アクセスカウンタ

テーマ「歴史小説」の記事 help リーダーに追加 RSS

トップへ  |  テーマトップへ  |  テーマランキング一覧へ

タイトル 日 時
飯嶋和一 『出星前夜』  怒涛の迫力で描く島原の乱
飯嶋和一 『出星前夜』  怒涛の迫力で描く島原の乱 歴史小説の新刊をいくつも読んでいるのだが、ここ数年で最も手ごたえを感じることになった作品だ。おそらく後世にまでその名を残す歴史小説の代表作といえるのではないか。 島原の乱といえば天草四郎であり、キリシタン信仰であり、禁教令に反抗した宗教一揆と、その程度の知識でしかなかった。 島原の乱とはなんだったのか? 著者はその根源にさかのぼる。確立の途上にある幕藩体制。その新たな秩序にどうしても耐え切れない地方の生活者。両者の基本的対立の構図が見えてくる。 また蜂起から全滅にいたる攻防の4ヶ... ...続きを見る

トラックバック 2 / コメント 0

2008/09/25 23:58
火坂雅志 『天地人』 2009年NHK大河ドラマの原作。傑作の歴史小説
火坂雅志 『天地人』 2009年NHK大河ドラマの原作。傑作の歴史小説 輝虎(謙信)公の曰く、天の時、地の利に叶い、人の和ともに整いたる大将というは、和漢両朝上古にだも聞こえず。いわんや、末代なおあるべしをも覚えずなるほどこういう為政者は今日まで出現したためしはない。 ...続きを見る

トラックバック 1 / コメント 0

2008/09/15 16:58
和田竜 『忍びの国』 手抜きの歴史小説
和田竜 『忍びの国』 手抜きの歴史小説  『のぼうの城』が大ブレークし、出版社から第二作を急かれたために、ついつい詰の甘い作品になってしまったというところか。 ...続きを見る

トラックバック 2 / コメント 0

2008/09/07 23:34
船戸与一 『満州国演義4 炎の回廊』 日本の夏は大陸に残した残酷な爪あとを省みるべき季節である。
船戸与一 『満州国演義4 炎の回廊』 日本の夏は大陸に残した残酷な爪あとを省みるべき季節である。 日本の夏は、愚直に平和を祈念する季節である。その素朴な祈りの心を持って大陸に残した残酷な爪あとを省みるべき季節である。 ...続きを見る

トラックバック / コメント

2008/08/10 19:41
和田竜 『のぼうの城』 埼玉県行田市が仕掛けたか?これぞ町おこしの隠し玉
和田竜 『のぼうの城』 埼玉県行田市が仕掛けたか?これぞ町おこしの隠し玉 埼玉県に住んでいながら、この物語の舞台となった忍城(おしじょう)と城主であった成田一族についてはほとんど知らなかった。戦国時代を描いた数々の歴史小説でもこれを取り上げたものはあまりないのかもしれないと興味津々として読み始めた。それにしても「忍城」といい別名「浮き城」といい、城攻めが難しい秘密の仕掛けを用意した忍者屋敷のようで、いかにも冒険とロマンにあふれている。この作品はまさにその雰囲気そのままに波乱万丈であった。 ...続きを見る

トラックバック / コメント

2008/06/25 15:55
火坂雅志 『臥竜の天』 地方からの天下簒奪
火坂雅志 『臥竜の天』 地方からの天下簒奪 来年のNHK大河ドラマ、火坂雅志『天地人』は直江兼続を主人公にしている。伊達政宗はこの直江兼続のライバルだったようで火坂雅志は『天地人』を書きながらこの作品の構想を思いついたのだそうだ。臥竜が天を目指す。正宗の特異な地方性と微妙な時代性を詳細に描き出した傑作の歴史小説だ。 隻眼異相の武将、徳川幕府から一目置かれた雄藩大名。伊達男・伊達者という言葉、これは政宗が好んだ豪華絢爛の気風に由来するものだ。実はこの程度の知識しかなかった。これまで読んだ戦国期の歴史小説はたいがいが信長から秀吉をへて家... ...続きを見る

トラックバック / コメント

2008/04/27 14:45
船戸与一 『満州国演義3 群狼の舞』 船戸与一が冷酷にあぶりだす人間性悪の極限図。
船戸与一 『満州国演義3 群狼の舞』 船戸与一が冷酷にあぶりだす人間性悪の極限図。 人の性は悪にしてその善なる者は偽なり。人間の本性には生まれつき利益を追求する傾向があり、それに従ってゆくから、他人と争いになって譲り合うことがなくなるのである。また生まれつき嫉んだり憎んだりする傾向があり、それに従ってゆくから、他人を害するようになって誠心の徳がなくなるのである。(荀子 性悪篇) ...続きを見る

トラックバック 1 / コメント 0

2008/03/29 16:57
船戸与一 『満州国演義2 事変の夜』 「本格歴史小説」の名著である。
船戸与一 『満州国演義2 事変の夜』  「本格歴史小説」の名著である。 昭和5年1月、浜口雄幸内閣が金解禁を実施したことにより日本は世界大恐慌の直撃を受ける。農民、都市労働者の窮乏、深刻化する国民生活。4月に締結したロンドン軍縮条約を政友会の犬養毅、鳩山一郎が統帥権干犯として議会で追求。軍部は将来の国家総力戦準備として、満州の鉄、石炭などの資源獲得を緊要とするとともに、最大の仮想敵国であるソ連との戦争に備えるために南満州の確保を必須とした。さらに朝鮮統治の安定、大恐慌下の社会的不安の鎮静や人口問題の解決などのためにも、満蒙問題の解決が必要であると高唱されるように... ...続きを見る

トラックバック / コメント

2008/03/12 17:07
船戸与一 『満州国演義1 風の払暁』 圧倒的迫力で描かれる昭和激動史
船戸与一 『満州国演義1 風の払暁』 圧倒的迫力で描かれる昭和激動史 船戸与一の作品では『蝦夷地別件』、「滅びの残酷史」というべき最高傑作があったが、この第一巻、『蝦夷地別件』に匹敵する、あるいはこれを超えるかもしれないと期待させられる大長編の幕開けである。 ...続きを見る

トラックバック 0 / コメント 2

2008/03/03 23:09
浅田次郎 『中原の虹』 傑作『蒼穹の昴』の続編。待ちに待った全四巻を読み終えて
浅田次郎 『中原の虹』 傑作『蒼穹の昴』の続編。待ちに待った全四巻を読み終えて 新国家建設に混迷する中国大陸。民の平安のために!と張作霖は燃える。彼を新しい英雄にしようとする浅田次郎の着想は成功しただろうか。 ...続きを見る

トラックバック / コメント

2007/12/15 02:13
竹田真砂子 『桂昌院 藤原宗子』 寂しさを気づけなかった女の激烈な一生
竹田真砂子 『桂昌院 藤原宗子』 寂しさを気づけなかった女の激烈な一生 桂昌院 1627‐1705(寛永4‐宝永2) 3代将軍徳川家光の側、5代将軍綱吉の生母。関白二条光平家司本庄宗利の養女。名は宗子。秋野、お玉の方と称す。家光側室六条有純の女お梅の方の縁で江戸へ下り、家光の寵をうけて綱吉を生む。1680年(延宝8)綱吉が将軍となって後、江戸城三丸に住み、三丸殿と称された。綱吉の厚い孝敬をうけ、1702年(元禄15)従一位に昇り、また弟本庄宗資をはじめその一族中幕臣として栄進する者も多かった。深く仏教に帰依し、僧亮賢、隆光等を信頼し、そこから生類憐みの令を極... ...続きを見る

トラックバック / コメント

2007/06/20 22:30
司馬遼太郎 『項羽と劉邦』 山本勘助なんて小さい小さい!
司馬遼太郎 『項羽と劉邦』 山本勘助なんて小さい小さい! NHK大河ドラマ『風林火山』がおもしろい。雀荘で臨卓から「あれでは原作のよさがまるで感じられない」との声があった。井上靖は読んでいないのでなんともいえないのだが山本勘助のいかにもワルなところを非情なタッチで描いている。虫酸がはしると感じる視聴者があっても不思議ではない。すくなくともこれまで放映されたところでは卑怯な謀が上首尾に仕上がったところで、顔を伏せてにやりとするところなど、NHKらしくもない凄さがある。 若い頃から諸国を遍歴し、各地の地勢、民力、領主の資質を総合的に把握し、軍略や築城... ...続きを見る

トラックバック / コメント

2007/04/16 18:47
熊谷達也 『氷結の森』 名作『邂逅の森』の続編として新たな感動を呼ぶ傑作
熊谷達也 『氷結の森』 名作『邂逅の森』の続編として新たな感動を呼ぶ傑作 主人公、柴田矢一郎。出生は秋田、山々の懐に囲まれたマタギである。昔かたぎのマタギについては前作 『邂逅の森』 に詳しいので『氷結の森』では省略されている。このため『邂逅の森』を振り返ることで、はじめてマタギである矢一郎の心の奥の哀しさを感じとることができる。彼の前にぬかずくべき基準、あの神聖な自然の摂理はすでになくなっていた。物語はそこから始まる。 ...続きを見る

トラックバック 1 / コメント 21

2007/03/27 18:11
諸田玲子 『奸婦にあらず』 幕末の激動に身を投じた女の真心とは
諸田玲子 『奸婦にあらず』 幕末の激動に身を投じた女の真心とは 読み終えて、古地図を重ねながら現在の地図を眺めてみた。彦根藩主井伊家の上屋敷は桜田濠に面して現在の憲政記念館と国会前庭の洋式庭園を含む広大な屋敷だった。警視庁、警察総合庁舎一帯に豊後杵築藩邸があり、藩邸前を左に折れると外桜田門にいたるのだが、水戸浪士の襲撃はその直前、杵築藩邸前、有楽町線桜田門駅辺りが現場だったようだ。地図を片手に、主人公・たかはここで籠から引き出される井伊直弼の血塗られた体を目撃し、絶叫したのかと思いやる。 ...続きを見る

トラックバック / コメント

2007/03/12 23:35
司馬遼太郎 『空海の風景』 空海とはなんだったのだろう。空海の風景からその実体に迫る。
司馬遼太郎 『空海の風景』 空海とはなんだったのだろう。空海の風景からその実体に迫る。 5年ほど前のことだ。すでに経験のある友人に誘われて秩父三十四ヶ所の霊場巡礼をしたことがある。延5日の行程であったが未知の経験だけに忘れられないいろいろな印象があった。白装束を着衣したかなり本格的な詣だった。 秩父花巡礼の記録 空海に関連することでは菅笠に「同行二人」と書かれているのだがそれが「弘法大師とともに」をさすことなどそのときはわからなかった。ひとつひとつの霊場で般若心経を誦する。般若心経の解説を読めば形而上的な宇宙観・世界観の思考体形の一部、勘どころを繰り返し述べた大衆向けの... ...続きを見る

トラックバック 2 / コメント 2

2007/02/04 17:44
浅田次郎 『蒼穹の昴』  目下刊行中の 『中原の虹』を読む前に再読しておく価値はあった。
浅田次郎 『蒼穹の昴』  目下刊行中の 『中原の虹』を読む前に再読しておく価値はあった。 この続編だと思われる『中原の虹』を読む前に再読しておく価値はあった。浅田次郎初期の大傑作。 ...続きを見る

トラックバック 1 / コメント 4

2006/12/02 18:33
北方謙三『水滸伝』文庫本化されました。
北方謙三『水滸伝』文庫本化されました。 時は北宋の末期、最後の皇帝徽宗治下。政治のことは宰相の蔡京にまかせて,日夜遊興にふけり,書画骨董の収集に熱中し,豪壮な宮殿,庭園,道観等を造営したりして,莫大な金銭を使った。その穴埋めのために,蔡京はあらゆる手段を用いて誅求を行い,人民を苦しめたので,浙江の方臘(ほうろう),山東の宋江はじめ各地で反乱が勃発し,政府はその鎮圧に手をやいた。この史実を背景に108人もの英雄・豪傑が腐敗した国家転覆のために勇壮無比の戦いを挑みやがて破れていく大長編口語小説がいわゆる水滸伝である。施耐庵と羅貫中によって... ...続きを見る

トラックバック / コメント

2006/11/27 07:58
貝塚茂樹 『韓非』 歴史大ロマンを読む心地で
貝塚茂樹 『韓非』 歴史大ロマンを読む心地で 数人の仲間と『韓非子』を読んでいる。中国文学の権威・村松暎先生と雑談を交わしながら全編を通読するのではなく、先生が用意された解釈なしの原文テキストで「孤憤」「説難」「和氏」「姦劫弑臣」「五蠹」までを読んだ。五十五篇の大著のなかからどうしてこの篇をとりあげ、この順序で読むのかわからないままに先生の洒脱な語りぶりとおとぼけにすっかりのめりこんでいた。これらは韓非子の自著であり、韓非子思想の枢要をなすものなのだろう。 ...続きを見る

トラックバック / コメント

2006/11/23 10:03
塚本青史 『始皇帝』 偉大な歴史の変革者、その末路はあわれ
塚本青史 『始皇帝』 偉大な歴史の変革者、その末路はあわれ 暴君、そして英傑! 血筋という運命、乱世に飛び交う謀略、三度の暗殺未遂を乗り越え中華を制したファースト・エンペラーの生涯を描ききる、畢生の書き下ろし! 始皇帝といえば歴史的には焚書坑儒に代表される非道の王として扱われてきた。しかし暴君であって英傑だったからこそこれだけの偉業をはたせたのだろう。 趙で人質となっていた秦の公子・子楚の子として生まれた政(前259)が、わずか13歳で即位し(前246)、列国を滅ぼして中華を統一、始皇帝を名乗り(前221)、権力をほしいままに、最後は悩乱して死す... ...続きを見る

トラックバック 1 / コメント 4

2006/11/02 15:37
吉村昭氏の死と長英の死 二つの死の容に思うこと
吉村昭氏の死と長英の死 二つの死の容に思うこと 7月31日に他界された吉村昭さんの死の直前の模様が報道された。点滴の管と静脈に埋め込まれたカテーテルポートを自ら引き抜いた覚悟の死だった。病床に伏したときから延命治療を拒否していた。病院から自宅に戻っていたのだそうだ。 夫人の津村節子さんは 「家にいたからこそ、自分の死を決することができてよかったと思う」 と述懐しておられた。 ...続きを見る

トラックバック / コメント

2006/08/29 20:27
吉村昭 『長英逃亡』 氏の逝去に哀悼の意を表しつつ
吉村昭 『長英逃亡』 氏の逝去に哀悼の意を表しつつ 日立デジタル平凡社 世界大百科事典 高野長英 1804‐50(文化1‐嘉永3) 幕末の蘭学者。名は譲、のち長英、号は瑞皐(ずいこう)。陸奥水沢の生れ。幼いころ父と死別し、母方の叔父高野玄斎の養子となる。1820年(文政3)江戸に出て蘭医吉田長淑に学び、25年にシーボルトをしたって長崎に留学。シーボルト事件が起こるといち早く姿をくらまし,30年(天保1)江戸に戻って鵬町貝坂で開業、かたわら生理学の研究に従事し,32年に《西説医原枢要》6巻を著した。この年渡辺崋山を知り,蘭書を翻訳して崋山... ...続きを見る

トラックバック 1 / コメント 1

2006/08/27 20:56
加藤廣 『秀吉の枷』 成り上がりものの悲哀
加藤廣 『秀吉の枷』 成り上がりものの悲哀 加藤廣氏は2005年『信長の棺』でデビュー、75歳と言う高齢のベストセラー作家の誕生に驚いた。『信長の棺』は小泉首相の愛読書だと喧伝が先行していた作品だった。小泉さんの愛読となればそれなりに成功した政治家の特別の関心事でも書いてあるのだろうと、好みの小説だとは思えずまだ読んでいない。 ...続きを見る

トラックバック 1 / コメント 1

2006/07/28 08:44
西木正明 『間諜 二葉亭四迷』 あの文豪がスパイだった!!??
西木正明 『間諜 二葉亭四迷』 あの文豪がスパイだった!!?? たとえば『冬のアゼリア 大正十年・裕仁皇太子拉致暗殺計画』、『一場の夢 二人の「ひばり」と三代目の昭和』など西木正明の作品は実名が入ったセンセーショナルな副題に目を奪われるのだが、この作品は本題からして『間諜 二葉亭四迷』、あの文豪がスパイだったのかとギョッとさせれらます。 著者の得意とする歴史秘話にあたるが、この作品は日露戦争における陸軍の謀略工作を背景としている。 ...続きを見る

トラックバック / コメント

2006/03/15 10:16
佐藤賢一 『カポネ』 なんとしてでもアメリカ人になってやる。「下流社会」より抜け出ようとした若者。
佐藤賢一 『カポネ』  なんとしてでもアメリカ人になってやる。「下流社会」より抜け出ようとした若者。 「悪の権化」、カポネ。「法の守護神」、ネス。なんとしても「アメリカ人」になりたい!「下流社会」からの飛翔のエネルギーをたぎらせ二人のアメリカ人は大物への道を驀進する。アメリカンドリーム! 善悪を超越し、旧弊を壊して若者はひらすら疾駆する。大衆の熱狂はそのかっこよさに声援をおくる。時代の寵児。しかし栄光の座を手にしたとたん転落が始まる。守旧派の巻き返し。大衆の熱狂は糾弾へと転じた。 と、これはこのほど証券取引法違反で起訴されたあの男の話ではない。しかし、あの男に読ませてやりたいほど近似性が... ...続きを見る

トラックバック 2 / コメント 2

2006/02/14 22:10
佐々木譲 『駿女』 退屈で退屈で読み終えるのがしんどかったなぁ
佐々木譲 『駿女』  退屈で退屈で読み終えるのがしんどかったなぁ 昨年のNHK大河ドラマ「義経」は藤原泰衡に義経主従が討たれるところで完結しているがこの作品はその後のいわゆる奥州合戦、藤原一族とともにあった奥州豪族たちの鎌倉政権への叛乱と頼朝の軍勢に敗北していく末路を描いている。奥州合戦が奥州征討とも呼ばれるように先住民族・蝦夷に対する大和民族の征服史の一環でもあるところからこの作品でも古代から引き継がれている蝦夷の抵抗精神が織り込まれている。 ...続きを見る

トラックバック 1 / コメント 2

2006/02/08 00:45
ドナ・W・クロス 『女教皇ヨハンナ』下 白熱の大歴史小説。灼熱の恋愛が感動を誘う
ドナ・W・クロス 『女教皇ヨハンナ』下 白熱の大歴史小説。灼熱の恋愛が感動を誘う 真理を求めて、世のため人のために。 ヨハンナは聖職者としての途を歩む。 だが、キリスト教の「真実」は決してそんなものではなかった。 著者は佐藤賢一の中世西洋歴史小説と同様人間を呪縛する宗教世界を痛烈に告発する。 ...続きを見る

トラックバック 1 / コメント 0

2006/02/03 16:00
ドナ・W・クロス 『女教皇ヨハンナ』まさかこんなにスリリングな小説だったとは!!
ドナ・W・クロス 『女教皇ヨハンナ』まさかこんなにスリリングな小説だったとは!! 「カトリック教会の公式記録から抹消され、伝承のみに語られてきた男装の女教皇。激動の中世ヨーロッパを舞台に、史実の間から謎の女性教皇の姿が浮かび上がる!歴史大河ロマンス」 とコピーを見ると、これはいくつもの文献を引用して歴史の裏をひもといたノンフィクション系フィクションか。堅物のそれなら襟を正して読むべきと腹を据えたものだが、とんでもない、冒頭からのサスペンスタッチに、危機又危機の連続と冒険小説なみの興奮。 読み出したら止められない。 これはいわばジェットコースター型エンタテインメントのジ... ...続きを見る

トラックバック / コメント

2006/02/03 13:20
北方謙三 『水滸伝 』 第十九巻 「旌旗の章」 壮大なドラマここに完結する
北方謙三 『水滸伝 』 第十九巻 「旌旗の章」 壮大なドラマここに完結する 不正が世を覆い、悪が巷にはびこる。権力は私利私欲をむさぼり、人民は苛斂誅求に呻吟する。農民は流民や盗賊に群れ、優秀な官吏・軍人は高潔さが疎まれる。天才的技能を持つ商工業者、教育者、医師、薬師、建築家たちもスポイルされた。彼らのやり場のない憤怒のエネルギーは世直し=替天行道の旗の下、新国家建設へと収斂していく。 ...続きを見る

トラックバック 3 / コメント 2

2005/10/31 23:11
ついに北方謙三『水滸伝』最終巻が刊行されました。
いよいよですね。北方謙三『水滸伝』第19巻完結編。本日の全国紙にページ全面広告。派手にやっています。とにかく面白かったですね。すぐに買ってラストを楽しもう。 スペシャリストが時代を変える 水滸伝は108名の個性集団が国家改革に挑む壮大なドラマです。この108人の人たちは、それぞれに専門的な能力を備えた超人的なスペシャリストであり、彼らが「志」をひとつにしてドリームチームを結成することで、「改革」は成し遂げられていきます。そう、いつの世も時代を変えるのは、独自の専門的なスキルと強固なチームワー... ...続きを見る

トラックバック / コメント

2005/10/26 10:41
マシュー・パール『ダンテ・クラブ』が示唆する現代アメリカの狂気
マシュー・パール『ダンテ・クラブ』が示唆する現代アメリカの狂気 今アメリカで勢力を強めつつある「知的設計論」をご存じだろうか。私は8月9日の日経紙コラム「地球回覧・進化論論争米国で再燃」で知ることになった。アメリカではしばらく前まで進化論を学校で教えること禁じる州法があって、今なおその賛否が分かれている。最新の世論調査でも「人間は神の手で作られたと信じる」と64%の人が回答するという。 ...続きを見る

トラックバック / コメント

2005/08/11 22:59
最新刊です。北方謙三『水滸伝』第十八巻「乾坤の章」
最新刊です。北方謙三『水滸伝』第十八巻「乾坤の章」 これが最終巻になるものと思っていたがどうやらもう一巻あるようだ。『原典水滸伝』に史実を加えれば第十九巻でおそらく梁山泊軍は壊滅するのであろう。ここではその最終戦争の一歩手前の攻防戦の輝きがみられ、緊張感ある戦闘シーンを堪能できる。黄河と梁山泊湖で繰り広げられる水軍の激突。要衝二竜山、攻防の末の落城。そして宋禁軍の元帥・童貫との総力戦のせめぎ合い。いずれも印象に残る名場面であった。 このところ多少うんざりする語り口が続いただけに、久々に興奮を覚える描写の連続を楽しむことができた。 ...続きを見る

トラックバック 1 / コメント 1

2005/08/05 22:45
北方謙三『水滸伝』第十七巻「朱雀の章」 (再掲)
北方謙三『水滸伝』第十七巻「朱雀の章」 (再掲) 腐敗混濁の世を正す、「替天行道」の旗の下に結集した叛乱軍梁山泊。ついに宋国は梁山泊の完全殲滅を宣言した。十六巻までに108人からなる梁山泊の同志たちの33人が死んでいる。そしてこの巻では大幹部二人を含めた11人の命が失われる。 ...続きを見る

トラックバック 1 / コメント 0

2005/08/05 00:35
北方謙三『水滸伝』第十六巻「馳驟の章」大波乱の前兆か (再掲)
北方謙三『水滸伝』第十六巻「馳驟の章」大波乱の前兆か (再掲) 「原典水滸伝」をうわまわる天衣無縫の大活劇はなくなってきたような気はするが ...続きを見る

トラックバック / コメント

2005/08/04 23:59
北方謙三『水滸伝』第15巻「折戟の章」そろそろ倦怠感が出てくる
北方謙三『水滸伝』第15巻「折戟の章」そろそろ倦怠感が出てくる いついかなる戦争にもカッコイイ終わり方などあるはずはないのだ。 宋国も梁山泊側もともに戦いに疲れが見え出す。この大河小説の筆の運びも息が切れ始めたかとの印象を受けるが、むしろこの第15巻は終結へ向けて流れを変えるタイミングのための踊り場なのだろう。 ...続きを見る

トラックバック 1 / コメント 0

2005/08/04 22:35
北方謙三『水滸伝』第十四巻「爪牙の章」北方節、絶好調!!
北方謙三『水滸伝』第十四巻「爪牙の章」北方節、絶好調!! 男女の交情、親子の情愛、子弟の薫陶など人情の機微の色模様も多彩。これもまた通俗の極致なのだが、聞かせる北方節なのだ。 もともと日本人は英雄を好んでもそれは悲劇の主人公であって原典「水滸伝」に登場する英雄のように天衣無縫に暴れまわりカンラカラカラと高笑いする豪傑は大人の趣味とされていないのではないだろうか。 人情についても原典「水滸伝」の英雄・豪傑たちの人情の世界は義や信、誠に生きる男のつきあいの世界に徹していて、それは日本人も好きなのだが、もう一方にある劇的な男女の愛憎や抜き差しならぬ親子... ...続きを見る

トラックバック / コメント

2005/08/03 23:34
北方謙三『水滸伝』第十三巻「白虎の章」この大河小説のゆくえを推測する
北方謙三『水滸伝』第十三巻「白虎の章」この大河小説のゆくえを推測する 宋国と梁山泊の全面戦闘が引き続き描かれる。梁山泊の大敗する戦もあるがこれまでさまざまな趣向を見せてきた戦絵巻もマンネリ化し、緊張感が薄れてくる。両陣営とも水軍の強化に工夫があって、来たるべき水軍戦の模様が大いに楽しみなのだが、いつごろになるのだろうか。ストーリーの太い幹がここまで拡散すると、大長編もそろそろ結末を見据えた整理が必要であろうと読み手としては傍目八目の構えとなる。 ...続きを見る

トラックバック / コメント

2005/08/03 20:20
北方謙三『水滸伝』第十二巻「炳乎の章」晁蓋を誤解した毛沢東
北方謙三『水滸伝』第十二巻「炳乎の章」晁蓋を誤解した毛沢東 梁山泊の双璧、そのひとりであった晁蓋の死は敵味方にどのように受け止められたか。そしてあの毛沢東は水滸伝を悪書として指弾する。 ...続きを見る

トラックバック / コメント

2005/08/01 22:55
北方謙三『水滸伝』第十一巻「天地の章」城郭攻略の準備
北方謙三『水滸伝』第十一巻「天地の章」城郭攻略の準備 第十一巻ともなるとラストの山場を除けばいささか中だるみの感が出てくる。ただ梁山泊ではこれまで野戦を主とする軍事力増強であったが、首都開封を念頭にした城郭(まち)攻略の軍備に注力し始めるところがいかにももっともな北方一流の発想だと感心する。 野戦で活躍していた騎馬隊だけでは駄目なのである。攻城兵器を扱う重装備の部隊が欠かせないと、衝車、雲梯、投石器、大砲の製作に取り掛かる。さらには造船所を建設し軍船と水兵を育成する、水軍の強化である。 この『水滸伝』では「梁山泊山寨」を黄河につながる梁山湖に... ...続きを見る

トラックバック / コメント

2005/08/01 22:05
北方謙三『水滸伝』第十巻「濁流の章」乾坤一擲の連環馬とは?
北方謙三『水滸伝』第十巻「濁流の章」乾坤一擲の連環馬とは? 梁山泊に負け続ける宋国、「一度必ず勝て」と国境軍最強の将軍呼延灼に命令が下った。双鞭・呼延灼の秘策、乾坤一擲の連環馬とは? 高球が禁軍の大将となってから腐敗は瞬く間に拡がった。軍とは外敵から国を守ることが使命だとする名将呼延灼はあえて禁軍より国境軍を志望し、代州軍を精強の部隊に育て上げていた。最高権力者蔡京宰相の名の下に禁軍総帥童貫は彼に「必勝」を命ずる。代州軍一万、その後方に高球の一万。対する梁山泊はほぼ全軍一万余を晁蓋が率いる。 呼延灼側から実戦用大砲の号砲が轟く。そして不敗の戦法・連... ...続きを見る

トラックバック / コメント

2005/07/29 23:10
北方謙三『水滸伝』第九巻「嵐翠の章」もうひとりの総帥晁蓋とはいかなる人物であるのか
北方謙三『水滸伝』第九巻「嵐翠の章」もうひとりの総帥晁蓋とはいかなる人物であるのか 晁蓋と宋江このふたりの総帥は梁山泊にとって健在でなければならない。どちらかひとりを失えば全土で梁山泊に好意をもっている者たちの衝撃ははかりしれない。官軍にはやはり勝てないのかと諦めにもつながりかねない。 ...続きを見る

トラックバック / コメント

2005/07/29 22:54
北方謙三『水滸伝』第八巻「青龍の章」宋江とはいかなる人物であるのか そのリーダーシップは
北方謙三『水滸伝』第八巻「青龍の章」宋江とはいかなる人物であるのか そのリーダーシップは 青蓮寺は独竜岡に砦を築いた。梁山泊の拠点網のど真ん中。梁山泊の勢力を開封府、北京大名府、南京応天府とともに包囲し外から内から崩そうとする壮大な作戦が展開される。その中心が祝家荘であり、宋江を総帥とした梁山泊全軍を挙げてこれを攻撃するが………。 砦の内部はいたるところに迷路があり、周辺も含め殺傷用の罠が張り巡らされて、攻撃を待ち受ける構えを見せている。禁軍の宿元景率いる精強騎馬隊五千がこれに加わる。 ...続きを見る

トラックバック / コメント

2005/07/21 22:53
北方謙三『水滸伝』第七巻 「烈火の章」 ついに宋江が梁山泊に入る
北方謙三『水滸伝』第七巻 「烈火の章」 ついに宋江が梁山泊に入る 戦闘シーンに手に汗を握りながら、一方でクールな今日的政治力学の世界が展開される。これも北方『水滸伝』の魅力だろう。 ...続きを見る

トラックバック / コメント

2005/07/21 14:44
北方謙三『水滸伝』第六巻 「風塵の章」集団戦闘を楽しもう
北方謙三『水滸伝』第六巻 「風塵の章」集団戦闘を楽しもう 第五巻から第七巻までは武松と李逵のふたりだけを供に従えた宋江の逃避行を軸として梁山泊の新たな展開が記述される。青蓮寺側の暗殺者として抱きこまれた馬圭の手引きによる青面獣・楊志の壮絶な死、女真族との同盟工作に失敗し囚われた魯智深がみずから手首を切り落とす決死の脱出、青州官軍にあって勇猛で知られる将軍、霹靂火・秦明の梁山泊への仲間入りなどページを繰るのがもどかしくなるような緊張のエピソードが連続する。 ...続きを見る

トラックバック / コメント

2005/07/15 22:42
北方謙三『水滸伝』第五巻「玄武の章」スローガン「替天行道」とは
北方謙三『水滸伝』第五巻「玄武の章」スローガン「替天行道」とは 北方・梁山泊のは原典「水滸伝」のそれとはかなり異なるのではないかと思いつつ………。 梁山泊の首領は宋江と晁蓋である。ここにやがて数万人の賊徒が結集する。108人の親分たちは宋江の主張する革命思想に共感するのである。それを書き表したものが檄文あるいはパンフレットの「替天行道」だ。その具体的内容は明らかにされないのだが、おそらく君主独裁の権力機構を打倒し、民の安寧と繁栄を希求する「民主」の政治機構を擁立せんとする主張を平易にしかも熱烈に語りかけている小冊子であろうと推測できる。 この「志」に無... ...続きを見る

トラックバック / コメント

2005/07/15 22:33
北方謙三『水滸伝』第四巻 「道蛇の章」 原典水滸伝とどこがちがうのか
北方謙三『水滸伝』第四巻 「道蛇の章」 原典水滸伝とどこがちがうのか 梁山泊の首領である宋江だが、少年時代に読んだ簡略本では共感できる人物とはとうてい思われなかった記憶しかない。中国文学に詳しい高島俊男著の『水滸伝の世界』(ちくま文庫)を参考にして、なるほどと納得したしだいである。 ...続きを見る

トラックバック / コメント

2005/07/14 14:59
北方謙三『水滸伝』第三巻「輪舞の章」梁山泊の前に強大な敵が姿をあらわす
北方謙三『水滸伝』第三巻「輪舞の章」梁山泊の前に強大な敵が姿をあらわす 当時の宋王朝は遊興にふける皇帝徽宗の下、政治は宰相の蔡京、軍事は禁軍大将高球ら国家腐敗の元凶である奸臣が牛耳る、財政軍事面でも脆弱な体制であったからそのままでは強靭な軍事力・組織力を有する新国家梁山泊の敵ではありえない。敵が強大であればあるほど読者はそのストーリー展開に魅了されるものだ。北方謙三はここで現王朝の裏に「青蓮寺」と名乗る精強の謀略集団を登場させるのだ。総帥は袁明。精鋭の私兵特殊部隊を率いる。暗殺、諜報、撹乱、ゲリラ戦。梁山泊の資源、塩の道をたつための執拗な攻撃で見せ場は華やかに盛り... ...続きを見る

トラックバック / コメント

2005/07/14 14:54
北方謙三『水滸伝』第二巻「替天の章」ついに替天行道の旗が梁山泊に
北方謙三『水滸伝』第二巻「替天の章」ついに替天行道の旗が梁山泊に 10世紀の半ば、北宋は太祖趙匡胤が開封に都を置いた。江南諸国と北漢をつぎつぎに平定し,太宗の初めに中国統一を成就し,君主独裁の中央集権体制を築いた。統一して数十年もたつと,社会のひずみが表面化してくるものだ。官僚と軍隊の数が年々増えて財政を圧迫した。そのしわよせが農民への重税となり,生活に苦しむ農民は流民や群盗となる。賄賂の横行があれば、優秀な官吏・軍人は高潔さが疎まれ、謀反の冤罪で追われる。さらに天才的技能の持ち主である商工業者、教育者、医師、薬師たちもそのためにスポイルされる。 ...続きを見る

トラックバック / コメント

2005/07/13 10:48
北方謙三の大長編小説『水滸伝』が近々完結する そこで第一巻「曙光の章」より
北方謙三の大長編小説『水滸伝』が近々完結する そこで第一巻「曙光の章」より 時は北宋の末期、最後の皇帝徽宗治下。政治のことは宰相の蔡京にまかせて,日夜遊興にふけり,書画骨董の収集に熱中し,豪壮な宮殿,庭園,道観等を造営したりして,莫大な金銭を使った。その穴埋めのために,蔡京はあらゆる手段を用いて誅求を行い,人民を苦しめたので,浙江の方臘(ほうろう),山東の宋江はじめ各地で反乱が勃発し,政府はその鎮圧に手をやいた。この史実を背景に108人もの英雄・豪傑が腐敗した国家転覆のために勇壮無比の戦いを挑みやがて破れていく大長編口語小説がいわゆる水滸伝である。施耐庵と羅貫中によっ... ...続きを見る

トラックバック / コメント

2005/07/13 10:28
東郷隆 『最後の幻術』 歴史短編小説の読みどころ
東郷隆 『最後の幻術』 歴史短編小説の読みどころ 歴史時代小説9編がおさめられた短編集である。初めて読んだ作者であるが出版社が「新人物往来社」だけあって、歴史全般に相当の博識な方と見えた。全体に和漢混淆の記録文体と文献の適度な引用により虚構ないまぜの世界を展開して飽きさせない。実在の人物同士、作者の創造上の人物の組み合わせの妙、そこから生まれる意外性は歴史小説を読む醍醐味でもあり、ミステリー愛好者にも通ずるものがある。 ...続きを見る

トラックバック / コメント

2005/07/08 22:46
「浅田次郎」について『蒼穹の昴』『壬生義士伝』『天切り松闇がたり』
「浅田次郎」について 私も浅田次郎を最初に読んだのが『蒼穹の昴』でした。 清朝末期の複雑で国際的な政治情勢と主人公の印象的な生き方がしっかりと重なり合って、しかも西太后の人物評価に独自の史観で光を当てたところが傑作でした。 これまでの浅田次郎の一番好きな作品です。 ...続きを見る

トラックバック 3 / コメント 0

2005/06/07 20:32
最新刊・北方謙三『水滸伝第十七巻朱雀の章』いよいよ最終章へ向けて若い人物ふたりが立ち上げる
腐敗混濁の世を正す、「替天行道」の旗の下に結集した叛乱軍梁山泊。ついに宋国は梁山泊の完全殲滅を宣言した。十六巻までに108人からなる梁山泊の同志たちの33人が死んでいる。そしてこの巻では大幹部二人を含めた11人の命が失われる。 ...続きを見る

トラックバック 0 / コメント 1

2005/05/16 22:54
「黄金旅風/飯嶋和一」について 主人公末次平左衛門は長崎の民にとって本当に英雄だったのかしら?
「黄金旅風/飯嶋和一」について とても面白い歴史小説でした。悪の竹中重義をやっつけるのは良かったんですが結局その後ますます鎖国政策は厳しくなって、キリシタン弾圧は過酷になっていくんですね。歴史の皮肉でしょうか。いっそ主人公は不自由な日本を飛び出して東南アジアで活躍すれば反逆児らしくすっきりしたことでしょう。 ...続きを見る

トラックバック 3 / コメント 2

2005/05/02 13:21
2003/08/04 佐藤賢一 『オクシタニア』人間は極限状況でいかに神と向き合うか
13世紀フランス南部の豊饒の地「オクシタニア」の覇権と異端カタリ派をめぐる複雑な対立の構図を丹念に描く歴史小説であるが………。 オクシタニアは当時トゥールーズ伯を中心とする複数の諸侯がそれぞれの領地で繁栄を競っていた。物語は1208年ローマ教皇使節がトゥールーズ伯の家臣に殺害されたことを契機に教皇インノケンティウス3世が討伐の十字軍を宣布することに始まる。北フランスの諸侯や騎士団で組成された十字軍が、オクシタニアの諸侯連合と攻防戦を繰り返し、一時は敗退する。やがて、フランス王の介入による、1... ...続きを見る

トラックバック / コメント

2005/05/01 07:29
「徳川家康 全26巻を読破」について
「徳川家康 全26巻を読破」について オジサン世代もこれを読んだ仲間が大勢いました。結局このオジサンは読まずじまいでした。 ...続きを見る

トラックバック / コメント

2005/03/28 16:41
NHK大河ドラマ『義経』よりもはるかに面白い、これもまた義経のお話
NHK大河ドラマ、陽光に輝き真っ白な駿馬が翔ける。颯爽の貴公子・多感の若武者・軍事の天才・波乱の生涯。非業の最期を遂げる義経の人物像は「判官贔屓」の言葉どおり国民大衆がいまなお追慕しつづける完成された日本型英雄である。おそらく放映中の大河ドラマもNHKだからこの枠をはずすことはないだろう。一方の頼朝については疑心暗鬼・優柔不断・嫉妬妄想・陰険嗜虐のイメージが刷り込まれている。 ...続きを見る

トラックバック 1 / コメント 2

2005/03/24 23:37
2002年5月18日 英雄待望論の陥穽 曽野綾子「狂王ヘロデ」
ミステリーも面白いことに変わりはないが、最近では宗教周辺の読み物にも興味を惹かれるようになったのはやはり歳のせいなのだろうか。 ...続きを見る

トラックバック 1 / コメント 1

2005/03/19 01:24
2002年1月20日滅びの残酷史船戸与一『蝦夷地別件』
船戸与一の作品で何が一番面白いかとたずねられ、「蝦夷地別件」と答えました。1995年に読んだ記録があります。当時は札幌勤務中でしたので職場の仲間たちに必読本としてこれと井上ひさし「四千万歩の男」(伊能忠敬)を北海道開拓の裏舞台を理解する意義を含めとにかく面白いからと薦めていました。昨日読み終えた「緋色の時代」が期待はずれだったことからいまさらですが「蝦夷地別件」は稀有壮大な構想と的確な歴史認識をもって、少数民族の滅亡の地獄図を鬼哭啾啾と描き、かつ2800枚の大長編でありながら読者を退屈させない... ...続きを見る

トラックバック 1 / コメント 0

2005/03/11 21:55
2002年1月12日 藤本ひとみ『ジャンヌ・ダルク暗殺』
年頭にふさわしく、明日への展望を切り開く(?)、元気の出るミステリーに出くわしました。フランス歴史物をいくつも発表している作者ですが、初めて読む作品です。佐藤賢一の重厚さはありませんが充分に楽しめました。ジャンヌ・ダルクが1月6日生まれでもあり、これは正月用の読み物であります。 ...続きを見る

トラックバック 1 / コメント 0

2005/03/10 16:30
2001年12月25日 浅田次郎『壬生義士伝』
正月2日に12チャンネルが12時間ドラマを放映する。おせち料理をつつきうとうとしながらわかりやすい時代劇を楽しむにもってこいの番組であるが今回は「壬生義士伝」がドラマ化された。 ...続きを見る

トラックバック 1 / コメント 0

2005/03/07 23:44
北方謙三『水滸伝』既刊16巻すべての解説をどうぞ
北方謙三が「原典水滸伝」を換骨奪胎し独自の水滸伝世界を作り上げた。 すでに16巻までが発刊されまだ終結しそうにないのだが。 各巻それぞれの」見所、読みどころを『原典水滸伝」や歴史的事実と比較しながら分析してみました。 ...続きを見る

トラックバック 1 / コメント 0

2005/03/03 23:52
2001年10月20日 高橋克彦「火怨」にみる敗北の美学
推理小説では「写楽殺人事件」SF伝奇で「総門谷」この二つの作品を読んでこの作家の力量を感じていました。しかし、「総門谷の続編、続々編」にいたっては、うんざり。量産で粗悪製品の多発に陥ったかと心配していましたところ、新ジャンルのまっとうな歴史小説、「火怨」、文句なしに面白かった。 ...続きを見る

トラックバック 6 / コメント 2

2005/03/03 14:41
極楽寺ヒビキ遺跡と黒岩重吾『ワカタケル大王』
大臣(おおおみ)葛城円(つぶら)は雄略天皇に滅ぼされた。この遺跡が発見され学術的にも大きな話題をよんでいる。最近読んだ黒岩重吾『ワカタケル大王』ではワカタケル=雄略天皇が生涯最大の敵である大豪族・葛城円に奸計を用い、館を焼き討ちで攻め滅ぼすシーンが山場となっているが、下記のニュースによると短期間で焼失した痕跡があるらしい。古代史ロマンの第一人者とされた黒岩氏の歴史考証の研鑽の証しを見てあらためて感じ入った。。 ...続きを見る

トラックバック 4 / コメント 0

2005/02/25 20:43
リアルタイム 黒岩重吾 『ワカタケル大王』 
死の直前の大作に見る、巨匠の最後の最後まで燃焼し続けたそのエネルギー ...続きを見る

トラックバック 3 / コメント 0

2005/02/19 01:04
2001年5月18日 佐藤賢一 『ふたりのガスコン』 
?17世紀、フランス絶対王政確立期を舞台にブルボン王朝の一大お家騒動に身を投じる二人の熱血漢の大活劇ロマンであります。ガスコンとは日本で言えば薩摩隼人。 ...続きを見る

トラックバック 1 / コメント 0

2005/02/13 19:41
リアルタイム 北方謙三 『水滸伝 第十六巻 馳驟の章』
「原典水滸伝」をうわまわる天衣無縫の大活劇はなくなってきたような気はするが。 ...続きを見る

トラックバック / コメント

2005/02/04 16:58
リアルタイム 高橋克彦『天を衝く』 「北の鬼」といわれた九戸政実の生涯
熾烈な経済戦争の結果今を生きる「負け組」にとどけ!歴史に埋もれた南部武者の魂の叫びを ...続きを見る

トラックバック 4 / コメント 0

2005/01/12 15:30
2001年2月3日 「ときは今 天が下ふる五月かな」 
「本能寺の変」は人口に膾炙されながらも今なお、わが国中世以降の歴史上、最大級のミステリーであることに変わりがありません。「国家」という新概念の萌芽時期であったとともにあまりにもドラマチックな要素がふんだんに凝縮されているからです。 池宮彰一郎「本能寺」は本格推理小説の傑作、高いレベルの謎ときものとしても楽しむことができます。まず謎の提示ですが、これはなぜ光秀は謀反を起こしたのかという視点。 桶狭間から描かれる英傑信長の思想・行動・圧倒的影響力など丹念な史上事実の叙述は最終章にむけた緻密な伏... ...続きを見る

トラックバック / コメント

2005/01/08 22:55
リアルタイム 源平合戦の新視点 池宮彰一郎『平家』
今年のNHK大河ドラマは「義経」。原案は宮尾登美子とされているがNHK大河ドラマは「宮本武蔵」が吉川英治原案とされていたのにもかかわらず内容がまるで違ったものになっていたことからも宮尾判『平家』がどこまで活かされるかは疑問である。一風変わったしかも面白いし史実はきちんと押さえられた源平盛衰物語では池宮彰一郎の『平家』をお勧めしたい。 ...続きを見る

トラックバック 2 / コメント 0

2005/01/02 11:34
2000年8月10日 死に様の美学 浅田次郎『壬生義士伝』
?「戦にて死ぬことこそがあっぱれ武士の誉れじゃなどと、いってえどこの誰がそんたな馬鹿なことを言い始めたのでござんすか。わしはわしなりに、四書五経ば修めてしみじみ思うた。孔子様はそんたなこと、ひとっこともおっしゃられてはおられね。君に忠、親に孝とは申されても、忠孝のために死せよとは申されてね。」 「わしが立ち向かったのは、人のふむべき道を不実となす、大いなる不実に対してでござんした。わしらを賊と決めたすべての方々に物申す。勤王も佐幕も、士道も忠君も、そんたなつまらぬことはどうでもよい。石を割っ... ...続きを見る

トラックバック 1 / コメント 0

2004/11/29 19:26
2000年7月21日 船戸与一の最高傑作 滅びの残酷史
船戸与一の作品で何が一番面白いかとたずねられ、「蝦夷地別件」と答えました。 ...続きを見る

トラックバック 3 / コメント 0

2004/11/25 23:23
2000年6月12日 佐藤賢一「カルチェラタン」の奥行きの深さ
佐藤賢一「カルチェラタン」は文体は軽妙、洒脱であるが実に懐深いテーマに挑戦した野心作である。 ...続きを見る

トラックバック 1 / コメント 0

2004/11/24 23:03
リアルタイム新刊書紹介 マシュー・パール『ダンテ・クラブ』
最近のミステリー系海外作品ではついぞお目にかかれなかった傑作中の傑作だ。 著者が構築した縦軸は三本あろうかと思われる。そしてモチーフは一貫してダンテである。このかなり消化の難しい縦軸と横軸がむりなく融合しているところにこの作品の値打ちを見出す。 ...続きを見る

トラックバック 2 / コメント 0

2004/11/17 01:00
リアルタイム 北方謙三版『水滸伝』の帰趨はいかに
北方謙三『水滸伝』は彼独自の物語世界を作り上げたとたいへん評価が高くすでに回を重ねて第15巻がこのたび刊行された。とにかくこれまでは波乱万丈のストーリー展開を堪能してきた。この「折戟の章」について一言。 ...続きを見る

トラックバック / コメント

2004/11/09 21:08
2000年4月7日 高橋克彦の久々の傑作 歴史小説、「火怨」
推理小説では「写楽殺人事件」SF伝奇で「総門谷」この二つの作品を読んでこの作家の力量を感じていました。 しかし、「総門谷の続編、続々編」にいたっては、うんざり。量産で粗悪製品の多発に陥ったかと心配していましたところ、新ジャンルのまっとうな歴史小説、「火怨」、文句なしに面白かった。八世紀、東北制覇を狙う朝廷の十万の大軍を迎え撃つ一万五千の蝦夷。真田戦記や三国志などかつて戦記物に興奮した記憶がありますが、智將、勇将が繰り広げる戦闘シーンの連続にゾクゾクし、義侠心、「男の心意気」にうっとりします。... ...続きを見る

トラックバック 0 / コメント 1

2004/11/06 23:37
1999年12月19日 今年最後のミステリーは佐藤賢一の「王妃の離婚」
この人勉強家だな。 「カエサルを撃て」はガリア部族から見たカエサル・シーザーのガリア戦記です。よく書けている歴史ロマンはいつでも私達の知的好奇心を満足させてくれます。百科事典や歴史地図を眺めながら当時の権力争いを想像することは楽しいことでした。 部族間の統一を理屈ではなくむき出しの本能、獣性をもって成し遂げるガリアの英雄。ローマ旧勢力との葛藤に右往左往、インテリの劣等感から政策判断は優柔不断、しかし戦闘の天才カエサル。この対比が軸になって物語が進行します。 ガリア英雄の暴虐、殺戮、陵辱は... ...続きを見る

トラックバック 3 / コメント 1

2004/10/29 20:16

トップへ  |  テーマトップへ  |  テーマランキング一覧へ