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日記風雑読書きなぐり
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1944年生まれ、とうに還暦を迎え、年金収入だけに頼るオジサンがほぼ毎週1冊、読んだ新刊書の数々を紹介します。ミステリー、時代小説、歴史小説、ときには純文学も。亀の甲より年の功、センスが古いと言われるのを承知で感性のおもむくままに綴っていきます。
時代、歴史小説の刺激か、最近、江戸文化にも興味が及び江戸文化歴史ウォーキングフォトアルバムもアップし始めました。

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タイトル 日 時
夏樹静子 『てのひらのメモ』 裁判員制度入門書として格好のリーガルサスペンス
夏樹静子 『てのひらのメモ』 裁判員制度入門書として格好のリーガルサスペンス 今年の夏から裁判員制度による裁判が始まり衆目を集めている。『てのひらのメモ』は裁判員に選ばれた57歳の専業主婦・折川福美の視線で語られるリーガルサスペンスとして成功している作品なのだが、もし裁判員になったらどんなことになるのだろうかと考えている多くの人にとって、実際に役立ちそうな要点がいくつも盛り込まれている格好の裁判員制度入門書でもある。 ...続きを見る

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2009/11/29 18:01
天野純希 『青嵐の譜』 庶民の視線で描いた蒙古襲来 異色の歴史小説
天野純希 『青嵐の譜』 庶民の視線で描いた蒙古襲来 異色の歴史小説 元寇という歴史上の大事件を鎌倉幕府と朝廷の確執、あるいは得宗専制体制の確立など中央政権からみた小説はあるのかもしれない。本著は壱岐、博多で暮らす庶民や土着の武人の視線で元寇を描いた異色の歴史小説である。 ...続きを見る

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2009/11/24 00:22
村上春樹 『1Q84 BOOK1 BOOK2』  ムードで読むか、理屈で読むか?
村上春樹 『1Q84 BOOK1 BOOK2』  ムードで読むか、理屈で読むか? 混沌の世界を実感させる企ては成功したか?  しばらく前から 「『1Q84』を読んだか?」 と60歳をこえた何人もの仲間からたずねられた。 「村上春樹って読んだことがないのだが、販売企画力がメチャメチャうまく、発売前からベストセラーだったんで買ってはあるんだ。」 でもまだ読んではいなかったからそれ以上会話は発展しなかった。 ...続きを見る

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2009/11/18 00:05
橋本由子『上州島村シルクロード 蚕種づくりの人びと』 本格歴史小説として完成された児童文学の傑作
橋本由子『上州島村シルクロード 蚕種づくりの人びと』 本格歴史小説として完成された児童文学の傑作 老人保健施設へ入所して無人になっていた母の留守宅をかたづけていたとき、八月に届いて未開封のままにあった小包をみつけた。つい先日のことだ。小包には本著が収まっていて、父の霊前へ供えていただきたいと橋本由子さんの添え書きがあった。著者の橋本由子氏は「この作品は、実在した田島啓太郎氏をモデルにして長い年月をかけて書き上げました。」とあとがきで述べている。あとがきには手に余る題材を前にした著者へ私の父がユニークで面白いからあきらめないようにと励ましたことが触れられていた。そうだとすると上梓するまでの... ...続きを見る

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2009/11/12 23:31
会津錦秋 (五色沼、大内宿 塔のへつり 観音沼森林公園)
会津錦秋 (五色沼、大内宿 塔のへつり 観音沼森林公園) 10月31日(土曜日)11月1日(日曜日)紅葉たけなわの会津散策 大内宿は駐車場がいっぱいになるため朝9時には到着することをお勧めします。                           ...続きを見る

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2009/11/03 16:25
塚本青史 『飛将軍 李広』 遅れてきた英雄の悲劇
塚本青史 『飛将軍 李広』 遅れてきた英雄の悲劇 中国前漢の武将。匈奴と戦い功績があり、武帝の時、北平太守となった。匈奴は恐れて飛将軍と呼び、その領地には進攻しようとしなかった。前119年没。(日本国語大辞典より) ...続きを見る

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2009/10/31 00:55
川上未映子 『ヘヴン』 生死の淵に追い込まれたイジメ被害者の救済に途はあるのか?
川上未映子 『ヘヴン』 生死の淵に追い込まれたイジメ被害者の救済に途はあるのか? 理屈はないよ、いじめたいからいじめるだけなんだ。この思い上がった、現代に跋扈する異質なものたちを見よ。なすすべなく、ただいじめられている者たち。生死の淵に追い詰められたいじめ被害者は宗教的救済を確信するしか道はないのか?それとも………。 ...続きを見る

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2009/10/27 18:14
トム・ロブ・スミス 『グラーグ57』 前作『チャイルド44』に深みが加わった。
トム・ロブ・スミス 『グラーグ57』 前作『チャイルド44』に深みが加わった。 時代はスターリンからフルシチョフへ。ソ連の軍事戦略は大きく転換されようとしている。レオの手にかかり愛するものを奪われた女の冷酷な復讐劇だが権力闘争を背景にしたことで前作よりも深みが加わっている。 社会主義国家には「犯罪」はありえない。あるとすればそれは国家に対する反逆である。 前作『チャイルド44』ではスターリン体制下で恐怖におびえる市民生活が克明に描かれた。市民の生命を左右できる権限を理不尽に行使する警察組織。末端に近い幹部や一警察官がただ気に入らないという感情から、一般市民を政治犯に... ...続きを見る

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2009/10/20 14:25
柳広司 『ジョーカー・ゲーム』『ダブル・ジョーカー』 とにかく第一話は光っているぞ。 
柳広司 『ジョーカー・ゲーム』『ダブル・ジョーカー』 とにかく第一話は光っているぞ。  日本が大陸侵略を本格化した頃、そのころはどうやら日本には英米独露に匹敵するまともな諜報機関がなかったらしい。なぜかというと諜報活動は卑怯、卑劣な行為であって日本古来の武士道に反するという皇国軍人精神が信奉され、特にその最右翼であった陸軍がこれを毛嫌いしていたからだという。そんな馬鹿たれ脳みそでは戦争に勝てないと頭脳明晰、実行力で抜群の結城中佐が極秘に設立したのが合理的思考回路が貫徹する、近代スパイ戦用の「D機関」だ。天皇陛下にお仕えする軍人の大和魂を真っ向から否定し、結城中佐が率いる忍者部隊... ...続きを見る

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2009/10/10 13:30
高村薫 『太陽を曳く馬 下』 高村が挑む21世紀の宗教改革
高村薫 『太陽を曳く馬 下』 高村が挑む21世紀の宗教改革  「だれでもいいから殺したかった」この現代の闇に伝統仏教は光明を与えられるのか? そして高村は21世紀の宗教改革を求めているのか? ...続きを見る

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2009/10/05 23:34
高村薫 『太陽を曳く馬 上』 その二 現代によみがえるラスコーリニコフ裁判
高村薫 『太陽を曳く馬 上』 その二 現代によみがえるラスコーリニコフ裁判 「はじめに言葉あり、言葉は神とともにあり、言葉は神なりき」 言葉によってこの世の秩序は成り、言葉はこの世のすべてを明晰に至らしむ。 「道の道とすべきは常の道にあらず。名の名とすべきは常の名にあらず。名無し、天下の始めには。名あり万物の母には」 言葉は始めにはない。あらゆる秩序と明晰なるものを拒み暗く定かならぬ混沌から世界は生ずる。知る者は言わず、言うものは知らず。 この対立する二つの世界観を抽象論、観念論で述べるのではない。高村薫は現代を象徴する不可解事件を両サイドから徹底的に突き詰... ...続きを見る

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2009/10/05 23:32
高村薫 『太陽を曳く馬 上』 あの合田雄一郎の復活。 高村薫文学の一つの到達点
高村薫 『太陽を曳く馬 上』 あの合田雄一郎の復活。 高村薫文学の一つの到達点 『晴子情歌』は母・晴子と福澤彰之の対話であった。『新リア王』は父・榮と彰之の対話であった。そして『太陽を曳く馬』では子・秋道と彰之の対話があり、三部作の一貫して中心人物であった福澤彰之が歩んできたところの究極に見えたものがある。さらに実に巧妙な仕組みだと感心させられるのだが、あの合田雄一郎の復活であった。 ...続きを見る

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2009/09/26 18:25
スティーグ・ラーソン 『ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士』 あまりに強すぎるリスベットたちだから
スティーグ・ラーソン 『ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士』  あまりに強すぎるリスベットたちだから 巻末の「解説」で池上冬樹が「だが本書の興趣はスパイ小説の側面ばかりではない。終盤になると今度はリーガル・スリラーの側面が強まるからである」と述べておられる。たしかにその通りなのだが………。 ...続きを見る

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2009/09/21 23:49
葉室麟 『秋月記』 地方小藩のお家騒動に見える現代の混乱
葉室麟 『秋月記』 地方小藩のお家騒動に見える現代の混乱 壮絶な死闘が繰り返されるエンタテインメントであるが、どうしても政治家たるものかくあるべしと現代に重ね合わせることになる、時代小説の傑作だ。 ...続きを見る

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2009/09/20 00:03
下川博 『弩』 楽しく読めて深みのある歴史小説
下川博 『弩』 楽しく読めて深みのある歴史小説 「弩」とは。古代中国で開発された弓の一種。宋代に改良され戦場での主力兵器となる。西洋ではクロスボート呼ばれ、強力な破壊力と命中精度で重装騎兵を駆逐。日本では奈良大和朝廷が採用、律令国家の基本装備となるも、鎌倉時代以降は鍛錬のいらない操作性故か、日本の侍の武器たりえなかった。 これは、その弩を手にした因幡の百姓たちの物語である。時代は14世紀、南北朝時代の初期にあたる。因幡国(鳥取県東部)智土師郷(ちはじごう)。 ...続きを見る

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2009/09/11 22:47
磯ア憲一郎 『終の住処』  本物のサラリーマンが描いた純文学の芥川賞受賞作
磯ア憲一郎 『終の住処』  本物のサラリーマンが描いた純文学の芥川賞受賞作 現役のサラリーマンが描いたサラリーマン小説で純文学で芥川賞受賞作というのは珍しい。何らかの事情で会社をやめその経験から企業小説を書く作家はいても、たいがいの場合は企業と批判的に向きあっている。あるいは揶揄する姿勢が見えるものだ。この小説では製薬会社の営業を担当していた主人公の「彼」の記憶が語られ、会社での仕事ぶりについては、上司の指示通りに務めを果たそうとする「彼」はそこに溶け込んでいて会社に違和感を持つことはない。私を含めてサラリーマンの多くはそんなものだろう。身近な「彼」である。 雑誌... ...続きを見る

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2009/09/06 15:05
ドストエフスキー 亀山郁夫訳 『罪と罰』 3 ラスコーリニコフの犯罪の核心を推測する
ドストエフスキー 亀山郁夫訳 『罪と罰』 3 ラスコーリニコフの犯罪の核心を推測する 「道の道とすべきは、常の道にあらず」 彼は「道」に謀反し、「道」に誅せられ、「道」に回帰していく。 ...続きを見る

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2009/08/31 19:45
ドストエフスキー 亀山郁夫訳 『罪と罰』2 ナポレオン主義とはなにか?
ドストエフスキー 亀山郁夫訳 『罪と罰』2 ナポレオン主義とはなにか? 義を見てせざるは勇なきなりと一肌脱いで感謝されるとうれしくなる。ところが思いがけないところから余計なことをしてくれたとお小言を頂戴する。内心複雑な思いで弁解にあい努めるハメに追い込まれた。 よくあることだが、これってナポレオン主義と関係あり!? ラスコーリニコフの犯罪論を読んだポリフィーリーがラスコーリニコフの殺人哲学について挑発的に言及する。この世にはどんな無法行為だろうと、犯罪だろうと、それを行うことができる人間が存在するという………いや、できるなんてもんじゃなく、完全な権利をもつ人... ...続きを見る

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2009/08/26 14:41
ドストエフスキー 亀山郁夫訳 『罪と罰』1 理解不能な今のわが国の犯罪と重ね合わせながら………
ドストエフスキー 亀山郁夫訳 『罪と罰』1 理解不能な今のわが国の犯罪と重ね合わせながら……… まもなく衆議院選挙だ。 日本が羅針盤を失い漂流しはじめてから何年になるか。その間に積もり積もった焦燥感が解消されるどころか、さらにふくれあがるであろうことをだれもが認識している政治的プロセスである。 ...続きを見る

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2009/08/16 17:46
亀山郁夫 『「罪と罰」ノート』 ドストエフスキー『罪と罰』を熟読したあとで
亀山郁夫 『「罪と罰」ノート』 ドストエフスキー『罪と罰』を熟読したあとで 亀山郁夫氏の著書ではじめに読んだのは『「悪霊」神になりたかった男』だった。ドストエフスキーの『悪霊』は岩波文庫の米川正男訳になじめず、新潮文庫の江川卓訳でどうにか通読できたそのころ、この著作でまさに目からうろこが落ちたという爽やかな気分で私なりの理解に到達感を持つことができた。 ドストエフスキーを読むといつものことなのだが、「神」という存在をどうとらえていいのかわからないことで、そこがポイントだと思うものだから余計にいらだたしくなる。ところが『悪霊』に関しては亀山氏の個性が語る神のイメージ... ...続きを見る

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2009/08/09 23:43
創作怪談 『うたかたの 結びて消ゆる よどみの如く』
創作怪談 『うたかたの 結びて消ゆる よどみの如く』 夢操りを得手とする馴染みのあやかしが久しぶりにわが家の厠にあらわれでた。 だんな、鼻毛引っ張りながらの長い用たしたぁ、随分と退屈なご様子だ。 大手町の地下通路、一度そこのトイレへお出ましなされちゃぁいかがです。なんで大手町か?いえね、あっしはあの辺り、道三堀って船入水路があったころ、お侍さん相手にさんざわるさをしておりやして、旧知のショバなんですよ。騙されたつもりでそこの便座に腰を下ろし結界破りのパスワード。 「エータイヤ、ドウサン トウサン モウコーサン」と誦する。 5分ばかりじっ... ...続きを見る

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2009/08/01 23:45
創作怪談 『お花さん』
創作怪談 『お花さん』 年金生活者になった今年の6月、納戸を片づけていると古いミカン箱の奥に干からびて捻じれた骨のようなものが転がっていた。 鶏の脚!風化していた記憶がぼんやり甦る。 ...続きを見る

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2009/07/22 22:56
山崎豊子 『運命の人 四』 歯切れの悪い幕切れ
山崎豊子 『運命の人 四』 歯切れの悪い幕切れ 山崎豊子の作品の『二つの祖国』と『大地の子』。それまでの業界内幕ものから大きく視点を変えた新ジャンルへの挑戦だった。二作とも「愛国心」が中心テーマだったが、無理強いされるそれではない。日本人であるがゆえに過酷な境遇にある者が祖国に抱く素朴な感情には胸を打つものがあった。そして不条理の中で信念を貫こうとする主人公がさまざまな困難に立ち向かう不屈の魂に感動を覚える傑作だった。 ...続きを見る

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2009/07/11 12:41
スティーグ・ラーソン 『ミレニアム2 火と戯れる女』 マカロニウェスタンが登場したときのショック
スティーグ・ラーソン 『ミレニアム2 火と戯れる女』 マカロニウェスタンが登場したときのショック 背中にドラゴンのタトゥーを入れた女性調査員リスベットにたたきのめされた彼女の後見人ビュルマン弁護士は、復讐を誓っていた。ビュルマンは彼女を心の底から憎む人物を探し出した。彼はその人物と連絡を取りリスベットを拉致する計画が動き出す。その頃、月刊誌『ミレニアム』の発行責任者ミカエルらはジャーナリストのダグとその恋人のミアが進める人身売買と強制売春の調査をもとに特集号を刊行し、書籍を出版することを決定する。ダグの調査では背後にザラという謎の人物がいるようだった。 第一巻『ドラゴン・タトゥーの女』... ...続きを見る

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2009/07/05 17:29
山崎豊子 『運命の人 三』 国家権力への怒りか?著者はいったいなにを訴えたかったのだろうか。
山崎豊子 『運命の人 三』  国家権力への怒りか?著者はいったいなにを訴えたかったのだろうか。 この小説に従って裁判の流れを追うと次の通り 1972年 5月 沖縄復帰。 1972年 6月 佐橋総理退陣、田淵内閣誕生 1972年10月 東京地裁、外務省機密漏洩事件初公判 1972年12月 佐橋元首相、ノーベル平和賞候補としてノミネート 1974年 1月 東京地裁一審判決。三木昭子元事務官、懲役6ヶ月執行猶予1年。          弓成記者、無罪          検察側控訴 1974年 2月 三木昭子、「週刊潮流」に告白の手記発表 1974年12月 佐橋元首相ノーベル... ...続きを見る

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2009/07/01 23:48
スティーグ・ラーソン 『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女』 高福祉国家スウェーデンの闇を告発
スティーグ・ラーソン 『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女』  高福祉国家スウェーデンの闇を告発 スウェーデンはなじみのない国だ。知らない国は理解しにくいから、そこの小説はあまり読む気にならないのだが、この作品は世界的なベストセラーになっているとの宣伝についつい乗っけられたことによる。 私にあるスウェーデンの断片は映画のイングマール・ベルイマン『処女の泉』、フリーセックス、高福祉国家程度に過ぎない。『処女の泉』は高校生のころだったが、神との対話という深遠なテーマはまったく理解できず、当時としてはショッキングな少女強姦シーンが話題になっていてそこが見たかった。かつてフリーセックスというと... ...続きを見る

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2009/06/23 22:45
レイモンド・チャンドラー・村上春樹訳 『さよなら、愛しい人』 新訳でいまよみがえるマーロウの魅力
レイモンド・チャンドラー・村上春樹訳 『さよなら、愛しい人』 新訳でいまよみがえるマーロウの魅力 訳者・村上春樹によればチャンドラーは 「論理的・整合的というよりはむしろ気分で書いていくところがある」 のだそうだが、読み手もこれはすんなりと気分で読んで楽しもう。 一人の男が同じようにそのネオンサインを見上げていた。彼はうっとりした表情を顔に貼りつけ頭上の汚れた窓を熱心に見つめていた。自由の女神像をはじめて目にしたヨーロッパからの移民みたいに。大男だが身長は二メートルよりは高くないし、肩幅はビールの配達トラックほど大きくない。冒頭で語られる、マーロウがマロイと出会った印象だ。 ここ... ...続きを見る

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2009/06/15 00:13
山崎豊子 『運命の人 二』 これはモデル小説ではないとおっしゃるが………
山崎豊子 『運命の人 二』 これはモデル小説ではないとおっしゃるが……… 毎朝新聞の弓成亮太は、昭和46年春、大詰めを迎えた沖縄返還交渉の取材中、ある密約が結ばれようとしていることに気づいた。弓成は外務省安西審議官の秘書・三木昭子事務官と「情を通じ」、彼女より極秘電文を入手、この事実を知る。公式にはアメリカが地権者に支払う土地現状復旧費用400万ドルを実は日本政府が肩代わりし秘密裏にアメリカに支払うという密約であった。これが事件の発端で、すでに第一巻で述べられている。 ...続きを見る

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2009/06/10 21:28
山崎豊子 『運命の人 一』 10年ぶりの大作に飛びついた。
山崎豊子 『運命の人 一』  10年ぶりの大作に飛びついた。 山崎豊子の作品はいつごろからか、新刊が出るたびに読むようになっていたから、この作品も内容はまったく知らないまま手に取った。 昭和46年、毎朝新聞政治部、外務省詰キャップ・弓成亮太。今でもそうだろうが新聞社では出世街道をトップで走る役職である。それだけの実績を上げている敏腕記者。昼となく夜となく、ゴルフだ宴席だ。相手の自宅で懇親の酒を酌み交わす。彼の仕事ぶりが綿密に描かれる。個人的に親密になるため、世間から見たら胡散臭いやり方で官僚の上層部へ食い込み、特定の政治家の懐に飛び込み、都合よく情報... ...続きを見る

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2009/06/07 00:15
佐藤賢一 『小説フランス革命V 聖者の戦い』 大政治家の奥の手 「魔法」とはなにか?
佐藤賢一 『小説フランス革命V 聖者の戦い』 大政治家の奥の手 「魔法」とはなにか? 革命の中で宗教はどういう目にあったのだろう。軍事力は実際にはだれの手にあったのだろう。さらに聖職者と軍隊と王権がどのように絡み合っているのか。第一巻、第二巻はそんな疑問が消化不良のままにあったが、私の期待に応えるかのようにこの第三巻で佐藤賢一はちゃんと押さえてくれていた。しかも引き続きドラマティックな語りである。 ...続きを見る

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2009/05/31 18:14
佐藤賢一 『小説フランス革命U バスティーユの陥落』 早くもクライマックスが訪れる第二巻
佐藤賢一 『小説フランス革命U バスティーユの陥落』 早くもクライマックスが訪れる第二巻 民衆の鬱屈したエネルギーは発火点に達し、ついに燃え上がる。それは旧体制打破の革命を牽引する快挙か?革命を封じ込める旧体制に都合のいい口実を与える愚行か。大衆は政治舞台の主役になりうるのか。民意とは? 政治は民意を反映できるのか?現代に通じるこの葛藤の構図を佐藤はミラボーに託して語りかける。 ...続きを見る

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2009/05/27 13:45
佐藤賢一 『小説フランス革命T 革命のライオン』 久々のヨーロッパ歴史ロマンの大作だ。
佐藤賢一 『小説フランス革命T 革命のライオン』 久々のヨーロッパ歴史ロマンの大作だ。 フランス革命を描く全十巻の大作だ。 ...続きを見る

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2009/05/24 16:15
篠田節子 『仮想儀礼』 宗教にある狂気と暴力
篠田節子 『仮想儀礼』 宗教にある狂気と暴力 篠田節子の『弥勒』『ホーラ 死都』は宗教を通じた異文化コンタクトを扱った秀作だった。これは私たちの身近にある宗教をなまなましく描き出した異色作である。 ...続きを見る

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2009/05/19 23:04
テレビドラマ夏樹静子の『量刑』が放映される。
テレビドラマ夏樹静子の『量刑』が放映される。 2001年に読んだ。 来週 ドラマが放映される。 いまの裁判員制度ではない。 ...続きを見る

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2009/05/18 23:39
宮本昌孝 『海王 下』 これはまさしく大衆小説の傑作だ。
宮本昌孝 『海王 下』 これはまさしく大衆小説の傑作だ。 天下一統の大業と世の安寧を目指しながら、謀反に斃れた足利将軍・義輝。その夢を継ぐはずだった信長もまた本能寺に斃れた下巻は光秀、秀吉、家康らが信長の覇業を継ぐべく義輝の遺児・海王を天下争奪戦略の隠し玉にするという破天荒なストーリーだ。歴史の流れから言えば、光秀が滅ぶ山崎の合戦が詳細に語られ、織田・秀吉連合軍と家康軍のいわゆる小牧・長久手の戦いとその終戦処理で終わるのだが、宮本昌孝が広げに広げた大風呂敷の中身はあれやこれやのお楽しみがてんこ盛りだった。 ...続きを見る

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2009/05/10 23:34
宮本昌孝 『海王 上』久しぶりの大型娯楽時代小説の傑作だ
宮本昌孝 『海王 上』久しぶりの大型娯楽時代小説の傑作だ このところテレビのドラマは歴史小説、クイズも歴史、バラエティ番組も歴史秘話と「史実」花盛りであるが………。まずは壮絶バトルを堪能しよう。そして改竄された虚構の歴史を大いに楽しむ余裕のある読者ならば、これは最近とんとお目にかかることがなかった大スケール時代小説の掘り出し物だ。 剣豪将軍として名高き足利第十三代将軍・義輝が松永弾正の奸計に斃れてから十余年後………。ひとりの少年が信長の戦勝に沸く堺の街に姿を現した。少年の名は海王。かつて大武装船団を率いて東シナ海を席巻した倭寇の大頭目・五峰王直を... ...続きを見る

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2009/05/04 17:20
西木正明 『ウェルカムトゥパールハーバー下』  リメンバーではないよ。ウェルカムトゥパールハーバー!
西木正明 『ウェルカムトゥパールハーバー下』  リメンバーではないよ。ウェルカムトゥパールハーバー! わが国がアメリカの一方的戦略に乗りやすい体質だとはかねがね思うところなんだが、真珠湾もそうだったんですよと言われても、それは素直には受け入れられないなぁ。 三国同盟の結成で無謀な覇権争いに関与した日本。そこに仕掛けられた巨大な罠。激烈な諜報戦の果てに、真珠湾の奈落が待っていた。この作品の骨格は真珠湾奇襲による太平洋戦争勃発は日本側の積極的作戦ではなく、イギリスが仕掛けた罠に日本がまんまと引っかかった結果だとしているところである。「奈落」か。そうか日本は被害者だったんだ? 日本を戦争へと導... ...続きを見る

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2009/04/26 18:28
西木正明 『ウェルカムトゥパールハーバー 上』 太平洋戦争勃発前夜の外交秘話として楽しめる。
西木正明 『ウェルカムトゥパールハーバー 上』 太平洋戦争勃発前夜の外交秘話として楽しめる。 プロローグはチャーチルの祝杯だ。 「諸君、日本がハワイを奇襲攻撃した。永らく我々が待ち望んだ状況になった。周到に練られたトレチャラスアタックだ。アメリカは間違いなく日本に宣戦を布告する。それは同時にヨーロッパ戦線に参入することを意味する。」 ...続きを見る

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2009/04/19 17:10
連城三紀彦 『造花の蜜』  造花の蜜の妖しい香りとは?
連城三紀彦 『造花の蜜』  造花の蜜の妖しい香りとは? しっとりとしたムードが漂い、しかもトリッキーなひねりの新作ミステリーを読みたいと思っていたところで連城三紀彦の『造花の蜜』が目にとまった。 ...続きを見る

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2009/04/05 22:47
船戸与一 『満州国演義5 灰塵の暦』 佳境にはいる大陸侵略のドラマ
船戸与一 『満州国演義5 灰塵の暦』  佳境にはいる大陸侵略のドラマ 暴走した理想が、地獄の扉を開く中国大陸侵略のドラマも南京虐殺を描いたこの巻でようやく佳境をむかえた感がある。 ...続きを見る

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2009/03/29 23:30
奥泉光 『神器 軍艦「橿原」殺人事件』  戦争の狂気をシリアスに思索するユーモア文芸
奥泉光 『神器 軍艦「橿原」殺人事件』  戦争の狂気をシリアスに思索するユーモア文芸 『鳥類学者のファンタジア』『新・地底旅行』『モーダルな事象』と共通するロンギヌスの石は登場するがこれらが抱腹絶倒の笑いの文学であるのとは異なり、笑いは笑いでも醒めたブラックユーモアである。デフォルメしてあるからブラックユーモアなのだが、戦争のグロテスクな狂気をシリアスに捉えた思索の文学である。 ...続きを見る

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2009/03/21 19:53
フランク・シェッツイング 『深海のYrr(イール)』 人類絶滅の序曲が始まっていた。
フランク・シェッツイング 『深海のYrr(イール)』 人類絶滅の序曲が始まっていた。 人類滅亡をテーマにした本格ハードSFのようである。が、それだけではない。ショッキングなシーンが連続する大規模パニック映像をみるような興奮と楽しさでいっぱいのエンタテインメントであることに間違いはない。そして進化の頂点に立った人類のおごりに対する警鐘であると本気になって受け止めざるを得ないシリアスな思索が底流にある。陳腐な言い方になってしまうのだが断然「面白くてためになる」。すべての階層世代にお勧めしたい傑作の大長編小説だ。 ...続きを見る

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2009/02/24 22:46
久坂部羊 『まず石を投げよ』  あまりにお粗末な内容なのであきれ返る。
久坂部羊 『まず石を投げよ』  あまりにお粗末な内容なのであきれ返る。 それは医療ミスなのか、それともひそかな殺人か。恐るべき実態をあばく。衝撃のミステリーと装丁帯にあった。 ...続きを見る

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2009/02/11 22:51
三浦しをん 『光』 エロスとバイオレンスに新たなメスを入れた実験的小説
三浦しをん 『光』 エロスとバイオレンスに新たなメスを入れた実験的小説 普段、読書とはおよそ縁のないご婦人から 「テレビで三浦しをんが過激な暴力とセックスで長編ミステリーを描いたと紹介されていましたが、読んでみたらいかが」 と無責任な注文を受けた。当人は中学生の異様に色気づいた描写の初めの十数ページが、ひどく現実離れしていて嫌気がさしたそうだ。かつての桐野夏生風、エロスとバイオレンスかな?と興味がひかれた。天災ですべてを失った中学生の信之。共に生き残った幼なじみの美花を救うため、彼はある行動をとる。二十年後過去を封印して暮らす信之の前に、もう一人の生き残り・... ...続きを見る

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2009/02/07 09:15
佐々木譲 『警官の紋章』 洞爺湖サミットへのテロ?圧倒される迫真の警察l小説
佐々木譲 『警官の紋章』 洞爺湖サミットへのテロ?圧倒される迫真の警察l小説 「警官の紋章」とは「警察の紋章」ではない。警察権力の象徴とか、あるいは組織の統制と団結力を象徴する代紋をさすのではない。市民生活の安全を守るために正義を貫こうとする警官ひとりひとりの志をさしているのだろう。 警察官僚上層エリートの個人的な醜悪さを描く警察小説はよく見かける。エライ人イコールワルイ人と単純な図式だけにわかりやすく、これを叩きのめすたたき上げの警官の痛快な格闘ぶり、楽しく読める娯楽小説だ。 だが本当の悪はそうではないところに存在するのが現実ではないのだろうか。 警察組織には... ...続きを見る

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2009/02/02 16:42
奥田英朗 『オリンピックの身代金』  昭和39年という時代はそう、こんな時代だったんだと懐かしい
奥田英朗 『オリンピックの身代金』   昭和39年という時代はそう、こんな時代だったんだと懐かしい 奥田英朗はずいぶん前に『最悪』と『邪魔』を読んだきりだった。二作とも日常生活におこるクライムノベルだったが、これはクライムノベルとすればはるかにスケールが大きく、面白さも前作を格段にしのいでいる。昭和39年夏。10月に開催されるオリンピックに向け、世界に冠たる大都市に変貌を遂げつつある首都東京。この戦後最大のイベントの成功を望まない国民は誰一人としていない。そんな気運が高まるなか、警察を狙った爆破事件が発生。同時に「東京オリンピックを妨害する」という(<懐かしいではないか>あの草加次郎を名乗... ...続きを見る

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2009/01/24 18:46
諸田玲子 『美女いくさ』 信長の妹・お市の方の末娘 小督の波乱の生涯
諸田玲子 『美女いくさ』  信長の妹・お市の方の末娘 小督の波乱の生涯 幼くして三度の落城に遭遇し、三度の婚姻を強いられた女性・小督(おごう)。織田信長の妹・お市の方が浅井長政との間になした末娘、小督の生涯をたどっている。同時に信長・秀吉・家康が天下取りのため必要であった政略結婚の系譜を俯瞰している。これほど徹底していたのかと驚くことになったのだが、婚姻とは政略以外のなにものでもないことを痛感させられた。そして手駒にさせられた女たちが、それでも、それぞれに生き抜こうとする。この多彩な人間模様が読者を魅了する、出色の時代小説である。 ...続きを見る

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2009/01/12 01:02
トム・ロブ・スミス 『チャイルド44』 あまりのサディスティックな描写に度肝を抜かれる
トム・ロブ・スミス 『チャイルド44』 あまりのサディスティックな描写に度肝を抜かれる 盗聴盗撮装置を張り巡らし国民の私生活を徹底的に管理する未来社会。首相暗殺の犯人にでっち上げられた若者が警察に追われる。絶体絶命。危機一髪、友人の協力で逃れる。甘美な友情賛歌。伊坂幸太郎 『ゴールデンスランバー』は思想などとはおよそ無関係、饒舌の若者たちがドタバタする近未来ファンタジーであり、コミカルな香港製アクション映画のようだった。 ...続きを見る

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2009/01/01 00:21
デニス・ルヘイン 『運命の日・下』 ボストンは火の海と化した。すさまじい迫力の暴動描写
デニス・ルヘイン 『運命の日・下』 ボストンは火の海と化した。すさまじい迫力の暴動描写 警察という暴力機構の暴力がどうにかこうにか市民の安全を維持している。この時代のボストンはそれほどいたるところに暴力が横行する町だったんだ。今のアメリカの話ではないのだろう。 NHKホームドラマ「篤姫」ではないが今年は「家族」をテーマにした作品がことのほか多かったような気がしている。この作品もボストン市警警部、トマス・コグリン一家の結束と崩壊をひとつの軸としている。 トマス・コグリンはこの地区の治安維持に貢献し、実力を認められている警察の幹部なのだ。家には市会議員、政治指導者、検事、市警副... ...続きを見る

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2008/12/30 19:37
デニス・ルヘイン 『運命の日・上』  アメリカの宿命をドラマティックに描いた傑作
デニス・ルヘイン 『運命の日・上』  アメリカの宿命をドラマティックに描いた傑作 たぶん、頭が混乱するものを見るとすぐ答えが欲しくなるからじゃないかな。で、答えが目の前にないと、なんだろうとつかみとってそれを答えにしてしまう それが変わらぬアメリカの素顔だ。 ...続きを見る

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2008/12/29 20:19

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