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zoom RSS 04/02/01 京極夏彦「巷説百物語シリーズ」 その1

<<   作成日時 : 2005/05/27 19:59   >>

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先般の直木賞をこの『後巷説百物語』が受賞しましたので積読状態にありました『続巷説百物語』とあわせて読んでみました。このシリーズは最初の『巷説百物語』がとても楽しい読み物だったのです。

時は江戸。
安部晴明の子孫か、ひと癖、ふた癖あるワルたちが不可能事件をたたっきるお話。
ホラーではなく本格推理小説であります。
京極夏彦「巷説百物語」

この作者本当に才人なんだなとまた感心しました。都筑道夫ばりの本格ものも書けるんだなと。時に本格ミステリーの短編集を読むのもいいものですね。ウーンとうなって読み返すことができるのも短編ならではのことです。妖怪談義のいつもの衒学的蘊蓄は背後に薄れて昔読んだ都筑道夫の「○○長屋」とか「○○砂絵」をなんとなく彷彿させます。まああの軽妙洒脱の世界とはまるで違いますが「本格性」は同じだろうと思います。

京極夏彦の『後巷説百物語』が直木賞を受賞しました。
シリーズものですがこの前の『続巷説百物語』と当初の『巷説百物語』とは一味違います。魅力あふれるお話で一話完結の連作ものですから不都合はないのですが、面白さをたんのうするために、

私はこのシリーズの最初にある『巷説百物語』をまず読まれることをお薦めします。
時代は江戸時代、妖怪変化、幽霊たちがこの世にあらわれて超自然現象をおこすことが当たり前のように信じられていた時代です。
巷の闇の色は濃い。「小豆洗い」「白蔵主」「舞首」「芝右衛門狸」「塩の長司」「柳女」「帷子辻」。いずれも全国的に言い伝えられている妖怪変化が登場し、怪異現象をみせて人間世界に人殺し、人攫いなどの悪さをします。そのとき、小股潜りの又一を頭にいただく、愛すべき小悪党があらわれ、この怪異は民間伝承を騙った人間がたくらんだ悪質な犯罪と透徹し、逆に、巧妙な手品、マジックと必殺仕掛け人も顔負け、こちらも妖怪変化を仕立てる罠をもって極悪人を懲らしめるという痛快なお話のかずかずです。

ホラーではなく理詰めの本格推理、しかも語り口が江戸時代の戯作風のテンポ、又一の仲間たちの個性も際立ち、ラストで「御行奉為………おんぎょうしたてまつる」と鈴を鳴らして悪をタタッきる大見得のカッコよさを楽しく味わいましょう。
民間伝承を丹念に研究した作者の才がありえない話をありえそうにみせてくれ、心地よく騙されます。しかも京極夏彦に特有である長々しい妖怪談義の衒学的薀蓄が珍しく背後に薄れていますから、薀蓄がいいのだと感じる人は大勢おられるでしょうが、耳障りだと思う読者にもストレートな快感を与えてくれることでしょう。

つづく『続巷説百物語』は事件の規模が巷のミニ事件ではなく幕府も絡んだお家騒動にまで大きくなり、小股潜りの又一たちが仕掛ける化け物もマジックと言うよりイリュージョンと派手な演出となりますので、怪異談よりも大伝奇ドラマ風のこしらえでありますから比較すると違和感があります。それはそれで楽しめます。ただし、このシリーズの面白さの原点は『巷説百物語』にあると思いますので、まずこれを読まれることをお薦めする次第です。


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