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zoom RSS ピエール・ルメートル 『その女アレックス』 昨年の話題を独占した海外ミステリーだが

<<   作成日時 : 2015/05/26 13:40   >>

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画像誘拐されたアレックスは手足を縛られ、前こごみの姿勢のまま身動きの取れない狭い木箱に閉じ込められる。誘拐犯はお前が死ぬのは見たいと言って彼女がネズミに食われて死ぬのを待っている。10日以上もそんな状態が続けば、普通の人間なら気が狂って死んでしまうところだが、アレックスは死を目前に脱走を試みる………。

凄まじくサディスティックな犯人像と不屈のヒロイン像を浮き彫りに、捜査のめども立たない警察陣のてんやわんやぶりを交錯させ、読者をくぎ付けにする第一部は十分に魅力的な導入部だった。
「しかし、ここまでは序章に過ぎない………」と宣伝文句は読者を刺激し、さらに「読み終えた方へ:101ページ以降の展開は誰にも話さないで下さい」と畳みかける。ではアレックスとは何者?と、第二部では意表を突く彼女の変貌ぶりを見せる。第三部の変化球も見事なものだ。

ただ、どんでん返しの妙味や謎解きの魅力を期待して読むと、………その場合読者はストーリーの論理的一貫性を追求するのだが………、偶然性だけが連続殺人を可能にしたんだとか、その動機ってなんだったんだとか、肝心な目的を達するならもっと簡単で有効は手口があったのではないかとか、いくつも欠陥が目につくのである。

結局のところ「プロットの面白さ」がこの作品の肝なのだろう。予測が難しいようなストーリー展開をワクワクしながら読めれば、買って損はしないかもしれない。

久しぶりにフランス製ミステリーを読んだ。
やはりノワールサスペンスであった。
とは言え、ここまで人間の悪意、差別、暴力、狂気、異常性愛などをグロテスクに剥きだした作品にはお目にかかったことがない。特に幼女に対する想像を絶する虐待(宣伝文句ではなくてあまりにも酷すぎる)には嘔吐感を催す。連続する殺人現場の凄惨なこともそうだ。戦争や暴力団の抗争ならともかく市民社会内の凶行であるから一層おぞましいのである。
「キチガイ」というのは差別用語なのか最近あまり使われなくなったが、犯罪の加害者、被害者、関係者はすべて淫蕩なキチガイたちであるとしか言いようがない。そしてキチガイの視点から描かれているような雰囲気が漂う気味悪い物語だった。

これがベストセラーであるか。

さらにいまわしいことは、現実に起こっている数々の事件が、ここまでの過激さはないにしろ、不可解という点では極めて近接した狂気の犯罪が多くなっていることなのだ。

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