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みんなの「海外ミステリー」ブログ

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フェルディナント・フォン・シーラッハ 『禁忌 TABU』  もやもやの核心をどうとらえるべきか?
フェルディナント・フォン・シーラッハ 『禁忌 TABU』  もやもやの核心をどうとらえるべきか? 飾り帯の宣伝文句には「ラストに明かされる衝撃の結末」とあり、前作の『犯罪』がとても魅力的な犯罪小説であったため期待をして手に取った。いくつかの出版社が企画した昨年度傑作ミステリーの上位にランクされている。 取りつく島のないもやもやの核心を読者としてはどうとらえたらよいのか?魅力的な文体に迷走させられながら、ゼバスティアン・フォン・エッシュブルグという芸術家のおこした事件は解明されたのか?それとも読者には全貌を知らせるつもりはなかったのか?それすらわからぬままに、………確固たるはずのおのれの人生... ...続きを見る

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2016/04/03 19:09
ジェフリー・ディーヴァー 『スキン・コレクター』  ベストセラーを創り出す人々の驕りか?
ジェフリー・ディーヴァー 『スキン・コレクター』  ベストセラーを創り出す人々の驕りか? ところで「毒の針で刺青を刻むスキン・コレクター。すぐには殺さない。」だそうだが、「タトゥー」についての薀蓄に相当部分紙数を割いている。珍奇なピアス同様、ファッションの一種になりあがっている。一般的にはタトゥーパーラーと呼ばれる店舗でタトゥーアーティストがタトゥーマシン(タトゥーガンというヤクザな言葉は使ってはいけないのだそうだ。)で創りあげるものらしい。いかに芸術のように説明されても人面のサソリではグロテスクなだけだな。刺青はちょっと陰のある彫師によって刻まれる健さんの唐獅子牡丹か純子姐さんの緋... ...続きを見る

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2016/03/10 15:01
ピエール・ルメートル 『悲しみのイレーヌ』 話題のベストセラーを暇に任せて読んでみましたが………
ピエール・ルメートル 『悲しみのイレーヌ』 話題のベストセラーを暇に任せて読んでみましたが……… この年末、正月は特別休養をとってのんびりです。久しぶりに読書の時間ができました。 このところ連日、テレビのニュースワイドショーで怪しげに報道されている大阪門真市のバラバラ事件だがなんとも凄惨な死体損壊が行われたようだ。犯人はあらかじめのこぎりや包丁、小型冷凍庫を購入し、被害者をバラバラに切断、恐ろしいことに頭部を短時日で頭蓋にしたのであろうか、水を張った浴槽に頭蓋骨が発見されたという。 「事実は小説よりも奇なり」とよく言われる。ミステリーを地でゆく猟奇的犯行だ。しかし現代は小説のほうがさらに... ...続きを見る

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2016/01/08 21:08
ピエール・ルメートル 『その女アレックス』 昨年の話題を独占した海外ミステリーだが
ピエール・ルメートル 『その女アレックス』 昨年の話題を独占した海外ミステリーだが 誘拐されたアレックスは手足を縛られ、前こごみの姿勢のまま身動きの取れない狭い木箱に閉じ込められる。誘拐犯はお前が死ぬのは見たいと言って彼女がネズミに食われて死ぬのを待っている。10日以上もそんな状態が続けば、普通の人間なら気が狂って死んでしまうところだが、アレックスは死を目前に脱走を試みる………。 ...続きを見る

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2015/05/26 13:40
ケイト・モートン 『秘密 下』 やはりそうだったかと思わせつつ結局は騙されます 見事な叙述マジック
ケイト・モートン 『秘密 下』 やはりそうだったかと思わせつつ結局は騙されます 見事な叙述マジック 最近はウォーキング、カメラと写真の編集からパソコン操作に余暇時間の大半を割いている。通勤時間がまるで無くなったことも加わって読書時間が激減だ。本一冊をひと月もかけていては内容を消化することなどおぼつかない。 ミステリーの場合はなおさらである。一気に読めないと消化不良を起こす。やむを得ず『秘密』はなんどもページをめくり返し、あるいは上巻を戻り読みしていった。さらに過去と現在に場所と複数の語り手を加えた四次元軸が交差する著者お得意の叙述マジックだから、読み始めた時からメモ用紙を本に挟んで要所要所を... ...続きを見る

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2015/02/08 00:03
ケイト・モートン 『秘密 上』 過去と現在が綾をなしてすすむ語りの妙に陶然とする
ケイト・モートン 『秘密 上』  過去と現在が綾をなしてすすむ語りの妙に陶然とする お伽噺というソフトカプセルに閉じ込めた劇薬ホラーとの印象を受けた『忘れられた花園』のケイト・モートン、久々の登場。まだ上巻を読んだだけであるが、乙女にありがちな同性愛と若い男女の恋が並行する甘酸っぱい青春恋愛小説。上流社会と下層市民の落差を織り込んだいかにも英国風風俗小説。現代から見れば古めかしいストーリー。しかもスローテンポなのだ。謎の提示にしても平板な作品だなと第一印象としては受けるのだが、語りの魔術というべきか、なかなかどうして退屈するどころか引き込まれてしまう。 ...続きを見る

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2015/01/08 11:56
NHK連続テレビドラマ 『ロング・グッドバイ』を観た。雰囲気が出ているぞ!
NHK連続テレビドラマ 『ロング・グッドバイ』を観た。雰囲気が出ているぞ! なにげなくチャンネルを入れた。「ロング・グッドバイ」だって?まさかレイモンド・チャンドラーのアレをリメイクしたのではあるまい。………と一瞬疑った。本格中の本格なのだからこのハードボイルドは、日本の茶の間の夕飯時には受けるはずがないと思っている。なんてったって、男の噺であり、セリフがバタ臭くてあまりにもキザだから、母親族には受けるはずがないのだ。 ところがなんとそのものズバリであったよ。舞台は1950年代の東京なのだ。セピア調の映像が雰囲気を出していた。マーロウ役の浅野忠信だが、なかなか... ...続きを見る

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2014/04/22 22:23
追悼 ガルシア=マルケス 『百年の孤独』 17日、コロンビアのノーベル賞作家が亡くなった
追悼 ガルシア=マルケス 『百年の孤独』 17日、コロンビアのノーベル賞作家が亡くなった 1967年発表の長編『百年の孤独』は、架空の都市・マコンドを舞台にした開拓者一族の百年の歴史を夢幻のごとく描いて、マジックリアリズムの傑作とされた。ノーベル賞作家だから、難解であるとの先入観から敬遠していた作品だったが、チャレンジ精神とヤジウマ根性で2011年6月に読んでみた。その時の印象であるが…… 大作家の死を悼んで、再掲します。 ...続きを見る

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2014/04/20 22:10
ミネット・ウォルターズ 『遮断地区』  2001年7月28日英国でこんな凄惨な暴動があった?
ミネット・ウォルターズ 『遮断地区』  2001年7月28日英国でこんな凄惨な暴動があった? ミネット・ウォルターズの作品は1999年に『女彫刻家』『昏い家』、2012年『破壊者』を読んでいる。実を言うといずれもわたしには理解できないところがあって、ぼんやりとしか記憶に残っていない。ところが日本ではかなり人気のあるミステリー作家なのだ。この『遮断地区』も昨年の各種人気投票で上位にランクインしている。「このミステリが読みたい!第1位」「このミステリーがすごい!第2位」「週刊文春第3位」だった。さらに今回は「現代英国ミステリ女王の新境地」といううたい文句にその気にさせられた。今度こそは面... ...続きを見る

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2014/02/10 11:30
スティーヴン・ハンター 『第三の銃弾』 あの伝説の狙撃手がJFK暗殺事件の謎に肉薄したが………
スティーヴン・ハンター 『第三の銃弾』 あの伝説の狙撃手がJFK暗殺事件の謎に肉薄したが……… 1999年から2000年の頃、スティーヴン・ハンターの『ブラック・ライト』『極大射程』『狩りのとき』と絶頂期のスワガーシリーズに夢中になった。ジェイムズ・メイヤーの『地上50ミリメートルの迎撃』という先行した傑作もあって、スナイパー冒険小説は花盛りといったところだった。派手なアクション、意表を突く展開、スリリングでスピード感あり。ズバリ「理屈抜きの面白さ」である。だが、一般にシリーズものは間をおかないで多作に至ると、品質が維持できなくなるものだ。スワガーシリーズも例外ではなかった。2001年『悪... ...続きを見る

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2014/01/18 18:46
ダシール・ハメット 『血の収穫』 「ミステリーに革命をもたらしたハードボイルドの先駆的名作」
ダシール・ハメット 『血の収穫』 「ミステリーに革命をもたらしたハードボイルドの先駆的名作」 聞きかじりで恐縮だが、20世紀初頭のアメリカにパルプ・マガジンというのがあった。粗悪なザラ紙でけばけばしい表紙のついた通俗読み物雑誌、なかでも「ブラック・マスク」誌はいわゆるハードボイルド小説を開花させる土壌となっていた。その雑誌でハメットの『血の収穫』は1927年から一年間連載され、1929年の出版で大反響を呼んだ。なにしろハードボイルドというスタイルを確立した記念碑的作品として定着している………のだそうだ。コンチネンタル探偵社支局員であるおれのもとに、小切手を同封した事件依頼の手紙が舞い込ん... ...続きを見る

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2013/09/29 10:55
スティーヴ・ハミルトン 『解錠師』   金庫破りの緊迫したシーンが見せ場になっている
スティーヴ・ハミルトン 『解錠師』   金庫破りの緊迫したシーンが見せ場になっている 「非情な犯罪の世界に生きる少年の光と影を描いてMWA賞最優秀賞、CWA賞スティールダガー賞など世界のミステリ賞を獲得した話題作」 しかも昨年の「このミス」「週刊文春」の第一位であったから、最近はこういうランキングはあてにならないとわかっていても、暇に任せて手に取った。 ...続きを見る

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2013/08/03 16:42
デニス・ルへイン 『夜に生きる』 凄惨な暴力を哀しく描いた実録風ギャングストーリー
デニス・ルへイン 『夜に生きる』 凄惨な暴力を哀しく描いた実録風ギャングストーリー アイルランド移民といえば当時は下層階級であるが、トマス・コグリンはボストン市警できわどい捜査活動も含めて警部にまでのし上がり、かなり裕福な家庭を築いた例外的な移民一世である。2008年に読んだ『運命の日』はその長男・ダニーを主人公に、アメリカの存在そのものにある矛盾を直接に語った社会史劇的な物語だった。そして最新作の『夜に生きる』は三男のジョー・コグリンがチンピラから地方組織のボスに上りつめ、やがて………(1926年19歳から1935年28歳)という娯楽色たっぷりのギャング小説になっている。... ...続きを見る

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2013/06/24 11:27
ジョン・ル・カレ 『われらが背きし者』 すべてはこのエンディングのための序章であったのか
ジョン・ル・カレ 『われらが背きし者』 すべてはこのエンディングのための序章であったのか ジョン・ル・カレのスパイ小説の感想で、あらすじに触れるのはタブーなんだ………と、『ティンカー・テイラー・ソルジャー・スパイ』をじっくり読んで、そしてこの作品を読んだところで確信しました。 それは冒頭から読者を煙に巻く。 しかも上品に巧みに。 だから煙に巻かれること自体を楽しむ。 そういう仕掛けになっているからです。 ...続きを見る

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2013/04/29 22:16
レイモンド・チャンドラー/村上春樹訳 『大いなる眠り』 シリーズ初作にしてひたすら描くマーロウの魅力
レイモンド・チャンドラー/村上春樹訳 『大いなる眠り』 シリーズ初作にしてひたすら描くマーロウの魅力 私立探偵フィリップ・マーロウ。三十三歳。独身。ロサンゼルス地方検事局の元捜査員。一部屋半のオフィスをダウンタウンに構え、命令への不服従にはいささか実績のある男………。 チャンドラーを読んでいる読書人ならおそらくだれもが知っている有名なセリフ。女がマーロウに尋ねる。 「あなたのようにしっかりした男がどうしてそんなに優しくなれるの?」 マーロウは答える。 「しっかりしていなかったら、生きていられない。優しくなれなかったら、生きている資格がない」( 『プレイバック』より)。切れ味が抜群でし... ...続きを見る

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2013/03/30 12:47
トルーマン・カポーティ 『冷血』 高村薫最新作『冷血』を読む前に
トルーマン・カポーティ 『冷血』 高村薫最新作『冷血』を読む前に トルーマン・カポーティの『冷血』は1965年の作品である。1959年11月、カンザス州の片田舎・ホルカムで起きたクラッター一家4人(夫妻と子どもたち)惨殺事件。実際にあった事件を徹底的に調べ上げ、ノート6000ページに及ぶ膨大な資料をもとに、データを再構築し、実際の再現に迫ろうとする姿勢で、実録風の小説に纏め上げたものだ。被害者は皆ロープで縛られ、至近距離から散弾銃で射殺されていた。このあまりにも惨い犯行に、著者は5年余りの歳月を費やして綿密な取材を遂行。そして犯人2名が絞首刑に処せられるま... ...続きを見る

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2013/01/19 23:09
ジェフリー・ディーヴァー 『バーニング・ワイヤー』 おなじみリンカーン・ライム 今回の趣向を楽しみに
ジェフリー・ディーヴァー 『バーニング・ワイヤー』 おなじみリンカーン・ライム 今回の趣向を楽しみに ジェフリー・ディーヴァーのお家芸だ。 そして本著はリンカーン・ライムシリーズの第9作にあたるそうだ。 ...続きを見る

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2012/12/02 14:18
スコット・トゥロー 『無罪』 法曹のプロたちがしのぎを削る完璧なリーガルサスペンス
スコット・トゥロー 『無罪』  法曹のプロたちがしのぎを削る完璧なリーガルサスペンス 1988年に刊行された『推定無罪』の続編である。 と言っても、わたしは『推定無罪』を読んでいない。ハリソンフォード主演の映画は見ているが、実はこの記憶も定かでない。ただ、「推定無罪」という言葉に当時は奇妙な語感を覚えたが、このときしっかりと意味を認識したものだ。被害者の体内にあった精液の血液型がハリソンフォード演ずる主人公のサビッチ検事のそれと同じだったという記憶があって、本編『無罪』では20年間保存してあったこれをDNA鑑定するかどうかがひとつの山場を作っている。最近の東電OL殺人事件の... ...続きを見る

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2012/11/10 23:11
アーナルデュル・インドリダソン 『湿地』  アイスランドの成り立ちに隠された事件の深層とは?
アーナルデュル・インドリダソン 『湿地』  アイスランドの成り立ちに隠された事件の深層とは? 北欧ミステリーがブームだという。このところスティーグ・ラーソン 『ミレニアム』、ヨハン・テオリン『黄昏に眠る秋』とスウェーデンのミステリーを楽しませてもらったが、今回はアイスランドである。アイスランドといえば、2〜3年前に火山の噴火で国際航空線が大混乱したことぐらいしか知らない。「国」というよりも、火山と氷河、寒々とした不毛の「島」というイメージである。 ...続きを見る

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2012/09/06 00:42
カルロス・ルイス・サフォン 『天使のゲーム』 20世紀初頭、呪われたバルセロナを語る第一級のエンタメ
カルロス・ルイス・サフォン 『天使のゲーム』 20世紀初頭、呪われたバルセロナを語る第一級のエンタメ 2007年に読んだ前作 『風の影』のバルセロナは1945年だった。嫉妬、憎悪、不信、裏切り、暴力のなかで、人々の善意、友情、愛の絆のたくましさを、繊細、流麗な文体で高らかに歌い上げていた。特にスペイン文芸文化の光と影を象徴するかのように人知れず浮かび上がる「忘れられた本の墓場」は強烈な印象を残した。「忘れられた本の墓場」シリーズとなるのだろうか、『天使のゲーム』は同じバルセロナを舞台している。時代は前作の1945年より遡った1917年に始まるのだが、しかし趣は前作とはまるで違う。「第一章 呪... ...続きを見る

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2012/08/27 00:41
ジョン・ル・カレ 『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』 なるほどこれが本格スパイ小説だ!!!
ジョン・ル・カレ 『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』 なるほどこれが本格スパイ小説だ!!! このところ続けざまに女性作家の作品を読んできたところで、今度は男の匂いがプンプンするような小説でギュッと緊張したくなった。ル・カレのスパイ小説はかなり前に『寒い国から帰ったスパイ』を読んだという記憶だけがある。代表作といわれている「スマイリー三部作」のうち、最近になって『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』の新訳が出たと聞き、このガチガチの筋金入りに挑戦してみたくなったのだ。この作品は「なにがなんだかよくわからない作品」といわれているからだ。 ...続きを見る

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2012/07/02 20:39
ドン・ウィンズロウ 『サトリ』 劇画風に描いた日本精神をもつ暗殺者の活劇
ドン・ウィンズロウ 『サトリ』  劇画風に描いた日本精神をもつ暗殺者の活劇 初めて読んだドン・ウィンズロウの作品『犬の力』は凄かった。マリオ・プーゾとエル・ロイ。マフィアと国家権力のノワールを合わせてアメリカが仕掛ける麻薬戦争のスケールに圧倒された。次に読んだ 『フランキー・マシーンの冬』もなかなか洒落ていた。すべてに一流のスタイリッシュな老殺し屋のアクション活劇なのだが、かつての東映任侠シリーズに通じる「粋」なところが魅力だった。この勢いで『サトリ』を手にしたのだが………。 「サトリ」とは「悟り」のことのようだ。わたしは知らなかったがトレヴェニアンという覆面... ...続きを見る

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2012/05/12 17:37
ミネット・ウォルターズ 『破壊者』 ショッキングなキャッチフレーズに惑わされないように………
ミネット・ウォルターズ 『破壊者』  ショッキングなキャッチフレーズに惑わされないように……… ミネット・ウォルターズについては、ストーリーはまるで記憶にないのだが、日本でもブームになって、1999年ごろに遅ればせながら『女彫刻家』(1993年)と『昏い部屋』(1995年)を読んだことがある。今回、久しぶりに目にした著者名で英国ミステリ女王とされていた。これは新作だと思い、どんなミステリー作家だったかと、懐かしさも手伝って手にした次第。読んでる途中退屈だったから、巻末「解説」を覗くとなんと1998年の作品とあってだまされたような気分になった。女は裸で波間に漂っていた。脳裏をよぎるのは、... ...続きを見る

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2012/02/21 14:39
デイヴィッド・ゴードン 『二流小説家』 アメリカの狂気,ゾッとする現実を見せつけるが………
デイヴィッド・ゴードン 『二流小説家』  アメリカの狂気,ゾッとする現実を見せつけるが……… 昨年の『このミステリーがすごい!』『週刊文春ミステリーベスト10』など海外部門ランキング第1位に挙げられた話題のミステリーだ。この手のランキングは国内部門ではどうかと思うものも多いが海外部門は比較的妥当なところがあり、それでは読んでみる価値があるかもしれないと手に取ったしだい。 タイトルは「二流小説家」とあるが、原題は『The Serialist』。私にはなじみのない言葉だったが、どうやら連載小説家と翻訳される概念のようだ。主人公の「私」はハリー・ブロック。ポルノ雑誌の性の相談コーナーを主... ...続きを見る

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2012/01/07 18:30
デビッド・フィッシャー 『スエズ運河を消せ トリックで戦った男たち』 第二次大戦のビックリ秘話
デビッド・フィッシャー 『スエズ運河を消せ トリックで戦った男たち』  第二次大戦のビックリ秘話 著者は米国のノンフィクション作家であり、これは実話を小説風に描いたものだ。どこまでが本当も話なのかわからないのがマジックなのかもしれない。 私はあまりノンフィクション系を読まないのだが、この本の書評が新聞2紙に紹介されていたのが目に付いた、第二次大戦の北アフリカを舞台に本物のマジシャンがマジックの手法でドイツ軍を翻弄する。日本にも「一夜城」といって秀吉が墨俣城、石垣山城などアッという間に築城したかのようにみせて、敵の心胆を寒むからしめるお話がある。黒澤明は『蜘蛛巣城』で「森を動かして」見せ... ...続きを見る

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2011/12/18 22:22
ジェフリー・ディーヴァー 『007 白紙委任状』 リンカーン・ライムの捜査手法でボンドが凶悪犯に迫る
ジェフリー・ディーヴァー 『007 白紙委任状』 リンカーン・ライムの捜査手法でボンドが凶悪犯に迫る 僕は大学生だったが、『007は殺しの番号』を家庭教師先の坊やと渋谷の東急文化会館で観たときの、これまでの映画にはなかった新鮮なインパクトを忘れられない。あのダンディズムとセクシャルな美女とのからみ、大仕掛けで荒唐無稽な大陰謀と闘うハードなバイオレンスに魅せられて以来、ボンド映画とはつきあいは長い。 フレミングの原作は『ムーンレイカー』他2〜3作を読んだ。当時の和製冒険活劇小説に『野獣死すべし』でヒットした大藪春彦の作品があって、愛読していたものだが、これとは異質な「007」のバタ臭いスマートさ... ...続きを見る

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2011/11/22 14:55
トム・ロブ・スミス 『エージェント6』 三部作完結。悲惨に打ちひしがれたレオに救いの道はあるのか?
トム・ロブ・スミス 『エージェント6』  三部作完結。悲惨に打ちひしがれたレオに救いの道はあるのか? 『チャイルド44』。1953年、スターリン統治下のソ連。恐怖政治、監視国家、秘密警察、密告システムの残忍さを極限まで描き、犯罪者として烙印を押された主人公レオの国家相手の壮絶バトルアクション。とにかくあまりにもサディスティックな描写に度肝を抜かれた。 ...続きを見る

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2011/10/01 14:22
フェルディナント・フォン・シーラッハ 『犯罪』  異常な犯罪と向き合う弁護士が描く裁判制度の光と闇
フェルディナント・フォン・シーラッハ 『犯罪』  異常な犯罪と向き合う弁護士が描く裁判制度の光と闇 弁護士の著者が現実の事件に材を得て、異様な罪を犯した人間たちの哀しさ、愛おしさを鮮やかに描く連作短編集。文学賞二冠、45万部突破の欧米読書界を震撼せしめた傑作一生を愛し続けると誓った妻を殺めた老医師。兄を救うため法廷中を騙そうとする犯罪者一家の息子。羊の目を恐れ、眼球をくり抜き続ける伯爵家の御曹司。彫像『棘を抜く少年』の棘に取り憑かれた博物館警備員。エチオピアの寒村を豊かにした心やさしき銀行強盗。………魔に魅入られ、世界の不条理に翻弄される犯罪者たちその他………ギリシャ人であること拒否することに... ...続きを見る

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2011/08/20 20:05
ヨハン・テオリン  『黄昏に眠る秋』 スウェーデン・エーランドの憂愁たっぷりの傑作ミステリー
ヨハン・テオリン  『黄昏に眠る秋』 スウェーデン・エーランドの憂愁たっぷりの傑作ミステリー スウェーデンのエーランド島。 地図を見れば、スカンジナビア半島を海龍に見立てたとき、デンマークを飲み込もうとする下あごの付け根にコバンザメのように張り付いて見える細長い島だ。現在、南部の農業地帯は世界遺産に指定されている。島の北部がこの物語の舞台になる。西に本島を眺望するいくつかの村落があるが定住人口は数少ない。ストックホルムの小金持ちたちがここに別荘を持ち、夏だけが賑わいを見せる。秋ともなれば本土へUターンする人の流れも途絶える。厳しい冬を迎える老人達だけがひっそりとそれぞれの軌跡、栄光... ...続きを見る

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2011/08/12 14:47
G・ガルシア・マルケス 『百年の孤独』  廃墟と化したマコンドは復活するだろうか。現在の日本を予言?
G・ガルシア・マルケス 『百年の孤独』  廃墟と化したマコンドは復活するだろうか。現在の日本を予言? いつかは読みたい、むしろ読んでおかねばならないと思うような重量級作品はいくつかあるのだが、手ごわい!と怖気が先行し、なかなか手が出ない。これはそのひとつだった。 コロンビアのノーベル賞作家。ラテンアメリカ文学ブームの先駆け。 「20世紀後半の世界文学を物語の奔流で力強く牽引した」 といわれる作品だと、この程度の知識しかなかった。 ...続きを見る

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2011/06/12 18:09
ケイト・モートン 『忘れられた花園・下』 ビクトリア朝世紀末と現代にまたがる家族関係の普遍性とは。
ケイト・モートン 『忘れられた花園・下』 ビクトリア朝世紀末と現代にまたがる家族関係の普遍性とは。 1913年、ロンドンからオーストラリアに着いた船にたったひとり残された少女ネルに何があったのか。魔法の組み紐が遡る謎の原点には名門貴族・マウントラチェット家の家族関係があった。ビクトリア朝世紀末と現代にまたがる家族関係の普遍性とは。 ...続きを見る

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2011/04/29 17:50
ケイト・モートン 『忘れられた花園 上』 最上級のミステリーを堪能しよう。
ケイト・モートン 『忘れられた花園 上』 最上級のミステリーを堪能しよう。 生みの親・育ての親と子供たちの錯綜する内心。かくもすさまじい親子の愛憎劇。まだ、上巻を読んだだけなのだが、この作品はお伽噺というソフトカプセルに閉じ込めた劇薬ホラーとの印象を受けた。とにかく第一級のミステリーである。 ...続きを見る

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2011/04/24 21:45
ジョン・ハート 『ラスト・チャイルド』 インディアンの神が事件の解決を導く異色のサスペンス
ジョン・ハート 『ラスト・チャイルド』 インディアンの神が事件の解決を導く異色のサスペンス 事件は「神」に導かれて解決していく………ともいえる。ハント「マスティーとはなんだ」ジョニー「インディアンと黒人の混血だよ。………インディアンの奴隷もいたんだよ。知らないの?」ところでマスティーの「神」ってキリスト教の神とは違うんだろうなぁ。 ...続きを見る

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2011/03/19 16:08
ドン・ウィンズロウ 『フランキー・マシーンの冬』 『犬の力』とは趣を変えた初老の殺し屋の痛快活劇譚
ドン・ウィンズロウ 『フランキー・マシーンの冬』 『犬の力』とは趣を変えた初老の殺し屋の痛快活劇譚 2006年、サンディエゴ。フランク・マシアーノの一日が始まる。 分秒刻みに動く精密機械のようなスケジュールなのだが、それが彼の美学で「フランク流に生きるのは骨が折れる」などと嘯きながら、悠々自適人、趣味と仕事が一体となったゆとりのある63歳の日常なのだ。釣り人のための「餌屋のフランク」。クラシックスタイルの大型サーフボードで定年近いFBI捜査官ら初老の仲間たちとで波乗りを楽しむ。今の若い者ときたら………、情理が通じていた古きよき時代を懐かしみながら。釣り餌屋、リネンレンタル、魚介販売、不動... ...続きを見る

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2010/12/23 16:25
ボストン・テラン 『音もなく少女は』 不条理の世界を勇気で生き抜いた女たち
ボストン・テラン 『音もなく少女は』 不条理の世界を勇気で生き抜いた女たち 本著はふんだんに使われる比喩やアイロニーなどが抽象的で難解な言い回しであり、また直訳的硬さが気になる。そんな文体であるのだが、ゆっくりと進む物語によくあるいらだたしさ堪えながら、じっくり読んでいくと著者のメッセージの深い意味あいが見えてくる。 ...続きを見る

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2010/12/12 23:53
スティーヴン・ハンター 『悪徳の都』 壮絶な銃撃戦を楽しむ
スティーヴン・ハンター 『悪徳の都』  壮絶な銃撃戦を楽しむ 最近、ぜひ読みたいと惹かれる新刊が出てこない。 そうなると通勤電車で退屈をもてあますことになる。なにせ乗車時間片道1時間半なのだ。ひとそれぞれだが時間つぶしには最適なジャンルがある。いまさら携帯電話のゲームに夢中になる厚かましさはない。ゲームなら小説のゲーム。私にとってのそれは理屈抜きでスピード感を味わえる冒険活劇小説である。1999年から2000年にかけてスティーヴン・ハンターの『ブラックライト』『極大射程』『狩りのとき』『魔弾』。当時刊行するたびにベストセラーになったボブ・スワッガーシ... ...続きを見る

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2010/09/28 22:24
ロジャー・スミス 『血のケープタウン』 アパルトヘイト廃止後の南アの悲惨を寓話的に語る
ロジャー・スミス 『血のケープタウン』 アパルトヘイト廃止後の南アの悲惨を寓話的に語る 私は暴力や殺人を前面にした過激な小説とつきあいが悪いほうではない。日経紙にあった「南ア舞台、生々しい悪の暗闘」で賞賛されていたものだからついつい手に取ったのだが、ここまでレベルの低い殺し合いだとは思わなかった。南アフリカ共和国をほとんど知らないものにとってはこの国は殺人、強盗、性犯罪者と売春婦に麻薬常習者あるいは精神異常のホームレスが充満した無法地帯だと思いたくなってもおかしくない世界が展開される。 ...続きを見る

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2010/09/09 23:48
ドン・ウィンズロウ 『犬の力』  メキシコ麻薬戦争にある巨大な暴力戦略と無惨な復讐の連鎖に驚愕する
ドン・ウィンズロウ 『犬の力』  メキシコ麻薬戦争にある巨大な暴力戦略と無惨な復讐の連鎖に驚愕する 物語はつい最近、1975年から2004年まで。 メキシコを中心とした30年に及ぶ壮絶な麻薬戦争を時には登場人物の内面をえぐり、時にはアメリカの対中南米戦略を俯瞰しながら詳細に描きだしている。凄惨な暴力の連続シーンにまず度肝を抜かれる。最近読んだトム・ロブ・スミス『チャイルド44』、スティーグ・ラーソン『ミレニアム・シリーズ』のそれにも参ったが、どこまで過激になるのだろうかと、これは桁外れだ。 マフィア小説ではマリオ・プーゾ『ゴッド・ファーザー』がマフィア側から見た抗争として記憶に残る... ...続きを見る

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2010/03/12 17:11
ジェフリー・ディーヴァー 『ソウル・コレクター』 毎度おなじみリンカーン・ライムシリーズの今回は?
ジェフリー・ディーヴァー 『ソウル・コレクター』 毎度おなじみリンカーン・ライムシリーズの今回は? 毎度おなじみ、あのリンカーン・ライムシリーズだ。 毎度おなじみであるから、いささか食傷気味なのだが、ついつい手が出る柿の種みたいなところで今回も手に取った次第。 ...続きを見る

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2009/12/09 00:04
トム・ロブ・スミス 『グラーグ57』 前作『チャイルド44』に深みが加わった。
トム・ロブ・スミス 『グラーグ57』 前作『チャイルド44』に深みが加わった。 時代はスターリンからフルシチョフへ。ソ連の軍事戦略は大きく転換されようとしている。レオの手にかかり愛するものを奪われた女の冷酷な復讐劇だが権力闘争を背景にしたことで前作よりも深みが加わっている。 社会主義国家には「犯罪」はありえない。あるとすればそれは国家に対する反逆である。 前作『チャイルド44』ではスターリン体制下で恐怖におびえる市民生活が克明に描かれた。市民の生命を左右できる権限を理不尽に行使する警察組織。末端に近い幹部や一警察官がただ気に入らないという感情から、一般市民を政治犯に... ...続きを見る

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2009/10/20 14:25
スティーグ・ラーソン 『ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士』 あまりに強すぎるリスベットたちだから
スティーグ・ラーソン 『ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士』  あまりに強すぎるリスベットたちだから 巻末の「解説」で池上冬樹が「だが本書の興趣はスパイ小説の側面ばかりではない。終盤になると今度はリーガル・スリラーの側面が強まるからである」と述べておられる。たしかにその通りなのだが………。 ...続きを見る

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2009/09/21 23:49
スティーグ・ラーソン 『ミレニアム2 火と戯れる女』 マカロニウェスタンが登場したときのショック
スティーグ・ラーソン 『ミレニアム2 火と戯れる女』 マカロニウェスタンが登場したときのショック 背中にドラゴンのタトゥーを入れた女性調査員リスベットにたたきのめされた彼女の後見人ビュルマン弁護士は、復讐を誓っていた。ビュルマンは彼女を心の底から憎む人物を探し出した。彼はその人物と連絡を取りリスベットを拉致する計画が動き出す。その頃、月刊誌『ミレニアム』の発行責任者ミカエルらはジャーナリストのダグとその恋人のミアが進める人身売買と強制売春の調査をもとに特集号を刊行し、書籍を出版することを決定する。ダグの調査では背後にザラという謎の人物がいるようだった。 第一巻『ドラゴン・タトゥーの女』... ...続きを見る

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2009/07/05 17:29
スティーグ・ラーソン 『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女』 高福祉国家スウェーデンの闇を告発
スティーグ・ラーソン 『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女』  高福祉国家スウェーデンの闇を告発 スウェーデンはなじみのない国だ。知らない国は理解しにくいから、そこの小説はあまり読む気にならないのだが、この作品は世界的なベストセラーになっているとの宣伝についつい乗っけられたことによる。 私にあるスウェーデンの断片は映画のイングマール・ベルイマン『処女の泉』、フリーセックス、高福祉国家程度に過ぎない。『処女の泉』は高校生のころだったが、神との対話という深遠なテーマはまったく理解できず、当時としてはショッキングな少女強姦シーンが話題になっていてそこが見たかった。かつてフリーセックスというと... ...続きを見る

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2009/06/23 22:45
レイモンド・チャンドラー・村上春樹訳 『さよなら、愛しい人』 新訳でいまよみがえるマーロウの魅力
レイモンド・チャンドラー・村上春樹訳 『さよなら、愛しい人』 新訳でいまよみがえるマーロウの魅力 訳者・村上春樹によればチャンドラーは 「論理的・整合的というよりはむしろ気分で書いていくところがある」 のだそうだが、読み手もこれはすんなりと気分で読んで楽しもう。 一人の男が同じようにそのネオンサインを見上げていた。彼はうっとりした表情を顔に貼りつけ頭上の汚れた窓を熱心に見つめていた。自由の女神像をはじめて目にしたヨーロッパからの移民みたいに。大男だが身長は二メートルよりは高くないし、肩幅はビールの配達トラックほど大きくない。冒頭で語られる、マーロウがマロイと出会った印象だ。 ここ... ...続きを見る

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2009/06/15 00:13
フランク・シェッツイング 『深海のYrr(イール)』 人類絶滅の序曲が始まっていた。
フランク・シェッツイング 『深海のYrr(イール)』 人類絶滅の序曲が始まっていた。 人類滅亡をテーマにした本格ハードSFのようである。が、それだけではない。ショッキングなシーンが連続する大規模パニック映像をみるような興奮と楽しさでいっぱいのエンタテインメントであることに間違いはない。そして進化の頂点に立った人類のおごりに対する警鐘であると本気になって受け止めざるを得ないシリアスな思索が底流にある。陳腐な言い方になってしまうのだが断然「面白くてためになる」。すべての階層世代にお勧めしたい傑作の大長編小説だ。 ...続きを見る

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2009/02/24 22:46
トム・ロブ・スミス 『チャイルド44』 あまりのサディスティックな描写に度肝を抜かれる
トム・ロブ・スミス 『チャイルド44』 あまりのサディスティックな描写に度肝を抜かれる 盗聴盗撮装置を張り巡らし国民の私生活を徹底的に管理する未来社会。首相暗殺の犯人にでっち上げられた若者が警察に追われる。絶体絶命。危機一髪、友人の協力で逃れる。甘美な友情賛歌。伊坂幸太郎 『ゴールデンスランバー』は思想などとはおよそ無関係、饒舌の若者たちがドタバタする近未来ファンタジーであり、コミカルな香港製アクション映画のようだった。 ...続きを見る

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2009/01/01 00:21
デニス・ルヘイン 『運命の日・下』 ボストンは火の海と化した。すさまじい迫力の暴動描写
デニス・ルヘイン 『運命の日・下』 ボストンは火の海と化した。すさまじい迫力の暴動描写 警察という暴力機構の暴力がどうにかこうにか市民の安全を維持している。この時代のボストンはそれほどいたるところに暴力が横行する町だったんだ。今のアメリカの話ではないのだろう。 NHKホームドラマ「篤姫」ではないが今年は「家族」をテーマにした作品がことのほか多かったような気がしている。この作品もボストン市警警部、トマス・コグリン一家の結束と崩壊をひとつの軸としている。 トマス・コグリンはこの地区の治安維持に貢献し、実力を認められている警察の幹部なのだ。家には市会議員、政治指導者、検事、市警副... ...続きを見る

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2008/12/30 19:37
デニス・ルヘイン 『運命の日・上』  アメリカの宿命をドラマティックに描いた傑作
デニス・ルヘイン 『運命の日・上』  アメリカの宿命をドラマティックに描いた傑作 たぶん、頭が混乱するものを見るとすぐ答えが欲しくなるからじゃないかな。で、答えが目の前にないと、なんだろうとつかみとってそれを答えにしてしまう それが変わらぬアメリカの素顔だ。 ...続きを見る

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2008/12/29 20:19
ジェフリー・ディーヴァー 『スリーピング・ドール』  あの『ウォッチメイカー』、キャサリン・ダンスが
ジェフリー・ディーヴァー 『スリーピング・ドール』  あの『ウォッチメイカー』、キャサリン・ダンスが ジェフリー・ディーヴァーの作品はどれも追いつ追われつのパターンは似ているのだが、それぞれに独自の趣向を凝らしてついつい手を出してみたくなる魅力がある。この最新作もいつもの疾走感と新たな工夫を楽しもうと読み始めた。カルトを率い、8年前に一家を惨殺したその男が、大胆かつ緻密な計画で脱走したカルトのリーダーとは日本であればすぐにあの麻原某を思い浮かべられるし、マインドコントロ−ルという特異な才能というか雰囲気を身につけていることも周知で、この作品の犯罪者・ダニエル・ベルが他人をコントロールする天才... ...続きを見る

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2008/11/30 11:00
ウンベルト・エーコ 『薔薇の名前 下』 複雑に仕掛けられた複数のテーマを整理すると
ウンベルト・エーコ 『薔薇の名前 下』 複雑に仕掛けられた複数のテーマを整理すると この小説にはややこしい迷路が登場するが小説の構造自体が迷路になっているのだ。いくつかの重要なテーマがあってそれがいくつもの断片になってバラバラと構成されている。わかりやすく時系列で述べられているのは連続殺人事件だけなのだ。せっかく読んだのだからもう少し理解してみたくなったので再読した。ついでに気になるテーマごとに再整理してみた。 ...続きを見る

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2008/06/08 14:46
ウンベルト・エーコ 『薔薇の名前 上』 ミステリー史上に燦然と輝くエーコの最高傑作
文学史上に燦然と輝く傑作であると折り紙づきながら、まことに難解であるとの定評から手を出しかねる小説はいくつもあるが、探偵小説、推理小説の分野ならば、ウンベルト・エーコ『薔薇の名前』などはその代表格といえよう。実際のところ同じエーコの『フーコーの振り子』には手を焼いた。「百科事典引用大小説」などと言われている。そのままでは読者が理解できないから、いたるところに長い注釈が付いていて、その注解を読んでいると肝心の本筋がわからなくなってしまう類の作品なのかと思っていたが、そうではなかった。ちんぷ... ...続きを見る

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2008/05/25 18:52
ケヴィン・ギルフォイル 『我らが影歩みし所』 クローン人間が仮想現実「シャドーワールド」で
クローン技術が不妊治療に実用化された近未来。ただ人々の生活が今より大きく変わっているわけではない。せいぜいパソコンゲームソフトがかなり高度化しているといった程度。もしかしたら近い将来ありうるかもしれないと思わせる時代設定である。だが………。 ...続きを見る

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2008/05/10 17:27
スティーヴン・キング 『セル』 どこかへんてこりんな巨匠の最新作
モダンホラーの第一人者、映画では随分とつきあったのだが読むのはこれがはじめて。プロの書評で、キングの長編はゆったりとした幕開けなのだがこれは冒頭からショッキングな場面があって展開にスピードがあると高い評価をしていたので、のんびりのホラーは魅力がないがそれならと手にとった次第。 ...続きを見る

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2008/01/10 19:48
ジェフリー・ディーヴァー 『ウォッチメイカー』 食傷気味だが「このミス」第一位かと手にとった
またまたライムシリーズか、と食傷気味になりながらもついつい手にとってしまう。さて今回の作品のできばえは?と、このシリーズ、そこまで新機軸が期待できる魅力がある。ジェフリー・ディーヴァーはたしかなストーリーテラーなのだ。これは第7弾だそうだが、私はこれで6作品を読んだことになる。 『ボーン・コレクター』『コフィン・ダンサー』『魔術師』………。数々の名犯人たちと頭脳戦を演じ、勝利を収めてきた現代の名探偵リンカーン・ライム。彼の前に、細心緻密な殺人計画を引っさげて、史上最大の敵<ウォッチメイカー... ...続きを見る

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2007/12/22 18:58
ジョー・ホールドマン 『擬態 カムフラージュ』 昔懐かしいSFのガジェットがたくさんあったが
もう30年以上前になる。いや小学生からもう好きだった。面白くて古典も含めて内外のSFをひと通り読んだ。最後に読んだSFらしい小説は小松左京の『日本沈没』だった。それ以来SF小説には縁がなくなったから、最近の定義には疎く、私にはSFというと当時のイメージにあるSFでしかない。そのころTV動画の松本零士『宇宙戦艦ヤマト』を楽しみ、映画『スターウォーズ』に驚嘆し、以降、映像SFとは今でもときたま付き合っている。 ...続きを見る

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2007/10/21 16:59
上野 国立科学博物館とフーコーの振り子
9月24日まで「インカ マヤ アステカ展」が開催されている。スペインの侵略により滅亡したこの文明の悲劇が胸を打つ。 ...続きを見る

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2007/08/30 13:10
グレン・ミード 『地獄の使徒』  グレン・ミードだからと期待してはいけない。
グレン・ミードの新作が出版され、『雪の狼』が強く印象に残っていたものだから大いに期待して飛びついた。『雪の狼』の後にいくつかの長編を発表していたとは知らず、この『地獄の使者』を久々に発表した第二作だと思い込んでいた。ソ連要人暗殺を軸にした『雪の狼』は第一級の大型スパイサスペンスだった。これがグレン・ミードの作風であり、『地獄の使者』もその流れかと思ったのだがまったく違うジャンルに驚いた。 <悪魔の使徒>と異名をとって残虐な連続殺人犯が処刑された後も相次ぐ同様の連続殺人!模倣犯か、それとも処... ...続きを見る

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2007/07/27 14:41
映画 『ザ・シューター 極大射程』の原作 スティーヴン・ハンターの傑作『極大射程』
前々からこれが映画化されるのを楽しみにしていたものとしてはぜひとも観なくては!!! 今から八年も前に発表された作品である。 ...続きを見る

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2007/06/01 19:08
レイモンド・チャンドラー  村上春樹訳 『ロング・グッドバイ』  ハードボイルドの原点を名訳
『The Long Goodbye』。チャンドラーの傑作中の傑作、いや古今のミステリー史上十指に入ると言われる名作である。わたしが『長いお別れ』として清水俊二訳を初めて読んだのが二年前だった。そして世評どおりの印象を受けた。これを村上春樹が翻訳したということで目下読書界の話題をさらっている。 ...続きを見る

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2007/05/14 22:18
カルロス・ルイス・サフォン 『風の影』 繊細、流麗な文体で完成されたミステリーロマンの傑作。
バルセロナ。ローマ時代より幾多の栄枯盛衰を繰り返したスペイン随一の工業・商業都市。19世紀末の経済、文化の隆盛、精神の昂揚、それはスペイン内戦(1936〜1939年)にあってつかの間の光芒に過ぎなかったのか。1945年、バルセロナは内戦の深い傷跡がそのままに人々は暗い影の中に息を潜めている。 ...続きを見る

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2007/01/22 21:09
ジェイムズ・カルロス・ブレイク 『荒ぶる血』 深みと広がりを持ったビカレスクロマンの傑作
原題は「Under The Skin」。血筋、血縁、血脈、血統、皮膚の色、人種、そして血みどろの暴力。久々に無頼のヤカラたちの暴力を描いてしかも深みと広がりを持ったビカレスクロマンの傑作にお目にかかった。 ...続きを見る

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2006/12/24 17:26
リチャード・マシスン 『奇術師の密室』 老大家の手になる意欲的実験的ミステリー
トリック重視のミステリー作家はどうすれば常識人をギョッとさせるかともっぱら腐心するのでしょう。奇術師と大いに似ています。ミステリーにはこの類似性を直接作品に同化させ、マジシャンを主役にした作品がいくつもあります。近年のヒット作では泡坂妻夫『奇術探偵 曾我佳城全集』、ジェフリー・ディーヴァー『魔術師(イリュージョニスト)』などが記憶に新しいところです。前者が探偵役として奇術師を据え、後者では犯人が魔術師でした。そしてその華麗なテクニックが作品の価値を高める役割を果たしています。ただしマジックは... ...続きを見る

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2006/12/18 23:59
アダム・ファウアー 『数学的にありえない』 どこかで読んだことがあるようなSFタイプのマンハント
ある日突然機密研究所内のすべての物質が透明になってしまった。その中に居合わせたただ一人の男もまた透明人間になってしまう。上層階に残され中空に浮いている見えない自分に彼は茫然自失する。軍事的には核兵器開発を上回るこの生きた資料を国家機密機関が総力を挙げて追う。透明人間は逃げる。とこれはSF的、ノンストップ・マンハント・アクションの代表作といえるH・F・セイント『透明人間の告白』だった。『数学的にはありえない』を読み始めて、すぐに数年前のこの傑作に思い至った。 破滅寸前の天才数学者ケイン。彼を... ...続きを見る

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2006/12/16 12:40
ローリー・リン・ドラモンド 『あなたに不利な証拠として』この不条理に耐えられるか。
著者は警察官の経験があると訳者あとがきで紹介されているが、これはまさしく警察小説である。ただし、かなり異色だ。五人の女性警察官が一人称で語る短編集だが、事件そのものの不可解性よりも人間性に共通して潜むマイナスベクトルを丹念に時には残酷に切り開いてみせる。そしてそれもまた不可解のままに放置される。 ...続きを見る

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2006/06/12 12:57
グレッグ・ルッカ 『逸脱者』 過激なアクションストーリーをゲーム感覚で楽しもう
先日読んだジャン=クリストフ・グランジェ『狼の帝国』はフランス製のハードバイオレンスだったが本書は本家アメリカの活劇小説である。新刊の読みたい本が見あたらなくなった間隙には古典かさもなければこのような過激なアクションストーリーを楽しむに限る。特に通勤途上では絶好のエンターテインメントだ。 ...続きを見る

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2006/03/20 22:30
ジャン=クリストフ・グランジェ 『狼の帝国』 狼よ死ね!フランス万歳!
「狼よ死ね!!!フランス万歳!!」とはどこにも書かれてはいないのだが。「狼よ死ね!!!フランスは死んでいる!!」との怨み節が聞こえる。 『クリムゾン・リバー』、小説と映画で華々しく日本にデビューしたフランス人作家の最新作。これもまたジャン・レノが主演でタイトルは『エンパイア オブ ザウルフ』として映画化、公開されている。 ...続きを見る

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2006/03/06 22:50
ドナ・W・クロス 『女教皇ヨハンナ』下 白熱の大歴史小説。灼熱の恋愛が感動を誘う
真理を求めて、世のため人のために。 ヨハンナは聖職者としての途を歩む。 だが、キリスト教の「真実」は決してそんなものではなかった。 著者は佐藤賢一の中世西洋歴史小説と同様人間を呪縛する宗教世界を痛烈に告発する。 ...続きを見る

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2006/02/03 16:00
ドナ・W・クロス 『女教皇ヨハンナ』まさかこんなにスリリングな小説だったとは!!
「カトリック教会の公式記録から抹消され、伝承のみに語られてきた男装の女教皇。激動の中世ヨーロッパを舞台に、史実の間から謎の女性教皇の姿が浮かび上がる!歴史大河ロマンス」 とコピーを見ると、これはいくつもの文献を引用して歴史の裏をひもといたノンフィクション系フィクションか。堅物のそれなら襟を正して読むべきと腹を据えたものだが、とんでもない、冒頭からのサスペンスタッチに、危機又危機の連続と冒険小説なみの興奮。 読み出したら止められない。 これはいわばジェットコースター型エンタテインメントのジ... ...続きを見る

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2006/02/03 13:20
ヴァン・ダイン 『僧正殺人事件』 本格探偵小説の古典をあじわう。その古臭さ
ところで当たり前のことだが「古典だな」と古臭さを感じるところにも気づかされる。 ...続きを見る

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2006/01/13 00:24
ヴァン・ダイン 『僧正殺人事件』 本格探偵小説の古典的名作の味わい 古臭さのないところ
清張以降の「社会派」になじんだミステリーファンには私のように本格探偵小説にさほど魅力を感じない人たちがいるのではないかと思う。わたしはそれでもときおり新本格派として登場していたものを読むが、周囲にいるオジサン族に薦められる作品にはお目にかかることはなかった。人生の古ダヌキたちには情感を揺さぶられる小説が好きでも、純粋な論理的謎解きゲームに仕掛けられた騙される快感を良しとする洒落たてあいがいなかったこともあるのだが、新本格のたいがいの作品が重厚長大でスマートさに欠けるところが大きく、忙しい時を... ...続きを見る

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2006/01/12 19:53
16歳少女の母親毒殺未遂事件と「参考書」に思うこと
静岡県下で今進行している事件のことだけれど、捜査中だから事件や少女の内心そのものを野次馬的にあれこれ詮索するつもりはなく、ただミステリーをよく読んでいるものだから、ある古典的名作のことがふっと思い浮かんだ。 ...続きを見る

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2005/11/04 11:13
誰もが知っているあのセリフの真相2 チャンドラー『プレイバック』
『プレイバック』清水俊二訳の 「しっかりしていなかったら、生きていられない。優しくなれなかったら、生きていく資格がない」 を名セリフとして紹介し、日本中に普及させたきっかけはやはり丸谷才一でした。 ...続きを見る

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2005/09/27 23:12
誰もが知っているあのセリフの真相 チャンドラー 『プレイバック』
「男はタフでなければ生きていけない。やさしくなければ生きていく資格がない」 ハードボイルドを地でいくような、女にモテる男を象徴する名セリフです。カッコイイ!!!といつごろからか僕の脳細胞にインプットされていました。応用範囲が広い言葉だからその後なにかと便利に使用させていただいていたものです。これがレイモンド・チャンドラーのハードボイルド小説に登場する主人公・私立探偵マーローのセリフだと、これもだいぶ前からのことですがそんな刷り込みがあったんですね。 ...続きを見る

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2005/09/26 22:06
冒険小説の第一人者 A・J・クィネル氏がなくなられました。つつしんで哀悼の意を表します。
本日の日経紙、死亡記事にこうありました。 ...続きを見る

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2005/07/20 13:06
フィリップ・マーゴリン『葬儀屋の未亡人』タイトルは不満だが内容は一級品
「未亡人」のイメージなんですが、旦那さんがなくなって新盆と一周忌をすませるころ、一時の動揺、傷心、空白感がうすらぎ、新たな人生を踏み出そうとするあたりから使うべきロマンの中の概念なのではないか。そのあと貞女でいつづけるか悪女に変身するかはともかく、孤独を実感する「時間を経る」ことが必要ですね。 ...続きを見る

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2005/07/15 20:24
探偵小説黄金時代の傑作 ジョン・ディクスン・カー 『火刑法廷』
今年は新作の外国ものミステリーにいい作品が見当たらない。今さら古典を読むつもりはなかったが、たまには目先を変えることも必要かなと、探偵小説黄金時代の巨匠ジョン・ディクスン・カーの傑作中の傑作と定評のある『火刑法廷』を読んでみた。 ...続きを見る

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2005/06/25 23:47
戦後ミステリーの原点 ウィリアム・アイリッシュ『幻の女』
昭和25年に江戸川乱歩が驚愕をもって紹介した本書はわが国ミステリー界に新しい潮流をもたらした、いわば戦後ミステリーの原点といわれる作品である。初めて読んだのだが、なるほど、その後主流になる清張ミステリーに共通するものがここに見出される。 ...続きを見る

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2005/06/24 19:50
04/09/16 サラ・ウォーターズ 『荊の城』エロ グロ サディスティックとビクトリア朝の偽善
?ポルノ=ポルノグラフィーとは「偽善や上品ぶる内面の感情を暴露したものに他ならない。W.アレン」とすれば、この作品、まさしく正統派のポルノである。 前作『半身』で披露されたねばねばした隠微な妖しさ、取り繕った表面からは想像できない人間の卑しさがここでも装飾的、技巧的な文体で絡みつくように表現される。 ...続きを見る

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2005/06/20 21:18
ハードSFの傑作 ジェイムズ・P・ホーガン 『星を継ぐもの』にみる「古くささのない」ところ
月面調査員が真紅の宇宙服をまとった死体を発見した。綿密な調査の結果、この死体は何と死後五万年を経過していることがわかった。やがて木星の衛星ガニメデで地球のものではない宇宙船の残骸が発見された。関連は? この一作をもって現代ハードSFの巨星となったホーガンの傑作長編。 ...続きを見る

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2005/06/08 14:48
「BOOK54:「血の収穫」★☆☆☆☆」について
「BOOK54:「血の収穫」★☆☆☆☆」について ハメットは今まで読んだことありませんでした。つい最近 「マルタの鷹」の方を読んでみました。muuminnの穴さんのこのコメントがあったのでやはり古臭いのかと心配していたのですが、60歳以上のオジサンからするとこれがなかなか意味深なテーマを扱っているし、今の時代とあまり変わらないものを感じたところです。 「血の収穫」については何もいえませんが、お時間があるようでしたら、「マルタ」をおすすめしておきます。 ...続きを見る

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2005/05/29 17:00
ダシール・ハメット 『マルタの鷹』  文中にあるハメットの人生観が凝縮されるこの一節は見逃せない。
「少しも古さを感じさせないハードボイルドの古典」と賞賛するのにはそれだけの理由がある。 数年前まで『マルタの鷹』を『鷲は舞い降りた』や『ナバロンの要塞』のような戦争冒険小説と思っていた程度に本格ハードボイルドには疎いものだったが、昨年暮れからの原ォ復活の余韻が後を引いていて、チャンドラーの 『長いお別れ』を読み、そしてこの「ハードボイルドの創始者」と言われる1929年の「古典」を読む気になった。 ...続きを見る

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2005/05/29 12:20
04/01/25マイケル・ギルバード 『捕虜収容所の死』古い作品を見直す動きがあるがこれはいけない
純文学ではなくともミステリーであっても時代を超えてなお新鮮さを感じさせる名作が存在するのは道理で、最近のミステリー通の間ではこれまで国内では翻訳刊行されていない古い海外作品を再評価しようとする動きがあるようだ。 ...続きを見る

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2005/05/24 20:47
04/01/12「衝撃の結末は袋とじの中に」とデニス・ルヘイン『シャッター・アイランド』
巻末が袋とじされて帯表紙に「衝撃の結末は袋とじの中に」とあれば、この作品は読者の推理を混乱させ、予想のつかない結末を用意した本格ミステリーだぞと宣言しているわけだ。 ...続きを見る

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2005/05/19 19:36
03/12/19 パタースン 『サイレントゲーム』まずまずの法廷ミステリー
我が国でも司法制度改革の柱の一つとして刑事裁判の審理・評決に一般の国民が参加する裁判官制度の具体化が進んでいる。刑事事件のうち重大事件について、無作為に選出された一般市民が裁判官と対等に評議を行い、有罪・無罪や量刑を判断する欧米の陪審員制度と似た司法制度だ。ただ「国民参加」と魅力的なキャッチフレーズがあって日弁連なども積極的なのだがどこかに諸手をあげて賛成できない気持ちがある。心配性になるのは海外の名作法廷ミステリーをよく読んでいるからである。 ...続きを見る

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2005/05/18 16:06
03/12/15サラ・ウォーターズ 『半身』 全編妖しい霧がたちこめる技巧的ミステリーの傑作だ
読み終えてもう一度ページをめくり返してポイントになっていたと思われる箇所を読み返さざるを得ない。そんな気持ちになって結局、全ストーリーを読み直す誘惑にかられる。技巧と装飾にちりばめられたミステリーだからである。作者の緻密に企てた作為であることがわかっていながらその巧妙さに乗せられること自体がこの作品の魅力なのだ。 ...続きを見る

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2005/05/15 22:23
03/11/18ロバート・R・マキャモン 『魔女は夜ささやく』アメリカ開拓者たちに潜む内面の恐怖
私の友人に猛烈に読書量の多い男がいて、彼が言うには北上次郎氏の書評が的を射ているため、その評価の高い作品は必ず目を通す。その北上氏が朝日新聞紙上でこのマキャモン作『魔女は夜ささやく』を 「父と子の小説であり、青年の成長小説であり。年上の女性との恋愛小説で」 「なによりも素晴らしいのはこれが見事なミステリーである」 とつまり「脱ホラーの新生ミステリー」と評価するのが目にとまった。 『スワンソング』という悪魔降臨によるハルマゲドンと生命の復活を描いたホラー小説が印象に残る作家である。 ... ...続きを見る

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2005/05/11 13:13
03/11/04ウィリアム・ランデイ 『ボストン、沈黙の街』不愉快な「驚愕のラスト」
著者のウィリアム・ランデイはこの作品の舞台であるボストンに生まれ6年間検事補として公職についたことのある作家でその長編第一作である。 ボストン大学を母の介護のため中退し、事件らしい事件の起こりようのないメイン州の田舎町に戻ったベンは父のあとをついで警察署長になっている。 まずのんびりした田舎警察の日常がいい雰囲気で描かれる。ここは西部劇にある平和な地域の善良な保安官のイメージで現代警察とは思えないのだが、これもアメリカなのだろう。 ...続きを見る

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2005/05/11 12:27
03/10/05『Yの悲劇』日本人の選ぶ海外推理小説のナンバーワン
1937年に刊行の序文で江戸川乱歩は 『Yの悲劇』は着想のなんともいえぬ恐ろしさと、謎の論理の申し分ない魅力において、探偵小説愛好家の魂に食い入る傑作である と賞賛した。 また別の場所では この作品にはそういう謎と論理の魅力のほかにもっと大きな魅力がある。それはこの犯罪の動機と犯人とが、ちょっと書き表すことのできないほど、異様で悲劇的で戦慄に満ちていることである。その並外れた着想を読んで私は『アァ、探偵小説のたねはつきないものだなあ。まだこんな素晴らしいのが残っていたじゃないか... ...続きを見る

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2005/05/10 10:35
ゴダードの「BOOK50:「閉じられた環」★★★★☆」について
「BOOK50:「閉じられた環」★★★★☆」について ...続きを見る

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2005/05/04 12:24
マシュー・パール『ダンテ・クラブ』 海外ミステリーではついぞお目にかかれなかった骨太の傑作だ。
著者が構築した縦軸は三本あろうかと思われる。そしてモチーフは一貫してダンテである。このかなり消化の難しい縦軸と横軸がむりなく融合しているところにこの作品の値打ちを見出す。 ...続きを見る

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2005/04/24 16:04
03/06/21ジェフリー・ディーヴァー『石の猿』 リンカーン・ライムシリーズ第4作目の出来映えは?
第1作は「四股麻痺科学捜査官・ライムとNY市警の女巡査・サックスが明かす異常殺人事件の謎」『ボーン・コレクター』。 第2作は「棺おけの前で踊る死神の刺青をした連続殺人鬼を追うライムとサックス」『コフィン・ダンサー』。 この二つの作品は都会型の凶悪犯罪でしかも相手は奸智に長けた頭脳犯。この追う者、追われる者の知恵のせめぎあいにクールで、ドライで、直線的な緊張感が全編を貫徹していた。まさにジェットコースター型で理屈ぬきの興奮を味わえる第1級のエンタテイメントであった。 ...続きを見る

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2005/04/23 17:41
03/06/12 『鉤』ドナルド・E・ウェストレイク  『斧』と同様、痛烈なアイロニーが充満した作品
著者はかなりのへそ曲がりだ。前作『斧』と同様に私にはやや理解を超えた人物像が描かれる。 ...続きを見る

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2005/04/22 22:44
03/02/12 たまには本格謎解き小説の傑作中の傑作をー2
外界と隔絶されたいわば巨大な密室でおこる連続殺人プラス「見立て殺人」である『そして誰もいなくなった』の類型作品は数多くあって最近では 山田正紀      『ミステリ・オペラ』 笠井潔『オイディプス症候群』      マイケル・スレイド『髑髏島の惨劇』 があげられる。 三作品とも一昨年、昨年のミステリーベストランク入りした作品ではあるが、比較すればこのオリジナルの傑出ぶりがますます際立つのである。 ...続きを見る

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2005/04/14 22:07
03/02/12 たまには本格謎解き小説の傑作中の傑作をー1
孤島の豪邸に10人の男女が招かれるが主の姿はない。全員が集まった広間にどこからともなく怪しい声が響き、10人の隠された過去の罪状が暴かれる。各人の部屋には「マザーグースの子守唄 10人のインディアン」の歌詞が書かれた羊皮紙が掲げられている。ダイニングルームにはインディアンの人形が10個、飾られている。そして子守唄の歌詞どおりに殺人が進行し(この形式の殺人プロセスをミステリー用語で「見立て殺人」と呼称する)、人形はそのたびに壊れていく。 ...続きを見る

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2005/04/14 20:05
03/01/23 イカモノ喰い-『髑髏島の惨劇』
マイケル・スレイド『髑髏島の惨劇』はミステリー好きのゲテモノと理解できれば食えない作品ではない。 呪われた伝説の島、髑髏島。残虐な連続殺人鬼。島に集められた15人の男女は邪教を崇拝する殺人鬼が仕掛けた死の罠の餌食と化す 前半は神の生贄(ここでは山羊ではなく人間である)として欠かせない儀式をともなう連続殺人であるから頭皮を剥いだり、顔面を削ったり、内臓をすべて取り出したりする惨劇が細密に描かれます。むしろここではヨーロッパに残る悪魔・魔女崇拝思想の歴史や切り裂きジャックをはじめとする猟奇連続... ...続きを見る

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2005/04/11 19:42
「「騙し絵の檻」 オジサンも読みました。
「「騙し絵の檻」読了」について この作者が女性であったとは、最後の解説を見るまで考えもしませんでした。男性的タッチですよね。 冒頭から緊張感にあふれ、非常に無駄のない、それでいて複雑な伏線がいたるところに張り巡らされ、最終章でこのジグソウパズルが再分解され、嵌めこみが完成する。まさに本格ものの醍醐味を味わえることになる。 ...続きを見る

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2005/04/09 18:27
2002年11月17日 「クムラン」の続編 この好戦的神学ミステリーは本当に怖い。
神は人間に対し、限りない愛をお示しになる存在と思っていましたが、それは誤解だったような気がします。 ...続きを見る

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2005/04/02 22:01
ヴァチカンの枢機卿が「ダ・ヴィンチ・コード」にケチ
をつけたと先月のニュースにありましたが、キリストにまつわる重大秘事を今なお受け継いでいる組織を背景にした「ダ・ヴィンチ・コード」が世界的ベストセラーになったことから起こった波紋でしょう。 ...続きを見る

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2005/04/02 00:02
2002年11月4日 もうこの手のサイコサスペンスは卒業にしたい。
ジェレミー・ドロンフィールド『飛蝗の農場』 作者ジェレミー・ドロンフィールドはイギリスウェールズ地方の出身で考古学を専攻した人だという。この作品は彼が1998年のデビュー作でその年の英国推理作家協会賞最優秀処女長編賞の「候補作」だそうだ。候補作であってそれ以上のものでないことは作品を読んでうなずける。 ...続きを見る

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2005/03/30 23:11
2002年10月27日 傷ついたもの同士の結束を暴力的に描くデニス・ルヘイン『雨に祈りを』
ハードボイルドが一世を風靡して以来、外国の私立探偵は女性にモテて、女性にほれやすく、そのため事件に巻き込まれ、さらに事件を複雑化させるのが相場です。レイモンド・チャンドラーが生んだフィリプ・マーローという探偵が、「あなたのようにしっかりした男がどうしてそんなに優しくなれるの?」と女に訊ねられたとき、こう答えるのである。 「しっかりしていなかったら、生きていられない。優しくなれなかったら、生きている資格がない」。 このようなキザなセリフをつぶやいて女ごころを蕩かす探偵はタフな行動的人間であ... ...続きを見る

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2005/03/30 22:59
「【ダ・ヴィンチ・コード】」について
「【ダ・ヴィンチ・コード】」について 世界史を動かす巨大な陰謀がある。これまでの人類の歴史はその陰謀の展開の過程としてあった。あるいは、延々として闇の結社に守り継がれている巨大な秘密がある。それが白日のものになれば現在の世界秩序は崩壊する。 この種のミステリアスな骨格に各方面の専門知識、文明論、宗教論などなど読者をうならせる薀蓄を絢爛豪華にちりばめた長編小説の傑作がいくつかあります。でも薀蓄が難しくて敬遠され気味です。 そういうことではこれは楽しく読めます。 ...続きを見る

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2005/03/29 22:54
2002年8月10日 面白くないサスペンスの分析
ジャン・バーク 『骨』。2000年度MWA最優秀長編賞受賞とあり、吉野仁氏が「役者、舞台、話し運びの三拍子そろった傑作」と激賞していたものだから読む気になったのだが、どちらかといえばかなり昔の映画ヘップバーンの「暗くなるまで待って」までさかのぼって比較していいような「旧い」感覚のサスペンスであった。 ...続きを見る

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2005/03/27 12:31
2002年5月12日 結末がさわやかなサスペンス
ジョン・コラピント 『著者略歴』 事故死した友人の小説を盗作し一躍ベストセラー作家になった青年は死亡した友人の恋人まで我が物にする。名声と栄光の絶頂にたった彼の前に盗作の事実を知る女性の脅迫者が現れ、バラ色の未来は一転して崩れ始める。主人公は本質的には善人であるから、盗作行為も場当たり的なら脅迫者対策も出たとこ勝負の成り行き任せ、このためうまくいくこともあるが裏目に出ることもあり、このコミカルなてんやわんやが面白く、読者を引き込んでいく。 ...続きを見る

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2005/03/19 01:12
2002年4月7日 お子様向けの優しさがあふれる 
ネビル・シュート 「パイド・パイパー 自由への越境」 そうでもなければ、触手を動かさなかったであろう小説でしたが、作者があの映画「渚にて」の原作者と知ってそれではと読むことになりました。 ...続きを見る

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2005/03/17 22:28
2002年3月12日 ちょっと期待はずれの「静寂の叫び」
ジェフリ−・ディーヴァーの「ボーンコレクター」以前の作品なのですね、これは。 聾学校の生徒と教員を乗せたバスが脱獄囚にのっとられ、廃屋同然の食肉工場に監禁。FBI危機管理チームが人質解放に向けて交渉を開始する。全体の構想はいいんですが。途中、何度か退屈してしまうところがありました。 ...続きを見る

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2005/03/14 18:44
2002年3月7日 癒し系です、短編集です、フォーサイス「戦士たちの挽歌」
フレデリック・フォーサイスのいくつかの長編は読んだが、記憶に残るものはやはり処女作の「ジャッカルの日」だ。かれこれ30年も前になる。ドゴールフランス大統領暗殺未遂という現実の国際的事件を背景にしたところにドキュメンタリータッチの迫真性が目新しく、また暗殺者ジャッカルとフランス警察の追いつ追われつの攻防戦を善悪を度外視し、完全なエンターテイメントに仕立てた感覚、当時は珍しかったあの分厚い装丁とともにこんなボリュームの長編ミステリーがあったろうかと、わたしのミステリー歴の中でもとくに忘れられない... ...続きを見る

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2005/03/14 18:37
ラドラムの遺作『メービウスの環』 冒険小説好きにはこたえられません
ロバート・ラドラム『メービウスの環』 メービウス計画!!!なるほど文字通りひねった発想がなんとも楽しいではないか。 ...続きを見る

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2005/03/08 01:40
2002年1月8日 エルロイ「アメリカン・デス・トリップ」
実は、昨年暮れにはエルロイ「アメリカン・デス・トリップ」を読み終え、正月休みにはものごとが上昇基調を取り戻すであろう年にふさわしい前向きな作品をすがすがしい気持ちで読むはずでしたが、やはり底打ち感が見えない現実の厳しさを反映してかズルズルとこの暗黒小説をひきずってようやく読み終えた具合です。 ...続きを見る

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2005/03/07 23:58
2001年12月12日 ハリーポッター賢者の石 子供の世界へ
「青臭い人生論などまっぴら。書生論を戦わすには、裏を知り過ぎた。そんな思いの強い世代に、逆にいちばん必要なのが、少し気恥ずかしい生き方の模索なのだという」 あるコラムであるが印象に残る一文である。 ...続きを見る

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2005/03/07 23:33
2001年12月4日クライブ・カッスラー「アトランティスを発見せよ」
同工異曲の面白さクライブ・カッスラー「アトランティスを発見せよ」、国立海中海洋機関特殊任務責任者ダーク・ピットシリーズ第15冊目の最新作である。このシリーズ一言で言えば荒唐無稽の痛快大冒険活劇。映画で言えば007シリーズであります。007も飽きもせずに全部観ているしこれも同様で、シリーズもここまで続きますとまさに同工異曲であるのですが、ついつい読んでしまう魅力があって、娘から「いい年してをして………」と鼻であしらわれるシロモノとわかっていながら手が出ます。 ...続きを見る

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2005/03/06 23:23
2001年11月18日デニス・ルヘイン「ミスティック・リバー」
自己の行動原理に固執する群像。デニス・ルヘイン「ミスティック・リバー」は三人の登場人物の三代に渡る悲惨な物語である。残酷な物語である。 現代アメリカ社会の底辺に近い(と思われる)生活環境に生まれた11歳の遊び仲間三人。その一人が遊びの最中、男たちに誘拐され、性的幼児虐待をうける。この事件は、誘拐の現場で、なすすべなく逃げ帰った二人も含め彼らの心に消えることのない深い傷を与えた。そして25年後それぞれの人生を送る彼らであったが、一人が最愛の娘を惨殺される。一人は加害者と思われる。もう一人はこの... ...続きを見る

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2005/03/06 22:54
2001年11月10日 デイヴィッド・ピース「1974年ジョーカー」とノワール
ノワール、 ノワール、ノワール! 最近のミステリーで「ノワール」と呼ばれる一群の小説がむやみに多くなっている。文芸評論家吉野仁氏によればもともと戦後フランスで好評を博していたアメリカ製の読み捨ての犯罪小説(ペーパーバック)をロマン・ノワールと称していたそうである。このノワール(暗黒)小説の復刊ブームや再評価が80年代中期から英米を中心に世界中に巻き起こった。昨年は日本でもジム・トンプソン「ポップ1280」がこの手の代表作として紹介され、それなりの評価をえていたようだ。 ...続きを見る

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2005/03/06 01:06
2001年11月3日ジェフリー・ディーヴァー「エンプティー・チェア」
リンカーン・ライムシリーズ第三作目のできばえは? 「四股麻痺科学捜査官とNY市警の女巡査が明かす異常殺人事件の謎  ボーン・コレクター」 「棺おけの前で踊る死神の刺青をした連続殺人鬼を追うライムとサックス コフィン・ダンサー」 に続くご存知のシリーズ第三作目である。 ...続きを見る

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2005/03/06 00:52
「ダヴィンチ・コード」について
「ダヴィンチ・コード」について いかにも難解さで名の高いウンベルト・エーコを思い浮かべて読み始めましたが、痛快。インディ・ジョーンズばりの追いつ追われつの娯楽大作でした。 ...続きを見る

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2005/03/02 15:24
2001年9月9日 R.D.ウィングフィールド 「夜のフロスト」たまにはドタバタ喜劇も
エディー・マーフィが主演する「ビバリーヒルズコップ」はちょくちょくテレビ放映されるのを見るが、痛快です。 この手のコミカル警察ものは厳格な統制下にある組織に関わらず、破天荒な主人公が規則破りを続け、上司をオチョクリしつつ事件を解決するのが魅力なんですね。 ...続きを見る

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2005/02/26 16:00
2001年8月12日 ピーター・ラヴゼイ「猟犬クラブ」 
ミステリーマニアたちがミステリー談義をしているところで起こる事件。クラシカルな本格推理小説 ...続きを見る

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2005/02/24 13:31
2001年7月12日 ランキン・デイヴィス「 デッドリミット」
B級グルメ好みの上質エンタテイメント ...続きを見る

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2005/02/20 19:34
2001年6月1日 正しい殺人のすすめ ドナルド・E・ウ
ヮрフ友人は国際的な商品マーケットを舞台に投資活動を行うプロで、そのビジネスにはアメリカのロビーストとのコネクションが欠かせず、そのつき合いで得た、角栄失脚の真相、加藤紘一反乱劇のミステイク、小泉新政権の役割など日米政府間の裏情報を聞かせてくれるが、誠にミステリアスな世界である。 彼が語るところでは 「当分日本はアメリカのいうがままに、なすすべもなく敗走を続けるであろう」 と悲観的である。 アメリカは原則論の国なのだそうだ。 「政治家は確固たる理念を持ちその原理、原則を整然と声高に... ...続きを見る

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2005/02/19 18:16
2001年5月26日 いくらなんでもこんな探偵では?
ミステリー作家にとって、いかに型破りの探偵役を創造し読者を魅了するかはその作品やそのシリーズの売れ行きを大きく左右するだけに実に大きな課題であり、腕の見せ所だ。 ...続きを見る

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2005/02/19 18:05
2001年5月3日 ランに取り憑かれた人たちの狂気の実話
私の知人で邸宅に温室を設え蘭の栽培に時間を割いている男がいる。そんな風雅な趣味を持っていることなぞその人相骨柄からとんと気がつかなかったのであるが、彼から面白いから読んでみろとスーザン・オーリアン(アメリカのジャーナリスト)の書いた「蘭に魅せられた男」を紹介された。近々メリル・ストリープ、ニコラス・ケージ主演で映画化が決まったと説明されているし、サブタイトルにも冒険小説とある。 ...続きを見る

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2005/02/10 01:01
2001年4月14日 エリオット・パティスン「頭蓋骨のマントラ」
 素材・着眼の新鮮さは申し分ないのだが ...続きを見る

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2005/02/07 22:44
リアルタイム レイモンド・チャンドラー 『長いお別れ』ハードボイルドの原点
初めて読んだチャンドラー。なるほど「ギムレットには早すぎる」という名セリフはこんな具合に光って登場するものなのか。 ...続きを見る

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2005/02/03 16:14
2001年2月18日 スティーヴン・ハンター『極大射程』 理屈抜きの面白さ
フレデリック・フォーサイスの「ジャッカルの日」はドゴール大統領を狙う暗殺者ジャッカルとこれを阻止する治安当局との追いつ追われつの攻防そのものの緊迫感にはこれまでの小説が描けなかった圧倒的な魅力があった。 スティーヴン・ハンターの狙撃手スワッガーシリーズはこのマンハント攻防のサスペンスに加え、名作西部劇同様の工夫を凝らした数々の決闘シーン・銃撃戦を見せ場に、狙撃のディテール、ストイックな主人公の魅力など第1級の娯楽作品に仕上がっている。 悪い奴は強くなければいけない。善玉主人公は絶体絶命の... ...続きを見る

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2005/01/15 17:49
2001年2月17日 新たな謎が待ち受ける? 映画「クリムゾンリバー」
テレビコマーシャルで流れる、「クリムゾン・リバー」の予告編は「クリフハンガー」を彷彿させる手に汗握る山岳スリラーのようであり、そのうちビデオで見たいなぁと思っていました。たまたま雑誌に野村正昭氏(寡聞にして存じ上げないが)この映画の紹介をされている一文を拝見し、原作を買ってみる気になったものです。映像的にはかなりの傑作と思われます。 ...続きを見る

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2005/01/15 17:29
リアルタイム イアン・ランキン『血に問えば』
イアン・ランキンの作品をはじめて読みましたがこれは期待はずれでした。 ...続きを見る

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2005/01/08 22:12
2001年1月20日 本格推理小説を堪能する条件
私は昔から好んでマージャンをしていた。最近はメンバーがなかなか揃わなくなって、月に2回程度に減っている。よく勝敗について運7、技3といわれる。確かに半チャン3〜4回の勝負であればそのとおりなのだが、8〜12回と長丁場になるほど運3、技7に転ずるのが相場である。しかし、仲間内のこと、技量にそれほど大きな差があるわけでなく「技」といわれるものは実は気力むしろ緊張感の持続力と言えるのではなかろうか。気を緩めたら必ず負けこむものだ。時に若い世代とも手合わせすることがある。マージャン人口が減って若い世... ...続きを見る

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2005/01/07 17:15
2001年1月4日 シェイマス・スミス「Mr.クイン」
不動産を乗っ取る 明けて、日本の株式市場はただ一人世界の潮流から取り残されたようです。私たちの周囲の土地が買い占められ、転がし、飛ばし、隠匿と個人、中小企業、大企業がこぞって必ず値上がりするはずであった不動産に群がりました。金融機関も莫大な資金をつぎこみむことになりました。これが突然暗転する。拓銀、山一から始まる大型企業倒産はそごうで終わる保証はありません。この間地上げ屋の闊歩にとどまらず、闇社会が表舞台に登場、詐欺、恐喝、暴力を武器に買占め、乗っ取り、吸収、合併と不動産をめぐる非合法の経... ...続きを見る

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2005/01/03 18:40
リアルタイム 今年の「このミス」海外編2
ジェフリー・ディーヴァー「魔術師」も高い評価でしたが私にはリンカーンライムシリーズは「ボーン・コレクター」「コフィン・ダンサー」までが傑作だったと思われます。 「魔術師」の詳細は下記ページをご覧ください。 ...続きを見る

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2004/12/15 00:06
リアルタイム 今年の「このミス」海外編
サラ・ウォーターズ「荊の城」の評価が高かったようです。18世紀イギリスの正統派ポルノ小説とはこんなものだったのかもしれません。 ...続きを見る

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2004/12/14 23:42
2000年12月7日 セイヤー「アメリカの刺客」久しぶりの暗殺者モノでしたが………
<Wェイムズ・セイヤーの作品には「地上50mmの迎撃」というのがありまして、ちょうどスティーヴン・ハンターの「ブラックライト」がブレイクしたころに平行して読みました。同じスナイパーを扱ってどちらかといえば劇画風、荒唐無稽だが決闘シーンに凝った見せ場を設定し展開の速さでぐいぐい引き込まれました。今回の「アメリカの刺客」は第二次大戦末期にヒトラー暗殺を超人的行動で遂行するコマンドのお話。前作を期待して読んだのですが残念ながら面白くありませんでした。 それは暗殺モノで三年程前の傑作グレン・ミード... ...続きを見る

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2004/12/03 20:43
2000年10月14日 B級作品の代表  20年前のハンター
スティーヴン・ハンター「魔弾」は1980年に発表された彼の処女長編だそうだ。 文字通りスナイパーを主人公とするマンハントサスペンスで、今日の傑作「スワガー シリーズ」として結晶していく様々な魅力的要素が点在している。ドイツ帝国崩壊前夜を舞台とし、またナチのホロコーストを真っ正面からとらえる視点、リアルな市街戦描写など懐かしい20年前の感覚である。ただ主人公に与えた基本的コンセプトは冷酷か冷徹かの差でほとんど変わらないことが面白い。もちろん小説としての完成度は最近の「スワガーシリーズ」とは比... ...続きを見る

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2004/12/02 00:12
2000年9月24日 ハラハラドキドキはやはり面白い
ジェフリー・ディーヴァーの翻訳が目立っています。「ボーンコレクター」がうまい出来上がりでしたからですね。「悪魔の涙」もボンコレに比肩する魅力がありました。「静寂の叫び」はボンコレ以前の作品で私としては「凄み」に今ひとつの感がありましたが、ちょうどあの「バスジャック」と並行して読んでいたせいか、人質救出と人命犠牲の感覚に関する日米の彼我を痛感させるテーマがありました。 「悪魔の涙」は新たに筆跡鑑定人(これは文書鑑定人と紹介するのがベターと思います)というプロフェッショナルに非常に魅力あるスポ... ...続きを見る

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2004/11/29 19:28
2000年8月4日 ミステリーの良識について
阿刀田高の小論であるが、全く同感の思いで読んだ。 大正から昭和にかけ探偵小説は「殺人のやり方を教えてろくなものじゃない」と謹言居士から糾弾されたそうだ。当然にファンはあるいは常識人は読者と殺人は無関係と胸を張る。すでに今日それは一つの良識として定着している。 しかし、それはそれとして昨今は「本当にそうかな」と疑うことがないでもないのだそうである。阿刀田に言わせるとミステリーそのものがひどく残酷になり、洗練さを失い、正義感も希薄になってバーチャルリアリティーとして若い人達を巻き込み始めてい... ...続きを見る

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2004/11/27 17:44
2000年8月1日 A・J ・クィネルの新作「トレイル・オブ・ティアズ」
ャNィネルの作品は元傭兵のクリーシーが主人公で活躍する「クリーシーシリーズ」ものと「メッカを撃て」「スナップショット」のように独立した物語とに分けられるのだが、いずれも、とてつもない巨大勢力を持つ悪玉との対決、攻略の面白さが醍醐味だ。 ...続きを見る

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2004/11/27 17:42
2000年7月23日 暑気払いには
暑気払いには、そう昔は怪談ものでしたね。 寄席へ行って講談、人情話を聞くにしろ、映画や芝居を観るにしろ「四谷怪談」「牡丹灯籠」「真景累ヶ淵」「番長皿屋敷」こわかったですねぇ。 今は「ホラー」なんでしょうか。暑気払いに「こわいもの」という発想はないのかな。陽気な冒険活劇もいいですよね。 映画でいえば「インディジョーンズ」とか「007」がこうした効果がありました。巨悪、残忍、強大、狡知にたけた攻撃の多様性 、絶体絶命の危機また危機。われらがヒーローはとにかく頭がいい、金は使い放題、強い、女... ...続きを見る

ナイス ブログ気持玉 1 / トラックバック 1 / コメント 1

2004/11/25 23:48
2000年7月20日 私の知らないユーゴ内戦 ダン・フェスパーマンの「闇に横たわれ」
「朗読者」「虹の谷の五月」に続いてダン・フェスパーマンの「闇に横たわれ」と戦争によって引き起こされる社会の荒廃、精神の腐敗、大規模の犯罪 など共通のテーマがあるものを読んだ。 ...続きを見る

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2004/11/25 22:59
2000年7月1日 「朗読者」の重み
ベルンハルト・シュリンク「朗読者」ずいぶん売れているようなので読んでみました。 ...続きを見る

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2004/11/25 22:13
リアルタイム 振り回されたウンベルト・エーコ 『フーコーの振り子』
この振り子に振り回されて10年余り、ようやくひととおり読み終えて、もらすため息………。やはり、ダン・ブラウン『ダ・ヴィンチ・コード』のほうが面白かったなぁ。 ...続きを見る

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2004/11/24 23:19
リアルタイム 新刊書紹介ジェフリー・ディーヴァー『魔術師(イリュージョニスト)』
お待ちかねニューヨークへの帰還 やはりライムとアメリアの捜査は都市型犯罪がよろしい ...続きを見る

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2004/11/23 01:23
リアルタイム 新刊紹介ダン・ブラウン 『ダ・ヴィンチ・コード』
理解できない「知のラビリンス」よりは疾走感あるエンターテインメントがよろしい。 ...続きを見る

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2004/11/21 23:06
リアルタイム新刊書紹介 アレン・カーズワイル 『形見函と王妃の時計』
読了すれば思いのほかプロットは簡素なのだが、なにが飛び出すかわからないビックリ箱のようなこの作品を楽しく読むのは相当に手ごわいぞ。 ...続きを見る

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2004/11/21 00:18
2000年5月20日 なるほどこれが「ゴダード」か 「一瞬の光の中で」
ロバート・ゴダードの作品は「閉じられた環」を初めて読んでいささかがっかりしました。ともさんからはその時に「惜別の賦」のお薦めがありましたが、機会のないまま、「一瞬の光のなかで」を読むことになりました。 ゴダードスタイルを英国新本格とでも呼ぶのでしょうか、謎の提示が真っ正面から行われ、状況の変化が複雑に深まり、合理的に解決される。上質、流麗な筆運びが大変魅力的でした。翻訳者がいい文章にされています。翻訳もの良し悪しは翻訳者の腕にかかるところが大きいのです。 ただ主人公がひどく女性にだらしな... ...続きを見る

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2004/11/17 00:55
2000年5月4日 理解できない凶悪犯罪が多いですね。 
宮部みゆきが「ドラマチックで面白い素材が多いから」超能力モノを書いていたがこれからは超能力モノや「火車」「理由」など現代の事件モノは書かないかも知れないと語っている。そのわけは現実にどうしようもないと思える事件が相次いでいるためだそうだ。 連休の前半に続いた若者達の狂気は理解不能の薄気味悪いものだけに宮部の手には負えない何かが現実に表面化している。 ...続きを見る

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2004/11/11 19:59
2000年4月28日 パニックもののリアリズム
航空機を舞台にしたパニック映画は優れたものがあります。映像ならではの迫力が楽しめます。 最近読んだジョン・J・ナンス「メデューサの嵐」はまさしく航空パニックの力作だと思います。この作者はパイロットであり空軍予備士官の経歴の持ち主ですから大型ハリケーンの中での727操縦のディテイルにはおそらく他の追随できないものがあると思われます。 ただ読者としてはこのディテイルになかなかついていけない。イメージが掻き立てられない……と痛感しました。これは通俗映像に毒されているせいなのか、はたまた、イマジ... ...続きを見る

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2004/11/11 19:58
2000年4月23日 作者が振り回された「ハンニバル」
トマス・ハリス「ハンニバル」。犯人を追いつめる前作「羊たちの沈黙」とは趣向を変え、魔人と悪鬼の私闘を何ともグロテスクに描いたもの。 スプラッター(血ばかりでなくハラワタとか脳みそが飛び散る様)もここまで来ると滑稽の域に入る。 女刑事がサディズムの生け贄にされる気の毒なシーンが積みかねられる。かわいそう。これらがたたみかけるように展開するのですからとにかくサービス精神旺盛の娯楽大作であります。 人間の何層にもわたって意識下にある記憶、欲望を鋭利なメスで一枚一枚剥いでさらけ出す心理学的手法は... ...続きを見る

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2004/11/09 20:51
2000年4月16日 アイルランドでベストセラー、ポール・カースン「冷酷」の趣向
大英帝国との歴史的紛争が生んだ社会的疲弊と人心の荒廃をバックにダブリン在住の小児科医が描いた犯罪小説でアイルランドのベストセラーということが興味で読んでみました。 産婦人科病院を舞台に誘拐事件とそれとは関係ない殺人事件が同時進行してさらに警察の調査と風聞を気にしてその妨害を計る病院経営陣との対立の構図の三つのステージを交互に描写するところが緊迫感を持って読者を引きつけます。 ...続きを見る

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2004/11/08 22:27
2000年3月26日 ミステリーの古典「考」
古典といわれるには「昔」書かれたものであることが常識的必要条件でしょうね。さらに普遍的真理という味付けがどこかにあるからいつの時代の読書人にでも高く評価されるものであることも絶対的必要条件でしょう。「昔」というと百年は経過しているというのが線引きとしては妥当なのかも知れない。 であるとミステリーの古典は日本にはまだないと言うことになる。仮にそうなると外国ものではどんなものがあるのでしょうね。 たとえば H. ウォルポールの《オトラント城奇譚》(1764),A. ラドクリフの《ユードルフォの... ...続きを見る

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2004/11/06 18:25
2000年3月18日 ちょっと期待はずれの「静寂の叫び」
ジェフリ−・ディーヴァーの「ボーンコレクター」以前の作品なのですね、これは。 全体の構想はいいんですが。途中、何度か退屈してしまうところがありました。 ...続きを見る

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2004/11/06 10:04
2000年3月17日 エリエット・アベカシス「クムラン」の衝撃
一週間、時間をたっぷりかけて丁寧に読みました。久しぶりにすごいミステリーにぶつかったという興奮に目がくらみそうです。 ’97年にハードカバーで発刊されていたことに気がつきませんでした。 しかし、西暦2000年に読まれるべき書物である。これがネタバラシですね。 何がそんなに興奮させるのか一言で説明するのは大変難しい。 ...続きを見る

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2004/11/06 10:03
2000年2月26日 稀覯本の世界、ジョン・ダニング「幻
?「地下墓地」読み終わりました 投稿者:ガチョーン和田  投稿日:02月21日(月)20時58分56秒 やはりピーターラウゼイの新作は期待どうりの面白さでした。この人は本物の ストーリーテラーですね。この次は何を読もうかなーと考えている今日この頃です。 この本はおすすめですよ。皆様。 ...続きを見る

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2004/11/05 00:38
2000年2月7日 まだまだ面白いスティーヴン・ハンター
スナイパー、スタガーシリーズの三作目に当たる「狩りのとき」。「ブラックライト」「極大射程」の出来が良かっただけにそろそろネタ切れかとも思いつつ期待半分で読み始めたのだが緊張の連続、展開のスピード、今回は東西冷戦のスパイものを組み込んで楽しく読めました。 スタローンのランボー……ベトナム帰りの特異な人格とイーストウッドのストイックなカウボーイとを足して二で割った人格の主人公。星条旗が歓喜と共にはためいているアメリカの正義を代表する個性の活躍もここまで楽しく見せられますと臭みも薄れるというもの... ...続きを見る

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2004/10/30 21:29
2000年2月5日  懐かしのバース
イギリス南西部,エーボン州の都市、バース。ローマ時代より温泉地として知られていたが,18世紀に再建されて上流階級の保養地,社交地として同世紀に最も栄えた街である。 数年前ピーター・ラヴゼイの「バースへの帰還」を読んだばかりの頃、機会があって訪ねた。ローマ時代の温泉の遺跡とその周辺の石畳と建造物が調和して印象的な街であった。 ...続きを見る

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2004/10/30 13:12
1999年12月23日 ハードボイルドってなあに?
読書の時間が取れないと言いながらローレンス・ブロック「皆殺し」を結局読み上げてしまいました。最近、「人生とは何か」というテーマを濃密に書き込んである作品に感動する心境にあるせいか、これはその意味でよくできた作品だと思います。 「人生の厄介なところはリセットボタンがないところだ」 このセリフを年賀状で使わせてもらいました。重厚な味わいを差出人本人も私の多くの受取人も感じ取る、それなりの波乱があった半世紀の生きざまだったのではないだろうか。 ...続きを見る

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2004/10/29 22:16
1999年12月9日 ミネット・ウォルターズ「昏い部屋」に失望
ミネット・ウォルターズの「女彫刻家」のあの緊迫感を楽しみにして購入しましたが正直言って平板で読み終えるのが苦痛でした。 この作品の特徴は登場人物のすべてについて作者からの視点を完全に排除し何人もの登場人物がお互いに人物を語り合ってその会話から読者に想像させるという手法が使われています。会話の連続で、これを丹念に読みとる努力を強制されます。お互いに心理分析をする繰り返しで、状況の起伏が今ひとつかけているところが難点です。ともさんのおっしゃるとおり警察の捜査が素人ですよね。「ボーンコレクター」... ...続きを見る

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2004/10/29 14:13
1999年11月20日 「安楽椅子探偵」の現実性
一風変わった名探偵として、アームチェア・ディテクティプ、つまり安楽椅子探偵というのがあります。 もともとは、安楽椅子にゆったりと腰をおろし、人から事件に関する話を聞きながら、ずばりと事件のなぞを推理をする名探偵のことです。 しかし、実際に安楽椅子にすわっていなくても、事件の現場に行かず他人の話を聞いて名推理を展開する名探偵を広く安楽椅子探偵といっているようですね。 ジェフリー・ディーヴァー「ボーン・コレクター」。この探偵役である元刑事・ライムは安楽椅子探偵の最近の代表者でしょう。首から下は... ...続きを見る

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2004/10/29 14:11
1999年11月6日 二兎を追うゴダード「閉じられた環」
すでに高い評価を集めているゴダードの作品を初めて読みました。作者の紹介に「現在と過去の謎を巧みに織り交ぜて心に響く愛と裏切りの物語を次々と世に問う」とありましたので、なんとなくこうした作風の著者なのだろうとは想像できます。 この物語の時代背景は現在の国際政治・経済情勢とときわめて近似しており素晴らしい素材を提供していると思います。たとえばバブル崩壊後の社会全般に見られる虚脱感がそうであり、この夏まで激しく続いたアメリカを中心とするユーゴ空爆が重なり合います。 軍需を中心とする経済の復興は常... ...続きを見る

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2004/10/27 21:45
1999年11月1日 久しぶりに海外のミステリー キャロル・オコンネル「クリスマスに少女は還る」
クリスマスも近いある日、二人の少女が失踪した。刑事ルージュの悪夢が蘇る。十五年前に殺された双子の妹。だが、犯人は今も刑務所の中だ。まさか? 一方、監禁された少女たちは奇妙な地下室に潜み、脱出の時をうかがっていた……。一読するや衝撃と感動が走り、再読しては巧緻なプロットに唸る。新鋭が放つ超絶の問題作! 久しぶりに外国ものの濃厚なミステリーを読みました。ここで紹介された印象ではファンタスチックで優しさ溢れる少年少女の冒険物語と思っていました。パトカーが一台しか使われていない町、森があり丘があり、... ...続きを見る

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2004/10/27 21:43
1999年8月29日 ふたたび「不変の神の事件」
「これは殺人じゃないわ。処刑よ」リディアは宣言した。姉を自殺に追い込んだ憎き恐喝者が、いま残された家族の前で息絶えたのだ。彼らは死体を処分しようと画策するが、事件は早々に警察に知られてしまう。一方、通報を受けたニューヨーク市警のヴァルクール警部補は着実に彼らの跡を追う。だが、事件は意外な相貌を見せ始めるのだった。知られざる名手のサスペンス溢れる大表作。 >静涙韻あおいさん 受験勉強中ですか。大丈夫?ふとこんなことを思い出しました。中学三年生の時帰宅途中の喫茶店でたばこを吹かしながら「モ... ...続きを見る

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2004/10/14 06:29
1999年8月28日 「理屈抜きにおもしろければいい」 S・ハンター「極大射程」
スティーヴン・ハンター「極大射程」 ボブはヴェトナム戦争で87人の命を奪った伝説の名スナイパー。今はライフルだけを友に隠遁生活を送る彼のもとに、ある依頼が舞い込んだ。精密加工を施した新開発の308口径弾を試射してもらいたいというのだ。弾薬への興味からボブはそれを引受け、1400ヤードという長距離狙撃を成功させた。だが、すべては謎の組織が周到に企て、ボブにある汚名を着せるための陰謀だった…。 ...続きを見る

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2004/10/14 06:28
1999年8月14日 逢坂剛の異色の新作は?
「イベリアの雷鳴」は彼の新しいジャンルへの挑戦作といえるでしょう。 舞台はスペインなのですがお得意の「スペインもの」とは毛色の違うサスペンスでした。戦争体験が全くない、あるいは戦後体験が全くない世代が増えていますので昭和19年生まれの「私」とお断りしていくつかの思いを書かせてもらいます。 一つは歴史認識です。私もそうですがおそらくこのHPに参加されている多くの方々も学校で現代史を教わった経験はないことでしょう。第二次世界大戦の中で日本の国際関係といいますと日中、日米、日露は直接の対戦相手... ...続きを見る

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2004/10/12 00:13
1999年8月18日 「不変の神の事件」を読んで
一週間に一度参加しながら多くのみなさんのお薦めするものを読んだことがなく気が引けるところからこれを私としては丁寧に読んでみました。申し訳ありませんが別な印象を受けました。何人かの方が指摘されたように「自殺の動機」に全く必然性がない、ということ。恐喝者にいささかも「凄み」が感じられないこと。恐喝者を「処刑する」共同犯行の必然性がないこと等々重箱の隅をほじることはしたくはありませんがやはり全体構成を完璧にすることで「名作」は生まれるのではないでしょうか。 それはそれとして、決定的にまずいのは翻... ...続きを見る

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2004/10/11 23:19
1999年7月25日 ジョン.・F・ケネディ・ジュニア夫妻の悲劇と『アメリカン・タブロイド』
JFKジュニアの飛行機事故死。この一週間アメリカの新聞はこの話題一色に染まったそうです。 私達の多くはケネディ大統領のできあがった「肖像画」を通してこの悲劇を受けとめるだけですが、おそらくアメリカ人はアメリカ現代史のコアとしてのケネディ一家の盛衰に、時々の出来事に、様々な因縁を想い巡らして、思いを深くしているに違いないと受けとめます。 ...続きを見る

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2004/10/03 18:03

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