2001年12月4日クライブ・カッスラー「アトランティスを発見せよ」

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同工異曲の面白さクライブ・カッスラー「アトランティスを発見せよ」、国立海中海洋機関特殊任務責任者ダーク・ピットシリーズ第15冊目の最新作である。このシリーズ一言で言えば荒唐無稽の痛快大冒険活劇。映画で言えば007シリーズであります。007も飽きもせずに全部観ているしこれも同様で、シリーズもここまで続きますとまさに同工異曲であるのですが、ついつい読んでしまう魅力があって、娘から「いい年してをして………」と鼻であしらわれるシロモノとわかっていながら手が出ます。

古代国家アトランティスの遺跡から「地球最後の日」のメッセージを解読したナチスの残党、彼らは
ヒトラーの精子に遺伝操作をほどこし優秀な頭脳と肉体を備えた新人種を創造し、一大コンツェルンを形成、世界各国の政府、経済に強大な影響力をもつ。そして全人類を滅亡させた後におのれの帝国を築こうとする大陰謀を進めております。この強大な悪と敢然と立ち向かい、絶体絶命の危機を何度も乗り越え、明るく元気に破天荒な奇手、妙手でたたきのめすという楽しいお話であります。

シリーズが進みますと作者としては悪はますます強大に、陰謀はますます大仕掛けにしないといけませんから、これはシリーズものの宿命のようなものでやむをえないのだけれど、対抗する正義の側もやはり孤高のヒーローだけでは太刀打ちが困難になる。これが欠点でしょう。今回なんかはアメリカの軍隊・ミサイルまでも動員し秘密要塞を攻撃するはめになって、主人公の魅力が半減しています。

ナチの聖なる遺物としてキリスト磔刑で使われた聖槍を小道具に使っていますが、これは先日読んだ「鳥類学者のファンタジア」でもロンギリウスの石として登場し、ナチスに珍重されていました。これ、世界的な流行なのかな。
しかし、かような活劇小説は作者のアイデアの枯渇よりも、現実世界において「悪のイスラムテロ集団対正義のアメリカ」の構図があまりにも生々しいところからやがて行き詰まるのではないかと懸念します。「痛快」ではすまない「阿鼻叫喚」が現実です。

シリーズのお勧めとして「QD弾頭を回収せよ」「タイタニックを引き揚げろ」「「死のサハラ砂漠を脱出せよ」があげられる。日本を悪者にした「ドラゴンセンターを破壊せよ」もありますが やはり日本を舞台にした007シリーズの「007は二度死ぬ」が締まりのない作品であったと同様のへんてこりんさがあります。

日本語タイトルを命令形で統一してあるのも大人の読み物としては興趣をそぐことになるのではない
かな。
ともかく退屈な通勤のひと時を充実させてくれますね。

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