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みんなの「芥川賞」ブログ

タイトル 日 時
滝口悠生『死んでいないもの』 なんともはやわかりにくい作品だがわかりにくいから芥川賞作品なのだろう
滝口悠生『死んでいないもの』 なんともはやわかりにくい作品だがわかりにくいから芥川賞作品なのだろう この作品、文体が奇妙なリズムを奏で、とらえどころのないストーリーの流れが、登場人物たちの織りなす意識の交錯を凹凸のない時空に描いて、なんともわかりにくい芥川賞なのだが、わかりにくいから芥川賞なのかもしれない。人は誰でも死ぬのだから自分もいつかは死ぬし、次の葬式はあの人か、それともこの人かと、まさか口にはしないけれども、そう考えることをとめられない。むしろそうやってお互いにお互いの死をゆるやかに思い合っている連帯感が、今日この時の空気をわずかばかり穏やかなものにして、みんなちょっと気持ちが明るくな... ...続きを見る

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2016/03/18 00:20
藤野可織 『爪と目』 なにがなんだかわからないうちにジワリとホンモノの恐怖にすくみあがる
藤野可織 『爪と目』 なにがなんだかわからないうちにジワリとホンモノの恐怖にすくみあがる 第149回芥川賞受賞作である。普段は掲載された月刊誌「文芸春秋」の発売を待って読むのだが、「ホラー」だとの評判に、ものめずらしさから、単行本を買って読んだ。そういえば、前回の『abさんご』も単行本を買ったっけ。あれは「ひらがな・横書き」が特徴になっているとのことで、「文芸春秋」の掲載ではそれがうまく表現できるかと心配だった。でも最初の一節に目を通しただけで、興味を失い、まだ読めていない。 ...続きを見る

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2013/08/16 17:22
鹿島田真希 『冥土めぐり』   冥土で身悶える亡者が救われるとき………信仰の起源か
鹿島田真希 『冥土めぐり』   冥土で身悶える亡者が救われるとき………信仰の起源か 芥川賞受賞作であるが、エロ・グロ・バイオレンスを際立たせた最近作品とは違うことだけでもホッとさせられる。奈津子の夫・太一は結婚してまもなく脳を患い手術を受けた。奈津子は頭の働きが鈍麻し、四股が不自由になった夫を介助している。パートで貯めたお金で奈津子は一泊二日の小旅行に連れ出す。東京から新幹線で近い距離の観光地。一泊5000円の区の保養所。今でこそ安上りの宿泊施設だが、かつては高級リゾートホテルで、奈津子の母が幼い時分、祖父家族と贅沢な生活を送っていた頃の象徴である。奈津子は母の栄光のなれの果て... ...続きを見る

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2012/09/26 15:26
田中慎弥 『共喰い』 母親の実在感が光る性と暴力の芥川賞受賞作
田中慎弥 『共喰い』 母親の実在感が光る性と暴力の芥川賞受賞作 芥川賞と直木賞の違いってのはなんなんだ? と飲み友達からきかれた。 純文学と通俗小説の違いだと思うんだが……… とあいまいに答えたら おまえもいい加減な奴だな、純文学と通俗小説に境目はないだろう。 と、もっともな反論がかえってきた。 そこで 芥川賞は文芸雑誌に発表された作品で、まだ単行本になっていない、つまり売れていない作家がもらうもの、直木賞はベストセラー作家がもらうものだと言い直したら、それで納得してくれた。 ...続きを見る

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2012/02/25 13:27
磯ア憲一郎 『終の住処』  本物のサラリーマンが描いた純文学の芥川賞受賞作
磯ア憲一郎 『終の住処』  本物のサラリーマンが描いた純文学の芥川賞受賞作 現役のサラリーマンが描いたサラリーマン小説で純文学で芥川賞受賞作というのは珍しい。何らかの事情で会社をやめその経験から企業小説を書く作家はいても、たいがいの場合は企業と批判的に向きあっている。あるいは揶揄する姿勢が見えるものだ。この小説では製薬会社の営業を担当していた主人公の「彼」の記憶が語られ、会社での仕事ぶりについては、上司の指示通りに務めを果たそうとする「彼」はそこに溶け込んでいて会社に違和感を持つことはない。私を含めてサラリーマンの多くはそんなものだろう。身近な「彼」である。 雑誌... ...続きを見る

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2009/09/06 15:05
川上未映子 『乳と卵』 芥川賞受賞作 もやもやの中にすっきりとさせてくれます。
川上未映子 『乳と卵』 芥川賞受賞作 もやもやの中にすっきりとさせてくれます。 雄弁は銀、沈黙は金っていう。そんなことかもしれないと思いながら、いずれにしても自分の気持ちを相手にそのまんま伝えるのは相当難しいことだ。 サラリーマンを卒業し家庭の中の時間が圧倒的に増えた今になって振り返れば、会社生活のほうが意思の疎通は容易だったような気がする。なぜかというとそこは約束事とか規則とか通念ってものが完璧だから、「文法」に従って言葉を口に出しまた文章を書けばそれで「私」をありのままに表現することになっているからだ。「慎重に検討させていただきます」といえばそれなりに社会通念が調... ...続きを見る

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2008/02/21 17:04
青山七恵 『ひとり日和』 石原慎太郎が激賞したという芥川賞受賞作
青山七恵 『ひとり日和』 石原慎太郎が激賞したという芥川賞受賞作 芥川賞選考委員の一人、このところ激辛の論評を加えてきた石原慎太郎が激賞したと喧伝されたが拝見すれば奥歯にものが挟まった「激賞」ですね。これって都知事選を控えた慎太郎が若者受けを狙ったパフォーマンスじゃあないだろうか。 ...続きを見る

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2007/03/19 20:05
伊藤たかみ 『八月の路上に捨てる』  夫婦とはどういうものか教えてくれる芥川賞
伊藤たかみ 『八月の路上に捨てる』  夫婦とはどういうものか教えてくれる芥川賞 最近の芥川賞は軽くなったと誰かが言っていた。 「軽い」との一言には重みがあるのかもしれないなと受けとめたのだが、前回の受賞作『沖で待つ』に私が好感をもったのとおなじで、この「軽い」受賞作にあるごく平凡な最近の風俗性や日常性のわかりやすさが、芥川賞にふさわしいかどうかは別として、楽しく読める作品となっている。 ...続きを見る

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2006/09/07 17:27
直木賞作家、坂東眞砂子のちょっとしたスキャンダル
直木賞作家、坂東眞砂子のちょっとしたスキャンダル 坂東眞砂子の作品を初めて読んだのは『狗神』だった。日本に古くから伝わる憑物伝承を正確に消化し現代の農村に甦らせたホラー小説の傑作だった。その後『死国』と『山妣』を読んでいる。『山妣』は直木賞を受賞した、大自然の凄愴の美と人間界の極彩色の地獄図を描いた記憶に残る作品だった。 ...続きを見る

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2006/08/26 00:19
絲山秋子 『沖で待つ』 職場の男女関係のあたらしい形
絲山秋子 『沖で待つ』 職場の男女関係のあたらしい形 芥川賞受賞、サラリーマンのありきたりの日常生活を舞台にした作品なんて初めてでしょうね。半分はまだサラリーマンであるこのオジサンの実感ですが、その日常の切り取り方がとても新鮮でした。 ...続きを見る

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2006/02/27 16:08
今回の芥川賞 中村文則『土の中の子供』 純文学とはこのように暗くなければならないのだろうか
今回の芥川賞 中村文則『土の中の子供』 純文学とはこのように暗くなければならないのだろうか どうして暗い小説ばかり読むのかと同棲している女に<私>は答える。 「まあ、救われる気がするんだよ。いろいろ考え込んだり、世界とやっていくのを難しいと思ってるのが、自分だけじゃないってことがわかるだけでも」 どうして暗い小説ばかりが最近の「純文学」なのだろう。もっとも純文学といっても野次馬根性で読む芥川賞受賞作ぐらいなのだが、他人や世間や世界とやっていくのが難しい屈折した人間ばかり登場し、自分で作った閉塞空間に抵抗するわけはなく、むしろやすらいでいるかのようで、ただ息をしているヤツばかりで... ...続きを見る

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2005/08/19 00:04
少女を監禁、手錠で拘束し、己の欲望のままに飼育する  このテーマの純文学に次回芥川賞を授けるか
少女を監禁、手錠で拘束し、己の欲望のままに飼育する  このテーマの純文学に次回芥川賞を授けるか 飼育ゲームなるものでシコシコと夢中になっている。少女たちが身につけている汚れたパンティーを大量に仕込んで臭いを楽しんでいる。女学生のトイレ中を盗撮した写真集で興奮している。部屋いっぱいにお人形さんを飾ってブツブツと会話している。 いい歳をした大人がである。 気持ち悪いなぁ、そばに寄りたくないなぁ、変態だと「普通の人」は思う。 ...続きを見る

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2005/05/17 19:34
03/09/02 ハリガネムシを見たことありますか? 吉村萬壱『ハリガネムシ』
03/09/02 ハリガネムシを見たことありますか? 吉村萬壱『ハリガネムシ』 倫理担当高校教師の隠れていた暴力への欲望が突然はじけ出る。 読み進みながら子供の頃のハリガネムシの記憶が鮮明に浮かんだ。よく見かけた昆虫の中でもカマキリそのものですら長く細い体の下部にはいやらしくふくれた腹が、先には三角形の鋭角な小さな頭が乗り、その割に大きな目玉がぐるりぐるりと、鋭い口先をパクパクさせ、見るからに獰猛であり、その鎌を振る様は威嚇的であり、実際に私がなじんだ昆虫の中でもっとも醜い攻撃的虫けらであった。そのカマキリを踏みつぶす。緑色の体液に混じってくねくねと細長い針金状の寄生... ...続きを見る

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2005/05/02 14:23
2002年10月2日 没個性的・非社会的人間である「ぼく」がした決断とは?
2002年10月2日 没個性的・非社会的人間である「ぼく」がした決断とは? 吉田修一『パーク・ライフ』、今回(平成14年度上期)の芥川賞受賞作である。年齢は20代後半か、独身。一人住まいのサラリーマンが毎日昼休みに地下鉄に乗って日比谷公園へ出向き、缶コーヒーを飲み、生ハム入りのクラブサンドを齧り、ぼんやりベンチに腰掛けて周囲の風景を眺めているお話。 ...続きを見る

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2005/03/28 15:51
「蛇にピアス」について
「蛇にピアス」について 「蛇にピアス」について この本についてはこれまで若い方の見方があまり目に入らなかったものでオジサンの娘よりも10歳も若いかたの感想を興味深く拝見しました。オジサンは安心しました。 ...続きを見る

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2005/03/22 11:06
阿部和重 『グランド・フィナーレ』をどう読まれまし
阿部和重 『グランド・フィナーレ』をどう読まれまし 昨年末に奈良で小学1年生の女児が36歳の男に殺害される事件があり、その男が幼児性愛者という生々しい事実抜きには語れないテーマのはずなのだが。作者の顔が見えない、薄気味悪さが残る芥川賞受賞作 ...続きを見る

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2005/03/11 00:01
「【小説】 芥川賞なのに、えぐい一冊だったなあ・・
「【小説】 芥川賞なのに、えぐい一冊だったなあ・・ 「【小説】 芥川賞なのに、えぐい一冊だったなあ・・・。」について 「グランド・フィナーレ」の感想は全く同感です。ふつうの人なら「からりえぐい内容」と思いますよ。奈良の少女誘拐殺人という大変忌まわしい事件の直後ですから、作者はともかく選考委員が非常識ですね。「コメントもここまで」との気持ち、私も感想を書くのをためらっていたのですが、あとで書いてみます。 ...続きを見る

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2005/03/10 16:53
2001年11月25日玄侑宗久「中陰の花」共感できる芥川賞
2001年11月25日玄侑宗久「中陰の花」共感できる芥川賞 身内や知り合いの葬儀の席で一番に耳をそばだて、しずかに故人を偲ぶときは、お坊さんの読経にあるのではなく、親しいご友人の心のこもった弔辞にあります。次に興味を持って聞くのは読経のあとで会葬者へ語るお坊さんのお説教です。このところ記憶に残るような、感銘を受けるお話を聞く機会がありませんでした、というよりは最近では俗人より徳を積んでこられたお坊さんが少なくなったのではないかな。小説を書く坊さんと言えば今東光、瀬戸内寂聴らを思い浮かべるが、色・恋・欲の世界を赤裸々に書いてベストセラーになった人たちで... ...続きを見る

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2005/03/06 23:11
2001年5月12日 青来有一「聖水」に見る魂の救済
2001年5月12日 青来有一「聖水」に見る魂の救済 この現世で生を得ている生身の健康人にとっては、来世の有無など丹波哲郎先生の領域とばかりにバラエティー番組に楽しみ、まして神仏の御加護などと当てにするもヘチマもなく、ただのうのうと、日々これ瀆神の行為を積み重ねしているのであるが、パチンコ屋の数ほどあると聞くあまた宗教・宗派のいずれかの門下信徒のかたがたであれば、「まったくもって道理である」と諭されるに違いないこのお話はむしろ凡人の無信心をいたく刺激し、揺り動かし、何やらを覚醒させる働きがあったのである。 ...続きを見る

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2005/02/10 01:05
2001年4月7日 されどわれらが日々……… 朽ちた青春の残像
2001年4月7日 されどわれらが日々……… 朽ちた青春の残像 されどわれらが 渋谷駅に程近い場所にある飲み屋「チカ」が我々のアジトだった。 十人人も座れば、満杯になるカウンターバー。店内はたばこの煙が立ちこめ、熱気でムンムンとしていた。米国のロックシンガー、 リトル・リチャードのレコード 「ルシール」などを持ち込み、みんな身を震わせながら聞き入っていた。 学生時代。カネはないが、時間だけはあった。 「明日は何をやろうか」。来る日も来る日も同じ場所で、こんな会話を繰り広げる。いつの間にか、集まり には「やろう会」という名がついていた。 メンバ... ...続きを見る

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2005/02/06 23:01
1999年10月2日 もう一度松本清張のこと
1999年10月2日 もう一度松本清張のこと >momotarouさん 松本清張の短編で私の一番好きなもの「真贋の森」。「西郷札」「或る『小倉日記伝』」も代表的短編です。「真贋の森」は復讐ものミステリーとしても完成されていますが何よりもこれが発表された後まもなく全く同じ社会問題が起こったことで強烈なショックを受けました。 ...続きを見る

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2004/10/21 05:39

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