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佐々木譲 『警官の条件』 名作『警官の血』を上回る異色の警察小説

悪徳警官の汚名のまま追放された最強の捜査官・加賀谷仁が戻ってきた。不条理世界で生きるこのニヒリストに警官の誇りはあったのか 2011/10/17日経紙「春秋」にこんな記事があった。 暴力団が用心棒代(みかじめ料)を要求すると公安委員会は「やめるように」と命令をだし、従わない場合は罰則があるというのんびりした対応。ところが都道…
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麻耶雄嵩 『隻眼の少女』 本格ミステリーのセオリーを根底から破壊して見せた「本格」といわれる怪作

ガルシア・マルケス『百年の孤独』に疲れたので、軽く一息入れるとしよう。 このところ日本の本格推理小説にはご無沙汰だったから、日本推理作家協会賞、本格ミステリー大賞といういかにも「本格」らしい二冠をとったという作品なら最近のヒット傾向がわかるかもしれないと思い、手に取ったしだい。もちろん謎解きをゲームとして楽しむために。 険し…
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G・ガルシア・マルケス 『百年の孤独』  廃墟と化したマコンドは復活するだろうか。現在の日本を予言?

いつかは読みたい、むしろ読んでおかねばならないと思うような重量級作品はいくつかあるのだが、手ごわい!と怖気が先行し、なかなか手が出ない。これはそのひとつだった。 コロンビアのノーベル賞作家。ラテンアメリカ文学ブームの先駆け。 「20世紀後半の世界文学を物語の奔流で力強く牽引した」 といわれる作品だと、この程度の知識しかなかった…
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井上ひさし 『一週間』 氏のいきかたそのままをメッセージにした井上文学の到達点

井上ひさしさんの作品では『吉里吉里人』『腹鼓記』『馬喰八十八伝』などは昔のことなのでよく覚えていないが、伊能忠敬を描いた『四千万歩の男』、通説では不忠者とされた人々の物語『不忠臣蔵』、占領下の日本人と米軍とのコンフリクトを喜劇的に際立たせた『東京セブンローズ』の記憶は鮮明に残っている。いずれの作品も弱いもの、差別されているものへ…
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ケイト・モートン 『忘れられた花園 上』 最上級のミステリーを堪能しよう。

生みの親・育ての親と子供たちの錯綜する内心。かくもすさまじい親子の愛憎劇。まだ、上巻を読んだだけなのだが、この作品はお伽噺というソフトカプセルに閉じ込めた劇薬ホラーとの印象を受けた。とにかく第一級のミステリーである。 戦後まもない子供のころ、読書が好きになったきっかけは間違いなくお伽噺や童話だった。実際、児童向け読み物はこんな…
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池宮彰一郎 『四十七人目の浪士』 目下上映中『最後の忠臣蔵』の原作

忠臣蔵ものはやはり寒気の候に楽しむものだろう。 昨年の暮れにも民放テレビで田村正和が大石内蔵助を演じるドラマが放映されていた。特に新解釈の作品ではなく昔ながらの名場面をつなげたもので、特段役者の演技力が優れていたわけではないのだが、どうしても涙をこらえきれないシーンがいくつかあった。 「立花左近との邂逅」内蔵助が江戸下向の途中、…
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11月の読書

塚本青史『始皇帝』を読み終えましたので関連する韓非子の研究書貝塚茂樹『韓非』をじっくり読みます。 韓非posted with 簡単リンクくん at 2006.11.10貝塚 茂樹〔著〕講談社 (2003.4)通常2-3日以内に発送します。オンライン書店ビーケーワンで詳細を見る 浅田次郎『中原の虹』は全館出揃ってから読むこととして…
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10月の読書

井上尚登の『北京詐劇』を読んだからではないがその延長で面白そうな中国ものを読もうと思います。 浅田次郎 『中原の虹』英雄たちが大地を駆ける。隠された王者の証「龍玉」を求めて、壮大な冒険が、いま幕を開ける。 人間の強さと美しさを描ききった中国歴史小説、刊行開始。 「鬼でも仏でもねえ、俺様は、張作霖だ」 「汝、満州の覇者となれ」…
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志木市立柳瀬川図書館をたずねる。

自転車で5分、柳瀬川駅の志木駅よりのガードをくぐるとマロニエ通りに通じる。道路沿いの右手に柳瀬川図書館がある。前にいった遊学図書館よりも広々として、書庫も豊富である。AV設備やインターネット使用など設備も新しいものを取り入れてある。読書机は大きく数も多い。 マロニエ通りと名づけられているが、並木は栃の木とケヤキが道の両側に枝葉を広…
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続.9月の読書 昨日買った新刊本のキャッチコピー

今月中に読めるとは思っていませんが、面白そうな新刊本を買いました。 井上尚登 『T.R.Y.北京詐劇 ペキン・コンフィデンシャル』天才詐欺師、伊沢修が帰ってきた!甲骨文字に隠された謎、壮大な宴席。華麗なる駈けひきが、中国の未来を変える! 総統に、皇帝の座を。詐欺師には、財宝を。 歴史冒険エンタテインメントの大傑作! 稀代の詐…
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新書斎完成 室内無線ランの設定は難しかったですね。

寝室の片隅にパソコン作業場を移転しようとしました。 光ケーブルの最終接続ターミナルが移動できませんから、無線ランのセットを買い込んだのです。販売店では誰でも設定できそうな説明でしたが、素人にはかなり難しかったですね。 説明書どおりにはいきません。 販売店に電話して接続サービスを受けようとしたところ、数日待たされて2万円以上…
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今月の読書

さてなにを読もうか。 宮部みゆき 『名もなき毒』 著者3年ぶりのミステリー、待望の刊行 連続無差別殺人事件。あらゆる場所に「毒」は潜む。 現代ミステリーの代表作最近めったに現代を書かなくなった宮部みゆきが『誰か』以来3年ぶりに書いたということだ。『火車』『理由』『模倣犯』の流れには現代ミステリーの代表といえる価値があったが、…
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文芸春秋 九月特別号 はお得な買い物です。

芥川賞発表受賞作全文掲載とまぁ発表後にはいつものことなのだが、単行本が発刊されその広告で値段を見れば、絶対に安い買い物でしょうね。 それだけではない。そのほかの論文が読む価値があるんですね。 「独占掲載安倍晋三『闘う政治家』宣言この国のために命を捨てる」これはきたるべき総裁選用のPRであって、それだけの中身なのですが、 …
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図書館利用初体験

図書館を利用したことがなかった。小中学、高校の学校図書館には読みたい本などまるでなかったからだ。おそらく大学の図書館だってそうだったろう。まして公立の図書館には縁がなかった。借りて読むよりも買って読む性質でもある。もっとも貸し本屋には入り浸りのときもあった。 しばらく前のことだが故郷の若者たちが町営の図書館を設立させようと…
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やはり8月と言う月には戦争をテーマにした作品を読むのか。

吉村昭『破獄』を読みながらそんなことを感じていました。 帚木蓬生 『逃亡』を読んだのも確か夏だった。 8月15日には小泉首相は靖国に参拝するのだろうか。 かつての反戦平和論は風化したと言われている。 そんなのは古いといわれている。 風化したかもしれないが、古いと言われていても、愚直に反戦平和の気持ちを持ち続…
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小学生のときに読んだ本

茨城県は霞ヶ浦に近い江戸崎町。周囲は肥沃な田園が広がる小さな町。 今でこそ「江戸崎まんじゅう」「江戸崎かぼちゃ」なる名物で ちっとは知られるようになったんだが辺鄙なとこよ。 平右衛門のばあちゃんに育てられ「ヘーモンのよっちゃん」と呼ばれておったです。 生まれたのが昭和19年、農村地帯だがら食い物にはこまらんかった。 とうち…
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北方謙三の大長編小説『水滸伝』が近々完結する そこで第一巻「曙光の章」より

時は北宋の末期、最後の皇帝徽宗治下。政治のことは宰相の蔡京にまかせて,日夜遊興にふけり,書画骨董の収集に熱中し,豪壮な宮殿,庭園,道観等を造営したりして,莫大な金銭を使った。その穴埋めのために,蔡京はあらゆる手段を用いて誅求を行い,人民を苦しめたので,浙江の方臘(ほうろう),山東の宋江はじめ各地で反乱が勃発し,政府はその鎮圧に手をや…
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「日本人なら一度は読んでみよう「古事記」」について

「日本人なら一度は読んでみよう「古事記」」について 「古事記」は皇国史観の基本にあるものとして戦後教育の場から遠ざけられた不幸があるのでしょうね。 何も難しく考えることなく、日本の神々もギリシャ神話の神々と同様に喜怒哀楽を人間と共通しているところが魅力的だと思います。 子供のとき読んだ岩波少年文庫の 「古事記物語」はまだ本棚の…
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2003/08/04 佐藤賢一 『オクシタニア』人間は極限状況でいかに神と向き合うか

13世紀フランス南部の豊饒の地「オクシタニア」の覇権と異端カタリ派をめぐる複雑な対立の構図を丹念に描く歴史小説であるが………。 オクシタニアは当時トゥールーズ伯を中心とする複数の諸侯がそれぞれの領地で繁栄を競っていた。物語は1208年ローマ教皇使節がトゥールーズ伯の家臣に殺害されたことを契機に教皇インノケンティウス3世が討伐の十字…
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2001年11月18日デニス・ルヘイン「ミスティック・リバー」

自己の行動原理に固執する群像。デニス・ルヘイン「ミスティック・リバー」は三人の登場人物の三代に渡る悲惨な物語である。残酷な物語である。 現代アメリカ社会の底辺に近い(と思われる)生活環境に生まれた11歳の遊び仲間三人。その一人が遊びの最中、男たちに誘拐され、性的幼児虐待をうける。この事件は、誘拐の現場で、なすすべなく逃げ帰った二人も…
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リアルタイム 今年の「このミス」国内編

宝島社のこの本を買って自分で読んだものを数え、何勝何敗と一喜一憂した頃もあったのだけれど、余計な分別がついのだろう、歳相応の選択眼が選評者のそれとはかなりへだたりができてしまったようで、わざわざ買って目を通すこともなくなった。最近はあいかわらずの横溝正史風やパズル型には関心がなくなったし、出版社の強引な目玉商品、新人売り込みの宣伝文句に…
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リアルタイム 今年の「このミス」海外編2

ジェフリー・ディーヴァー「魔術師」も高い評価でしたが私にはリンカーンライムシリーズは「ボーン・コレクター」「コフィン・ダンサー」までが傑作だったと思われます。 「魔術師」の詳細は下記ページをご覧ください。 にほんブログ村
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2000年12月17日 「このミステリーがすごい」

「このミステリーがすごい」 年末にふさわしい企画なのでしょう、ついついこの類のランキングに目が向きます。私の周辺にはこれを共通の話題とする仲間は2~3人しかおりませんで、しかもめったに顔をあわせることもなくさみしいのですが、それでも一人で、納得したり、憤慨したり、読んで置けば良かったと後悔したり結構楽しめるものです。 今年はなぜか日…
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2000年7月15日 船戸の直木賞受賞

「虹の谷の五月」が直木賞を受賞した。 今までのように派手な戦闘シーンはないが、少年の目から残酷な村落共同体の崩壊を見つめ、明日への行動を暗示する結末は発展途上国に対する冷静なしかし愛情を持った作者の社会観が滲み出ている。 彼は今までこの賞を取ったことがなかったのですね。ファンの一人として大変うれしいものです。冷戦構造が崩壊しても、ス…
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2000年7月9日 みゆさんよりのコメント

「朗読者」読みました。 昨日の朝休みだったのでちょっと手にとって読み始めたら止まらなくなり、 昼までかかって読み終えてしまいました。 よっちゃんさんも書いてらしたように、重い物語です。 2度読んでほしいと書いてありましたがほんとにそうなのかもしれません。 本の中にある『あなたならなにをしましたか』という真摯な問いに胸をつ か…
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2000年5月26日 わが転機

平成が始まりすでに12年、日本社会の根本構造が崩壊する過程の終結の絵はまだ見えない。この激流のなかに浮かぶ船にあって私は流れに棹をさしてきたのか、流れに逆らってきたのか、右往左往してきたに過ぎないのか。一昨日、これまでの職を退任した。次のステップをどう踏み出すかは楽天的に考えるとして、まず、社の部屋に放り出してあった書類の山を選り分け自…
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2000年3月26日 ミステリーの古典「考」

古典といわれるには「昔」書かれたものであることが常識的必要条件でしょうね。さらに普遍的真理という味付けがどこかにあるからいつの時代の読書人にでも高く評価されるものであることも絶対的必要条件でしょう。「昔」というと百年は経過しているというのが線引きとしては妥当なのかも知れない。 であるとミステリーの古典は日本にはまだないと言うことになる…
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2000年2月26日 伝奇小説談義・続続

>ともさん  国枝史郎の『神州纐纈城』をあげられていましたが、さすが間口が広いですね。ところで未完が故に傑作と称される『纐纈城』とは違い、田中芳樹に『纐纈城綺譚』なるちゃんと完結した小説がありますが、こちらは舞台が唐代の中国(纐纈城の本家は中国?)波瀾万丈の大活劇でおもしろいですよ。ではまた 本のタイトルが・・・ 投稿者:MA …
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2000年2月21日 伝奇小説談義・続

SSさん、ともさんへ よっちゃん 小栗虫太郎の『二十世紀鉄仮面』、国枝史郎の『神州纐纈城』全く知りませんでした。角田喜久雄『髑髏銭』、これは映画で見たような気がしています。市川歌右衛門か片岡知恵蔵か大河内伝次郎か。お恥ずかしいが吉川英治の「神州天馬峡」までですね。 この類はさかのぼると曲亭馬琴「南総里見八犬伝」。原典にはあたったこ…
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