日記風雑読書きなぐり

アクセスカウンタ

zoom RSS 2002年12月24日新生サラリーマン必須 清濁のこころえ

<<   作成日時 : 2005/04/06 18:48   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

画像
「すまじきものは宮仕え」と自嘲しながら師走の寒風に身をすくめる方もおられるのでしょうが、そんな逃げ口上のことは百も承知で、自分を貫く道をなんとか見出そうと四苦八苦しているのが多くのサラリーマンというものでしょう。

あちら立てればこちらが立たず、
両方立てれば己が立たず、
それなら立てずにほっかむり

というわけにもまいりますまい。
自分の思うところのなにもかにも実現しようなどとはおそれおおい、一割が成ればよしとするのが道理と心得ておればよろしい。

師走となりますと映画、演劇、小説に取り上げられる出し物は「忠臣蔵」が相場でございますが、今年は赤穂四十七士の討ち入りから300年というに、特別目につく大作はなかったような気がいたします。ところがこの正月の12時間テレビドラマが忠臣蔵のようでございますよ。
文芸評論家の寺田博が忠臣蔵小説のベスト5をあげて大佛次郎『赤穂浪士』、森村誠一『忠臣蔵』、池宮彰一郎『四十七人の刺客』、柴田錬三郎『裏返し忠臣蔵』、井上ひさし『不忠臣蔵』としておりました。

この『不忠臣蔵』は19人の脱落者列伝でございます。
気の毒なものですな、討ち入りに参加した四十七人が天下の義士ぞ、武士とはかくあるべきとして賞賛されればされるほど彼らは不忠者、裏切り者、卑怯者、腰抜け侍、人でなしと一族までもが、武士諸侯はもとより町人百姓までから、罵詈雑言、後ろ指をさされ追い払われ、市井の片隅でひっそりと息づいているのですから。
しかし、ぼろは着てても心は錦とでもいうのでしょうか、どこまでも己のよりどころをしっかり持っている人たち、そのひとりひとりの「脱落の事情」が語られるこの短編集のなかには、私ら現代を生きている者にとって共感するところ、あるいは身につまされるところがどこかにあるものです。
そして「脱落の事情」を明らかしていくその語り口の妙、虚実が逆転していくプロセスづくりの巧、浅田次郎といえども一日の長、この文章家にはかないませんな。

特に松の廊下の刃傷事件の真相を現場から明らかにする「江戸留書役岡田利右衛門」、通説では吉良上野介への賄賂を出し惜しみしてこの原因を作ったとされる江戸家老の実像に迫る「江戸家老安井彦右衛門」が上出来でございます。

歴史家から見てもなぜ浅野内匠頭が刃傷に及んだのかはいまだ不明のままなのだそうで、
これだけ有名なお話にしては稀有のミステリーといえないことはない。ここでは内匠頭が癇癪もち、いまでいう「すぐ切れる、プッツンしやすい」危ないお人であったとしているところが面白い。こういう人物がトップの座に着くとスタッフはご苦労することになります

ところで忠臣と不忠臣の境があいまいになったとき次の警句が肝心要にございます。
漢書『説苑』
從 命 利 君 謂 之 順:命に従いて君を利する、これを順という
從 命 病 君 謂 之 諛:命に従いて君を病ましむる、これを諛(ゆ=へつらう)という
逆 命 利 君 謂 之 忠:命に逆らいて君を利する、これを忠という
逆 命 病 君 謂 之 亂:命に逆らいて君を病ましむる、これを乱という

「常に忠であれ」なんぞ言うつもりありません。
「命に従うべし」とも「命に逆らうべし」とも言いません。
ただ「命はわきまえておくべし」で、ここのところをこころえないサラリーマンは失格でしょうね。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
2002年12月24日新生サラリーマン必須 清濁のこころえ 日記風雑読書きなぐり/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる