アクセスカウンタ

zoom RSS テーマ「文芸」のブログ記事

みんなの「文芸」ブログ

タイトル 日 時
松永富士見 『魂の一行詩 バレンタインデー』  10年の集大成に見る高校同期生の素顔
松永富士見 『魂の一行詩 バレンタインデー』      10年の集大成に見る高校同期生の素顔 松永富士見さま ...続きを見る

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0

2015/04/20 23:57
篠田節子 『長女たち』 どの家族にも起こりうるありふれた地獄
篠田節子 『長女たち』 どの家族にも起こりうるありふれた地獄 身近にある恐怖である。だから、どうしても自分や自分の家族を重ね合わせてしまう。70歳を超えた私と妻だけの家庭。まだ結婚していない40歳を超えた長女とほどほどの家庭をやりくりしている次女はそれぞれ独立している。お互いの母親はまだまだ生きられそうにして老人ホーム暮らしだ。老人ホームだと言って家族の手はかかるものであり、100歳近い私の母親を介護しているのはよくよく考えみれば妻であり、90歳を超えた妻の母親の世話をしているのも長女である妻である。この小説でもそうだが、親は老いの世話に男である息子を... ...続きを見る

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0

2015/03/02 21:39
桐野夏生 『だから荒野』 リアルで奥深い専業主婦論と現代家庭論
桐野夏生 『だから荒野』 リアルで奥深い専業主婦論と現代家庭論 桐野夏生の2005年の傑作に『魂萌え!』がありました。家庭を守り子どもを育て、地域と仲良く付き合い、働く夫を支えてきた59歳の専業主婦。夫が定年になって突然死したことをきっかけに新たな人生をきりひらく決意を固めるという女性の自立を描いて、同世代の男性の読者ですらその潔さに敬服したものです。 ...続きを見る

面白い ブログ気持玉 3 / トラックバック 0 / コメント 0

2014/07/02 19:51
木内昇 『櫛挽道守』  幕末、木曽山中の宿場町、櫛職人の家族がそれぞれの思いに生きた感動の足跡
木内昇 『櫛挽道守』  幕末、木曽山中の宿場町、櫛職人の家族がそれぞれの思いに生きた感動の足跡 櫛挽の技の詳細が紹介されるが、口絵を用いた解説はないからはっきりとはイメージできないのだが、初めて知らされた世界だけに興味津々、俄然ひきつけられた。 ...続きを見る

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0

2014/03/16 18:00
辻村深月 『島はぼくらと』 きらめく青春が夢みた離島再生のデザイン
辻村深月 『島はぼくらと』 きらめく青春が夢みた離島再生のデザイン 1年以上も前になるが直木賞受賞作『鍵のない夢を見る』を読んだ。人間に潜む悪意や差別、嫉妬、異常、暴力などノワールな内面を今風に軽く、冗舌に描いたところが評価されたのかもしれないが、わたしのような年寄りには、夢と現実の区別がつかないバカモノたちの救いのない話で気分を悪くしただけだった。 ところが今回の『島はぼくらと』は「まぶしい故郷の物語」で地域再生がひとつのテーマでもあると言われている。過疎地の活性化や被災地の復興をテーマにしていれば、今はどうしても東日本大震災の現実に思いを致し、言うは易く行... ...続きを見る

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 1 / コメント 1

2014/02/27 15:31
梓澤要 『捨ててこそ空也』 事跡を丹念に積み上げ空也の実像に迫る
梓澤要 『捨ててこそ空也』 事跡を丹念に積み上げ空也の実像に迫る 空也上人といえば念仏を唱える口から六体の阿弥陀仏が現れている鎌倉時代の写実彫刻像(表紙カバー口絵)を思い浮かべ、底辺大衆の救済を説く市井の聖………程度しか知らなかった。教団を組織した僧でもなく、自分の経歴や思想の記述も残さなかったので、学術的に分析が進んでいる人物ではない。全生涯を描いて空也の実像に迫った小説としてははじめての作品なのではないか。 ...続きを見る

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0

2013/12/21 11:14
桜木紫乃 『無垢の領域』 緻密な構成に舌を巻く、二度読みして初めて浮かび上がるもうひとつの物語
桜木紫乃 『無垢の領域』 緻密な構成に舌を巻く、二度読みして初めて浮かび上がるもうひとつの物語 さる10月末、日本美術界で権威のあるといわれる日展の「書」で有力会派に入選数を事前に割り振るスキャンダルが報じられた。毎年1万人以上が応募する国内最大の公募美術展なのだが、芸術界も内実は欲得がらみでこんなものなのかもしれない。 ...続きを見る

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0

2013/12/04 00:06
中村文則 『去年の冬、きみと別れ』 巧妙に紡ぎあげた叙述トリックと純文学性は両立しえたか?
中村文則 『去年の冬、きみと別れ』 巧妙に紡ぎあげた叙述トリックと純文学性は両立しえたか? 中村文則の作品だから、いつものように、他人や世間や世界と折り合いつけられない屈折した人間たちを描いている。『土の中の子供』 『掏摸(スリ)』を読んでいるが、わたしはこういう病的傾向の作品は好みではない。 とはいえ、著者は 「芥川賞、大江健三郎賞受賞、LAタイムズ文学賞最終候補、ウォールストリート・ジャーナル2012年ベスト10小説………」 と世界的に注目されている。日本と世界を震撼させた著者が紡ぐ、戦慄のミステリー!野次馬としてはこの宣伝文句の、コテコテの純文学者が本格ミステリーを書い... ...続きを見る

ブログ気持玉 / トラックバック / コメント

2013/11/23 18:32
佐藤賢一 『小説フランス革命11 徳の政治』 フランス革命の総決算というべき盟友同士の死闘
佐藤賢一 『小説フランス革命11 徳の政治』 フランス革命の総決算というべき盟友同士の死闘 タイトルだが、「恐怖政治」といわれたロベスピエールの独裁と「徳の政治」という情緒的イメージが結びつかなかった。「徳の政治」といえば私らの世代なら孔子の政治観「徳治主義」であり、「法治主義」との対立概念を思い浮かべる。政治によって人民を教化し、法律によって人民を強制しようとする「法治」にたいし、道徳によって人民を教化し、礼によって人民を自然に秩序ある生活を営ませるのが「徳治」だとすれば、徳の政治は貴族・部族内自治制度の礼賛であり、フランス革命にはなじめないような気がした。 ところが孔子の「徳治主... ...続きを見る

ブログ気持玉 / トラックバック / コメント

2013/08/26 00:22
辻原登 『冬の旅』 現代という煉獄を彷徨するすべての人に捧げる鎮魂歌
辻原登 『冬の旅』 現代という煉獄を彷徨するすべての人に捧げる鎮魂歌 時代と運命に翻弄されるだけで、私たちは、明日を選択する途が閉ざされているのだろうか。現代という煉獄をさまよう群像を描いて、救いはあるのかと大胆な問題を提起する。 2008年6月8日、5年の刑期を終えた緒方(1970年生)は滋賀刑務所を出所する。5年前、事件をおこした自分を確認するかのように、大阪のあちこちをせわしなく、徘徊する緒方。「秋葉原無差別殺傷事件」の当日である。その三日後、緒方は昔の馴染みの串かつ屋「波源」で新聞記者を前に、突然 「阿弥陀仏よや、をいをい。何こに御ます」 と大声を出... ...続きを見る

ブログ気持玉 / トラックバック / コメント

2013/07/15 10:27
デニス・ルへイン 『夜に生きる』 凄惨な暴力を哀しく描いた実録風ギャングストーリー
デニス・ルへイン 『夜に生きる』 凄惨な暴力を哀しく描いた実録風ギャングストーリー アイルランド移民といえば当時は下層階級であるが、トマス・コグリンはボストン市警できわどい捜査活動も含めて警部にまでのし上がり、かなり裕福な家庭を築いた例外的な移民一世である。2008年に読んだ『運命の日』はその長男・ダニーを主人公に、アメリカの存在そのものにある矛盾を直接に語った社会史劇的な物語だった。そして最新作の『夜に生きる』は三男のジョー・コグリンがチンピラから地方組織のボスに上りつめ、やがて………(1926年19歳から1935年28歳)という娯楽色たっぷりのギャング小説になっている。... ...続きを見る

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0

2013/06/24 11:27
熊谷達也 『烈風のレクイエム』 小説家は東日本大震災をいかに受けとめ、どう描くのか?
熊谷達也 『烈風のレクイエム』 小説家は東日本大震災をいかに受けとめ、どう描くのか? 久しぶりの熊谷達也である。といっても『邂逅の森』と『氷結の森』を読んだだけなのだが、その作風があまりに鮮烈だったものだから、熊谷作品とはどんなものか勝手にイメージが出来上がっていた。人間もまた生きとし生きるものであって自然の摂理をありのままに受容すべきなのだ。自然を操作し支配しようとする人間の愚かさを忌避する主人公はいわば求道者であった。そして彼の行き方を阻むものとのストイックな闘いが熱を帯びる作品群だった。 だから『烈風のレクイエム』も同じ流れで心が揺さぶられることを期待していたのだが、あれ... ...続きを見る

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 2 / トラックバック 0 / コメント 0

2013/06/07 00:13
佐藤賢一 『小説フランス革命] 粛清の嵐』 ますます面白くなってきたフランス革命の真実
佐藤賢一 『小説フランス革命] 粛清の嵐』 ますます面白くなってきたフランス革命の真実 サン・キュロットは多数者であり、貧しい。教養は低く、情緒的であり感情的である。富める者をうらやみ、買収や煽動を受けやすい。素朴で常識的で感動をよぶカッコイイ言葉には弱い。自分の言葉は持たないが、腕力だけはある。何が正義か不正義かを知らず、ただ直感的に「不正を正す」。近視眼的で付和雷同。烏合の衆と化して政策決定に多大の影響を及ぼす。 国民大衆というのは多かれ少なかれそういうものだと、われとわが身とわが日本を振り返らざるを得ないのが、佐藤賢一の「小説フランス革命」が仕掛ける辛辣なところである。... ...続きを見る

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 2 / トラックバック 0 / コメント 0

2013/06/02 19:29
佐藤賢一 『小説フランス革命\ ジャコバン派の独裁』  この内憂外患を共和政は救えるか?
佐藤賢一 『小説フランス革命\ ジャコバン派の独裁』  この内憂外患を共和政は救えるか? パリのサンキュロットによる食糧暴動(1793年2月25日)から彼らの武装蜂起に至る同年5月31日までの詳細がこの一巻で語られる。バカバカしい党利党略に濃密な政治論が織り込まれて、興味はつきない。 内憂外患なんてなまやさしいものじゃぁない。複雑骨折で身動きができずまさに崩壊寸前のフランス国家である。その右往左往ぶりを笑い飛ばすように、佐藤賢一は革命という大義、あるいは変革という名分に内在する冷酷な本質を暴き出していく。 ...続きを見る

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 2

2013/05/10 16:36
桐野夏生 『ハピネス』 私が全く知らなかった「ママ友」の世界を皮肉たっぷりに切り込んだ快作
桐野夏生 『ハピネス』 私が全く知らなかった「ママ友」の世界を皮肉たっぷりに切り込んだ快作 女性の自立………。 『柔らかな頬』 『OUT』 『ダーク』 『グロテスク』 『魂萌え』  『東京島』とこれまでもぎょっとさせるストーリーで女性の自己実現を描いてきた著者であるが今度はどんなタイプの女性かと興味津々で手に取りました。 ...続きを見る

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 5 / トラックバック 0 / コメント 4

2013/04/16 15:14
木内昇 『ある男』 明治維新とはなんであったのか?近代化の光が映し出す影絵の物語
木内昇 『ある男』 明治維新とはなんであったのか?近代化の光が映し出す影絵の物語 明治維新とはなんであったか?当事者でないわたしらはなんらかの整理をしたうえで、あとづけの答えを出してみるのだが、そこに生きた人たちは整理する余裕などはなかったのだ。 ...続きを見る

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 2 / トラックバック 0 / コメント 0

2013/01/07 13:51
横山秀夫 『64 ロクヨン』 組織の壁に立ち向かう孤独の魂、あの横山秀夫の完全復活だ
横山秀夫 『64 ロクヨン』 組織の壁に立ち向かう孤独の魂、あの横山秀夫の完全復活だ 『半落ち』 『クライマーズ・ハイ』のエッセンスをさらに濃厚に味付けしたフランス料理のフルコースは腹にずしんとこたえます。 ...続きを見る

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 2

2012/12/21 00:05
スコット・トゥロー 『無罪』 法曹のプロたちがしのぎを削る完璧なリーガルサスペンス
スコット・トゥロー 『無罪』  法曹のプロたちがしのぎを削る完璧なリーガルサスペンス 1988年に刊行された『推定無罪』の続編である。 と言っても、わたしは『推定無罪』を読んでいない。ハリソンフォード主演の映画は見ているが、実はこの記憶も定かでない。ただ、「推定無罪」という言葉に当時は奇妙な語感を覚えたが、このときしっかりと意味を認識したものだ。被害者の体内にあった精液の血液型がハリソンフォード演ずる主人公のサビッチ検事のそれと同じだったという記憶があって、本編『無罪』では20年間保存してあったこれをDNA鑑定するかどうかがひとつの山場を作っている。最近の東電OL殺人事件の... ...続きを見る

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0

2012/11/10 23:11
ボストン・テラン 『音もなく少女は』 不条理の世界を勇気で生き抜いた女たち
ボストン・テラン 『音もなく少女は』 不条理の世界を勇気で生き抜いた女たち 本著はふんだんに使われる比喩やアイロニーなどが抽象的で難解な言い回しであり、また直訳的硬さが気になる。そんな文体であるのだが、ゆっくりと進む物語によくあるいらだたしさ堪えながら、じっくり読んでいくと著者のメッセージの深い意味あいが見えてくる。 ...続きを見る

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0

2010/12/12 23:53
黒井千次 『高く手を振る日』 過去へとジャンプする老人の恋
黒井千次 『高く手を振る日』 過去へとジャンプする老人の恋 読書好きの仲間の一人K君が酒の席でぜひ読むべしとすすめてくれた。宴席が終わって別れるときにも、長くないからすぐ読めるからと、手を振りながら念を押された。ところが作者の名前もタイトルも忘れてしまったのだが、執拗なまでの言い振りには何か理由があるはずだと気になっていた。たまたま「手を振る」だけは記憶にあって、本屋でそれを目にした時に、もしかしたらこれかもしれないと手に取った。作者もまったく知らない人だった。先入観をまったく持たずに、しかし第1章17ページまでだけで彼がすすめてくれた理由はわかった... ...続きを見る

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 10 / トラックバック 0 / コメント 0

2010/08/12 18:06
薬丸岳 『悪党』 被害者遺族はどうしても殺人者を赦すことはできないのだろうか。
薬丸岳 『悪党』  被害者遺族はどうしても殺人者を赦すことはできないのだろうか。 裁判員制度がスタートしたからなのかどうか、最近の判決は被害者遺族の感情に寄り添う姿勢が色濃く反映されるという。このために従来よりも量刑が重くなる傾向があるのだそうだ。実際、被害者家族が裁判の席などで「極刑を望みます」との訴える報道を見聞きすることが多くなった。 本著『悪党』の原点にあるのが薬丸岳のデビュー作、江戸川乱歩賞受賞作である『天使のナイフ』である。刑事罰の対象にならない少年たちに妻を惨殺された男が「殺してやりたい」と憎しみの叫びを上げる。この率直な感情を読者は素直に受け入れることが... ...続きを見る

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 1 / コメント 0

2009/12/30 23:18
夏樹静子 『てのひらのメモ』 裁判員制度入門書として格好のリーガルサスペンス
夏樹静子 『てのひらのメモ』 裁判員制度入門書として格好のリーガルサスペンス 今年の夏から裁判員制度による裁判が始まり衆目を集めている。『てのひらのメモ』は裁判員に選ばれた57歳の専業主婦・折川福美の視線で語られるリーガルサスペンスとして成功している作品なのだが、もし裁判員になったらどんなことになるのだろうかと考えている多くの人にとって、実際に役立ちそうな要点がいくつも盛り込まれている格好の裁判員制度入門書でもある。 ...続きを見る

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 3 / トラックバック 0 / コメント 2

2009/11/29 18:01
葉室麟 『秋月記』 地方小藩のお家騒動に見える現代の混乱
葉室麟 『秋月記』 地方小藩のお家騒動に見える現代の混乱 壮絶な死闘が繰り返されるエンタテインメントであるが、どうしても政治家たるものかくあるべしと現代に重ね合わせることになる、時代小説の傑作だ。 ...続きを見る

ブログ気持玉 / トラックバック / コメント

2009/09/20 00:03
山崎豊子 『運命の人 四』 歯切れの悪い幕切れ
山崎豊子 『運命の人 四』 歯切れの悪い幕切れ 山崎豊子の作品の『二つの祖国』と『大地の子』。それまでの業界内幕ものから大きく視点を変えた新ジャンルへの挑戦だった。二作とも「愛国心」が中心テーマだったが、無理強いされるそれではない。日本人であるがゆえに過酷な境遇にある者が祖国に抱く素朴な感情には胸を打つものがあった。そして不条理の中で信念を貫こうとする主人公がさまざまな困難に立ち向かう不屈の魂に感動を覚える傑作だった。 ...続きを見る

ブログ気持玉 0 / トラックバック 1 / コメント 0

2009/07/11 12:41
山崎豊子 『運命の人 三』 国家権力への怒りか?著者はいったいなにを訴えたかったのだろうか。
山崎豊子 『運命の人 三』  国家権力への怒りか?著者はいったいなにを訴えたかったのだろうか。 この小説に従って裁判の流れを追うと次の通り 1972年 5月 沖縄復帰。 1972年 6月 佐橋総理退陣、田淵内閣誕生 1972年10月 東京地裁、外務省機密漏洩事件初公判 1972年12月 佐橋元首相、ノーベル平和賞候補としてノミネート 1974年 1月 東京地裁一審判決。三木昭子元事務官、懲役6ヶ月執行猶予1年。          弓成記者、無罪          検察側控訴 1974年 2月 三木昭子、「週刊潮流」に告白の手記発表 1974年12月 佐橋元首相ノーベル... ...続きを見る

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 1 / コメント 1

2009/07/01 23:48
山崎豊子 『運命の人 二』 これはモデル小説ではないとおっしゃるが………
山崎豊子 『運命の人 二』 これはモデル小説ではないとおっしゃるが……… 毎朝新聞の弓成亮太は、昭和46年春、大詰めを迎えた沖縄返還交渉の取材中、ある密約が結ばれようとしていることに気づいた。弓成は外務省安西審議官の秘書・三木昭子事務官と「情を通じ」、彼女より極秘電文を入手、この事実を知る。公式にはアメリカが地権者に支払う土地現状復旧費用400万ドルを実は日本政府が肩代わりし秘密裏にアメリカに支払うという密約であった。これが事件の発端で、すでに第一巻で述べられている。 ...続きを見る

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 6 / トラックバック 1 / コメント 2

2009/06/10 21:28
山崎豊子 『運命の人 一』 10年ぶりの大作に飛びついた。
山崎豊子 『運命の人 一』  10年ぶりの大作に飛びついた。 山崎豊子の作品はいつごろからか、新刊が出るたびに読むようになっていたから、この作品も内容はまったく知らないまま手に取った。 昭和46年、毎朝新聞政治部、外務省詰キャップ・弓成亮太。今でもそうだろうが新聞社では出世街道をトップで走る役職である。それだけの実績を上げている敏腕記者。昼となく夜となく、ゴルフだ宴席だ。相手の自宅で懇親の酒を酌み交わす。彼の仕事ぶりが綿密に描かれる。個人的に親密になるため、世間から見たら胡散臭いやり方で官僚の上層部へ食い込み、特定の政治家の懐に飛び込み、都合よく情報... ...続きを見る

ブログ気持玉 0 / トラックバック 1 / コメント 0

2009/06/07 00:15
篠田節子 『仮想儀礼』 宗教にある狂気と暴力
篠田節子 『仮想儀礼』 宗教にある狂気と暴力 篠田節子の『弥勒』『ホーラ 死都』は宗教を通じた異文化コンタクトを扱った秀作だった。これは私たちの身近にある宗教をなまなましく描き出した異色作である。 ...続きを見る

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 4 / トラックバック 3 / コメント 1

2009/05/19 23:04
テレビドラマ夏樹静子の『量刑』が放映される。
テレビドラマ夏樹静子の『量刑』が放映される。 2001年に読んだ。 来週 ドラマが放映される。 いまの裁判員制度ではない。 ...続きを見る

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0

2009/05/18 23:39
三浦しをん 『光』 エロスとバイオレンスに新たなメスを入れた実験的小説
三浦しをん 『光』 エロスとバイオレンスに新たなメスを入れた実験的小説 普段、読書とはおよそ縁のないご婦人から 「テレビで三浦しをんが過激な暴力とセックスで長編ミステリーを描いたと紹介されていましたが、読んでみたらいかが」 と無責任な注文を受けた。当人は中学生の異様に色気づいた描写の初めの十数ページが、ひどく現実離れしていて嫌気がさしたそうだ。かつての桐野夏生風、エロスとバイオレンスかな?と興味がひかれた。天災ですべてを失った中学生の信之。共に生き残った幼なじみの美花を救うため、彼はある行動をとる。二十年後過去を封印して暮らす信之の前に、もう一人の生き残り・... ...続きを見る

驚いた ブログ気持玉 3 / トラックバック 1 / コメント 4

2009/02/07 09:15
デニス・ルヘイン 『運命の日・下』 ボストンは火の海と化した。すさまじい迫力の暴動描写
デニス・ルヘイン 『運命の日・下』 ボストンは火の海と化した。すさまじい迫力の暴動描写 警察という暴力機構の暴力がどうにかこうにか市民の安全を維持している。この時代のボストンはそれほどいたるところに暴力が横行する町だったんだ。今のアメリカの話ではないのだろう。 NHKホームドラマ「篤姫」ではないが今年は「家族」をテーマにした作品がことのほか多かったような気がしている。この作品もボストン市警警部、トマス・コグリン一家の結束と崩壊をひとつの軸としている。 トマス・コグリンはこの地区の治安維持に貢献し、実力を認められている警察の幹部なのだ。家には市会議員、政治指導者、検事、市警副... ...続きを見る

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 2 / トラックバック 1 / コメント 2

2008/12/30 19:37
デニス・ルヘイン 『運命の日・上』  アメリカの宿命をドラマティックに描いた傑作
デニス・ルヘイン 『運命の日・上』  アメリカの宿命をドラマティックに描いた傑作 たぶん、頭が混乱するものを見るとすぐ答えが欲しくなるからじゃないかな。で、答えが目の前にないと、なんだろうとつかみとってそれを答えにしてしまう それが変わらぬアメリカの素顔だ。 ...続きを見る

ブログ気持玉 0 / トラックバック 1 / コメント 0

2008/12/29 20:19
藤沢周平 『密謀』 これはもう一人の直江兼続 『天地人』と読み比べる。
藤沢周平 『密謀』  これはもう一人の直江兼続 『天地人』と読み比べる。 NHKの来年の大河ドラマは直江兼続だが火坂雅志『天地人』と読み比べるのもいいだろう。 謙信以来の精強を誇る東国の雄・上杉で主君景勝を支えるのは、二十代の若さだが知謀の将として聞こえる直江兼続。本書は兼続の慧眼と彼が擁する草(忍びの者)の暗躍を軸に戦国の世の盛衰を活写した興趣尽きない歴史・時代小説である。 来年のNHK大河ドラマの原作になっている火坂雅志 『天地人』を読んだ直後に友人から直江兼続なら藤沢周平も書いていると本著を紹介された。藤沢周平の作品は映画やテレビドラマではよく観ているが... ...続きを見る

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 2 / トラックバック 1 / コメント 1

2008/11/11 23:07
葉室麟 『いのちなりけり』 葉隠の恋を描いた大人の純愛時代小説
葉室麟 『いのちなりけり』  葉隠の恋を描いた大人の純愛時代小説 いっとき武士道でもって政治・経営を論ずることがもてはやされた。 全世界の屋台骨が悲鳴を上げているこの事態では、日本的美徳に解決の糸口を求めるような、そんな立論はまったく影も形もなくなった。 この物語は「葉隠」編纂の前史である。 私は「葉隠」については 「武士道とは死ぬことと見つけたり」と 「忍ぶ恋こそ至極の恋」というそれだけしか知らない。 そしてこの異質とも思える二つが見事に融合しているではないか。 「葉隠」でもって現代人にお説教する姿勢などまったくないのがむしろ爽やかであった... ...続きを見る

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 2 / コメント 4

2008/11/02 01:29
帚木蓬生 『インターセックス』 帚木蓬生のヒューマニズム復活
帚木蓬生 『インターセックス』 帚木蓬生のヒューマニズム復活 インターセックス。古くは半陰陽、両性具有と称されたが、外性器の形成や生殖器、染色体が曖昧で男女の一方に分類できない人々。広義にみると100人に一人の出生頻度で出現する。久しぶりに帚木蓬生が医学界の現状に真摯に向き合った好著を手にした。 なにしろ冒頭の医療事故の裁判があまりにも迫真的だった。 これは新聞記事だが、去る8月20日、帝王切開で出産する患者が死亡した福島県立大野病院事件で福島地裁は業務上過失致死罪に問われた医師に無罪を言い渡した。検察側の「癒着胎盤を認識した時点で、胎盤を子宮から... ...続きを見る

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 2 / トラックバック 2 / コメント 0

2008/10/07 12:15
飯嶋和一 『出星前夜』  怒涛の迫力で描く島原の乱
飯嶋和一 『出星前夜』  怒涛の迫力で描く島原の乱 歴史小説の新刊をいくつも読んでいるのだが、ここ数年で最も手ごたえを感じることになった作品だ。おそらく後世にまでその名を残す歴史小説の代表作といえるのではないか。 島原の乱といえば天草四郎であり、キリシタン信仰であり、禁教令に反抗した宗教一揆と、その程度の知識でしかなかった。 島原の乱とはなんだったのか? 著者はその根源にさかのぼる。確立の途上にある幕藩体制。その新たな秩序にどうしても耐え切れない地方の生活者。両者の基本的対立の構図が見えてくる。 また蜂起から全滅にいたる攻防の4ヶ... ...続きを見る

驚いた ブログ気持玉 1 / トラックバック 3 / コメント 6

2008/09/25 23:58
三浦しをん 『まほろ駅前多田便利軒』 著者の父上とおしゃべりして………
三浦しをん 『まほろ駅前多田便利軒』 著者の父上とおしゃべりして……… まほろ市。東京都下南西部にある最大の住宅地、神奈川県と川を隔てて隣接している。いかにもモデルがありそうなのだが………、どこか現実離れをして蜃気楼のようにもやもやと歪んだところのある著者が作り出した空間である。ちょっと町の外に出れば農家があるのだが、市内は歓楽街、電気街、書店街、学生街があってスーパー、デパート、商店街、映画館、そして銭湯までもがそろっている。そんな町が現実にあるかもしれないと思わせながら、夜にはヤンキーがあふれるとなれば私の知っているいくつかのベッドタウンには該当しそうもない... ...続きを見る

面白い ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 2

2008/07/09 15:09
松浦理英子 『犬身』 家族とはなにかを問うがいまひとつだな。
松浦理英子 『犬身』  家族とはなにかを問うがいまひとつだな。 なんともとらえどころが難しい、奇妙な味わいの作品である。ただし、犬をペットとしてかわいがっている人にとってはやたらにうれしくなってしまう作品である。 私も4年前から牝のトイプードルを飼っている。かわいがっている一人だ。犬には喜怒哀楽の感情があってまるで人間と同様の表現を目の動き、顔つき、尻尾の振り、手足のしぐさ、鳴き声など全身を使って行うものだ。人間がなにをしようとしているのか、どんなことを考えているのか読み取る能力もある。私にも犬の心理が読めるようになっている。そんなところまで交感が深ま... ...続きを見る

ブログ気持玉 0 / トラックバック 2 / コメント 0

2008/02/03 18:14
佐々木譲 『警官の血』 警官の血とは?異色の警察小説でありめったに現れない傑作である。
佐々木譲 『警官の血』 警官の血とは?異色の警察小説でありめったに現れない傑作である。 この作品には巨悪は登場しない。防衛省事務次官の犯罪。あんな巨悪がまだいたのかとあきれ返る。ささやかな正義の積み重ねをしている人たちこそいい面の皮である。でも盗人にも三分の理、彼は彼なりの「正義」を追い求めていたんだろうね。「自衛官の血」という小説があったとしても、とてもとてもこの現実の迫力にはかなわないでしょう。 ...続きを見る

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 3 / トラックバック 3 / コメント 4

2007/12/06 15:48
桐野夏生 『メタボラ』 論評する資格のない自分に気がついた。
桐野夏生 『メタボラ』 論評する資格のない自分に気がついた。 ドキュメンタリー番組で「ネットカフェ難民」という人たちを知り、正直驚いた。住む家がなく24時間営業のインターネットカフェに寝泊りし、日雇い派遣労働などで食いつないでいる若者が急増しているのだそうだ。 そしてこの『メタボラ』である。「ネットカフェ難民」ではないが同様に漂流するものであり、それは衝撃的だった。ホームレス、ニート、フリーター、ワーキング・プアそれぞれに定義はあるようだが、桐野夏生が過度にデフォルメした人物像などではない。どうやら実体を持って社会の一定層を形成しているとリアルに感じ... ...続きを見る

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 2

2007/07/04 18:22
池井戸潤 『空飛ぶタイヤ』 タイトルで損をしているが傑作のミステリーだった。
池井戸潤 『空飛ぶタイヤ』 タイトルで損をしているが傑作のミステリーだった。 「小説好きの諸君!たまには直球の企業小説、読んでみてくれ」とキャッチコピーにつられた。小説好きは企業小説を読まないものとこのコピーライターは考えているのだろう。なるほど気がつかなかったけれど小説好きだがあまり企業小説は読まない僕のような人は大勢いるんだな。 企業小説と言えば私のイメージは大銀行の内幕暴露ものなんです。いかにもノンフィクション風で実在の人物を臭わせるものだから、その人物を推量しながらこれも実際の出来事に思い巡らせ、いいかげんなことを描いているナァと不愉快になってしまうことが多... ...続きを見る

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 17 / トラックバック 5 / コメント 2

2007/02/14 13:46
夏樹静子 『見えない貌』 ベテランのミステリー作家が描いた親子の絆
夏樹静子 『見えない貌』 ベテランのミステリー作家が描いた親子の絆 夏樹静子さん、1938年生まれというからわたしよりも6歳先輩だった。そう気がつけば初期の作品『蒸発』を傑作だなと感じたことや『Wの悲劇』なども懐かしく思い出される。その後二時間ものテレビミステリーでしかお目にかからなくなったが、久々に5年前の『量刑』ではベテランの新境地ここにありと再び輝きを取り戻していた。 ...続きを見る

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 1 / コメント 0

2006/12/12 22:59
鏑木蓮 『東京ダモイ』 この夏一番の傑作、江戸川乱歩賞受賞の文芸ミステリー
鏑木蓮 『東京ダモイ』 この夏一番の傑作、江戸川乱歩賞受賞の文芸ミステリー 小泉総理にとって最後の夏、公約を実行して本日8月15日に靖国参拝の美学を貫いた。最近、素朴な反戦平和論は風化しつつあるかに見えたが、むしろこの騒動があったからか今年の夏は例年よりも戦争責任を改めて考えようとする報道の特集が増えたような気がしている。われわれにとっては別に最後の夏ではないのだから、素朴な平和希求の心を愚直に語り続けることは忘れてはならないことだと思う。 ...続きを見る

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 3 / コメント 3

2006/08/15 23:09
映画化決定 東野圭吾 『手紙』………だそうです。
映画化決定 東野圭吾 『手紙』………だそうです。 この「サンスポ芸能ニュース」によれば『白夜行』に続き主演は山本孝之だそうです。生野慈監督が原作の感動をどう映像化するか楽しみです。 ...続きを見る

ブログ気持玉 0 / トラックバック 3 / コメント 2

2006/04/28 11:34
西木正明 『一場の夢 二人の「ひばり」と三代目の昭和』よみがえる美空ひばり伝説
西木正明 『一場の夢 二人の「ひばり」と三代目の昭和』よみがえる美空ひばり伝説 もう一人の美空ひばりが実在した!と序章からセンセーショナルであるが、あくまでもあの国民的歌手・美空ひばりの波乱に満ちた人生をたどる。彼女の実像は? ...続きを見る

ブログ気持玉 0 / トラックバック 1 / コメント 0

2006/02/23 11:21
NHKドラマ『クライマーズハイ』この緊迫感を堪能する
NHKドラマ『クライマーズハイ』この緊迫感を堪能する 横山秀夫原作の『クライマーズハイ』が二夜連続のテレビドラマ化されその前編が12月10日に放映された。NHKのドラマだから期待はしなかったが、これは凄かったですね。17日の後編は見逃せません。原作をかなり忠実にたどっているようです。原作を読んだ時の緊張感の高まりを同様に覚えました。 ...続きを見る

ブログ気持玉 0 / トラックバック 1 / コメント 3

2005/12/13 11:14
西木正明 裕仁皇太子拉致暗殺事件 今読まれてよい『冬のアゼリア』
西木正明 裕仁皇太子拉致暗殺事件 今読まれてよい『冬のアゼリア』 8月15日終戦記念日、今年は戦後60年の節目に当たる。小泉首相が発表した談話は「かつて植民地支配と侵略によって多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に多大な損害と苦痛を与えた」と歴史認識を表明し、反省と謝罪の意を改めて明示した。中国・韓国との関係が悪化した中でアジア外交の修復するための内閣の姿勢として妥当だと思う。 一方韓国では今日を「光復節」(日本の植民地支配からの解放記念日)と呼ぶのだそうだ。ノ・ムヒョン大統領は直接の日本批判である竹島領有権や教科書問題などに触れることなく国民統合の必要... ...続きを見る

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 1

2005/08/17 21:19
03/10/07横山秀夫『クライマーズ・ハイ」君の人生には熱く語れるものがあったか?
03/10/07横山秀夫『クライマーズ・ハイ」君の人生には熱く語れるものがあったか? 君の人生には熱く語ることのできるなにかがあったか………と厳しく問いかける男がいる。 まもなく退職年齢を迎える悠木和雅、私より2歳年下の57歳。群馬県の地方紙「北関東新聞」のベテラン記者であった彼は17年前に左遷されたまま山奥の草津通信部で村の小さな出来事を書き続けている。17年前日航ジャンボ旅客機が御巣鷹山に墜落し、その事件の総括デスクとなった。機動力に乏しい地方新聞社の内心は迷惑な大事件なのである。しかし、記者人生にとって、この田舎ではこれ以上の大事件は生涯に出くわすことがない、まさに乾... ...続きを見る

ブログ気持玉 0 / トラックバック 3 / コメント 0

2005/06/03 10:24
最新作「灰色の北壁」、真保裕一、感動の山岳ミステリー誕生
最新作「灰色の北壁」、真保裕一、感動の山岳ミステリー誕生 「山岳ミステリー」!! この作品は真冬、豪雪の山奥。そこのダムを舞台にしたデビュー作『ホワイトアウト』という傑作冒険小説の類ではない。 ...続きを見る

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 2 / トラックバック 3 / コメント 0

2005/05/06 12:52
03/07/27 丸谷才一 『輝く日の宮』 だらしないところもありそうな親しみを感じる文化論 
03/07/27 丸谷才一 『輝く日の宮』 だらしないところもありそうな親しみを感じる文化論  一流料亭にて名だたる調理人の芸術的割烹料理を堪能する場合、まずお品書きを一覧し、それぞれがいかなる趣向にこしらえてあるか思い巡らせるを楽しみ、一つ一つの料理が並べられれば盛り付けられた器を鑑賞し、配置の工夫、彩り、季節感を愛で、ベテランの仲居さんと調理人のさばきのよさを語らいながらその深い味わいに恍惚とするのである。また床の間にひっそりとおわす墨絵、一輪挿し、障子を開けて板の間越しにみえる中庭の涼しげな風情にもこころをひかれ、できうれば女将とうわさの政治家周辺、差し障りないスキャンダルにも話... ...続きを見る

ブログ気持玉 0 / トラックバック 2 / コメント 0

2005/04/29 23:30
03/07/14幻想文学・泉鏡花 『高野聖』 ホリエモンに読ませてみたい「合理主義の忌避」
?京極夏彦『覘き小平次』と丸谷才一『輝く日の宮』と間に泉鏡花『高野聖』を読む。 丸谷才一の話題作『輝く日の宮』は冒頭、泉鏡花の『高野聖』を本歌取りした現代怪異譚で読者は思いもかけないこの小説の凝った趣向に驚くことになるのだが、少し読み進んで松尾芭蕉論あたりになると、近代文学とか近代的自我の確立などと西洋流の理路整然とした物事の整理の仕方とは対極にあるぼんやりした日本的情趣の値打ちを思いやるようなところに至り、そうなるとやはり、『源氏物語』をいまさら読むのは億劫であるが、おそらく伏線として冒... ...続きを見る

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 2 / トラックバック 1 / コメント 0

2005/04/28 15:06
03/01/13 これぞ忠臣蔵の決定版
例年、正月の二日は10時間のテレビドラマを楽しみにしている。今年は「忠臣蔵」であった。この誰もが知っている美談をどう解釈しているかがもっぱら興味の対象であったが『仮名手本忠臣蔵』の素材をかなり取り込んで、世話物、人情噺といわば古典的解釈の「義士」を描くドラマで拍子抜けしたが、それでも、最近でははやらない挿話がむしろ懐かしく、年寄りと一緒に見て会話も弾んだものだ。 ...続きを見る

ブログ気持玉 0 / トラックバック 2 / コメント 0

2005/04/10 22:48
2002年6月14日北村薫『六の宮の姫君』に挑戦する
ある人からミステリーファンとしてはこれは読むべしと指摘があって、本屋で手に取ったところ表紙挿し絵がインテリお嬢さん風な青春劇画ものだから、いい歳の大人が読むものではないなと気恥ずかしい思いでためらいつつ買ったものだ。 ...続きを見る

ブログ気持玉 0 / トラックバック 1 / コメント 0

2005/03/22 10:40
2002年5月18日 英雄待望論の陥穽 曽野綾子「狂王ヘロデ」
ミステリーも面白いことに変わりはないが、最近では宗教周辺の読み物にも興味を惹かれるようになったのはやはり歳のせいなのだろうか。 ...続きを見る

ブログ気持玉 0 / トラックバック 1 / コメント 1

2005/03/19 01:24
2002年3月1日 夢枕獏『神々の山嶺』の強烈なインパクト!
外へでた。思わず、声のでそうな景観の中に、いきなり深町の身はさらされた。地上ではなく、いきなり、宇宙のただなかへ放り出されたようであった。頭上には銀河がかぶさっている。雲は一つもない。おそろしいほど透明な空に夥しい数の星がきらめいていた。月もないのに雪や岩の細かいディテールまでがみてとれる。雪明りと、星灯りとで、ここまで視界を得ることができるのかと思った。 ...続きを見る

ブログ気持玉 0 / トラックバック 5 / コメント 0

2005/03/13 15:54
2002年2月16日社会派推理小説の金字塔水上勉『飢餓海峡』
樽見京一郎は京都の僻村に生まれた。17歳で北海道に渡り貧困のどん底にあえぎながら必死で這い上がる。その彼が出世し社会的名声も得る。しかし、その成り上がりのためにはいくつかの残虐な殺人を犯さねばならなかった。下北半島、恐山のふもとの寒村で生まれ、親を養うために身を売る薄倖の女・杉戸八重との出会い。彼女は上京し、焼け野原の新宿、池袋、亀戸を酌婦・娼妓として転々とする。10年の歳月が流れ二人の運命の出会いから次の殺人事件が……… ...続きを見る

ブログ気持玉 0 / トラックバック 3 / コメント 1

2005/03/12 23:56
2001年7月15日 「理想の夫婦像」教えます 東野圭吾「秘密」
東野圭吾という作家の小説など年甲斐もなくと、手にとることもなかったのだが、『片想い』に続いて初期の傑作「秘密」、遅ればせながら、読んだ。 ...続きを見る

ブログ気持玉 0 / トラックバック 9 / コメント 0

2005/02/21 22:44
2001年7月14日 友情って女性の間にもあるのでしょうか?東野圭吾「片想い」
a@ サラリーマン人生が終局を迎えそろそろ第二の生き方の楽しみを模索するようになりますと、今まで気づくことがなかったところに新鮮な輝きを見出すものです。 ...続きを見る

ブログ気持玉 0 / トラックバック 2 / コメント 0

2005/02/20 23:31
リアルタイム 黒岩重吾 『ワカタケル大王』 
死の直前の大作に見る、巨匠の最後の最後まで燃焼し続けたそのエネルギー ...続きを見る

驚いた ブログ気持玉 3 / トラックバック 3 / コメント 0

2005/02/19 01:04
2000年11月27日 沢木耕太郎「血の味」の味
沢木耕太郎の作品を始めて読んだ。 なんとも不可解なそれでいてどこか自分自身の内にあるやましさ、暗部を垣間見るような現実感。それは既視感の類かもしれないなどと、思いがけない奇妙な味の小説であった。 15歳の少年が殺人を犯す、といえば今ではありきたりな事件になってしまった。作者は決していまふうな解釈を加えない。猟奇的興味は一切ない。 少年時代、鋭利なナイフをみつめ、何か官能的な興奮を覚えた時期があったような気がする。通学の電車で、中年のオヤジから、股間を触れられ、にらみ返したことも記憶によみ... ...続きを見る

ブログ気持玉 0 / トラックバック 1 / コメント 0

2004/12/02 22:10
2000年8月8日 環境破壊を糾弾する啓蒙の書 帚木蓬生の「空山」
美しい山々の懐に抱かれて、水田、畑、果実園の自然の恵みを感謝しながら、人々が協力し、幸せに、慎ましく生活できる共同体。 ここに巨大ごみ処理センターの建設が密かに進められる。反対運動に立ち上がる人々の努力の積み重ね。横糸には不倫純愛の主人公たちの一途な愛の賛歌。帚木蓬生の「空山」はヒューマニズム溢れるいかにもこの人らしいテーマで重々しくその主張が貫かれています。生真面目なこの主張には批判することは何もありません。風景の美しさ、人々の温かい人情、自然の恩恵、純愛物語……丁寧によく書けています。... ...続きを見る

ブログ気持玉 / トラックバック / コメント

2004/11/27 17:48
リアルタイム新刊書紹介 アレン・カーズワイル 『形見函と王妃の時計』
読了すれば思いのほかプロットは簡素なのだが、なにが飛び出すかわからないビックリ箱のようなこの作品を楽しく読むのは相当に手ごわいぞ。 ...続きを見る

ブログ気持玉 / トラックバック / コメント

2004/11/21 00:18
1999年9月20日 ふたたび山崎豊子の魅力
次に新しいジャンルに挑戦し成功したと思う。それは「二つの祖国」であり「大地の子」である。一貫したテーマは「愛国心」。(誤解なきよう、日の丸、君が代的愛国ではありません)私は此の作品が彼女の最高傑作だと思う。 そして今回の「沈まぬ太陽」なのですが。これは戻っちゃうんですよ。「業界内幕もの」に。主人公は巨大航空会社のサラリーマン一人、経営者一人で、これが旧弊な会社機構、官僚、政治家等と悲壮な闘いをするのです。ある意味で古いタイプの理念的なサラリーマン像、経営者像が描かれ、悲劇のヒーローは努力し... ...続きを見る

ブログ気持玉 0 / トラックバック 1 / コメント 0

2004/10/20 06:15
1999年9月19日 山崎豊子の魅力
彼女の作品を読んだのは最初、「女の勲章」であったと記憶している。今でこそ「方言」がマスメディア、小説に広く使われ特段違和感はないのだが当時は東京弁をいわゆる標準語としてその他の言葉は主役の座にはなかったと感じている。「暖簾」「ぼんち」「女系家族」と全編を大阪弁で表現。、大阪弁と言えば「落語、漫才の世界でのんびりした、柔らかい、あるいは間の抜けた」との印象を持っていた私は 彼女の小説を読んでその登場人物の使う大阪弁の「したたかさ、陰湿さ、押しつけがましさ。特に脅迫性の凄み」に圧倒されことを今で... ...続きを見る

ブログ気持玉 / トラックバック / コメント

2004/10/20 06:14
1999年9月5日 東野圭吾「白夜行」を堪能する
東野圭吾は「秘密」を読んで軽妙な語り口が上手な作者だと思っておりました。奇抜であり得ない状況を設定しつつ普遍な夫婦愛をなんのけれんみもなく表現したものでおそらく若い年代は素直に受けとめたでしょうし、「夫婦愛」と言う言葉がくすぐったくなる、あるいは風化してしまった年代層にも郷愁に似た感慨をおぼえさせる、なかなかに手練れた作品でした。 。 「白夜行」その時代背景 東野圭吾の前作「秘密」とは全く趣を変えた傑作だと思います。「秘密」は奇抜で、あり得ない環境を人工的に作り、軽妙な筆致で夫婦愛を... ...続きを見る

ブログ気持玉 0 / トラックバック 14 / コメント 2

2004/10/15 06:48

トップへ | みんなの「文芸」ブログ

日記風雑読書きなぐり 文芸のテーマ/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる