマもこの筋書きをなぞっているところがあって、ちょうど現在はこの上巻のラスト近くにある。

大河ドラマ『軍師官兵衛』はNHK制作ドラマとしていつもの例にもれず、女性陣の働きが歴史の要を動かしているような演出ぶりだが、『軍師の門』にはそんな甘さがない。半兵衛、官兵衛の軍事戦略・戦術が詳しく述べられ、それによって秀吉の歴史に残る勝利が得られたとのストーリーが展開する。しかもわたしの知らなかった史実が述べられているものだから、NHKよりはるかに面白い。

ただ軍事上のアノ手コノ手だが、著者はいくつもの史料記録を検証しそのままを抜き出しているかもしれない。日本の戦記は中国文献のコピーが多いと言われているが、どこかで聞いたことのある奸計ばかりで、いまさらびっくりするほどのものはない。

智謀とはすぐれて相手を騙すことにある。それなくして軍師はつとまらない。冷酷さが要請されよう。
しかし、軍師の半兵衛は冷徹、官兵衛は熱血と気性の違いがあるが、義を共通にしたところで男の友誼が熱っぽく語られる。「天下を左右する軍師」とは天下に対する夢はあるが覇者になろうとする野心を固く閉ざしているものであろう。夢の実現を天下人にゆだね、その実現を目指して、ただスタッフとして主を支えること、これを天命と心得る。この厳しい克己心が痛いほどよくわかる。火坂雅志が 『天地人』 で描いた直江兼続は「軍師」でこそないが天下をうかがう気高い姿勢で主を支える、縁の下の人物として共通するところがあった。

上巻では官兵衛が幽閉中に半兵衛は死す。

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