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桜庭一樹 『私の男』 直木賞候補作となっているがはたして………。
桜庭一樹 『私の男』 直木賞候補作となっているがはたして………。 桜庭一樹の作品を読むのはこれが二作目だ。つい最近読んだ『赤朽葉家の伝説』はミステリーとしての評価が高く、本著は文芸作品としての評価が高い。逆じゃぁないのかな。「朽ちていく幸福と不幸を描く、衝撃の問題作!」この宣伝文句にとらわれないほうがいい。謎解きミステリーとして読むほうが不快にならずに楽しめる。 ...続きを見る

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2008/01/14 01:54
直木賞作家、坂東眞砂子のちょっとしたスキャンダル
直木賞作家、坂東眞砂子のちょっとしたスキャンダル 坂東眞砂子の作品を初めて読んだのは『狗神』だった。日本に古くから伝わる憑物伝承を正確に消化し現代の農村に甦らせたホラー小説の傑作だった。その後『死国』と『山妣』を読んでいる。『山妣』は直木賞を受賞した、大自然の凄愴の美と人間界の極彩色の地獄図を描いた記憶に残る作品だった。 ...続きを見る

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2006/08/26 00:19
直木賞受賞作 朱川湊人 『花まんま』 どうしてこれだけ懐かしく思えるのだろう
直木賞受賞作 朱川湊人 『花まんま』 どうしてこれだけ懐かしく思えるのだろう 僕にも「こういう」少年の時があったんだ。六つの短編にはいずれもどこかに既視感を覚えるような懐かしいところがあった。それは怪異現象そのものの体験ではないのだけれど、子供がうけとめる不思議現象というフィルターを通して語られる懐古談に、事実としての記憶はますますぼんやりしてしまうのだが、むしろ感性だけは浄化されて、登場する少年少女とおなじような心の働き、感情の揺らぎが僕にもまちがいなくあったんだと妙にそこだけはしみじみとして浮かび上がった。 ...続きを見る

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2005/09/09 00:02
ヴィクトル・スタルヒンですか 辻原登『枯葉の中…」に寄せて
「ヴィクトル・スタルヒン ― 辻原登『枯葉の中の青い炎』について」について ...続きを見る

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2005/07/15 11:00
感動の直木賞 熊谷達也 『邂逅の森』 自然の摂理に導かれた生き様を貫く男への讃歌
感動の直木賞 熊谷達也 『邂逅の森』 自然の摂理に導かれた生き様を貫く男への讃歌 ある民族にとって自然は過酷であった。そこでは人間に絶対服従を課したのが神であった。しかし、日本民族にとって自然は生きとし生けるものに恵みを与える神である 大いなる自然の道理に導かれている存在。山、森、谷、川、そのものがそうであり、そこで息づいている草木や熊、カモシカ、ウサギなどの獣がそうだ。それらは自然の恵みをあるがままに受け入れる。しかし一方で自然の過酷な試練にさらされ、しかも生きつづけることもまた道理なのである。 ...続きを見る

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2005/06/16 22:20
藤原伊織『テロリストのパラソル』忘れがたいこの名作をいま再読する
藤原伊織『テロリストのパラソル』忘れがたいこの名作をいま再読する 空には轟音をたてて旋回するヘリコプター。屋上から降りそそぐ火焔ビン、投石。粉塵や地上からの催涙ガスと放水で周囲は白煙にけぶっていた。 1969年東大安田講堂。 会社に入ってようやく3年がたとうとする頃だった。 「ここまでいっちまったのか」 と市街戦さながらのテレビ映像をくいいるように見ていた。 ...続きを見る

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2005/06/15 20:13
西木正明 『凍れる瞳』 ここに書かれた昭和を生きた人たちに素直に共感できた。
西木正明 『凍れる瞳』  ここに書かれた昭和を生きた人たちに素直に共感できた。 初めて読んだ西木正明。昭和15年秋田生まれ。私より4歳年上とはいえ同世代だ。昭和63年に直木賞を受賞したのが48歳であったから文壇デビューとしては遅いほうだろう。手元にある昭和63年受賞の直前に発刊の『凍れる瞳』の「あとがき」で氏は 大多数の人間にとって、人生は挫折の連続だと思うし、それが人生だとも思う。しかし、………。人生の翳の部分など、自分にはとうてい書けるものではない、と信じていた。なによりも人生経験が浅すぎるし、人間の年輪を書くほどの文章力もない と低い姿勢で述べておられる。この言... ...続きを見る

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2005/06/01 20:25
04/02/05京極夏彦「巷説百物語シリーズ」その2 『後巷説百物語』
04/02/05京極夏彦「巷説百物語シリーズ」その2 『後巷説百物語』 『巷説百物語』『続巷説百物語』と続きましたこのシリーズもこれが最後となりますと後ろ髪ひかれる思いがいたします。御維新の10年と時代が変わりました。小股潜りの又市、山猫廻しのおぎん、事触れの治平といった一癖も二癖もある小悪党が好事家山岡百介を狂言回しとして江戸市中ならず全国をめぐり妖怪変化が引起したとしか考えられない怪事件を鮮やかに解きほぐし、逆に怪異・あやかしの仕掛け罠をこしらえ極悪人を懲らしめるというあの時代から40年の歳月が流れたのでございます。 ...続きを見る

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2005/05/27 23:32
「「柔らかな頬」 桐野夏生」について 桐野夏生の作品に見る女性像
普@「柔らかな頬」 桐野夏生」について 私も桐野夏生の作品を初めて読んだのが「顔に降りかかる雨」でした。女性版ハードボイルドといった印象でそれまでにはなかったタッチで女性を描く作家だと思いました。「柔らかな頬」で一層その感を強めました。 夫婦の関係、男女の関係については全く対等に男を見つめる、そして「日常」からの逃避あるいは飛翔、孤独の放浪に自己を確立する女。非常に新鮮でした。 ...続きを見る

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2005/05/06 14:39
03/04/05 横山秀夫『半落ち』はなぜ直木賞を受賞できなかったかー2
03/04/05 横山秀夫『半落ち』はなぜ直木賞を受賞できなかったかー2 『半落ち』とこの『動機』を読んで、さらに『半落ち』が直木賞を受賞できなかったことを思い合わせて、横山秀夫のこれまでの作風で気がついたことがあります。 ...続きを見る

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2005/04/18 23:51
03/04/05 横山秀夫『半落ち』はなぜ直木賞を受賞できなかったのかー1
03/04/05 横山秀夫『半落ち』はなぜ直木賞を受賞できなかったのかー1 横山秀夫の作品は『半落ち』を最初に読んだだけでしたので日本推理作家協会賞受賞の『動機』を読んで、その作風にある共通の個性的魅力が感じられました。 ...続きを見る

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2005/04/18 23:01
03/02/23高村薫の直木賞『マークスの山』 その4「その後」
その後、高村はミステリー最後の最高傑作、犯罪兼企業小説『レディ・ジョーカー』を発表する。 ここでは事件に巻き込まれた大企業の経営者たちの真剣な対応姿勢が実にリアルな筆致で描かれていることに驚かされた。 ...続きを見る

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2005/04/17 21:59
03/02/23 高村薫の直木賞『マークスの山』 その3「誰がバブルを告発できるか?」
日本の権力構造をとらえる高村薫の視点に関することである。 初稿を読んでもう10年近くもたつのかと、私自身この間の時の経過、その凝縮された濃度を実感する。 バブルという魔物に日本の全体構造は窒息状態に追いやられた。 その魔物の周囲で数多い不正義があった。 私の友人・知人の幾人かはその責めを問われ被告席に立たされた。 経済的制裁、社会的制裁をうけた友人・知人の数は知れない。 ...続きを見る

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2005/04/17 12:05
03/02/23 高村薫の直木賞『マークスの山』 その2「10年後の印象」
03/02/23 高村薫の直木賞『マークスの山』 その2「10年後の印象」 実は1993年に初稿版を読んだときには直木賞受賞とはいえ、退屈だった記憶を除いて印象が薄い作品であった。 ...続きを見る

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2005/04/17 11:39
03/02/23 高村薫の直木賞 『マークスの山』 その1
03/02/23 高村薫の直木賞 『マークスの山』 その1 このほど改訂版が発刊された。 帯には「警察小説の金字塔」とある。まさに文字通りの傑作である。 マークスと名乗る二重人格の青年の狂気と仲間の秘密を共有しあった政・財・官・法曹界のエリートたちの狂気、二つの狂気が交錯する暗闘に警察組織が翻弄される。ほとんど手がかりがないまま進行する連続殺人事件の真相を追う合田刑事たちの地道な捜査活動、そこで繰り返される試行錯誤、警察という厳しく管理された組織とそこで生きる男たちの苦闘ぶりだけでなく、それぞれの個性、喜怒哀楽を活写する。 年がら年中顔を合わせ、... ...続きを見る

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2005/04/17 10:53
「邂逅の森」について
「邂逅の森」について 大いなる自然の道理に導かれている存在。山、森、谷、川、そのものがそうであり、そこで息づいている草木や熊、カモシカ、ウサギなどの獣がそうだ。それらは自然の恵みをあるがままに受け入れる。しかし一方で自然の過酷な試練にさらされ、しかも生きつづけることもまた道理なのである。 人間はそうではなかった。人間は常に自然を征服しようとする。それが人類の進歩であり、文明発展の歴史であり、合理主義を真理とする近代化である。そして現代の繁栄がある。ただその延長にある未来に栄光が待っているの... ...続きを見る

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2005/03/15 14:46
「リアルタイム 原ォ『私が殺した少女』の魅力」について
「リアルタイム 原ォ『私が殺した少女』の魅力」について 間違いのご指摘ありがとうございました。なぜか先入観があっていつもこう書く癖があるのです。 新作は今読んでいるところです。 ...続きを見る

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2004/11/30 09:59
リアルタイム 原ォ『私が殺した少女』の魅力
リアルタイム 原ォ『私が殺した少女』の魅力 男はタフでなければ生きていけない、やさしくなければ生きていく資格がない。私立探偵沢崎、そのイブシ銀の男の艶が全編に滲み溢れ出す。 ...続きを見る

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2004/11/29 19:42
2000年7月15日 船戸の直木賞受賞
「虹の谷の五月」が直木賞を受賞した。 今までのように派手な戦闘シーンはないが、少年の目から残酷な村落共同体の崩壊を見つめ、明日への行動を暗示する結末は発展途上国に対する冷静なしかし愛情を持った作者の社会観が滲み出ている。 彼は今までこの賞を取ったことがなかったのですね。ファンの一人として大変うれしいものです。冷戦構造が崩壊しても、スパイもの、冒険小説のテーマはあるものです。 ...続きを見る

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2004/11/25 22:50
2000年3月12日 新入社員に宮部みゆきの作品「理由」を推薦しようかな
2000年3月12日 新入社員に宮部みゆきの作品「理由」を推薦しようかな bそろそろ入社式の季節です。新入社員の若い人といろいろお話し合いをするいいチャンスなのですが、昨年は京極夏彦「鉄鼠の檻」の一部をコピーして糸口にしましたので、今年は宮部みゆきの「理由」がいいなと思っているのです。 私は戦争の後遺症を負って今の経済社会のカオスに生きている年代にあたります。 戦後の混乱→民主化→冷戦→反動→復興→繁栄→東西の壁崩壊→成熟とバブル→バブルの崩壊→21世紀? ...続きを見る

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2004/11/06 10:02
1999年8月10日 本格「法廷もの」の傑作をどうぞ
1999年8月10日 本格「法廷もの」の傑作をどうぞ 「法廷もの」の定石はしかも醍醐味はあらゆる状況が被告を有罪に落とし込むギリギリの瞬間これを逆転無罪とするハラハラドキドキの駆け引きにあります。 昔々「情婦」という映画を見た。著名な美男、美女の役者の名前は忘れましたがあのどんでん返しの巧妙さに舌を巻いたことを忘れられません。数年前にもまた映画化されていました。「情婦」の原作がアガサの「検察側の証人」と知って私はそれからいわゆる「洋もの」を読み出すきっかけになりました。(監督ビル・ワイルダー 主演マリーネ・ディートリッヒ・タイロンパワー) 「... ...続きを見る

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2004/10/11 20:55
1999年7月17日直木賞は 佐藤賢一 『王妃の離婚』、桐野夏生『柔らかな頬』
1999年7月17日直木賞は 佐藤賢一 『王妃の離婚』、桐野夏生『柔らかな頬』 佐藤賢一「双頭の鷲」を読んでいますが、時間の関係でなかなか進まず、ようやく半分です。 英仏百年戦争が舞台で、よく調査が行き届いていますから日本人が書いたとは思えないくらいの表現力です。旧勢力である封建領主たちの戦いから中央集権の絶対君主登場の時代で貴族型形式主義と武闘派実力主義の抗争が実に興味つきない大ロマンとして描かれています。主人公はちょうど三国志演義の劉備、関羽、張飛に孔明を加えさらに森の石松をプラスしたような破天荒な戦の天才でハチャメチャに痛快な大活劇が繰り広げられるます。 作者の... ...続きを見る

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2004/09/28 16:04

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