2002年4月14日 愛のない夫婦の家庭崩壊………と定番

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連城三紀彦「白光」 連城三紀彦の作品をはじめて読んだ。実はもっと若い世代の方と勘違いしていました。

4歳の娘を嫁ぎ先の姉にあずけ、学生の彼とホテルで夢中になる好色な人妻(日活ロマンポルノ的なセンスである)。妹とは正反対でしっかりものとして成長し、物分りのよい母親になっている姉(人間関係が類型的である)はあずけられた子をボケの進みつつある舅にまかせて自分の同じ年頃の娘を歯医者に連れていくために外出する。そしてこの留守中に幼児は殺害される。不倫の母親、相手の学生、彼女の夫、彼女の姉夫婦家族(姉、その夫、被害者と同じ年頃の娘、舅)のそれぞれがこの事件について虚実、妄想をまじえて語り継いでいく。独白のなかに叙述のトリックがある。

センスが古いなと思いながら読んで、あとで昭和23年生まれと私とほぼ同世代であると知りました。それならこのクラシックな女性観もわかるというものだ。

不倫の最中に子供が誘拐される、同様の設定で描かれたサスペンスに桐野夏生、直木賞を受賞した「柔らかな頬」がある。男女差をまったく意識しないで描かれた不倫するこのヒロイン。この個性はあまりにも新鮮すぎてビックリさせられるが、さすが新世代の女性作家の手による魅力的個性の誕生であった。

ところで「白光」であるが登場人物が少なくて多くを語るとネタバラシになるから控えるが、、お互いに母となった姉妹間の隠された憎悪、痴呆症の舅の心の闇、その他登場する家族のそれぞれの屈折した心理を微細に描いているが、全員が病的であり、その分、気色悪くなるストーリーである。犯人あての面白さもいまいちであった。

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