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help リーダーに追加 RSS 03/02/23 高村薫の直木賞『マークスの山』 その2「10年後の印象」

<<   作成日時 : 2005/04/17 11:39   >>

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実は1993年に初稿版を読んだときには直木賞受賞とはいえ、退屈だった記憶を除いて印象が薄い作品であった。

『黄金を抱いて翔べ』『神の火』『リヴィエラを撃て』
著者のこれまでの作品である一連の大型犯罪小説、国際謀略小説の規模と娯楽性に比較して萎縮した作品だと錯覚したこともあったのだろう。

「警察小説」ならば大沢在昌『新宿鮫』の痛快に魅力を感じていたこともあったろう。

しかしなによりもこの作品は警察組織を含め日本の権力機構にあるいびつなものを描いているのだが、日本上層部の腐敗構造を斬るのであれば松本清張流のメスのふるい方をこの大型新人に期待していた。松本清張は「戦後」という日本の構造に潜む「黒い霧」「深層」の核心を小説作法で摘出しこれを告発した人でした。

つまり清張流の一刀両断を期待していたにもかかわらず、彼女の事件の背景への切り込み方に満たされないものを感じたからであった。

しかし、このたび改訂版を改めて読んで全く異なる印象を持った。
なるほど評価されるべき作品だと感心したのです。

改訂版はこれは著者のいつもながらのやり方なのだが初稿版に大幅な手を入れている。
権力構造への切り口はさらに精彩を欠いたものになった。
しかしそのために当初の印象と変わったのではないのだ。
私自身がこの10年の間に変わったということなのだ。

<b.>続く

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03/02/23 高村薫の直木賞 『マークスの山』 その1
このほど改訂版が発刊された。 帯には「警察小説の金字塔」とある。まさに文字通りの傑作である。 マークスと名乗る二重人格の青年の狂気と仲間の秘密を共有しあった政・財・官・法曹界のエリートたちの狂気、二つの狂気が交錯する暗闘に警察組織が翻弄される。ほとんど手がかりがないまま進行する連続殺人事件の真相を追う合田刑事たちの地道な捜査活動、そこで繰り返される試行錯誤、警察という厳しく管理された組織とそこで生きる男たちの苦闘ぶりだけでなく、それぞれの個性、喜怒哀楽を活写する。 年がら年中顔を合わ... ...続きを見る
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2005/05/09 12:54

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