日記風雑読書きなぐり

アクセスカウンタ

zoom RSS 葉室麟 『蛍草』 軽快にすすむ娘の仇討、剣あり笑いと涙の恋愛人情噺でもあるのだが………

<<   作成日時 : 2013/05/16 23:55   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 2 / トラックバック 0 / コメント 0

画像
日経の書評欄で絶賛されていたのが記憶にあって『蜩の記』以来、久しぶりの葉室麟だった。葉室麟は武士社会のしがらみから抜け切れない人物たちの織りなす文字通り命がけの恋あるいは忍ぶ恋など、峻烈の生き様に宿るぬくもりがじんわりとわたしら年代のものの胸に染み入る………大人の純愛を描いては数少ない名手でもある。

ただこの作品は 「『爽快&軽快』時代エンターテインメント!」とのキャッチフレーズで、さらに大きな文字で、「日本晴れの読み心地!」とあった。今までの作風とは違うかもしれないといささか不安な気持ちがありながらの期待があった。
菜々は武家の出ということを隠し、奉公に出る。
父が無念の切腹を遂げ、家は断絶、母も逝き、ひとりのこされた菜々は十六歳で女中となった。だが奉公先の風早家は温かい家だった。
当主の市之進は二十五歳と若いが、俊才で人望厚く、妻の佐知は心根の優しい美しい人で、菜々を妹のように思って可愛がってくれる。幼い二人の子どもは菜々によく懐いた。
しかし、敬慕する市之進に危機が迫っていた。藩の困窮を憂慮し、不正を糾そうとする市之進のことが邪魔で仕掛けられた罠………その首謀者は、かつて母の口から聞いて父の仇、轟平九郎であった。
密かに剣術の稽古を積む菜々。胸に強い思いを秘め、ついに強敵、平九郎と対峙するときが来る………。
先代藩主の不正を追及したために自刃させられた父の無念。当主・市之進にもまた、父の仇である轟平九郎の邪剣が迫る。
市之進は不正を暴くことができるのか?
天性の剣才・菜々は平九郎を討ち取れるのだろうか?
菜々の市之進に寄せる慕情のゆくえは?

使い古されたお家騒動にこれもまた月並みな恋愛劇に人情噺である。善意の人たちに助太刀された娘の仇討であるが、腹ペコの壇浦五兵衛=だんご兵衛、髑髏模様のお舟さん=おほねさん、幽霊と間違えた椎上先生=死神先生、異様な面体の湧田の権蔵=駱駝の権蔵などオヤジギャグほどにも笑えないようなあだ名の助っ人の面々であるから、猿蟹合戦の物語を子どもに話し聞かせるような塩梅で、重厚感がまるでなくなっていた。

若い世代には受けるのだろうか?
わたしにとっては葉室麟の異色作ではあっても、ライトノベル風癒し系時代小説であって、おおいにあてがはずれました。

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 2
なるほど(納得、参考になった、ヘー)
ナイス

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
葉室麟 『蛍草』 軽快にすすむ娘の仇討、剣あり笑いと涙の恋愛人情噺でもあるのだが……… 日記風雑読書きなぐり/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる