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みんなの「歴史小説」ブログ

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五木寛之 『親鸞 完結編 下』 善いも悪いも脇役が断然魅力ある五木流親鸞物語
五木寛之 『親鸞 完結編 下』 善いも悪いも脇役が断然魅力ある五木流親鸞物語 南都北嶺のカネと権威と暴力、そして鎌倉幕府、さらには朝廷と既存の体制の総力を結集し専修念仏を根絶やしにしようとする覚蓮坊の陰謀。この奸計から親鸞を守ろうと死力を尽くす謎の女・竜夫人。若き日の竜夫人と青年親鸞の深い因縁とは?竜夫人を支える葛山申麻呂の血筋は? そしてついに再登場するサディスト。十悪五虐と自らうそぶき「信仰心などないこんな俺でも浄土へ行けるか」と親鸞を恫喝する究極の邪悪・黒面法師の真の実態とは? 竜夫人が嵯峨野に建立した遵念寺。落慶式に集まる念仏者を一網打尽にする「念仏停止の宣... ...続きを見る

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2016/02/26 21:18
五木寛之 『親鸞 完結編 上』 親鸞の悩みはさておき脇役が大活躍する痛快時代小説を楽しみましょう
五木寛之 『親鸞 完結編 上』 親鸞の悩みはさておき脇役が大活躍する痛快時代小説を楽しみましょう これまでの仏教は、国を守るもの、朝廷の安泰を祈るものであり、貴族や高家のためのものだった。そして浄土に行けるものはチカラやカネのある者だけだった。ところが法然、親鸞は貧しい人や世間から卑しめられてきた人びとのためにこそ仏教はある、これまで救われない罪深い身だとされていたものにこそ仏の道があると説く。身分や財力にかかわりなく南無阿弥陀仏と他力本願、専修念仏の道を広めた。この教えはやがて下層の人々だけではなく僧、武家、貴族階級まで浸透していった。 まさに既成秩序を破壊する思想であり、集団化するエネ... ...続きを見る

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2016/02/19 15:20
船戸与一 『満州国演義9 残夢の骸』 氏の訃報と同時に読了した畢生の大傑作
船戸与一 『満州国演義9 残夢の骸』 氏の訃報と同時に読了した畢生の大傑作 満州国の誕生から崩壊まで。五族協和の夢が骸としてさらされるまで。侵略を美化する八紘一宇の驕りと欺瞞が完膚なきまでに叩きのめされるまで。「満州国演義」はここに完結した。3月には日本ミステリー大賞を受賞している。 ...続きを見る

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2015/04/23 12:51
皆川博子 『海賊女王 下』 同じ海賊女王でもエリザベスと違ってグローニャは孤独ではなかった
皆川博子 『海賊女王 下』 同じ海賊女王でもエリザベスと違ってグローニャは孤独ではなかった 後には全世界の四分の一まで領土を拡張した大英帝国も、エリザベス一世治下のイングランドはまだ三流国だった。植民地を持っていなかった。植民地といえるような地域はせいぜいアイルランドぐらいであった。むしろフランス、スペインに圧倒されていた。エリザベス一世はそのイングランドの国家としての独立を確実にし、近代イギリスの基点を築いた女王といえる。またエリザベス一世はイングランド貴族達の海賊行為を公認し、分け前を徴収していたのだから海賊女王ともいえよう。血にまみれたプロセスを経て王位を継承した女王は狂った... ...続きを見る

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2014/09/06 10:35
皆川博子 『海賊女王 上』 まさに大冒険活劇の大衆小説 皆川氏のこの瑞々しいチャレンジ精神に脱帽
皆川博子 『海賊女王 上』 まさに大冒険活劇の大衆小説 皆川氏のこの瑞々しいチャレンジ精神に脱帽 上下巻で1000ページをこえる長編小説である。 皆川博子氏、86歳とご高齢なのだが、この海洋冒険小説・海賊戦闘小説を文字通り血沸き肉踊るバイオレンス・アクション・サスペンス、まさに大娯楽作品に仕立て、さらに重厚な時代・歴史小説として完成させている………氏の筆力に驚嘆する。久々に出会った「理屈抜きに面白い」大衆小説だ。 『死の泉』の流れにある従来の怪奇幻想ではないし、最近評価の高かった『開かせていただき光栄です』のような上質の本格ミステリーでもない。氏にとって新しいジャンルである。作風としても... ...続きを見る

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2014/08/13 23:51
火坂雅志 『軍師の門 下』 一筋縄ではいかぬ官兵衛という人間の解釈
火坂雅志 『軍師の門 下』 一筋縄ではいかぬ官兵衛という人間の解釈 「調略」あるいは「調略する」とは策略をめぐらせて敵を自滅に追い込む頭脳戦のようで、正々堂々の横綱相撲とは正反対の語感がある。しかし、兵力の差がそのまま戦争の勝敗を決めるのであれば歴史に驚きはないし、まして小説としてはできの悪いものになってしまうだろう。 秀吉はもともと調略戦を得意としていたものだが、有岡城から生還した官兵衛を重用することにより着実に天下取りの道を歩めることになった。敵を殲滅する信長の時代は終わり、敵を味方にする秀吉流の統治の時代が始まった。 有岡城から生還した黒田官兵衛は... ...続きを見る

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2014/06/04 13:19
火坂雅志 『軍師の門・上』  中国地方攻略の詳細をわたしはあまり知らなかった。
火坂雅志 『軍師の門・上』  中国地方攻略の詳細をわたしはあまり知らなかった。 この3月にサラリーマンを退職して50日が過ぎるが、なにが変わったと言えば、片道2時間の通勤時間がなくなったため本を読む時間がとれなくなったことだ。その分、なにやかやと忙しくなったが……。 ...続きを見る

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2014/05/09 17:08
船戸与一 『満州国演義8 南冥の雫』 70年前になにがあったか?深く重くこの歴史を受けとめたい。
船戸与一 『満州国演義8 南冥の雫』 70年前になにがあったか?深く重くこの歴史を受けとめたい。 挿絵の地図を見れば一目瞭然、戦火は太平洋全域と東南アジアへと広がっていた。 ...続きを見る

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2014/01/27 23:48
山本兼一 『利休にたずねよ』 茶聖・利休の生臭さを堪能しよう
山本兼一 『利休にたずねよ』 茶聖・利休の生臭さを堪能しよう 山本兼一の『いっしん虎徹』では、一振りの刀に命をかけた刀工が著者に乗り移ったかのような凄まじい筆力に圧倒された。ところが直木賞受賞作の『利休にたずねよ』は茶道=地味な文化との先入観があって面白くなさそう………と、ずっと敬遠していた。余計なことだが最近の小説は文庫本の場合、映画化されると表紙カバーが主役のスチル写真に変っていて、手に取るのが気恥ずかしくなる。茶道=「侘び」「寂び」のイメージといえば、わたしには「閑静」「枯淡」「静謐」の趣であり、松尾芭蕉、奥の細道の風情であるから、市川海老蔵のあ... ...続きを見る

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2014/01/01 10:06
梓澤要 『捨ててこそ空也』 事跡を丹念に積み上げ空也の実像に迫る
梓澤要 『捨ててこそ空也』 事跡を丹念に積み上げ空也の実像に迫る 空也上人といえば念仏を唱える口から六体の阿弥陀仏が現れている鎌倉時代の写実彫刻像(表紙カバー口絵)を思い浮かべ、底辺大衆の救済を説く市井の聖………程度しか知らなかった。教団を組織した僧でもなく、自分の経歴や思想の記述も残さなかったので、学術的に分析が進んでいる人物ではない。全生涯を描いて空也の実像に迫った小説としてははじめての作品なのではないか。 ...続きを見る

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2013/12/21 11:14
佐藤賢一 『小説フランス革命]U 革命の終焉』 革命は未完成に終わった。が、いつか必ず春は来るのだ。
佐藤賢一 『小説フランス革命]U 革命の終焉』 革命は未完成に終わった。が、いつか必ず春は来るのだ。 第一巻「革命のライオン」を読んだのが2009年の5月だから波乱万丈の史劇を4年半かけて楽しんだことになる。全十二巻の大長編であったが、1789年から1794年まで、たった5年間の出来事であったことに気づけば、いかにも密度の濃い力作であったと感嘆する。 骨格の史実をもてあそぶことなく、人間を生き生きとして描く。さらに現代を風刺的に浮きあがらせていることが重なり、登場人物に共感させられる。これぞ本格の歴史小説である。特にこの第十二巻「革命の終焉」では迫真のクーデターサスペンスで手に汗握りながら、文... ...続きを見る

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2013/11/06 22:49
西木正明 『水色の娼婦』 第二次大戦下のドイツに仕掛けられた甘い罠のゆくえ
西木正明 『水色の娼婦』 第二次大戦下のドイツに仕掛けられた甘い罠のゆくえ プロローグは、1990年。著者その人ではないかと思われる「わたし」が壁崩壊後のベルリンを訪ね、市民生活を取材するところから始る。「わたし」の出会った老女エヴァ・ミツ・ロドリゲスが語るのは第二次大戦下のドイツを舞台にした諜報活動の追憶であった。 ...続きを見る

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2013/11/03 00:15
佐藤賢一 『小説フランス革命11 徳の政治』 フランス革命の総決算というべき盟友同士の死闘
佐藤賢一 『小説フランス革命11 徳の政治』 フランス革命の総決算というべき盟友同士の死闘 タイトルだが、「恐怖政治」といわれたロベスピエールの独裁と「徳の政治」という情緒的イメージが結びつかなかった。「徳の政治」といえば私らの世代なら孔子の政治観「徳治主義」であり、「法治主義」との対立概念を思い浮かべる。政治によって人民を教化し、法律によって人民を強制しようとする「法治」にたいし、道徳によって人民を教化し、礼によって人民を自然に秩序ある生活を営ませるのが「徳治」だとすれば、徳の政治は貴族・部族内自治制度の礼賛であり、フランス革命にはなじめないような気がした。 ところが孔子の「徳治主... ...続きを見る

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2013/08/26 00:22
佐藤賢一 『小説フランス革命] 粛清の嵐』 ますます面白くなってきたフランス革命の真実
佐藤賢一 『小説フランス革命] 粛清の嵐』 ますます面白くなってきたフランス革命の真実 サン・キュロットは多数者であり、貧しい。教養は低く、情緒的であり感情的である。富める者をうらやみ、買収や煽動を受けやすい。素朴で常識的で感動をよぶカッコイイ言葉には弱い。自分の言葉は持たないが、腕力だけはある。何が正義か不正義かを知らず、ただ直感的に「不正を正す」。近視眼的で付和雷同。烏合の衆と化して政策決定に多大の影響を及ぼす。 国民大衆というのは多かれ少なかれそういうものだと、われとわが身とわが日本を振り返らざるを得ないのが、佐藤賢一の「小説フランス革命」が仕掛ける辛辣なところである。... ...続きを見る

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2013/06/02 19:29
佐藤賢一 『小説フランス革命\ ジャコバン派の独裁』  この内憂外患を共和政は救えるか?
佐藤賢一 『小説フランス革命\ ジャコバン派の独裁』  この内憂外患を共和政は救えるか? パリのサンキュロットによる食糧暴動(1793年2月25日)から彼らの武装蜂起に至る同年5月31日までの詳細がこの一巻で語られる。バカバカしい党利党略に濃密な政治論が織り込まれて、興味はつきない。 内憂外患なんてなまやさしいものじゃぁない。複雑骨折で身動きができずまさに崩壊寸前のフランス国家である。その右往左往ぶりを笑い飛ばすように、佐藤賢一は革命という大義、あるいは変革という名分に内在する冷酷な本質を暴き出していく。 ...続きを見る

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2013/05/10 16:36
安部龍太郎 『等伯 下』  天下一を目指した男のあらぶる魂が救済をうるまでの波乱万丈
安部龍太郎 『等伯 下』  天下一を目指した男のあらぶる魂が救済をうるまでの波乱万丈 信長、秀吉が天下をとったころ、安土桃山文化である。城郭は単なる軍事施設ではなく、覇者の富と権勢の象徴となった。雄大、壮麗な城郭を装飾する絵画は豪壮にして華麗なものとなり、金碧障壁画が盛んに行われる。その第一人者が狩野永徳であった。下巻は狩野永徳一門と信春(等伯)の命をかける抗争が縦軸になって展開する。 ...続きを見る

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2013/03/23 22:38
安部龍太郎 『等伯 上』 能登の片田舎、一人の絵仏師が天下一の絵師をめざして上洛する
安部龍太郎 『等伯 上』 能登の片田舎、一人の絵仏師が天下一の絵師をめざして上洛する 長谷川信春、後の等伯(1539〜1610)。実父は能登七尾の畠山家の家臣。染色業長谷川宗清の養子となり絵筆の技は養父に習った。長谷川家は法華宗で能登における菩提寺は本延寺。法華関係の仏画、肖像画などを多く手がけた。 20代ですでに絵仏師としても水墨画家としても一地方絵師の限界を超える力量を見せていたのだが、さらに狩野永徳を超える天下一の絵師になりたいとの野心に燃えていた。 ...続きを見る

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2013/03/18 23:13
伊東潤 『義烈千秋 天狗党西へ』 水戸藩はなぜ回転維新の先頭に立てなかったのか。
伊東潤 『義烈千秋 天狗党西へ』 水戸藩はなぜ回転維新の先頭に立てなかったのか。 タイトルの「義烈千秋」には義公光圀と烈公斉昭の志は千秋に続くという意味が込められていると著者は述べている。 「千秋に続く」とは「永遠なれ」であろう。「君が代は 千代に八千代に………」と同意義かな。 ...続きを見る

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2012/11/18 23:52
佐藤賢一 『小説フランス革命[ 共和政の樹立』 革命には流血がつきものだとはいえ………
佐藤賢一 『小説フランス革命[ 共和政の樹立』 革命には流血がつきものだとはいえ……… カバーの装幀画では槍、斧を振りかざした群衆が罵声をあげながら示威行進している。 一人の男が槍先に貴婦人の生首を刺し、これ見よがしに掲げている。 この首はマリー・アントワネットの友人であるランバル大公妃である。 ...続きを見る

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2012/10/13 15:04
佐藤賢一 『小説フランス革命Z ジロンド派の興亡』 いよいよ第二ステージに突入した革命の行方?
佐藤賢一 『小説フランス革命Z ジロンド派の興亡』 いよいよ第二ステージに突入した革命の行方? 長編歴史小説でなお刊行継続中の大作を二つ読んでいる。2007年から始まった船戸与一『満州国演義』は昭和3年から最新刊の昭和16年まで、13年間をたどるのに7巻もかけている。2008年から始まったこの佐藤賢一『小説フランス革命』は1789年から最新刊の1792年まで、わずか3年を同じく7巻もかけて描いている。両者、驚くべき詳述の歴史小説なのだが、飽きることはない。毎度波乱万丈の見せ場があって、次の刊行を待ち焦がれる面白さなのだ。 ...続きを見る

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2012/08/16 16:03
船戸与一 『満州国演義7 雷の波濤』 戦争と人間の狂気を克明に描いた空前の侵略史、ここに頂点を迎える
船戸与一 『満州国演義7 雷の波濤』 戦争と人間の狂気を克明に描いた空前の侵略史、ここに頂点を迎える 昭和十六年。ナチスドイツによるソビエト連邦奇襲攻撃作戦が実施された。ドイツに呼応して日米開戦に踏み切るか、南進論を中断させて開戦を回避するか………。敷島四兄弟が岐路に立つ皇国に見たものとは昭和15年、ドイツがパリを制圧する。日本軍は北部仏印に武力進駐。大政翼賛会の発足。日独伊三国同盟。 昭和16年、日本軍は華北での治安強化を進める。ドイツのバルバロッサ作戦。日ソ中立条約。ドイツのソ連進攻。帝国国策要綱、関東軍特殊演習。南部仏印進駐。ABCD包囲網に対する戦争準備のための帝国国策遂行要領。尾崎秀... ...続きを見る

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2012/08/08 20:58
帚木蓬生 『日御子』 北九州の大地をカンヴァスにして描いた、この夢の楽園に瞠目せよ!
帚木蓬生 『日御子』 北九州の大地をカンヴァスにして描いた、この夢の楽園に瞠目せよ! 邪馬台国の所在をめぐっては、専門家はもとより、松本清張、高木彬光らミステリー界の大御所、郷土研究家を含め喧々諤々の論争は今なお続いています。ロマンあふれる魅力的な謎ですから、帚木蓬生もついに邪馬台国の謎に挑戦したのかと期待を込めて読んでみたのです。  ...続きを見る

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2012/07/05 15:11
吉村昭 『桜田門外ノ変』 史実を丹念に積み上げ、桜田事変の実相に肉薄する歴史小説の傑作
吉村昭 『桜田門外ノ変』 史実を丹念に積み上げ、桜田事変の実相に肉薄する歴史小説の傑作 「桜田門外の変」とは安政7年(万延元年・1860年)、雪降る江戸城お堀端で水戸藩士たちが井伊大老を襲撃し暗殺した事件である………と。それだけでなく安政の大獄、無勅許の開国など独断専行に対する制裁だった………程度は誰もが知っている著名な事件である。 先日出会った山田風太郎『魔群の通過』はその4年後の1864年の天狗党の乱であったが、このとき茨城県生まれの私は「幕末期の水戸藩とは一体なんであったのか?」との興味にとらわれてしまった。 本著は桜田事変の襲撃現場の指揮者・関鉄之助を主人公にして、そ... ...続きを見る

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2011/11/02 13:33
山田風太郎 『魔群の通過』  鬼才風太郎が水戸天狗党の乱を描いた異色の傑作歴史小説
山田風太郎 『魔群の通過』  鬼才風太郎が水戸天狗党の乱を描いた異色の傑作歴史小説 水戸の内戦は、まことに酸鼻なものでございました。内戦とはそれまでまったく隣人友人としてつき合っていた人間たちが敵味方に分かれて、同じ国の中で、いくさと言える時間と規模で相たたかうものであります。そもそも日本において内戦という状態にあるいくさは、元治元年の水戸内戦以外にはないのではござりますまいか。「魔群」のタイトルイメージからは忍者群の話と誤解されそうだが天狗党のこと。山田風太郎の作品群にあって、おそらくポピュラーなものではない。しかも水戸天狗党の乱の詳細を追ったシリアスな歴史小説で著者の作... ...続きを見る

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2011/10/03 00:20
辻原登 『韃靼の馬』 朝鮮通信使外交を詳述する歴史ロマンの傑作
辻原登 『韃靼の馬』 朝鮮通信使外交を詳述する歴史ロマンの傑作 李朝朝鮮とわが国の歴史的な外交制度である朝鮮通信使について、私が知ることになったのは2003年に荒山徹の伝奇小説『魔岩伝説』読んだ時だった。現在、わが国と朝鮮との間には様々な緊張関係にあるのだけに、対等な善隣関係を前提にした通商・文化の交流という重要な史実を知らなかったことはショックであった。どうして教科書にはのっていなかったのだろう。私たちが知っておくべき歴史のはずだとつくづく思うのである。………徳川家康の求めに応じて日本と国交を回復し、1609年には己酉(きゆう)約条を結んだ。朝鮮からは... ...続きを見る

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2011/09/02 23:11
高橋克彦 『風の陣 裂心篇』  「裂心篇」は大長編の歴史ドラマの完結篇だが独立した小説として読もう。
高橋克彦 『風の陣 裂心篇』  「裂心篇」は大長編の歴史ドラマの完結篇だが独立した小説として読もう。 もはや戦いを防ぐ手立てはない………。蝦夷の雄・鮮麻呂に決起のときが!陸奥の黄金を求め、牙を剝く朝廷に対し、蝦夷の首長・伊治鮮麻呂が起ち上がる。狙うは陸奥守の首ひとつ!北辺の部族の誇りを懸けた戦いを描くシリーズが、ここに幕を降ろす。 第4巻まで続いた『風の陣』もこの第5巻「裂心篇」でいよいよ完結だ。 全体の構成は大和朝廷が統一国家の中に広大な陸奥の地を編成しようとする征服のプロセスであり、その征服に抗う蝦夷たちの闘争の物語である。振り返れば当初は蝦夷出身の道嶋嶋足が中央政権で立身... ...続きを見る

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2011/07/24 16:51
船戸与一 『満州国演義6 大地の牙』 昭和13〜14年を多面的に描出した迫真の侵略ドラマ
船戸与一 『満州国演義6 大地の牙』  昭和13〜14年を多面的に描出した迫真の侵略ドラマ 第5巻が出版されて2年余りが経過した。この間に目先を変えた『新・雨月』を上梓したものの、どうなっているかと心配していたが、なるほど、これだけの豊富な素材を緻密に組み立てるにはそれだけの時間が必要だったのだと思わせる、期待を裏切らない第6巻だ。 満州クロニクル、大陸侵略史の断面。昭和13年〜14年を750枚のボリュームで多面的にとらえ、迫真のドラマにしている。 密度の高い2年間なのであり、劇的なエピソードもふんだんに披露されるのだが、何よりも私は史実の大筋についてすら「何も知らなかった... ...続きを見る

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2011/07/17 18:11
安部龍太郎 『葉隠物語』 今、武士道が見直されている??? 小説好きの読者向け、葉隠れ入門書
安部龍太郎 『葉隠物語』 今、武士道が見直されている??? 小説好きの読者向け、葉隠れ入門書 「葉隠」については詳しくない。ただ、その語感にはつつましさに潜む熱い思いがある。いつのまにか失ってしまった日本人の美徳を象徴しているようで、引きつけられるところだ。時代小説では葉室麟が描いた『いのちなりけり』にあった葉隠には共感するところが多かった。 ところが一方で、最近評論家の語るあるべき国家論やあるべき日本人論のなかに、よくこの葉隠精神をみかけるのだが、そこにはなんとなく胡散臭いものを感じるのだ。どうやら現代人の立場からは適当につまみ食いができるあいまいな主張の寄せ集めのようで、興... ...続きを見る

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2011/05/20 20:45
高橋克彦 『風の陣4 風雲篇』 「義」によって結ばれた男たちのそれぞれの陸奥
高橋克彦 『風の陣4 風雲篇』 「義」によって結ばれた男たちのそれぞれの陸奥 国家とは?国民とは?政府とは?地方自治とは?こんな風に日本列島を眺める人はいなかった時代のことだ。ここに、あえて近代的国家観を持った男たちを投じ、悪戦苦闘させるのがこの小説の面白さである。けれども東北地方をどうまとめるかとなれば、この時期である、重苦しくなるのは私だけではないだろう。宇佐八幡の託宣を持ち帰った和気清麻呂によって、皇位を狙った道鏡の野望は阻止された。道鏡を寵愛した称徳女帝も重病に臥し、この機に乗じて藤原一族が復権をかけて動き始める。 だが新たに即位した光仁天皇は藤原一族を牽制... ...続きを見る

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2011/04/16 17:37
松本清張 『天保図録 下』 現代を髣髴とさせる権力群像に瞠目!
松本清張 『天保図録 下』 現代を髣髴とさせる権力群像に瞠目! 『天保図録 上』で登場し、鳥居耀蔵の手下どもを散々やり込めた颯爽の旗本・飯田主水正とその仲間たちの活躍はなりをひそめる。 ...続きを見る

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2010/12/18 22:22
高橋克彦 『風の陣 3 天命篇』 怪僧・道鏡打倒の秘策は?
高橋克彦 『風の陣 3 天命篇』 怪僧・道鏡打倒の秘策は? 恵美押勝討伐の功で破格の昇進を遂げ、勲2等まで授けられた牡鹿嶋足は、しかし実際には閑職に追いやられた。嶋足を陸奥守にして蝦夷の平穏を確保しようとする物部天鈴らの企ては実現しそうもない。 朝廷内で高位の官位をえた嶋足は奥州の安定よりも官人としてむしろ中央政権に国家安泰の政治を期待しているのだが、権力抗争に明け暮れる朝廷には天皇皇族にも有力豪族内にも彼が忠節を尽くすべき中心人物が不在である。 この悩み多きインテリの嶋足に対して、物部天鈴は奥州支配へのパワーを分散させるためにさらに中央の混... ...続きを見る

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2010/11/28 18:04
高橋克彦 『風の陣2 大望篇』 なんと 主人公・牡鹿嶋足は史実の人・道嶋嶋足だった 
高橋克彦 『風の陣2 大望篇』 なんと 主人公・牡鹿嶋足は史実の人・道嶋嶋足だった  牡鹿嶋足は「橘奈良麻呂の変」鎮圧に大いに功績があったものの、あえて表舞台に立とうとしなかったため、彼を陸奥守に出世させたいともくろむ物部天鈴からみれば大いに不満があったが、それでもこの第2巻の冒頭で、天皇の身辺警備を務める授刀衛(じゅとうえい)として「従7位下」の位階を授かっている。さらに本巻の最終では「従4位下」に昇格する。だが私には獣扱いに蔑視されていたという蝦夷(えみし)が朝廷内で官人として昇進できるのだろうかと割り切れない気持ちがあった。 『火怨』の主人公であったアテルイが実在の人... ...続きを見る

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2010/11/21 18:49
高橋克彦 『風の陣 1 立志篇』 蝦夷が仕掛ける朝廷内の権力抗争
高橋克彦 『風の陣 1 立志篇』 蝦夷が仕掛ける朝廷内の権力抗争 高橋克彦の歴史・時代小説では2000年に読んだ『火怨』のインパクトは忘れられない。平安遷都(794年)のころ東北制覇を狙う朝廷10万の大軍を迎え撃つ1万5千の蝦夷。その族長、若きアテルイらの活躍と戦闘シーンの連続に興奮し、権力に飲み込まれるものたちの誇りと敵将・征夷大将軍坂上田村麻呂との交誼には忘れがたいものがあった。 『風の陣』は1995年に単行本として第1巻が刊行され、最近、「裂心篇」で完結した。『火怨』とおなじ蝦夷の物語で、かなり前から読みたいと期待していた作品である。これを機会に手... ...続きを見る

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2010/11/20 10:17
佐藤賢一 『小説フランス革命Y フイヤン派の野望』 主戦か戦争回避か 国内世論は真っ二つ
佐藤賢一 『小説フランス革命Y フイヤン派の野望』 主戦か戦争回避か 国内世論は真っ二つ 第X巻『王の逃亡』で描かれた国王ルイ16世の亡命未遂事件(バレンヌ事件)の後始末を巡りジャコバンクラブは大分裂する。国王の廃位を求めるロベスピエールは国会の議論では勝ち目が薄いと見て、デムーラン、ダントン、ペティオンらとともにジャコバンクラブの名の下に全国的に署名活動を展開する決議を企てる。ところがその当日、バルナーブ、デュポール、ラメトの三頭派やラ・ファイエットら89年クラブの連中はジャコパンクラブを離脱し、大連合してフイヤン派を結成する。議会で多数を占めたフイヤン派はバレンヌ事件では王は... ...続きを見る

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2010/11/08 23:24
松本清張 『天保図録 上』 鳥居耀蔵がたくらむ天保の改革とは、清張初期の本格歴史小説
松本清張 『天保図録 上』 鳥居耀蔵がたくらむ天保の改革とは、清張初期の本格歴史小説 『天保図録』は1962年(昭和37年)から1964年(昭和39年)まで「週刊朝日」に連載された作品である。『天保図録』は水野忠邦がいわゆる天保の改革を着手する前夜(1841年)に政敵となる中野石翁・水野美濃守一派を追放した『かげろう絵図』の終わりから始まっている。 いっけん『かげろう絵図』の延長かと思われるが『かげろう絵図』が色と欲で権勢を誇るものを打ち負かす大衆時代小説の趣が濃い作品であったのに対して、『天保図録』は天保改革(1841年〜1843年)そのものを描き、商品経済の発展について... ...続きを見る

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2010/11/01 23:45
船戸与一『新・雨月 戊辰戦役朧夜話』 奥羽越列藩同盟の戦ぶりを詳述
船戸与一『新・雨月 戊辰戦役朧夜話』 奥羽越列藩同盟の戦ぶりを詳述 船戸与一の大長編、『満州国演義』は昨年1月の第5巻までで、その続巻は未完である。実は第1巻『風の払暁』のプロローグは戊辰戦役中、会津・鶴ヶ城の落城シーンであった。城下の武家屋敷に侵入した長州武士がその家の夫人に乱暴狼藉。彼女が汗の臭い男の下になりながら、、生き抜いて復讐を誓う凄絶な場面がある。だから『満州国演義』には会津人の長州人への恨みがどこかで登場するもの思っていたのだが、今のところその気配はない。ところが一足飛びにこの新作・戊辰戦役朧夜話となったようだ。 ...続きを見る

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2010/08/07 23:55
司馬遼太郎 『竜馬がゆく 5〜8』 NHK大河ドラマを3倍楽しむために
司馬遼太郎 『竜馬がゆく 5〜8』 NHK大河ドラマを3倍楽しむために この大長編小説の後半です。1864年(元治元年)の池田屋騒動から1867年(慶応3年)大政奉還までの4年の幕末史が詳細に描かれます。密度の高い4年間でした。わたしの鞍馬天狗・正義の人に直結する尊王攘夷論がいい加減であったのは仕方なかったことで、なるほど「尊王」「攘夷」「倒幕」「開国」「佐幕」という思想の思惑は当時は百人百様であったということがこれでようやく理解できました。そして坂本竜馬は30歳から34歳のこの短い時間に新しい歴史の流れを作り上げる大事業をほとんど単身でおこなうのであるからこれ... ...続きを見る

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2010/07/25 22:24
司馬遼太郎 『竜馬がゆく 1〜4』 NHK『龍馬伝』を超えた面白さがあった。
司馬遼太郎 『竜馬がゆく 1〜4』 NHK『龍馬伝』を超えた面白さがあった。 新聞連載の後、昭和41年に刊行された司馬遼太郎の初期の作品です。司馬遼太郎の著作は『梟の城』『国盗り物語』『新撰組血風録』『項羽と劉邦』は面白く読んだのですが、『翔ぶが如く』や『空海の風景』となると西郷隆盛、空海の評伝のようで、なるほどと勉強にはなったがロマンとしてわくわくするところがありませんでした。今のところ司馬遼太郎の代表作といわれる『坂の上の雲』も日露戦争論のように思えて読む気持ちになれません。 ...続きを見る

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2010/07/04 23:11
帚木蓬生 『水神』 平成という時代が生んだ新・義民伝説
帚木蓬生 『水神』 平成という時代が生んだ新・義民伝説 百姓は死なぬように生きぬように考えて年貢を取れと家康が語ったという。 また胡麻の油と百姓は絞れば絞るほど出るものなりという言もあります。 国の礎といわれる農民に対する領主の苛斂誅求と同時にどん底にあえぐ農民の暮らしが端的に語られ、記憶に残る言葉です。 ...続きを見る

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2010/06/30 23:34
沖方丁 『天地明察』 日本人の手による初めての改暦 新機軸満載の傑作歴史小説
沖方丁 『天地明察』 日本人の手による初めての改暦 新機軸満載の傑作歴史小説 しっかりした史実のキャンパス上に、著者の創造力による個性を生き生きと描出するのが傑作といえる歴史小説でしょう。歴史の中でよく知られた人物を取り上げた傑作は数多くありますが、ほとんど知られていない人物にスポットライトをあてる作品もあります。この作品は後者のほうなのではないでしょうか。 ...続きを見る

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2010/06/10 22:13
佐藤賢一 『小説フランス革命X 王の逃亡』 夜逃げの憂き目にあった国王ルイ16世のぼやきを傾聴する
佐藤賢一 『小説フランス革命X 王の逃亡』  夜逃げの憂き目にあった国王ルイ16世のぼやきを傾聴する ミラボーが死んだ。 ルイ16世にしてみればその喪失感は大きい。立憲君主制を主張し、王の権利を擁護する立場を頑として譲らなかった男。彼のあとに信頼できる政治家はいない。議会は王の存在をないがしろにする。パリ市民ももはや王家に対する敬慕の念を捨て、罵詈雑言をあびせ、威嚇的振る舞いに及ぶ。 ...続きを見る

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2010/04/18 23:09
五木寛之 『親鸞』 「善人なほもて往生をとぐ いはんや悪人をや」とはいったいなんなんだ?
五木寛之 『親鸞』 「善人なほもて往生をとぐ いはんや悪人をや」とはいったいなんなんだ? 「とにかく面白い」との宣伝文句に引かれて手に取ったのですが、期待をこえてとにかく面白い作品でした。五木寛之の作品を読むのはこれがはじめて。著者は最近では仏教に関心を深めた著作、紀行活動が盛んなようで抹香くさい小説かなと思っていたものでしたが、スリリングな場面の連続で、終始、伝奇風時代小説を読むような疾走感を味わうことができました。 ...続きを見る

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2010/01/29 23:43
佐藤賢一 『小説フランス革命W 議会の迷走』  ミラボーという男、政治家としての怪物ぶりが圧巻である
佐藤賢一 『小説フランス革命W 議会の迷走』  ミラボーという男、政治家としての怪物ぶりが圧巻である この第4巻は1790年8月から1791年4月まで、この短期間の革命路線の大混乱振りを濃密に描いている。 死を迎えつつあるなかで夢と現実に折り合いをつけながら、しかもおのれの野心を貫こうとするミラボーの執念。彼の剛腕ぶりはひどく泥臭いものであるが充分に魅力的であり、まさに大政治家としての面目躍如である。 特に現下の日本、政権交代後の政治の混迷を毎日のように見せつけられていると、こういう大悪党としての政治家の登場は望むべくもないと痛感させられる。 ...続きを見る

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2010/01/23 22:34
天野純希 『青嵐の譜』 庶民の視線で描いた蒙古襲来 異色の歴史小説
天野純希 『青嵐の譜』 庶民の視線で描いた蒙古襲来 異色の歴史小説 元寇という歴史上の大事件を鎌倉幕府と朝廷の確執、あるいは得宗専制体制の確立など中央政権からみた小説はあるのかもしれない。本著は壱岐、博多で暮らす庶民や土着の武人の視線で元寇を描いた異色の歴史小説である。 ...続きを見る

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2009/11/24 00:22
橋本由子『上州島村シルクロード 蚕種づくりの人びと』 本格歴史小説として完成された児童文学の傑作
橋本由子『上州島村シルクロード 蚕種づくりの人びと』 本格歴史小説として完成された児童文学の傑作 老人保健施設へ入所して無人になっていた母の留守宅をかたづけていたとき、八月に届いて未開封のままにあった小包をみつけた。つい先日のことだ。小包には本著が収まっていて、父の霊前へ供えていただきたいと橋本由子さんの添え書きがあった。著者の橋本由子氏は「この作品は、実在した田島啓太郎氏をモデルにして長い年月をかけて書き上げました。」とあとがきで述べている。あとがきには手に余る題材を前にした著者へ私の父がユニークで面白いからあきらめないようにと励ましたことが触れられていた。そうだとすると上梓するまでの... ...続きを見る

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2009/11/12 23:31
塚本青史 『飛将軍 李広』 遅れてきた英雄の悲劇
塚本青史 『飛将軍 李広』 遅れてきた英雄の悲劇 中国前漢の武将。匈奴と戦い功績があり、武帝の時、北平太守となった。匈奴は恐れて飛将軍と呼び、その領地には進攻しようとしなかった。前119年没。(日本国語大辞典より) ...続きを見る

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2009/10/31 00:55
下川博 『弩』 楽しく読めて深みのある歴史小説
下川博 『弩』 楽しく読めて深みのある歴史小説 「弩」とは。古代中国で開発された弓の一種。宋代に改良され戦場での主力兵器となる。西洋ではクロスボート呼ばれ、強力な破壊力と命中精度で重装騎兵を駆逐。日本では奈良大和朝廷が採用、律令国家の基本装備となるも、鎌倉時代以降は鍛錬のいらない操作性故か、日本の侍の武器たりえなかった。 これは、その弩を手にした因幡の百姓たちの物語である。時代は14世紀、南北朝時代の初期にあたる。因幡国(鳥取県東部)智土師郷(ちはじごう)。 ...続きを見る

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2009/09/11 22:47
佐藤賢一 『小説フランス革命V 聖者の戦い』 大政治家の奥の手 「魔法」とはなにか?
佐藤賢一 『小説フランス革命V 聖者の戦い』 大政治家の奥の手 「魔法」とはなにか? 革命の中で宗教はどういう目にあったのだろう。軍事力は実際にはだれの手にあったのだろう。さらに聖職者と軍隊と王権がどのように絡み合っているのか。第一巻、第二巻はそんな疑問が消化不良のままにあったが、私の期待に応えるかのようにこの第三巻で佐藤賢一はちゃんと押さえてくれていた。しかも引き続きドラマティックな語りである。 ...続きを見る

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2009/05/31 18:14
佐藤賢一 『小説フランス革命U バスティーユの陥落』 早くもクライマックスが訪れる第二巻
佐藤賢一 『小説フランス革命U バスティーユの陥落』 早くもクライマックスが訪れる第二巻 民衆の鬱屈したエネルギーは発火点に達し、ついに燃え上がる。それは旧体制打破の革命を牽引する快挙か?革命を封じ込める旧体制に都合のいい口実を与える愚行か。大衆は政治舞台の主役になりうるのか。民意とは? 政治は民意を反映できるのか?現代に通じるこの葛藤の構図を佐藤はミラボーに託して語りかける。 ...続きを見る

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2009/05/27 13:45
佐藤賢一 『小説フランス革命T 革命のライオン』 久々のヨーロッパ歴史ロマンの大作だ。
佐藤賢一 『小説フランス革命T 革命のライオン』 久々のヨーロッパ歴史ロマンの大作だ。 フランス革命を描く全十巻の大作だ。 ...続きを見る

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2009/05/24 16:15
西木正明 『ウェルカムトゥパールハーバー下』  リメンバーではないよ。ウェルカムトゥパールハーバー!
わが国がアメリカの一方的戦略に乗りやすい体質だとはかねがね思うところなんだが、真珠湾もそうだったんですよと言われても、それは素直には受け入れられないなぁ。 三国同盟の結成で無謀な覇権争いに関与した日本。そこに仕掛けられた巨大な罠。激烈な諜報戦の果てに、真珠湾の奈落が待っていた。この作品の骨格は真珠湾奇襲による太平洋戦争勃発は日本側の積極的作戦ではなく、イギリスが仕掛けた罠に日本がまんまと引っかかった結果だとしているところである。「奈落」か。そうか日本は被害者だったんだ? 日本を戦争へと導... ...続きを見る

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2009/04/26 18:28
西木正明 『ウェルカムトゥパールハーバー 上』 太平洋戦争勃発前夜の外交秘話として楽しめる。
プロローグはチャーチルの祝杯だ。 「諸君、日本がハワイを奇襲攻撃した。永らく我々が待ち望んだ状況になった。周到に練られたトレチャラスアタックだ。アメリカは間違いなく日本に宣戦を布告する。それは同時にヨーロッパ戦線に参入することを意味する。」 ...続きを見る

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2009/04/19 17:10
船戸与一 『満州国演義5 灰塵の暦』 佳境にはいる大陸侵略のドラマ
暴走した理想が、地獄の扉を開く中国大陸侵略のドラマも南京虐殺を描いたこの巻でようやく佳境をむかえた感がある。 ...続きを見る

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2009/03/29 23:30
諸田玲子 『美女いくさ』 信長の妹・お市の方の末娘 小督の波乱の生涯
幼くして三度の落城に遭遇し、三度の婚姻を強いられた女性・小督(おごう)。織田信長の妹・お市の方が浅井長政との間になした末娘、小督の生涯をたどっている。同時に信長・秀吉・家康が天下取りのため必要であった政略結婚の系譜を俯瞰している。これほど徹底していたのかと驚くことになったのだが、婚姻とは政略以外のなにものでもないことを痛感させられた。そして手駒にさせられた女たちが、それでも、それぞれに生き抜こうとする。この多彩な人間模様が読者を魅了する、出色の時代小説である。 ...続きを見る

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2009/01/12 01:02
藤沢周平 『密謀』 これはもう一人の直江兼続 『天地人』と読み比べる。
NHKの来年の大河ドラマは直江兼続だが火坂雅志『天地人』と読み比べるのもいいだろう。 謙信以来の精強を誇る東国の雄・上杉で主君景勝を支えるのは、二十代の若さだが知謀の将として聞こえる直江兼続。本書は兼続の慧眼と彼が擁する草(忍びの者)の暗躍を軸に戦国の世の盛衰を活写した興趣尽きない歴史・時代小説である。 来年のNHK大河ドラマの原作になっている火坂雅志 『天地人』を読んだ直後に友人から直江兼続なら藤沢周平も書いていると本著を紹介された。藤沢周平の作品は映画やテレビドラマではよく観ているが... ...続きを見る

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2008/11/11 23:07
池上永一 『テンペスト』 琉球王朝の大奥、豪華絢爛の女の争い!
読む前に、私はこの作品が琉球王朝の末期を舞台にした本格的歴史小説だと思っていました。 琉球の歴史を知らないので百科事典で小当たりしたところ、琉球王朝は1372年から1879年までの約500年間続いた独立国家でした。中国、日本、朝鮮、東南アジアの文化を摂取し、琉球古来の文化に立って創造された独自の性格を持つ文化圏です。王宮首里城のある首里には多くの建造物が建てられ,琉球文化の華を開かせました。王朝の経済的基盤は王の経営する国家貿易です。琉球船は自国産の品物に加えて豊富な中国産品を積み、日... ...続きを見る

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2008/10/16 17:24
飯嶋和一 『出星前夜』  怒涛の迫力で描く島原の乱
歴史小説の新刊をいくつも読んでいるのだが、ここ数年で最も手ごたえを感じることになった作品だ。おそらく後世にまでその名を残す歴史小説の代表作といえるのではないか。 島原の乱といえば天草四郎であり、キリシタン信仰であり、禁教令に反抗した宗教一揆と、その程度の知識でしかなかった。 島原の乱とはなんだったのか? 著者はその根源にさかのぼる。確立の途上にある幕藩体制。その新たな秩序にどうしても耐え切れない地方の生活者。両者の基本的対立の構図が見えてくる。 また蜂起から全滅にいたる攻防の4ヶ... ...続きを見る

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2008/09/25 23:58
火坂雅志 『天地人』 2009年NHK大河ドラマの原作。傑作の歴史小説
輝虎(謙信)公の曰く、天の時、地の利に叶い、人の和ともに整いたる大将というは、和漢両朝上古にだも聞こえず。いわんや、末代なおあるべしをも覚えずなるほどこういう為政者は今日まで出現したためしはない。 ...続きを見る

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2008/09/15 16:58
和田竜 『忍びの国』 手抜きの歴史小説
 『のぼうの城』が大ブレークし、出版社から第二作を急かれたために、ついつい詰の甘い作品になってしまったというところか。 ...続きを見る

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2008/09/07 23:34
船戸与一 『満州国演義4 炎の回廊』 日本の夏は大陸に残した残酷な爪あとを省みるべき季節である。
日本の夏は、愚直に平和を祈念する季節である。その素朴な祈りの心を持って大陸に残した残酷な爪あとを省みるべき季節である。 ...続きを見る

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2008/08/10 19:41
和田竜 『のぼうの城』 埼玉県行田市が仕掛けたか?これぞ町おこしの隠し玉
埼玉県に住んでいながら、この物語の舞台となった忍城(おしじょう)と城主であった成田一族についてはほとんど知らなかった。戦国時代を描いた数々の歴史小説でもこれを取り上げたものはあまりないのかもしれないと興味津々として読み始めた。それにしても「忍城」といい別名「浮き城」といい、城攻めが難しい秘密の仕掛けを用意した忍者屋敷のようで、いかにも冒険とロマンにあふれている。この作品はまさにその雰囲気そのままに波乱万丈であった。 ...続きを見る

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2008/06/25 15:55
火坂雅志 『臥竜の天』 地方からの天下簒奪
来年のNHK大河ドラマ、火坂雅志『天地人』は直江兼続を主人公にしている。伊達政宗はこの直江兼続のライバルだったようで火坂雅志は『天地人』を書きながらこの作品の構想を思いついたのだそうだ。臥竜が天を目指す。正宗の特異な地方性と微妙な時代性を詳細に描き出した傑作の歴史小説だ。 隻眼異相の武将、徳川幕府から一目置かれた雄藩大名。伊達男・伊達者という言葉、これは政宗が好んだ豪華絢爛の気風に由来するものだ。実はこの程度の知識しかなかった。これまで読んだ戦国期の歴史小説はたいがいが信長から秀吉をへて家... ...続きを見る

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2008/04/27 14:45
船戸与一 『満州国演義3 群狼の舞』 船戸与一が冷酷にあぶりだす人間性悪の極限図。
人の性は悪にしてその善なる者は偽なり。人間の本性には生まれつき利益を追求する傾向があり、それに従ってゆくから、他人と争いになって譲り合うことがなくなるのである。また生まれつき嫉んだり憎んだりする傾向があり、それに従ってゆくから、他人を害するようになって誠心の徳がなくなるのである。(荀子 性悪篇) ...続きを見る

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2008/03/29 16:57
船戸与一 『満州国演義2 事変の夜』 「本格歴史小説」の名著である。
昭和5年1月、浜口雄幸内閣が金解禁を実施したことにより日本は世界大恐慌の直撃を受ける。農民、都市労働者の窮乏、深刻化する国民生活。4月に締結したロンドン軍縮条約を政友会の犬養毅、鳩山一郎が統帥権干犯として議会で追求。軍部は将来の国家総力戦準備として、満州の鉄、石炭などの資源獲得を緊要とするとともに、最大の仮想敵国であるソ連との戦争に備えるために南満州の確保を必須とした。さらに朝鮮統治の安定、大恐慌下の社会的不安の鎮静や人口問題の解決などのためにも、満蒙問題の解決が必要であると高唱されるように... ...続きを見る

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2008/03/12 17:07
船戸与一 『満州国演義1 風の払暁』 圧倒的迫力で描かれる昭和激動史
船戸与一の作品では『蝦夷地別件』、「滅びの残酷史」というべき最高傑作があったが、この第一巻、『蝦夷地別件』に匹敵する、あるいはこれを超えるかもしれないと期待させられる大長編の幕開けである。 ...続きを見る

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2008/03/03 23:09
浅田次郎 『中原の虹』 傑作『蒼穹の昴』の続編。待ちに待った全四巻を読み終えて
新国家建設に混迷する中国大陸。民の平安のために!と張作霖は燃える。彼を新しい英雄にしようとする浅田次郎の着想は成功しただろうか。 ...続きを見る

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2007/12/15 02:13
竹田真砂子 『桂昌院 藤原宗子』 寂しさを気づけなかった女の激烈な一生
桂昌院 1627‐1705(寛永4‐宝永2) 3代将軍徳川家光の側、5代将軍綱吉の生母。関白二条光平家司本庄宗利の養女。名は宗子。秋野、お玉の方と称す。家光側室六条有純の女お梅の方の縁で江戸へ下り、家光の寵をうけて綱吉を生む。1680年(延宝8)綱吉が将軍となって後、江戸城三丸に住み、三丸殿と称された。綱吉の厚い孝敬をうけ、1702年(元禄15)従一位に昇り、また弟本庄宗資をはじめその一族中幕臣として栄進する者も多かった。深く仏教に帰依し、僧亮賢、隆光等を信頼し、そこから生類憐みの令を極... ...続きを見る

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2007/06/20 22:30
司馬遼太郎 『項羽と劉邦』 山本勘助なんて小さい小さい!
NHK大河ドラマ『風林火山』がおもしろい。雀荘で臨卓から「あれでは原作のよさがまるで感じられない」との声があった。井上靖は読んでいないのでなんともいえないのだが山本勘助のいかにもワルなところを非情なタッチで描いている。虫酸がはしると感じる視聴者があっても不思議ではない。すくなくともこれまで放映されたところでは卑怯な謀が上首尾に仕上がったところで、顔を伏せてにやりとするところなど、NHKらしくもない凄さがある。 若い頃から諸国を遍歴し、各地の地勢、民力、領主の資質を総合的に把握し、軍略や築城... ...続きを見る

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2007/04/16 18:47
諸田玲子 『奸婦にあらず』 幕末の激動に身を投じた女の真心とは
読み終えて、古地図を重ねながら現在の地図を眺めてみた。彦根藩主井伊家の上屋敷は桜田濠に面して現在の憲政記念館と国会前庭の洋式庭園を含む広大な屋敷だった。警視庁、警察総合庁舎一帯に豊後杵築藩邸があり、藩邸前を左に折れると外桜田門にいたるのだが、水戸浪士の襲撃はその直前、杵築藩邸前、有楽町線桜田門駅辺りが現場だったようだ。地図を片手に、主人公・たかはここで籠から引き出される井伊直弼の血塗られた体を目撃し、絶叫したのかと思いやる。 ...続きを見る

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2007/03/12 23:35
司馬遼太郎 『空海の風景』 空海とはなんだったのだろう。空海の風景からその実体に迫る。
5年ほど前のことだ。すでに経験のある友人に誘われて秩父三十四ヶ所の霊場巡礼をしたことがある。延5日の行程であったが未知の経験だけに忘れられないいろいろな印象があった。白装束を着衣したかなり本格的な詣だった。 秩父花巡礼の記録 空海に関連することでは菅笠に「同行二人」と書かれているのだがそれが「弘法大師とともに」をさすことなどそのときはわからなかった。ひとつひとつの霊場で般若心経を誦する。般若心経の解説を読めば形而上的な宇宙観・世界観の思考体形の一部、勘どころを繰り返し述べた大衆向けの... ...続きを見る

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2007/02/04 17:44
浅田次郎 『蒼穹の昴』  目下刊行中の 『中原の虹』を読む前に再読しておく価値はあった。
この続編だと思われる『中原の虹』を読む前に再読しておく価値はあった。浅田次郎初期の大傑作。 ...続きを見る

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2006/12/02 18:33
北方謙三『水滸伝』文庫本化されました。
時は北宋の末期、最後の皇帝徽宗治下。政治のことは宰相の蔡京にまかせて,日夜遊興にふけり,書画骨董の収集に熱中し,豪壮な宮殿,庭園,道観等を造営したりして,莫大な金銭を使った。その穴埋めのために,蔡京はあらゆる手段を用いて誅求を行い,人民を苦しめたので,浙江の方臘(ほうろう),山東の宋江はじめ各地で反乱が勃発し,政府はその鎮圧に手をやいた。この史実を背景に108人もの英雄・豪傑が腐敗した国家転覆のために勇壮無比の戦いを挑みやがて破れていく大長編口語小説がいわゆる水滸伝である。施耐庵と羅貫中によって... ...続きを見る

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2006/11/27 07:58
吉村昭氏の死と長英の死 二つの死の容に思うこと
7月31日に他界された吉村昭さんの死の直前の模様が報道された。点滴の管と静脈に埋め込まれたカテーテルポートを自ら引き抜いた覚悟の死だった。病床に伏したときから延命治療を拒否していた。病院から自宅に戻っていたのだそうだ。 夫人の津村節子さんは 「家にいたからこそ、自分の死を決することができてよかったと思う」 と述懐しておられた。 ...続きを見る

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2006/08/29 20:27
吉村昭 『長英逃亡』 氏の逝去に哀悼の意を表しつつ
日立デジタル平凡社 世界大百科事典 高野長英 1804‐50(文化1‐嘉永3) 幕末の蘭学者。名は譲、のち長英、号は瑞皐(ずいこう)。陸奥水沢の生れ。幼いころ父と死別し、母方の叔父高野玄斎の養子となる。1820年(文政3)江戸に出て蘭医吉田長淑に学び、25年にシーボルトをしたって長崎に留学。シーボルト事件が起こるといち早く姿をくらまし,30年(天保1)江戸に戻って鵬町貝坂で開業、かたわら生理学の研究に従事し,32年に《西説医原枢要》6巻を著した。この年渡辺崋山を知り,蘭書を翻訳して崋山... ...続きを見る

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2006/08/27 20:56
吉村昭 『破獄』 去る7月31日、吉村昭さんが他界された。79歳であった。
日本の夏は死者を追憶する季節でもある。そして戦争の悲惨を語る季節でもある。 ...続きを見る

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2006/08/08 07:20
吉村昭 『破獄』のモデルは?
この小説を読んでいて主人公佐久間清太郎の叙述があまりにも真に迫っているからモデルがいてもおかしくないのだが、五寸釘の寅吉ではないことがわかったので吉村氏の創造かと思い始めていました。 ところがそうではなくやはりモデルがいることがわかりました。 ...続きを見る

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2006/08/07 12:08
去る、7月31日、作家・吉村昭さんが他界された。ご冥福をお祈りします。網走刑務所のこと
朝日新聞 戦艦武蔵」など綿密な取材に基づく記録文学から、「天狗(てんぐ)争乱」などの歴史小説まで幅広い作風で親しまれた作家の吉村昭(よしむら・あきら)さんが31日、膵臓(すいぞう)がんのため死去した。79歳だった。葬儀は親族のみで行い、後日「お別れの会」を開く予定。 私は氏の作品は『敵討』しか読んだことがなかった。 吉村昭『敵討』はこの武士道の悲惨と空虚をドキュメンタリー風に、感情をいれず淡々と叙述することでむしろ読後の感銘を深くさせている。 この著書には「敵討」「最後の仇討」の中篇... ...続きを見る

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2006/08/07 09:50
加藤廣 『秀吉の枷』 成り上がりものの悲哀
加藤廣氏は2005年『信長の棺』でデビュー、75歳と言う高齢のベストセラー作家の誕生に驚いた。『信長の棺』は小泉首相の愛読書だと喧伝が先行していた作品だった。小泉さんの愛読となればそれなりに成功した政治家の特別の関心事でも書いてあるのだろうと、好みの小説だとは思えずまだ読んでいない。 ...続きを見る

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2006/07/28 08:44
西木正明『間諜二葉亭四迷』につき蛇足のひとこと
西木正明のノンフィクション・ノベルに限らず歴史小説、時代小説、伝奇小説など一般的に知られる史実と、作者の想像である虚構が入りくんだ作品を読むと虚実の境目を知りたくなってくるものです。それからたとえば「二葉亭四迷」が登場すると、著名人だけに私がほとんど知らない人物であるからちょっと恥ずかしい気持ちもあって予備知識を仕入れたくなることもあります。 そのときは百科事典がいちばん参考になるのですが、利用するにあたりあまり簡便とは言えません。これは従来の書籍タイプではなくデジタル化したものがはるかに優れ... ...続きを見る

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2006/03/17 12:57
西木正明 『間諜 二葉亭四迷』 あの文豪がスパイだった!!??
たとえば『冬のアゼリア 大正十年・裕仁皇太子拉致暗殺計画』、『一場の夢 二人の「ひばり」と三代目の昭和』など西木正明の作品は実名が入ったセンセーショナルな副題に目を奪われるのだが、この作品は本題からして『間諜 二葉亭四迷』、あの文豪がスパイだったのかとギョッとさせれらます。 著者の得意とする歴史秘話にあたるが、この作品は日露戦争における陸軍の謀略工作を背景としている。 ...続きを見る

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2006/03/15 10:16
佐藤賢一 『カポネ』 なんとしてでもアメリカ人になってやる。「下流社会」より抜け出ようとした若者。
「悪の権化」、カポネ。「法の守護神」、ネス。なんとしても「アメリカ人」になりたい!「下流社会」からの飛翔のエネルギーをたぎらせ二人のアメリカ人は大物への道を驀進する。アメリカンドリーム! 善悪を超越し、旧弊を壊して若者はひらすら疾駆する。大衆の熱狂はそのかっこよさに声援をおくる。時代の寵児。しかし栄光の座を手にしたとたん転落が始まる。守旧派の巻き返し。大衆の熱狂は糾弾へと転じた。 と、これはこのほど証券取引法違反で起訴されたあの男の話ではない。しかし、あの男に読ませてやりたいほど近似性が... ...続きを見る

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2006/02/14 22:10
佐々木譲 『駿女』 退屈で退屈で読み終えるのがしんどかったなぁ
昨年のNHK大河ドラマ「義経」は藤原泰衡に義経主従が討たれるところで完結しているがこの作品はその後のいわゆる奥州合戦、藤原一族とともにあった奥州豪族たちの鎌倉政権への叛乱と頼朝の軍勢に敗北していく末路を描いている。奥州合戦が奥州征討とも呼ばれるように先住民族・蝦夷に対する大和民族の征服史の一環でもあるところからこの作品でも古代から引き継がれている蝦夷の抵抗精神が織り込まれている。 ...続きを見る

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2006/02/08 00:45
ドナ・W・クロス 『女教皇ヨハンナ』下 白熱の大歴史小説。灼熱の恋愛が感動を誘う
真理を求めて、世のため人のために。 ヨハンナは聖職者としての途を歩む。 だが、キリスト教の「真実」は決してそんなものではなかった。 著者は佐藤賢一の中世西洋歴史小説と同様人間を呪縛する宗教世界を痛烈に告発する。 ...続きを見る

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2006/02/03 16:00
ドナ・W・クロス 『女教皇ヨハンナ』まさかこんなにスリリングな小説だったとは!!
「カトリック教会の公式記録から抹消され、伝承のみに語られてきた男装の女教皇。激動の中世ヨーロッパを舞台に、史実の間から謎の女性教皇の姿が浮かび上がる!歴史大河ロマンス」 とコピーを見ると、これはいくつもの文献を引用して歴史の裏をひもといたノンフィクション系フィクションか。堅物のそれなら襟を正して読むべきと腹を据えたものだが、とんでもない、冒頭からのサスペンスタッチに、危機又危機の連続と冒険小説なみの興奮。 読み出したら止められない。 これはいわばジェットコースター型エンタテインメントのジ... ...続きを見る

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2006/02/03 13:20
北方謙三 『水滸伝 』 第十九巻 「旌旗の章」 壮大なドラマここに完結する
不正が世を覆い、悪が巷にはびこる。権力は私利私欲をむさぼり、人民は苛斂誅求に呻吟する。農民は流民や盗賊に群れ、優秀な官吏・軍人は高潔さが疎まれる。天才的技能を持つ商工業者、教育者、医師、薬師、建築家たちもスポイルされた。彼らのやり場のない憤怒のエネルギーは世直し=替天行道の旗の下、新国家建設へと収斂していく。 ...続きを見る

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2005/10/31 23:11
ついに北方謙三『水滸伝』最終巻が刊行されました。
いよいよですね。北方謙三『水滸伝』第19巻完結編。本日の全国紙にページ全面広告。派手にやっています。とにかく面白かったですね。すぐに買ってラストを楽しもう。 スペシャリストが時代を変える 水滸伝は108名の個性集団が国家改革に挑む壮大なドラマです。この108人の人たちは、それぞれに専門的な能力を備えた超人的なスペシャリストであり、彼らが「志」をひとつにしてドリームチームを結成することで、「改革」は成し遂げられていきます。そう、いつの世も時代を変えるのは、独自の専門的なスキルと強固なチームワー... ...続きを見る

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2005/10/26 10:41
マシュー・パール『ダンテ・クラブ』が示唆する現代アメリカの狂気
今アメリカで勢力を強めつつある「知的設計論」をご存じだろうか。私は8月9日の日経紙コラム「地球回覧・進化論論争米国で再燃」で知ることになった。アメリカではしばらく前まで進化論を学校で教えること禁じる州法があって、今なおその賛否が分かれている。最新の世論調査でも「人間は神の手で作られたと信じる」と64%の人が回答するという。 ...続きを見る

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2005/08/11 22:59
最新刊です。北方謙三『水滸伝』第十八巻「乾坤の章」
これが最終巻になるものと思っていたがどうやらもう一巻あるようだ。『原典水滸伝』に史実を加えれば第十九巻でおそらく梁山泊軍は壊滅するのであろう。ここではその最終戦争の一歩手前の攻防戦の輝きがみられ、緊張感ある戦闘シーンを堪能できる。黄河と梁山泊湖で繰り広げられる水軍の激突。要衝二竜山、攻防の末の落城。そして宋禁軍の元帥・童貫との総力戦のせめぎ合い。いずれも印象に残る名場面であった。 このところ多少うんざりする語り口が続いただけに、久々に興奮を覚える描写の連続を楽しむことができた。 ...続きを見る

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2005/08/05 22:45
北方謙三『水滸伝』第十七巻「朱雀の章」 (再掲)
腐敗混濁の世を正す、「替天行道」の旗の下に結集した叛乱軍梁山泊。ついに宋国は梁山泊の完全殲滅を宣言した。十六巻までに108人からなる梁山泊の同志たちの33人が死んでいる。そしてこの巻では大幹部二人を含めた11人の命が失われる。 ...続きを見る

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2005/08/05 00:35
北方謙三『水滸伝』第十六巻「馳驟の章」大波乱の前兆か (再掲)
「原典水滸伝」をうわまわる天衣無縫の大活劇はなくなってきたような気はするが ...続きを見る

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2005/08/04 23:59
北方謙三『水滸伝』第15巻「折戟の章」そろそろ倦怠感が出てくる
いついかなる戦争にもカッコイイ終わり方などあるはずはないのだ。 宋国も梁山泊側もともに戦いに疲れが見え出す。この大河小説の筆の運びも息が切れ始めたかとの印象を受けるが、むしろこの第15巻は終結へ向けて流れを変えるタイミングのための踊り場なのだろう。 ...続きを見る

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2005/08/04 22:35
北方謙三『水滸伝』第十四巻「爪牙の章」北方節、絶好調!!
男女の交情、親子の情愛、子弟の薫陶など人情の機微の色模様も多彩。これもまた通俗の極致なのだが、聞かせる北方節なのだ。 もともと日本人は英雄を好んでもそれは悲劇の主人公であって原典「水滸伝」に登場する英雄のように天衣無縫に暴れまわりカンラカラカラと高笑いする豪傑は大人の趣味とされていないのではないだろうか。 人情についても原典「水滸伝」の英雄・豪傑たちの人情の世界は義や信、誠に生きる男のつきあいの世界に徹していて、それは日本人も好きなのだが、もう一方にある劇的な男女の愛憎や抜き差しならぬ親... ...続きを見る

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2005/08/03 23:34
北方謙三『水滸伝』第十三巻「白虎の章」この大河小説のゆくえを推測する
宋国と梁山泊の全面戦闘が引き続き描かれる。梁山泊の大敗する戦もあるがこれまでさまざまな趣向を見せてきた戦絵巻もマンネリ化し、緊張感が薄れてくる。両陣営とも水軍の強化に工夫があって、来たるべき水軍戦の模様が大いに楽しみなのだが、いつごろになるのだろうか。ストーリーの太い幹がここまで拡散すると、大長編もそろそろ結末を見据えた整理が必要であろうと読み手としては傍目八目の構えとなる。 ...続きを見る

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2005/08/03 20:20
北方謙三『水滸伝』第十二巻「炳乎の章」晁蓋を誤解した毛沢東
梁山泊の双璧、そのひとりであった晁蓋の死は敵味方にどのように受け止められたか。そしてあの毛沢東は水滸伝を悪書として指弾する。 ...続きを見る

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2005/08/01 22:55
北方謙三『水滸伝』第十一巻「天地の章」城郭攻略の準備
第十一巻ともなるとラストの山場を除けばいささか中だるみの感が出てくる。ただ梁山泊ではこれまで野戦を主とする軍事力増強であったが、首都開封を念頭にした城郭(まち)攻略の軍備に注力し始めるところがいかにももっともな北方一流の発想だと感心する。 野戦で活躍していた騎馬隊だけでは駄目なのである。攻城兵器を扱う重装備の部隊が欠かせないと、衝車、雲梯、投石器、大砲の製作に取り掛かる。さらには造船所を建設し軍船と水兵を育成する、水軍の強化である。 この『水滸伝』では「梁山泊山寨」を黄河につながる梁山湖... ...続きを見る

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2005/08/01 22:05
北方謙三『水滸伝』第十巻「濁流の章」乾坤一擲の連環馬とは?
梁山泊に負け続ける宋国、「一度必ず勝て」と国境軍最強の将軍呼延灼に命令が下った。双鞭・呼延灼の秘策、乾坤一擲の連環馬とは? 高球が禁軍の大将となってから腐敗は瞬く間に拡がった。軍とは外敵から国を守ることが使命だとする名将呼延灼はあえて禁軍より国境軍を志望し、代州軍を精強の部隊に育て上げていた。最高権力者蔡京宰相の名の下に禁軍総帥童貫は彼に「必勝」を命ずる。代州軍一万、その後方に高球の一万。対する梁山泊はほぼ全軍一万余を晁蓋が率いる。 呼延灼側から実戦用大砲の号砲が轟く。そして不敗の戦法・... ...続きを見る

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2005/07/29 23:10
北方謙三『水滸伝』第九巻「嵐翠の章」もうひとりの総帥晁蓋とはいかなる人物であるのか
晁蓋と宋江このふたりの総帥は梁山泊にとって健在でなければならない。どちらかひとりを失えば全土で梁山泊に好意をもっている者たちの衝撃ははかりしれない。官軍にはやはり勝てないのかと諦めにもつながりかねない。 ...続きを見る

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2005/07/29 22:54
北方謙三『水滸伝』第八巻「青龍の章」宋江とはいかなる人物であるのか そのリーダーシップは
青蓮寺は独竜岡に砦を築いた。梁山泊の拠点網のど真ん中。梁山泊の勢力を開封府、北京大名府、南京応天府とともに包囲し外から内から崩そうとする壮大な作戦が展開される。その中心が祝家荘であり、宋江を総帥とした梁山泊全軍を挙げてこれを攻撃するが………。 砦の内部はいたるところに迷路があり、周辺も含め殺傷用の罠が張り巡らされて、攻撃を待ち受ける構えを見せている。禁軍の宿元景率いる精強騎馬隊五千がこれに加わる。 ...続きを見る

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2005/07/21 22:53
北方謙三『水滸伝』第七巻 「烈火の章」 ついに宋江が梁山泊に入る
戦闘シーンに手に汗を握りながら、一方でクールな今日的政治力学の世界が展開される。これも北方『水滸伝』の魅力だろう。 ...続きを見る

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2005/07/21 14:44
北方謙三『水滸伝』第六巻 「風塵の章」集団戦闘を楽しもう
第五巻から第七巻までは武松と李逵のふたりだけを供に従えた宋江の逃避行を軸として梁山泊の新たな展開が記述される。青蓮寺側の暗殺者として抱きこまれた馬圭の手引きによる青面獣・楊志の壮絶な死、女真族との同盟工作に失敗し囚われた魯智深がみずから手首を切り落とす決死の脱出、青州官軍にあって勇猛で知られる将軍、霹靂火・秦明の梁山泊への仲間入りなどページを繰るのがもどかしくなるような緊張のエピソードが連続する。 ...続きを見る

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2005/07/15 22:42
北方謙三『水滸伝』第五巻「玄武の章」スローガン「替天行道」とは
北方・梁山泊のは原典「水滸伝」のそれとはかなり異なるのではないかと思いつつ………。 梁山泊の首領は宋江と晁蓋である。ここにやがて数万人の賊徒が結集する。108人の親分たちは宋江の主張する革命思想に共感するのである。それを書き表したものが檄文あるいはパンフレットの「替天行道」だ。その具体的内容は明らかにされないのだが、おそらく君主独裁の権力機構を打倒し、民の安寧と繁栄を希求する「民主」の政治機構を擁立せんとする主張を平易にしかも熱烈に語りかけている小冊子であろうと推測できる。 この「志」に... ...続きを見る

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2005/07/15 22:33
北方謙三『水滸伝』第四巻 「道蛇の章」 原典水滸伝とどこがちがうのか
梁山泊の首領である宋江だが、少年時代に読んだ簡略本では共感できる人物とはとうてい思われなかった記憶しかない。中国文学に詳しい高島俊男著の『水滸伝の世界』(ちくま文庫)を参考にして、なるほどと納得したしだいである。 ...続きを見る

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2005/07/14 14:59
北方謙三『水滸伝』第三巻「輪舞の章」梁山泊の前に強大な敵が姿をあらわす
当時の宋王朝は遊興にふける皇帝徽宗の下、政治は宰相の蔡京、軍事は禁軍大将高球ら国家腐敗の元凶である奸臣が牛耳る、財政軍事面でも脆弱な体制であったからそのままでは強靭な軍事力・組織力を有する新国家梁山泊の敵ではありえない。敵が強大であればあるほど読者はそのストーリー展開に魅了されるものだ。北方謙三はここで現王朝の裏に「青蓮寺」と名乗る精強の謀略集団を登場させるのだ。総帥は袁明。精鋭の私兵特殊部隊を率いる。暗殺、諜報、撹乱、ゲリラ戦。梁山泊の資源、塩の道をたつための執拗な攻撃で見せ場は華やかに盛... ...続きを見る

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2005/07/14 14:54
北方謙三『水滸伝』第二巻「替天の章」ついに替天行道の旗が梁山泊に
10世紀の半ば、北宋は太祖趙匡胤が開封に都を置いた。江南諸国と北漢をつぎつぎに平定し,太宗の初めに中国統一を成就し,君主独裁の中央集権体制を築いた。統一して数十年もたつと,社会のひずみが表面化してくるものだ。官僚と軍隊の数が年々増えて財政を圧迫した。そのしわよせが農民への重税となり,生活に苦しむ農民は流民や群盗となる。賄賂の横行があれば、優秀な官吏・軍人は高潔さが疎まれ、謀反の冤罪で追われる。さらに天才的技能の持ち主である商工業者、教育者、医師、薬師たちもそのためにスポイルされる。 ...続きを見る

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2005/07/13 10:48
北方謙三の大長編小説『水滸伝』が近々完結する そこで第一巻「曙光の章」より
時は北宋の末期、最後の皇帝徽宗治下。政治のことは宰相の蔡京にまかせて,日夜遊興にふけり,書画骨董の収集に熱中し,豪壮な宮殿,庭園,道観等を造営したりして,莫大な金銭を使った。その穴埋めのために,蔡京はあらゆる手段を用いて誅求を行い,人民を苦しめたので,浙江の方臘(ほうろう),山東の宋江はじめ各地で反乱が勃発し,政府はその鎮圧に手をやいた。この史実を背景に108人もの英雄・豪傑が腐敗した国家転覆のために勇壮無比の戦いを挑みやがて破れていく大長編口語小説がいわゆる水滸伝である。施耐庵と羅貫中によ... ...続きを見る

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2005/07/13 10:28
04/09/16 サラ・ウォーターズ 『荊の城』エロ グロ サディスティックとビクトリア朝の偽善
?ポルノ=ポルノグラフィーとは「偽善や上品ぶる内面の感情を暴露したものに他ならない。W.アレン」とすれば、この作品、まさしく正統派のポルノである。 前作『半身』で披露されたねばねばした隠微な妖しさ、取り繕った表面からは想像できない人間の卑しさがここでも装飾的、技巧的な文体で絡みつくように表現される。 ...続きを見る

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2005/06/20 21:18
「浅田次郎」について『蒼穹の昴』『壬生義士伝』『天切り松闇がたり』
「浅田次郎」について 私も浅田次郎を最初に読んだのが『蒼穹の昴』でした。 清朝末期の複雑で国際的な政治情勢と主人公の印象的な生き方がしっかりと重なり合って、しかも西太后の人物評価に独自の史観で光を当てたところが傑作でした。 これまでの浅田次郎の一番好きな作品です。 ...続きを見る

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2005/06/07 20:32
最新刊・北方謙三『水滸伝第十七巻朱雀の章』いよいよ最終章へ向けて若い人物ふたりが立ち上げる
腐敗混濁の世を正す、「替天行道」の旗の下に結集した叛乱軍梁山泊。ついに宋国は梁山泊の完全殲滅を宣言した。十六巻までに108人からなる梁山泊の同志たちの33人が死んでいる。そしてこの巻では大幹部二人を含めた11人の命が失われる。 ...続きを見る

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2005/05/16 22:54
「黄金旅風/飯嶋和一」について 主人公末次平左衛門は長崎の民にとって本当に英雄だったのかしら?
「黄金旅風/飯嶋和一」について とても面白い歴史小説でした。悪の竹中重義をやっつけるのは良かったんですが結局その後ますます鎖国政策は厳しくなって、キリシタン弾圧は過酷になっていくんですね。歴史の皮肉でしょうか。いっそ主人公は不自由な日本を飛び出して東南アジアで活躍すれば反逆児らしくすっきりしたことでしょう。 ...続きを見る

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2005/05/02 13:21
2003/08/04 佐藤賢一 『オクシタニア』人間は極限状況でいかに神と向き合うか
13世紀フランス南部の豊饒の地「オクシタニア」の覇権と異端カタリ派をめぐる複雑な対立の構図を丹念に描く歴史小説であるが………。 オクシタニアは当時トゥールーズ伯を中心とする複数の諸侯がそれぞれの領地で繁栄を競っていた。物語は1208年ローマ教皇使節がトゥールーズ伯の家臣に殺害されたことを契機に教皇インノケンティウス3世が討伐の十字軍を宣布することに始まる。北フランスの諸侯や騎士団で組成された十字軍が、オクシタニアの諸侯連合と攻防戦を繰り返し、一時は敗退する。やがて、フランス王の介入による、... ...続きを見る

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2005/05/01 07:29
「徳川家康 全26巻を読破」について
「徳川家康 全26巻を読破」について オジサン世代もこれを読んだ仲間が大勢いました。結局このオジサンは読まずじまいでした。 ...続きを見る

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2005/03/28 16:41
NHK大河ドラマ『義経』よりもはるかに面白い、これもまた義経のお話
NHK大河ドラマ、陽光に輝き真っ白な駿馬が翔ける。颯爽の貴公子・多感の若武者・軍事の天才・波乱の生涯。非業の最期を遂げる義経の人物像は「判官贔屓」の言葉どおり国民大衆がいまなお追慕しつづける完成された日本型英雄である。おそらく放映中の大河ドラマもNHKだからこの枠をはずすことはないだろう。一方の頼朝については疑心暗鬼・優柔不断・嫉妬妄想・陰険嗜虐のイメージが刷り込まれている。 ...続きを見る

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2005/03/24 23:37
2002年5月18日 英雄待望論の陥穽 曽野綾子「狂王ヘロデ」
ミステリーも面白いことに変わりはないが、最近では宗教周辺の読み物にも興味を惹かれるようになったのはやはり歳のせいなのだろうか。 ...続きを見る

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2005/03/19 01:24
2002年1月20日滅びの残酷史船戸与一『蝦夷地別件』
船戸与一の作品で何が一番面白いかとたずねられ、「蝦夷地別件」と答えました。1995年に読んだ記録があります。当時は札幌勤務中でしたので職場の仲間たちに必読本としてこれと井上ひさし「四千万歩の男」(伊能忠敬)を北海道開拓の裏舞台を理解する意義を含めとにかく面白いからと薦めていました。昨日読み終えた「緋色の時代」が期待はずれだったことからいまさらですが「蝦夷地別件」は稀有壮大な構想と的確な歴史認識をもって、少数民族の滅亡の地獄図を鬼哭啾啾と描き、かつ2800枚の大長編でありながら読者を退屈させな... ...続きを見る

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2005/03/11 21:55
2002年1月12日 藤本ひとみ『ジャンヌ・ダルク暗殺』
年頭にふさわしく、明日への展望を切り開く(?)、元気の出るミステリーに出くわしました。フランス歴史物をいくつも発表している作者ですが、初めて読む作品です。佐藤賢一の重厚さはありませんが充分に楽しめました。ジャンヌ・ダルクが1月6日生まれでもあり、これは正月用の読み物であります。 ...続きを見る

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2005/03/10 16:30
2001年12月25日 浅田次郎『壬生義士伝』
正月2日に12チャンネルが12時間ドラマを放映する。おせち料理をつつきうとうとしながらわかりやすい時代劇を楽しむにもってこいの番組であるが今回は「壬生義士伝」がドラマ化された。 ...続きを見る

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2005/03/07 23:44
北方謙三『水滸伝』既刊16巻すべての解説をどうぞ
北方謙三が「原典水滸伝」を換骨奪胎し独自の水滸伝世界を作り上げた。 すでに16巻までが発刊されまだ終結しそうにないのだが。 各巻それぞれの」見所、読みどころを『原典水滸伝」や歴史的事実と比較しながら分析してみました。 ...続きを見る

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2005/03/03 23:52
2001年10月20日 高橋克彦「火怨」にみる敗北の美学
推理小説では「写楽殺人事件」SF伝奇で「総門谷」この二つの作品を読んでこの作家の力量を感じていました。しかし、「総門谷の続編、続々編」にいたっては、うんざり。量産で粗悪製品の多発に陥ったかと心配していましたところ、新ジャンルのまっとうな歴史小説、「火怨」、文句なしに面白かった。 ...続きを見る

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2005/03/03 14:41
極楽寺ヒビキ遺跡と黒岩重吾『ワカタケル大王』
大臣(おおおみ)葛城円(つぶら)は雄略天皇に滅ぼされた。この遺跡が発見され学術的にも大きな話題をよんでいる。最近読んだ黒岩重吾『ワカタケル大王』ではワカタケル=雄略天皇が生涯最大の敵である大豪族・葛城円に奸計を用い、館を焼き討ちで攻め滅ぼすシーンが山場となっているが、下記のニュースによると短期間で焼失した痕跡があるらしい。古代史ロマンの第一人者とされた黒岩氏の歴史考証の研鑽の証しを見てあらためて感じ入った。。 ...続きを見る

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2005/02/25 20:43
リアルタイム 黒岩重吾 『ワカタケル大王』 
死の直前の大作に見る、巨匠の最後の最後まで燃焼し続けたそのエネルギー ...続きを見る

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2005/02/19 01:04
2001年5月18日 佐藤賢一 『ふたりのガスコン』 
?17世紀、フランス絶対王政確立期を舞台にブルボン王朝の一大お家騒動に身を投じる二人の熱血漢の大活劇ロマンであります。ガスコンとは日本で言えば薩摩隼人。 ...続きを見る

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2005/02/13 19:41
リアルタイム 北方謙三 『水滸伝 第十六巻 馳驟の章』
「原典水滸伝」をうわまわる天衣無縫の大活劇はなくなってきたような気はするが。 ...続きを見る

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2005/02/04 16:58
リアルタイム 高橋克彦『天を衝く』 「北の鬼」といわれた九戸政実の生涯
熾烈な経済戦争の結果今を生きる「負け組」にとどけ!歴史に埋もれた南部武者の魂の叫びを ...続きを見る

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2005/01/12 15:30
2001年2月3日 「ときは今 天が下ふる五月かな」 
「本能寺の変」は人口に膾炙されながらも今なお、わが国中世以降の歴史上、最大級のミステリーであることに変わりがありません。「国家」という新概念の萌芽時期であったとともにあまりにもドラマチックな要素がふんだんに凝縮されているからです。 池宮彰一郎「本能寺」は本格推理小説の傑作、高いレベルの謎ときものとしても楽しむことができます。まず謎の提示ですが、これはなぜ光秀は謀反を起こしたのかという視点。 桶狭間から描かれる英傑信長の思想・行動・圧倒的影響力など丹念な史上事実の叙述は最終章にむけた緻密な... ...続きを見る

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2005/01/08 22:55
リアルタイム 源平合戦の新視点 池宮彰一郎『平家』
今年のNHK大河ドラマは「義経」。原案は宮尾登美子とされているがNHK大河ドラマは「宮本武蔵」が吉川英治原案とされていたのにもかかわらず内容がまるで違ったものになっていたことからも宮尾判『平家』がどこまで活かされるかは疑問である。一風変わったしかも面白いし史実はきちんと押さえられた源平盛衰物語では池宮彰一郎の『平家』をお勧めしたい。 ...続きを見る

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2005/01/02 11:34
2000年11月30日 敵討ちの背景 池宮彰一郎「天下騒乱」
「花見の仇討ち」という落語の面白さは敵討という武士階級にのみ許された公認の私闘を庶民が笑い飛ばすところにある。「盲亀の浮木、優曇華の花咲きえたる今日の対面、いざ尋常に勝負、勝負」。落語だけでなく講談でも「高田馬場」の中山安兵衛は大方の庶民にとって身近な英雄として迎えられている。あれは飲兵衛で長屋住まいの素浪人だったからであろう。 ...続きを見る

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2004/12/03 20:42
2000年8月10日 死に様の美学 浅田次郎『壬生義士伝』
?「戦にて死ぬことこそがあっぱれ武士の誉れじゃなどと、いってえどこの誰がそんたな馬鹿なことを言い始めたのでござんすか。わしはわしなりに、四書五経ば修めてしみじみ思うた。孔子様はそんたなこと、ひとっこともおっしゃられてはおられね。君に忠、親に孝とは申されても、忠孝のために死せよとは申されてね。」 「わしが立ち向かったのは、人のふむべき道を不実となす、大いなる不実に対してでござんした。わしらを賊と決めたすべての方々に物申す。勤王も佐幕も、士道も忠君も、そんたなつまらぬことはどうでもよい。石を割... ...続きを見る

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2004/11/29 19:26
2000年7月21日 船戸与一の最高傑作 滅びの残酷史
船戸与一の作品で何が一番面白いかとたずねられ、「蝦夷地別件」と答えました。 ...続きを見る

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2004/11/25 23:23
2000年6月12日 佐藤賢一「カルチェラタン」の奥行きの深さ
佐藤賢一「カルチェラタン」は文体は軽妙、洒脱であるが実に懐深いテーマに挑戦した野心作である。 ...続きを見る

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2004/11/24 23:03
リアルタイム 北方謙三版『水滸伝』の帰趨はいかに
北方謙三『水滸伝』は彼独自の物語世界を作り上げたとたいへん評価が高くすでに回を重ねて第15巻がこのたび刊行された。とにかくこれまでは波乱万丈のストーリー展開を堪能してきた。この「折戟の章」について一言。 ...続きを見る

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2004/11/09 21:08
2000年4月7日 高橋克彦の久々の傑作 歴史小説、「火怨」
推理小説では「写楽殺人事件」SF伝奇で「総門谷」この二つの作品を読んでこの作家の力量を感じていました。 しかし、「総門谷の続編、続々編」にいたっては、うんざり。量産で粗悪製品の多発に陥ったかと心配していましたところ、新ジャンルのまっとうな歴史小説、「火怨」、文句なしに面白かった。八世紀、東北制覇を狙う朝廷の十万の大軍を迎え撃つ一万五千の蝦夷。真田戦記や三国志などかつて戦記物に興奮した記憶がありますが、智將、勇将が繰り広げる戦闘シーンの連続にゾクゾクし、義侠心、「男の心意気」にうっとりします... ...続きを見る

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2004/11/06 23:37
1999年12月19日 今年最後のミステリーは佐藤賢一の「王妃の離婚」
この人勉強家だな。 「カエサルを撃て」はガリア部族から見たカエサル・シーザーのガリア戦記です。よく書けている歴史ロマンはいつでも私達の知的好奇心を満足させてくれます。百科事典や歴史地図を眺めながら当時の権力争いを想像することは楽しいことでした。 部族間の統一を理屈ではなくむき出しの本能、獣性をもって成し遂げるガリアの英雄。ローマ旧勢力との葛藤に右往左往、インテリの劣等感から政策判断は優柔不断、しかし戦闘の天才カエサル。この対比が軸になって物語が進行します。 ガリア英雄の暴虐、殺戮、陵辱... ...続きを見る

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2004/10/29 20:16

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