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日記風雑読書きなぐり
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1944年生まれ、とうに還暦を迎え、年金収入だけに頼るオジサンがほぼ毎週1冊、読んだ新刊書の数々を紹介します。ミステリー、時代小説、歴史小説、ときには純文学も。亀の甲より年の功、センスが古いと言われるのを承知で感性のおもむくままに綴っていきます。
時代、歴史小説の刺激か、最近、江戸文化にも興味が及び江戸文化歴史ウォーキングフォトアルバムもアップし始めました。

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タイトル 日 時
梶よう子 『一朝の夢』 朝顔に託した男たちの夢とはなんだったのか?安政の大獄をバックに傑作の時代小説
梶よう子 『一朝の夢』 朝顔に託した男たちの夢とはなんだったのか?安政の大獄をバックに傑作の時代小説 いま仕事をしている国立大学の喫煙小屋に集う仲間の一人から借り受けたのがこれである。たまたま、安政の大獄に話が及び、わたしが推薦した時代小説は諸田玲子『奸婦にあらず』であったのだが、彼は梶よう子『一朝の夢』も井伊直弼の通説をひっくり返す作品だと言う。 ...続きを見る

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2012/05/20 12:25
ドン・ウィンズロウ 『サトリ』 劇画風に描いた日本精神をもつ暗殺者の活劇
ドン・ウィンズロウ 『サトリ』  劇画風に描いた日本精神をもつ暗殺者の活劇 初めて読んだドン・ウィンズロウの作品『犬の力』は凄かった。マリオ・プーゾとエル・ロイ。マフィアと国家権力のノワールを合わせてアメリカが仕掛ける麻薬戦争のスケールに圧倒された。次に読んだ 『フランキー・マシーンの冬』もなかなか洒落ていた。すべてに一流のスタイリッシュな老殺し屋のアクション活劇なのだが、かつての東映任侠シリーズに通じる「粋」なところが魅力だった。この勢いで『サトリ』を手にしたのだが………。 「サトリ」とは「悟り」のことのようだ。わたしは知らなかったがトレヴェニアンという覆面... ...続きを見る

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2012/05/12 17:37
桜木紫乃 『凍原』 過酷な半生を生きた女たちのその後の凄絶な生きざまが荒涼とした情感のうちに語られる
桜木紫乃 『凍原』 過酷な半生を生きた女たちのその後の凄絶な生きざまが荒涼とした情感のうちに語られる 飲み仲間に桜木紫乃の『ラブレス』を勧めたところ、わたしのうわてをいく本好きが、桜木紫乃だったらこれがいい、わたしの好みにぴったりで、推理小説風の作品だと言う。 彼の読書には驚くべきものがある。週に2〜3冊は軽くこなす読書量なのだが、並みの速読家と違うのは内容をきっちり押さえこんでいることだ。すべて新刊本で、発売開始日に本屋の店頭に出向いてこれを求める。しかも読んだら蔵書などせずに他人にくれてやるのが彼のスタイルなのだ。わたしの好みもよく知っているから彼の言には間違いがない。 そのときは酩... ...続きを見る

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2012/05/05 15:07
水村美苗 『母の遺産 新聞小説』 家族のしがらみを冷静なメスで暴き、しかも優しいまなざしが一貫する
水村美苗 『母の遺産 新聞小説』 家族のしがらみを冷静なメスで暴き、しかも優しいまなざしが一貫する この数年、小説あるいは映画、テレビドラマには、親・子や夫・妻を軸として「綻んでしまった不幸な家族の新たな出発」をテーマにしたものが溢れかえっていた。ほとんどの作品が再起、再生、明るい明日を展望する感動生産型のものであった。そこでは、やさしく暖かい「絆」という言葉が万人の心を癒す呪文のように共通して浸透しつつあった。そして東日本大震災があった。なるほど。と、わたしたちは「絆」の大切さをあらためて思いしらされることになった。しかしやがて「絆」は絶対不可侵の価値観のように、「絆を深めよう」と一人歩... ...続きを見る

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2012/05/01 01:23
夢枕獏 『大江戸釣客伝 上下』 若き日の英一蝶、宝井其角が破天荒に遊ぶ元禄の世界
夢枕獏 『大江戸釣客伝 上下』 若き日の英一蝶、宝井其角が破天荒に遊ぶ元禄の世界 夢枕獏といえばいつごろだったろうか、「魔獣狩りシリーズ」をおおいに楽しんで読んでいた時期があった。当時は菊地秀行の「魔界都市シリーズ」も発刊されるたびに読んだ。もうすこし前には平井和正「ウルフガイシリーズ」が面白かった。これらはSF的伝奇的素材を現代に持ち込んでバケモノ的な超能力者同士のバトルアクションに工夫を凝らした小説群で、山田風太郎の「忍法帳シリーズ」の忍法合戦にあった刺激性と似た魅力があった。夢枕獏のその後の作品は読むことはなかったが、ひとつだけ、まるでジャンルをかえた本格山岳小説『... ...続きを見る

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2012/04/15 15:55
メルヴィル 『白鯨 モービィ・ディック 下』 エイハブVS白鯨。両者の見せる絢爛たる「悪」の競演
メルヴィル 『白鯨 モービィ・ディック 下』 エイハブVS白鯨。両者の見せる絢爛たる「悪」の競演 博覧強記で鳴るウンベルト・エーコの作品は「百科引用大小説」と言われた。ぼくにとってそれは百科事典を傍らに置いて首っ引きにしないと理解し得ないという、とんでもないしろものだった。 メルヴィルの『白鯨』であるが、とにかく鯨に関する種類、生態、分布などの分析的・分類的記載の詳述がいたるところに現れる。博物誌的な話題ばかりではない。解剖学的、考古学的考証に神話伝承を加えた、まさに鯨に関する百科事典そのものといえるような叙述に圧倒された。いや、延々と続くので眠くもなった。 だがいわゆる「事典」とか... ...続きを見る

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2012/04/04 23:27
帰宅途中で夜空を見上げれば
帰宅途中で夜空を見上げれば 金星と木星の間に三日月が入り込んで一直線になっていた ...続きを見る

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2012/03/26 22:33
メルヴィル 『白鯨 モービィ・ディック 上』 イシュメールが語った酷薄の世界にわが国の混乱を見る
メルヴィル 『白鯨 モービィ・ディック 上』 イシュメールが語った酷薄の世界にわが国の混乱を見る 小学生だったぼくが読んだ『白鯨』は児童向けに模様替えされた作品だった。当時は日本人作家の手になるオリジナルの新作児童文学は影を潜めており、たいがいは海外の古い作品であり、その中に大人の読む小説を子供向けに書き直したものがたくさんあった。ほとんどは大人になってから読み直したものだが、『白鯨』だけは今になるまで手をつけることができなかった。小学生で読んだ時の印象は片足の船長が巨大鯨と死闘をした程度で、たとえば『岩窟王』のように決死の脱獄という冒頭からの強烈なインパクトがなかったこともある。それよ... ...続きを見る

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2012/03/20 05:27
田中慎弥 『共喰い』 母親の実在感が光る性と暴力の芥川賞受賞作
田中慎弥 『共喰い』 母親の実在感が光る性と暴力の芥川賞受賞作 芥川賞と直木賞の違いってのはなんなんだ? と飲み友達からきかれた。 純文学と通俗小説の違いだと思うんだが……… とあいまいに答えたら おまえもいい加減な奴だな、純文学と通俗小説に境目はないだろう。 と、もっともな反論がかえってきた。 そこで 芥川賞は文芸雑誌に発表された作品で、まだ単行本になっていない、つまり売れていない作家がもらうもの、直木賞はベストセラー作家がもらうものだと言い直したら、それで納得してくれた。 ...続きを見る

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2012/02/25 13:27
ミネット・ウォルターズ 『破壊者』 ショッキングなキャッチフレーズに惑わされないように………
ミネット・ウォルターズ 『破壊者』  ショッキングなキャッチフレーズに惑わされないように……… ミネット・ウォルターズについては、ストーリーはまるで記憶にないのだが、日本でもブームになって、1999年ごろに遅ればせながら『女彫刻家』(1993年)と『昏い部屋』(1995年)を読んだことがある。今回、久しぶりに目にした著者名で英国ミステリ女王とされていた。これは新作だと思い、どんなミステリー作家だったかと、懐かしさも手伝って手にした次第。読んでる途中退屈だったから、巻末「解説」を覗くとなんと1998年の作品とあってだまされたような気分になった。女は裸で波間に漂っていた。脳裏をよぎるのは、... ...続きを見る

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2012/02/21 14:39
諸田玲子 『四十八人目の忠臣』 恋と忠義の狭間で揺れ動く女心
諸田玲子 『四十八人目の忠臣』 恋と忠義の狭間で揺れ動く女心 昨年のNHK大河ドラマ『江〜姫たちの戦国〜』。NHKらしく、現代という視線からその時代の女性を描いている。いつもながら女性が男どもを右往左往させる豪華絢爛のホームドラマであって、現代女性をそのまま戦国時代にタイムスリップさせたような珍妙さにはしばしば失笑を禁じえなかった。2009年に読んでいた諸田玲子の『美女いくさ』と比べたものだから余計に子供だましのように映ったのかもしれない。 ...続きを見る

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2012/02/12 10:17
五木寛之 『親鸞 激動篇』 「鬼神を敬してこれを遠ざく」の親鸞。専修念仏の布教の前に立ちはだかる障壁
五木寛之 『親鸞 激動篇』 「鬼神を敬してこれを遠ざく」の親鸞。専修念仏の布教の前に立ちはだかる障壁 死後の世界など無頓着であり信仰に救済を求めるなどまったく考えられない私ですが、実際には大勢の人が神仏に祈りをこめる向き合い方をしている。科学万能の現代でなお科学者のなかには真理の究極に霊的存在を認める方がおられる。身の回りを見れば、私だって墓参もすれば葬儀もあるという具合に日本人の生活様式に深く組み込まれている。また政治や国家、民族の動向に宗教が強く関わっている。さらに宗教にある熱狂が個人に限らず集団の暴力を生み、民族・国家間の戦争すら引き起こす。 信仰心のないものでも宗教に強い関心を持た... ...続きを見る

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2012/02/06 22:58
皆川博子 『開かせていただき光栄です』 完璧な本格探偵小説と上等のユーモア文学が融合した傑作
皆川博子 『開かせていただき光栄です』 完璧な本格探偵小説と上等のユーモア文学が融合した傑作 皆川博子氏の作品は『死の泉』『薔薇密室』『伯林蝋人形館』を読んでいた。いずれもナチズムの狂気をエロチックにグロテスクに描いた耽美・幻想の世界で、あまり後味がいい作品ではなかったとの印象がある。 ところが、びっくりしたことにこのジャンルとはまったく違うのだ。今回の『開かせていただき光栄です』は上等の本格探偵小説である。18世紀ロンドン。外科医ダニエルの解剖教室から、あるはずのない屍体が発見された。四股を切断された少年と顔を潰された男性。増える屍体に戸惑うダニエルと弟子たちに、治安判事(ジョン... ...続きを見る

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2012/01/29 19:49
葉室麟 『蜩ノ記』 現代に通ずる男の生き様 その美学に陶然とする
葉室麟 『蜩ノ記』 現代に通ずる男の生き様 その美学に陶然とする 遠望すれば春霞の山々に桜の花びらが舞い、近くは谷川のせせらぎ、カワセミの飛翔、清浄な山間の風景に礫をもつ少年が姿を現す。 久々の葉室麟であるが、期待たがわず、この美しい冒頭の情景から引き込まれた。 あと三年の後に切腹を命じられている男の至誠を貫く暮らしぶりを象徴して、幕開けにふさわしく、静穏の中に緊張感が漂っている。 読み終えて窓を向けば朝空は降る雪に煙り、思わず姿勢をただす、清爽の読後感であった。 ...続きを見る

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2012/01/21 19:35
デイヴィッド・ゴードン 『二流小説家』 アメリカの狂気,ゾッとする現実を見せつけるが………
デイヴィッド・ゴードン 『二流小説家』  アメリカの狂気,ゾッとする現実を見せつけるが……… 昨年の『このミステリーがすごい!』『週刊文春ミステリーベスト10』など海外部門ランキング第1位に挙げられた話題のミステリーだ。この手のランキングは国内部門ではどうかと思うものも多いが海外部門は比較的妥当なところがあり、それでは読んでみる価値があるかもしれないと手に取ったしだい。 タイトルは「二流小説家」とあるが、原題は『The Serialist』。私にはなじみのない言葉だったが、どうやら連載小説家と翻訳される概念のようだ。主人公の「私」はハリー・ブロック。ポルノ雑誌の性の相談コーナーを主... ...続きを見る

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2012/01/07 18:30
デビッド・フィッシャー 『スエズ運河を消せ トリックで戦った男たち』 第二次大戦のビックリ秘話
デビッド・フィッシャー 『スエズ運河を消せ トリックで戦った男たち』  第二次大戦のビックリ秘話 著者は米国のノンフィクション作家であり、これは実話を小説風に描いたものだ。どこまでが本当も話なのかわからないのがマジックなのかもしれない。 私はあまりノンフィクション系を読まないのだが、この本の書評が新聞2紙に紹介されていたのが目に付いた、第二次大戦の北アフリカを舞台に本物のマジシャンがマジックの手法でドイツ軍を翻弄する。日本にも「一夜城」といって秀吉が墨俣城、石垣山城などアッという間に築城したかのようにみせて、敵の心胆を寒むからしめるお話がある。黒澤明は『蜘蛛巣城』で「森を動かして」見せ... ...続きを見る

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2011/12/18 22:22
三浦しをん 『舟を編む』 ライトノベル風だが一気読みをしないで、辞書を片手に楽しもう
三浦しをん 『舟を編む』 ライトノベル風だが一気読みをしないで、辞書を片手に楽しもう 楽しい仕掛けがいっぱいあるぞ。ライトノベル風で一気読みはできるのだが、それではあまりにもったいない。辞書を片手に寄り道しながら、言葉の世界を逍遥しましょう。 玄武書房に勤める馬締光也。営業部では変人として持て余されていたが、人とは違う点で言葉を捉える馬締は、辞書編纂部に迎えられる。新しい辞書『大渡海』を編む仲間として。定年間近のベテラン編集者、日本語研究に人生を捧げる老学者、徐々に辞書に愛情を持ち始めるチャラ男、そして出会った運命の女性。個性的な面々の中で、馬締は辞書の世界に没頭する。言葉... ...続きを見る

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2011/12/04 16:24
志水辰夫 『みのたけの春』 冒険小説の第一人者が円熟した筆で語る若者のいきかた
志水辰夫 『みのたけの春』 冒険小説の第一人者が円熟した筆で語る若者のいきかた 志水辰夫といえばハードボイルド・冒険小説界の第一人者だったのだが、このところ時代小説に転じたらしい。ダイナミックなこれまでのイメージとは異なって『みのたけの春』、相当に渋い。この作品を読んだあとで、1936年生まれと知ってびっくりした。私よりも8歳も年上のオジイチャンだったのだ。なるほど、「若者の生き方のひとつ」として、多分にアナクロニズムであるかもしれないのだが、われわれの年代には、微妙にこそばゆい共感を覚えずにはいられない深みがこめられていた。 ...続きを見る

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2011/11/29 19:29
ジェフリー・ディーヴァー 『007 白紙委任状』 リンカーン・ライムの捜査手法でボンドが凶悪犯に迫る
ジェフリー・ディーヴァー 『007 白紙委任状』 リンカーン・ライムの捜査手法でボンドが凶悪犯に迫る 僕は大学生だったが、『007は殺しの番号』を家庭教師先の坊やと渋谷の東急文化会館で観たときの、これまでの映画にはなかった新鮮なインパクトを忘れられない。あのダンディズムとセクシャルな美女とのからみ、大仕掛けで荒唐無稽な大陰謀と闘うハードなバイオレンスに魅せられて以来、ボンド映画とはつきあいは長い。 フレミングの原作は『ムーンレイカー』他2〜3作を読んだ。当時の和製冒険活劇小説に『野獣死すべし』でヒットした大藪春彦の作品があって、愛読していたものだが、これとは異質な「007」のバタ臭いスマートさ... ...続きを見る

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2011/11/22 14:55
吉田修一 『平成猿蟹合戦図』 あのなつかしいお伽噺を現代日本に再現すれば………
吉田修一 『平成猿蟹合戦図』 あのなつかしいお伽噺を現代日本に再現すれば……… お伽噺「猿蟹合戦」といえば私たちの年代なら誰でも知っている懐かしい昔話です。 ところで私たちが子供時分はこのお話からどういうメッセージを受け取っていたのでしょうか。 また、仮に私たちが現代の子どもたちに向かってこのお話をする場合、どういうメッセージをこめればよいのでしょうか。 私は「弱いものたちが力をあわせて強いワルモノをやりこめる美しいお話」として受け止めていたような気がします。猿をやっつける計略も痛快でした。 そして吉田修一もこのメッセージをそのまま現代におきかえて『平成猿蟹合戦図』... ...続きを見る

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2011/11/13 15:40
桜木紫乃 『ラブレス』 流されるままの哀しい人生 昭和女の一生が最後に見せる真実とは?
桜木紫乃 『ラブレス』 流されるままの哀しい人生 昭和女の一生が最後に見せる真実とは? 時の流れに身をまかせた浮き草の人生、あまりに哀しい昭和女の一生………とお膳立ては古めかしいのだが。「しあわせ」の尺度をひくりがえしてみえてくる生きることの値打ちには、漂流する現代の精神に対する力強いメッセージが込めれれている。 ...続きを見る

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2011/11/06 22:53
吉村昭 『桜田門外ノ変』 史実を丹念に積み上げ、桜田事変の実相に肉薄する歴史小説の傑作
吉村昭 『桜田門外ノ変』 史実を丹念に積み上げ、桜田事変の実相に肉薄する歴史小説の傑作 「桜田門外の変」とは安政7年(万延元年・1860年)、雪降る江戸城お堀端で水戸藩士たちが井伊大老を襲撃し暗殺した事件である………と。それだけでなく安政の大獄、無勅許の開国など独断専行に対する制裁だった………程度は誰もが知っている著名な事件である。 先日出会った山田風太郎『魔群の通過』はその4年後の1864年の天狗党の乱であったが、このとき茨城県生まれの私は「幕末期の水戸藩とは一体なんであったのか?」との興味にとらわれてしまった。 本著は桜田事変の襲撃現場の指揮者・関鉄之助を主人公にして、そ... ...続きを見る

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2011/11/02 13:33
佐々木譲 『警官の条件』 名作『警官の血』を上回る異色の警察小説
佐々木譲 『警官の条件』 名作『警官の血』を上回る異色の警察小説 悪徳警官の汚名のまま追放された最強の捜査官・加賀谷仁が戻ってきた。不条理世界で生きるこのニヒリストに警官の誇りはあったのか ...続きを見る

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2011/10/18 23:36
山田風太郎 『魔群の通過』  鬼才風太郎が水戸天狗党の乱を描いた異色の傑作歴史小説
山田風太郎 『魔群の通過』  鬼才風太郎が水戸天狗党の乱を描いた異色の傑作歴史小説 水戸の内戦は、まことに酸鼻なものでございました。内戦とはそれまでまったく隣人友人としてつき合っていた人間たちが敵味方に分かれて、同じ国の中で、いくさと言える時間と規模で相たたかうものであります。そもそも日本において内戦という状態にあるいくさは、元治元年の水戸内戦以外にはないのではござりますまいか。「魔群」のタイトルイメージからは忍者群の話と誤解されそうだが天狗党のこと。山田風太郎の作品群にあって、おそらくポピュラーなものではない。しかも水戸天狗党の乱の詳細を追ったシリアスな歴史小説で著者の作... ...続きを見る

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2011/10/03 00:20
トム・ロブ・スミス 『エージェント6』 三部作完結。悲惨に打ちひしがれたレオに救いの道はあるのか?
トム・ロブ・スミス 『エージェント6』  三部作完結。悲惨に打ちひしがれたレオに救いの道はあるのか? 『チャイルド44』。1953年、スターリン統治下のソ連。恐怖政治、監視国家、秘密警察、密告システムの残忍さを極限まで描き、犯罪者として烙印を押された主人公レオの国家相手の壮絶バトルアクション。とにかくあまりにもサディスティックな描写に度肝を抜かれた。 ...続きを見る

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2011/10/01 14:22
渡部伸一郎 『遠くへ』 知の迷宮回廊に点在する自画像の謎
渡部伸一郎 『遠くへ』 知の迷宮回廊に点在する自画像の謎 著者の渡部伸一郎君は新宿高校の同期生である。今年の4月、同期会の席で彼が 「今、小説を書いている。面白い作品だと思っているんだが、出版したら読んでね」 と、どんぐり眼をぎょろりとさせて近づいてきた。7年も前になるだろうか、彼の著書『わが父 テッポー』の感想を述べたことがあった。彼にその記憶が残っていたのか、顔を合わせたついでに声をかけてきたのだろう。特別親しい付き合いはない。なにせ彼はいまだぼくの名前を正確に書けないぐらいである。 頭がずば抜けて切れる男だったにしても「面白い小説」を書... ...続きを見る

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2011/09/20 22:03
渡部伸一郎 『わが父 テッポー』 新宿高校同期の非凡な個性が語る父の記憶
渡部伸一郎 『わが父 テッポー』 新宿高校同期の非凡な個性が語る父の記憶 この所感は平成16年当時に書き留めてあったものです。実は最近、彼が新たにエッセー集を出版したと聞き、今それを読んでいる最中で、読後アップするつもりですが、とりあえずこの前作を紹介しておきます。 ...続きを見る

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2011/09/09 11:31
辻原登 『韃靼の馬』 朝鮮通信使外交を詳述する歴史ロマンの傑作
辻原登 『韃靼の馬』 朝鮮通信使外交を詳述する歴史ロマンの傑作 李朝朝鮮とわが国の歴史的な外交制度である朝鮮通信使について、私が知ることになったのは2003年に荒山徹の伝奇小説『魔岩伝説』読んだ時だった。現在、わが国と朝鮮との間には様々な緊張関係にあるのだけに、対等な善隣関係を前提にした通商・文化の交流という重要な史実を知らなかったことはショックであった。どうして教科書にはのっていなかったのだろう。私たちが知っておくべき歴史のはずだとつくづく思うのである。………徳川家康の求めに応じて日本と国交を回復し、1609年には己酉(きゆう)約条を結んだ。朝鮮からは... ...続きを見る

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2011/09/02 23:11
フェルディナント・フォン・シーラッハ 『犯罪』  異常な犯罪と向き合う弁護士が描く裁判制度の光と闇
フェルディナント・フォン・シーラッハ 『犯罪』  異常な犯罪と向き合う弁護士が描く裁判制度の光と闇 弁護士の著者が現実の事件に材を得て、異様な罪を犯した人間たちの哀しさ、愛おしさを鮮やかに描く連作短編集。文学賞二冠、45万部突破の欧米読書界を震撼せしめた傑作一生を愛し続けると誓った妻を殺めた老医師。兄を救うため法廷中を騙そうとする犯罪者一家の息子。羊の目を恐れ、眼球をくり抜き続ける伯爵家の御曹司。彫像『棘を抜く少年』の棘に取り憑かれた博物館警備員。エチオピアの寒村を豊かにした心やさしき銀行強盗。………魔に魅入られ、世界の不条理に翻弄される犯罪者たちその他………ギリシャ人であること拒否することに... ...続きを見る

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2011/08/20 20:05
ヨハン・テオリン  『黄昏に眠る秋』 スウェーデン・エーランドの憂愁たっぷりの傑作ミステリー
ヨハン・テオリン  『黄昏に眠る秋』 スウェーデン・エーランドの憂愁たっぷりの傑作ミステリー スウェーデンのエーランド島。 地図を見れば、スカンジナビア半島を海龍に見立てたとき、デンマークを飲み込もうとする下あごの付け根にコバンザメのように張り付いて見える細長い島だ。現在、南部の農業地帯は世界遺産に指定されている。島の北部がこの物語の舞台になる。西に本島を眺望するいくつかの村落があるが定住人口は数少ない。ストックホルムの小金持ちたちがここに別荘を持ち、夏だけが賑わいを見せる。秋ともなれば本土へUターンする人の流れも途絶える。厳しい冬を迎える老人達だけがひっそりとそれぞれの軌跡、栄光... ...続きを見る

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2011/08/12 14:47
高野和明 『ジェノサイド』 人類滅亡の危機を救うのは最強国アメリカか?超大型のバイオレンスSF
高野和明 『ジェノサイド』 人類滅亡の危機を救うのは最強国アメリカか?超大型のバイオレンスSF 冤罪の死刑囚を取り上げた『13階段』が記憶に残る作品だったが、まさか高野和明がこれほどの大型エンタテインメントを書けるとは思わなかった。うっとうしいこの夏のひととき地球規模で繰り広げられる恐怖と冒険の物語に度肝を抜かれて絶好の暑気払いをしよう。 ...続きを見る

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2011/08/03 22:46
高橋克彦 『風の陣 裂心篇』  「裂心篇」は大長編の歴史ドラマの完結篇だが独立した小説として読もう。
高橋克彦 『風の陣 裂心篇』  「裂心篇」は大長編の歴史ドラマの完結篇だが独立した小説として読もう。 もはや戦いを防ぐ手立てはない………。蝦夷の雄・鮮麻呂に決起のときが!陸奥の黄金を求め、牙を剝く朝廷に対し、蝦夷の首長・伊治鮮麻呂が起ち上がる。狙うは陸奥守の首ひとつ!北辺の部族の誇りを懸けた戦いを描くシリーズが、ここに幕を降ろす。 第4巻まで続いた『風の陣』もこの第5巻「裂心篇」でいよいよ完結だ。 全体の構成は大和朝廷が統一国家の中に広大な陸奥の地を編成しようとする征服のプロセスであり、その征服に抗う蝦夷たちの闘争の物語である。振り返れば当初は蝦夷出身の道嶋嶋足が中央政権で立身... ...続きを見る

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2011/07/24 16:51
池井戸潤 『下町ロケット』 先端の企業間競争にほろりとする人情ドラマを調和させた直木賞受賞作
池井戸潤 『下町ロケット』 先端の企業間競争にほろりとする人情ドラマを調和させた直木賞受賞作 元三菱銀行のサラリーマンだった著者の『空飛ぶタイヤ』『鉄の骨』を読んで、その人柄に好感を持っていた私はこの作品が今回の直木賞を受賞したと聞いて素直によかったなぁと思いました。 「企業小説」というジャンルは元銀行員とか元役人とかあるいは経済評論家という人たちが書くことが多いのですが、たいがいはノンフィクション仕立てで内幕暴露の一点に読者の好奇心を集めることを狙いにしています。そこには企業という怪物だけがあって人間のドラマが描かれていません。非情な企業論理が貫徹すると同時にだからこそそこに生き... ...続きを見る

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2011/07/20 22:46
船戸与一 『満州国演義6 大地の牙』 昭和13〜14年を多面的に描出した迫真の侵略ドラマ
船戸与一 『満州国演義6 大地の牙』  昭和13〜14年を多面的に描出した迫真の侵略ドラマ 第5巻が出版されて2年余りが経過した。この間に目先を変えた『新・雨月』を上梓したものの、どうなっているかと心配していたが、なるほど、これだけの豊富な素材を緻密に組み立てるにはそれだけの時間が必要だったのだと思わせる、期待を裏切らない第6巻だ。 満州クロニクル、大陸侵略史の断面。昭和13年〜14年を750枚のボリュームで多面的にとらえ、迫真のドラマにしている。 密度の高い2年間なのであり、劇的なエピソードもふんだんに披露されるのだが、何よりも私は史実の大筋についてすら「何も知らなかった... ...続きを見る

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2011/07/17 18:11
隆慶一郎 『吉原御免状』 第一級の大衆娯楽小説を満喫する
隆慶一郎 『吉原御免状』 第一級の大衆娯楽小説を満喫する 未読のままにあった一時代前の傑作を読むというのはいつもと違う高揚感があるものだ。物語に没頭しながらもあれやこれやと雑念がわいてくるのが楽しいからです ...続きを見る

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2011/07/05 22:57
奥泉光 『桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活』 抱腹絶倒とはこのこと!なんでこんなに可笑しいの?
奥泉光 『桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活』  抱腹絶倒とはこのこと!なんでこんなに可笑しいの? 「にやにや、にたにた、くすくす、くすり、げらげら、ははは、ふふふ」 ページを繰るごとにこれだから、電車で読んでいるとつい周囲が気になる。これほどいくつものわらい方で笑える小説にはめったに出会わない。とにかく可笑しくてたまらないのだ。 ところでヒトだけが「笑う動物」だとの説があるそうだが、どういう場合に笑うのだろうかとふと考えるとなかなかの難問だとしかいいようがないことに気づかされる。 ...続きを見る

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2011/06/26 15:55
麻耶雄嵩 『隻眼の少女』 本格ミステリーのセオリーを根底から破壊して見せた「本格」といわれる怪作
麻耶雄嵩 『隻眼の少女』   本格ミステリーのセオリーを根底から破壊して見せた「本格」といわれる怪作 ガルシア・マルケス『百年の孤独』に疲れたので、軽く一息入れるとしよう。 このところ日本の本格推理小説にはご無沙汰だったから、日本推理作家協会賞、本格ミステリー大賞といういかにも「本格」らしい二冠をとったという作品なら最近のヒット傾向がわかるかもしれないと思い、手に取ったしだい。もちろん謎解きをゲームとして楽しむために。 ...続きを見る

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2011/06/16 00:05
G・ガルシア・マルケス 『百年の孤独』  廃墟と化したマコンドは復活するだろうか。現在の日本を予言?
G・ガルシア・マルケス 『百年の孤独』  廃墟と化したマコンドは復活するだろうか。現在の日本を予言? いつかは読みたい、むしろ読んでおかねばならないと思うような重量級作品はいくつかあるのだが、手ごわい!と怖気が先行し、なかなか手が出ない。これはそのひとつだった。 コロンビアのノーベル賞作家。ラテンアメリカ文学ブームの先駆け。 「20世紀後半の世界文学を物語の奔流で力強く牽引した」 といわれる作品だと、この程度の知識しかなかった。 ...続きを見る

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2011/06/12 18:09
安部龍太郎 『葉隠物語』 今、武士道が見直されている??? 小説好きの読者向け、葉隠れ入門書
安部龍太郎 『葉隠物語』 今、武士道が見直されている??? 小説好きの読者向け、葉隠れ入門書 「葉隠」については詳しくない。ただ、その語感にはつつましさに潜む熱い思いがある。いつのまにか失ってしまった日本人の美徳を象徴しているようで、引きつけられるところだ。時代小説では葉室麟が描いた『いのちなりけり』にあった葉隠には共感するところが多かった。 ところが一方で、最近評論家の語るあるべき国家論やあるべき日本人論のなかに、よくこの葉隠精神をみかけるのだが、そこにはなんとなく胡散臭いものを感じるのだ。どうやら現代人の立場からは適当につまみ食いができるあいまいな主張の寄せ集めのようで、興... ...続きを見る

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2011/05/20 20:45
皇居散策マップ PART3 和田倉濠より半蔵門
皇居散策マップ PART3 和田倉濠より半蔵門 見所をグーグルマップとデジブックで紹介する皇居散策の最終篇。 ...続きを見る

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2011/05/08 23:49
井上ひさし 『一週間』 氏のいきかたそのままをメッセージにした井上文学の到達点
井上ひさし 『一週間』 氏のいきかたそのままをメッセージにした井上文学の到達点 井上ひさしさんの作品では『吉里吉里人』『腹鼓記』『馬喰八十八伝』などは昔のことなのでよく覚えていないが、伊能忠敬を描いた『四千万歩の男』、通説では不忠者とされた人々の物語『不忠臣蔵』、占領下の日本人と米軍とのコンフリクトを喜劇的に際立たせた『東京セブンローズ』の記憶は鮮明に残っている。いずれの作品も弱いもの、差別されているものへのやさしさが滲んでいた。 ...続きを見る

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2011/05/07 13:08
ケイト・モートン 『忘れられた花園・下』 ビクトリア朝世紀末と現代にまたがる家族関係の普遍性とは。
ケイト・モートン 『忘れられた花園・下』 ビクトリア朝世紀末と現代にまたがる家族関係の普遍性とは。 1913年、ロンドンからオーストラリアに着いた船にたったひとり残された少女ネルに何があったのか。魔法の組み紐が遡る謎の原点には名門貴族・マウントラチェット家の家族関係があった。ビクトリア朝世紀末と現代にまたがる家族関係の普遍性とは。 ...続きを見る

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2011/04/29 17:50
ケイト・モートン 『忘れられた花園 上』 最上級のミステリーを堪能しよう。
ケイト・モートン 『忘れられた花園 上』 最上級のミステリーを堪能しよう。 生みの親・育ての親と子供たちの錯綜する内心。かくもすさまじい親子の愛憎劇。まだ、上巻を読んだだけなのだが、この作品はお伽噺というソフトカプセルに閉じ込めた劇薬ホラーとの印象を受けた。とにかく第一級のミステリーである。 ...続きを見る

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2011/04/24 21:45
高遠の桜 天下一のコヒガンザクラをたっぷりと
高遠の桜 天下一のコヒガンザクラをたっぷりと 青空の下、雪嶺のアルプスを背景に ...続きを見る

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2011/04/17 18:33
高橋克彦 『風の陣4 風雲篇』 「義」によって結ばれた男たちのそれぞれの陸奥
高橋克彦 『風の陣4 風雲篇』 「義」によって結ばれた男たちのそれぞれの陸奥 国家とは?国民とは?政府とは?地方自治とは?こんな風に日本列島を眺める人はいなかった時代のことだ。ここに、あえて近代的国家観を持った男たちを投じ、悪戦苦闘させるのがこの小説の面白さである。けれども東北地方をどうまとめるかとなれば、この時期である、重苦しくなるのは私だけではないだろう。宇佐八幡の託宣を持ち帰った和気清麻呂によって、皇位を狙った道鏡の野望は阻止された。道鏡を寵愛した称徳女帝も重病に臥し、この機に乗じて藤原一族が復権をかけて動き始める。 だが新たに即位した光仁天皇は藤原一族を牽制... ...続きを見る

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2011/04/16 17:37
これが「長勝院のハタザクラ」 2011/04/11撮影
これが「長勝院のハタザクラ」 2011/04/11撮影 世界で一本しかない?といわれるほど志木市民自慢の桜です。 桜は花びらが5枚ですがこれは花びらが6枚あるように見えますね。 ...続きを見る

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2011/04/11 23:38
角田光代 『八日目の蝉』  女は弱し、されど母は強し………ということか。
角田光代 『八日目の蝉』  女は弱し、されど母は強し………ということか。 「八日目の蝉」っていったいなんなのだろう。巻末の解説に池澤夏樹が「この小説を読むに際して、まず育児が快楽であることを確認しておこう」と延々とその悦びの経験談?を語っているのだが、これは蝉とは無関係。死の淵にたってこその真の再生ってことかな。いや、そんな長生きの蝉はいないね。このタイトルに託した著者のメッセージはどう考えても謎である。いっそ、「空蝉」のほうが深遠で想像するに拡がりがあり、いいのじゃぁないだろうか。 ...続きを見る

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2011/04/08 23:44
奥泉光 『シューマンの指』 これぞ奥泉光の新ジャンル「本格音楽小説」だ?
奥泉光 『シューマンの指』 これぞ奥泉光の新ジャンル「本格音楽小説」だ? 「音楽」とはいったいなんなんだ? 音楽は聴覚を媒介として、時間的に展開され把持される意味を形づくる。音の強弱、高低、色彩(音色のことか?)、リズム的な継起、一定のパターンによる反復や変形などがその意味形成の手段となり、同時にその意味を認める心的な働きがあって、音楽は成立する。その意味で、音楽は語られる言語と多くの共通面をもっている。(平凡社世界大百科事典より抜粋) 読後にはこの難解な解説がいくらか理解できるようになった。 ...続きを見る

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2011/04/06 23:37
皇居散策マップ PART2 内堀東側のビル群を仰ぎつつ
皇居散策マップ PART2 内堀東側のビル群を仰ぎつつ 見所をグーグル地図とデジブックで紹介する第二回 ...続きを見る

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2011/04/03 22:57
木内昇 『漂砂のうたう』 「自由」という虚構に踊らされる人々
木内昇 『漂砂のうたう』 「自由」という虚構に踊らされる人々 漂砂? なじみのない言葉だ。スーパー大辞林によれば「波浪・潮流などによって流動する土砂。また、その移動する現象。河口・港湾などを埋積したり海岸を浸食したりする。」とある。 「漂砂のうたう」? 流れのままに動かされるだけのちっぽけな存在が索漠たる思いを抱えて人生をやり過ごしている………とも思えるが。それだけではなく、ちっぽけな存在であるが、それらがあたかも海岸や河岸を削るように事象のどこかに痕跡を残すのだともとれる。 ...続きを見る

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2011/03/29 09:15

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